不動産関係の仕事をしていると、「アパート経営は儲かりますか?」という質問を受けることがあります。
結論から言うと、アパート経営は「儲かるケースもあれば、儲からないケースもある」というのが正直な答えです。
一般的に、アパート経営において立地は重要だと言われますが、立地が良くても過剰な借入金があれば儲かりませんし、多少立地が悪くても借入金がほとんどなくて、儲かっている場合もあります。
この記事では、アパート経営で成功するためのノウハウを教えします。
これからアパート経営を始めようという方に向けて、「アパート経営のメリット・デメリット」から、「アパート経営の収支やキャッシュフロー」、「儲かるアパート経営のための7つのポイント」まで儲かるための秘訣を詳しく紹介します。
ポイントをしっかり押さえて、儲かるアパート経営実現の一助としてください。
「土地活用を検討しているけれど、難しい話をたくさん読むのは苦手」という方は、この記事をざっくりと大枠で押さえた上で、「
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1.アパート経営のメリット
最初にアパート経営を通して得られる利潤にはどんなものがあるのか?アパート経営におけるメリットを見てみましょう。
1-1.相続対策となる
アパート経営のメリットの1つ目は、相続対策になるという点です。
アパートを建てると、時価よりも相続財産の評価額を下げることができるため、実際に持っている財産よりも少ない相続税が課税されることになります。
アパート建築は、儲かるからというよりは、相続対策のために行っている方も多いです。このことを値として表したのが以下の「貸家着工戸数と家賃指数の推移」です。家賃指数とは全国の住宅の家賃を指数化したもので、この中にはアパートも含まれます。

出典
●貸家着工戸数:国土交通省「新設住宅着工戸数の推移(総戸数、持家系・借家系別)」
●家賃指数:総務省「消費者物価指数」
図の中の家賃指数を見てみると、一貫して下落しており、アパート経営は必ずしも儲かる環境にあるとは言えません。
しかしながら、2014年から2016年にかけて貸家の着工戸数が伸びた時期があります。これは、2015年に相続税法が改正され、相続税の納税義務者が増えたことが理由です。つまり多くの方が、相続税対策のためにアパート経営を始めたことがわかります。
その後、金融庁が銀行に対してアパートローンの監視を強化したことから、アパートローンが組みにくくなり、着工数は減っています。ただし、アパートローンが組みにくいということは、儲かるアパート経営という面では必ずしもマイナスの要因ではありません。
2020年においてはアパートローンを組むには十分な自己資金が必要であり、現時点で融資審査を通すことのできる人は、儲かるアパート経営がしやすいということを意味しています。
1-2.建てやすい
アパートは、規制や金額面から建てやすいというメリットもあります。
土地の利用規制から見ると、アパートは工業専用地域と呼ばれる大規模な工場地帯を除けば、どこでも建築することが可能です。建物投資額も1億円を下回ることが多く、不動産投資にしては金額が少ない部類です。また、賃貸需要も全国に広く存在しており、オフィスのように駅前の一等地に土地を持っていないとできないものでもありません。
建築規制が緩く、金額も比較的少額で、なおかつ賃貸需要も拾いやすいことから、オフィスビルや一棟マンションと比較すると建てやすいのが利点です。
1-3.賃貸需要が安定している
アパートのような住居系の賃貸物件は、賃貸需要が安定しているのもメリットです。
賃料単価も景気に左右されることなく、ほとんど変動しません。
「1-1.相続対策となる」の節で紹介した家賃指数のグラフも、2009年度が102、2018年度は99.2という数値ですので、下がっているとはいってもわずかに逓減している程度です。
また、常に一定の賃貸需要が存在することから、入居者が退去してもすぐに次の入居者がほぼ同じ家賃設定で見つかります。
コンビニのような一棟貸しの事業系賃貸物件だと、一度テナントが抜けてしまうと次のテナントを見つけるのに苦労する場合もあります。家賃も半額以下に下げるようなこともあり、事業系の賃貸物件は賃貸需要が不安定でリスクが高いといえます。
アパート経営は賃貸需要が安定していることから、低いリスクで投資を行うことができます。
2.アパート経営のデメリット
それでは、アパート経営を行う上で注意すべきことはなんでしょうか。この章ではアパート経営のデメリットについて解説していきます。
2-1.満室以上に儲けることができない
アパート経営は、満室以上に儲けることができないというのがデメリットです。
ヒット商品が生まれて一気に売上が伸びるというビジネスではなく、儲かったとしても上限があり、満室までということになります。
アパート経営は満室という天井があるため、「いかに空室を減らすか」が儲かる最大のポイントとなります。そして空室を減らすには、「立地が良いこと」と「築年数が新しいこと」の2つが大きな影響を与えます。
アパート経営をするには、できるだけ立地が良い場所に、新築で建てることが儲かるのが秘訣といわれるのはこういった理由からです。
2-2.供給過剰になりやすい
アパート経営は供給過剰になりやすいというのがデメリットです。これはアパートが建てやすことの裏返しでもあります。
また、建てやすい以外にも簡単に供給が「減らない」というのも供給過剰の原因です。アパートは一度建築されると、一般的に十年単位にわたり部屋が供給されます。
通常の工業製品であれば、需要が減れば生産量も減るため供給量が調整されます。しかしながら、アパートの場合、壊されない限り部屋がその地域に存在し、新築物件ができると部屋が増え続けることなります。
既に供給されている古いアパートに空室が出ると、賃料を下げてでも空室を埋めようとします。新築物件で地域に参入したとしても、数年経てば供給過剰の渦に巻き込まれていきます。
再び需要過多になることは期待できないことから、競合との差別化を十分に検討してアパート市場に参入することが必要です。
2-3.築年数が経過すると収支が悪化する
アパート経営は、築年数が経過すると収支が悪化するのがデメリットです。
新築当初は賃料が高く、空室は少なく、なおかつ修繕費もほとんどかかりません。アパート経営は、最初の10年くらいはあまり心配することなく儲けることができます。
築10年を過ぎたころになると、徐々に修繕費の支出が出てきます。修繕を怠ると空室が増えるため、やはり相応に投じる費用が必要となります。
空室も徐々に増えていくため、賃料を下げて募集していくことになります。空室対策のリフォーム等も必要となり、収入は減って支出が増える結果となるのです。
築年数による収益の悪化は、立地条件が悪い物件ほど早く訪れます。
良い立地の物件だと、築年数が古くなっても空室や賃料下落がほとんど発生しないので、長い目で見ると立地は一番大切な要素であることがわかります。
アパートで儲けようとするなら、少しでも良い立地に建てるようにしてください。
3.アパート経営の利益とキャッシュフローの違い
アパート経営では、利益とキャッシュフローの違いを意識しておくことが重要です。
キャッシュフローとは、アパート経営によって最終的に残る手取り・手残りのことを指し、アパート経営で儲かったということは、キャッシュフローがあったということです。
アパート経営で利益とキャッシュフローが異なる原因は、「減価償却費」と「借入金返済額」の2つがあるためです。
減価償却費とは、建物の価値を毎年減少させていく手続きで発生する会計上の費用です。会計のルール上発生する費用のため、実際に支出が伴う費用ではありませんが、費用として計上されるため、会計上の利益が小さくなります。
アパート経営の税金は利益に対して課税されるため、利益が小さいと税金も小さくなります。減価償却費は実際にお金が支出されないにも関わらず、税金を小さくしてくれるありがたい存在であり、節税効果があるのです。

一方で、対照的なのが借入金返済額です。
借入金返済額は支出を伴いますが、利益を小さくしてくれる費用にはなりません。借入金返済額が費用にならないのは、お金の貸し借りは会計上の損益ではないためです。
お金を借りた際、借りたお金が売上として課税されないことと同じです。借りたときに課税しなかったのだから、返したときも節税できないというのが理屈となります。
アパート経営で過剰な借入金を借りていると、会計上の利益は出ているのにキャッシュフローはマイナスということもあり得ます。
都市部の立地の良いアパートであっても、借入金が過剰であれば儲からないのは、キャッシュフローが悪いからです。
一方で、借入金が全くない状態であれば、空室だらけでもキャッシュフローはプラスのこともあります。
借入金の返済が終わっているような物件で、郊外の築古アパートであっても儲かっていることはあるのです。
よって、アパート経営で儲けるには、キャッシュフローをプラスにすることが必要です。
自己資金を増やして借入金を少なくし、なるべく空室の発生しない状態にすることが儲かるアパート経営の鉄則です。
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4.儲かるアパートにする7つのポイント
アパート経営で儲かるにはキャッシュフローが大切だと述べましたが、この章ではさらに具体的に、「アパート経営で利益を出すためにどうすればいいのか?」に答えていきます。この記事の核心部分になりますので、じっくりお読みください。
4-1.(1)建築プランを十分に検証すること
アパートは30~40年間もの間、稼ぐことができる資産となるため、最初の投資が肝心です。儲かるアパートにするには、アパートを建てる前の建築プランを十分に検証することが重要となります。
アパートの建築プランは、ハウスメーカーから提案を受けることが通常です。
ハウスメーカーには、得意とする構造や工法が異なり、デザインや企画力、入居者を募集する力等も各社で異なってきます。ハウスメーカーは、自分たちの得意とする分野を中心に提案してくるため、1社の建築プランを何度描き替えてもらっても限界があります。
1つのハウスメーカーに絞るよりは、複数のハウスメーカーの提案を比較した方が、儲かるための建築プランを見つけやすくなります。
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こうした一流のハウスメーカーは、施工の質が高いだけでなく、生産工場も持っており、かつ、部材の購買量が多いため、建築のコストパフォーマンスも高いのが特徴です。また、企画力も高く、入居者を募集するメソードに優れたプロの人材を備えています。ハウスメーカーに勤務している設計者も優秀な設計士が多いので、オーナー側の希望をきちんと具現化してくれます。
儲かるアパートを建てるには、まずは良い資産(建物)を作らない限り、話になりません。一流のハウスメーカーは、稼ぎ続けることのできる一流の資産を作り上げてくれます。
儲かるアパートを建てるには、「安かろう、悪かろう」では絶対にダメです。きちんとした建物を建てることが必須条件ですので、まずは一流のハウスメーカーから建築プランの提案を取り寄せるようにしてください。
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4-2.(2)環境変化に応じた設計企画とすること
儲かるアパート経営にするには、環境変化に応じた設計企画を立てることがポイントです。
今後生じる環境変化としては、世帯構造の変動があります。
これからの日本はファミリー世帯が減り、単身世帯が増えていきますので、単身世帯を狙った間取りの企画にすることが重要です。
国立社会保障・人口問題研究所の「
日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018(平成30)年推計」によると、今後の国内の世帯数の将来予測は以下のようになっています。

ファミリー世帯は2020年にピークを迎えて、今後は減少の一途を辿りますが、単身世帯は2030年までは増加傾向にあります。
今後の世帯数動向を加味すると、3LDKよりも2DKや1LDK、1Kのような小さな間取りのアパートに建て替えた方が望ましいです。郊外の場合、単身者が広めの部屋に住みたがるので、2DKの単身者需要があれば40平米以上の2DKとすることもおススメです。
理由としては、1戸を40平米以上にすると建物の不動産取得税の軽減を受けられるからです。
2DKは、単身者以外に、DINKS(Double Income No Kids)世帯や、就学前児童がいるファミリー世帯の需要も狙えます。郊外でも空室が発生しにくい間取りですので、立地に応じて検討してみてください。
また、単身世帯の中で増加が顕著なのが高齢者の単身世帯です。
高齢者の単身世帯は、いまでも賃貸ニーズが高いですが、入居を断るオーナーが多く、需給のギャップが生じています。そのため、企画の段階から高齢者の単身世帯を狙ったアパートにすると儲かるチャンスが膨らみます。
現在では、高齢の単身者を赤外線センサーによって安否を見守ることができるシステムがありますし、入居者が一定期間動かなくなると急行してくれるサービスを提供しているセキュリティ会社もあります。このような設備システムやサービスを建築プランの段階で取り入れると、他の物件との差別化が可能です。
室内における入居者の自然死は事故ではありませんので、万が一孤独死が生じても事故物件には該当しません。よって、早期に発見できる仕組みが整っていれば、物件の価値を落とすことにはなりません。
賃貸借契約を入居者の子供と契約することで、不払い等のリスクを回避することもできます。
高齢者の単身世帯は、一工夫するだけで儲かる物件にすることができます。需要は高いのに供給は少ない領域ですので、建築プランを立てる時に選択肢のひとつに入れてみてください。
4-3.(3)自己資金を十分に用意すること
「3.アパート経営の利益とキャッシュフローの違い」の章でも述べましたが、儲かるアパート経営には自己資金を十分に用意することが必要です。
自己資金を増やせば、借入金返済のリスクも減りますので、安心してアパート経営をすることができます。自己資金は借入金の返済額も減らしてくれるので、キャッシュフローが良くなります。また、キャッシュも溜まりやすいので、将来発生する修繕や空室対策のために備えることができます。
また、オーバーローン(ローン残債が売却額よりも高いこと)にもなりにくく、万が一の時にも売却しやすいです。
このように自己資金にはアパート経営を良くする様々な効果がありますので、建築費の30~50%程度を用意しておくのが理想です。
たまに必要な自己資金は10%程度と説明する方がいますが、10%というのはあくまでもアパートローンを借りるための最低限必要な自己資金を指します。儲かるアパート経営をするなら、少なくとも30%程度は用意するのがいいでしょう。
アパート経営を始める方の中には、どうしても「たくさん借りることのできる銀行」を探して喜ぶ人が多いです。しかしながら、「たくさん借りる」ということはキャッシュフローを悪化させることになるので、自ら儲かりにくいアパート経営をしようとしていることになります。
儲かるアパートにするには、融資審査が厳しい銀行でも融資を通すくらいの気持ちが必要です。融資審査が厳しい銀行は、「自己資金が十分である」「物件の立地条件が良い」等の条件を重視しています。
これらの条件は、全て儲かるアパート経営の必須条件です。
融資審査の甘い銀行から「たくさん借りる」のでななく、まずは自己資金を確保し、どんな銀行からも「ぜひ当行でお借りください」と頼まれるような状態を目指すようにしてください。
4-4.(4)借入金の返済は減価償却費内とすること
儲かるアパート経営にするには、借入金の返済は減価償却費内とすることがポイントです。
アパートローンの組み方は、以下の2点を守るようにしてください。
- 毎年の返済額を「減価償却費以内」とする
- 借入期間を「耐用年数以内※」とする
※耐用年数とは減価償却費の計算が行われる期間のことです。
下図は、アパート経営における収支の概念図で、上段が「利益」下段が「キャッシュフロー」を示しています。

減価償却は、会計上は費用にはなりますが、支出を伴わないお金です。それに対して、借入金の元本返済額は、費用にはなりませんが支出を伴うお金です。
両者は相反する関係にありますが、減価償却費と借入金の額を同額にすると利益とキャッシュフローが同額になる性質があります。
借入金返済額が減価償却費よりも大きくなると、利益よりも小さいキャッシュフローしか得られません。最低でも利益以上に儲けたい場合には、借入金返済額は減価償却費よりも少ない額に設定することが必要です。
ここで注意していただきたいのが、減価償却費が計上されるのは耐用年数以内だけという点です。耐用年数を超えると減価償却費が計上されなくなるため、賃料収入が増えていないにもかかわらず、税金がいきなり上がります。そのため、耐用年数が過ぎても借入金の返済が残っている状態だと、アパート経営が一気に苦しくなります。
以下は借入金返済額が残っている状態の収支の状況を示した図です。上段が「耐用年数内」での状況、下段が「耐用年数超」での状況を示します。

税金に関しては、耐用年数が過ぎると減価償却費が計上されなくなるため、利益が大きくなり税金が増えます。この時点で借入金の返済が終了していれば、特に問題ありません。
しかしながら、上図の下段のように耐用年数が過ぎた後にも借入金の返済が残っていると、税金が増えることにより、一気にキャッシュフローが悪化するのです。
アパート経営では、この仕組みを理解していないと、耐用年数満了後の経営が非常に苦しくなります。場合によっては、利益が増えたのにキャッシュフローがマイナスということになりかねません。
なお、耐用年数は建物の構造によって決まります。構造別の耐用年数は以下のとおりです。
建物構造 |
耐用年数 |
木造 |
22年 |
鉄骨造 |
厚さ3㎜以下 |
19年 |
厚さ3㎜超4㎜以下 |
27年 |
厚さ4㎜超 |
34年 |
従来、多くの銀行がアパートローンの融資期間は耐用年数内としていましたが、最近では耐用年数を超えたアパートローンを組める銀行も増えています。
住宅ローンの感覚で借りると、長期ローンの方が有利と感じてしまいます。しかしアパート経営では、借入金は耐用年数以内で返済しないと、将来、経営が苦しくなるリスクが高いです。
この節の核心を繰り返しますが、アパート経営における借入金は、返済額は「減価償却費以内」、借入期間は「耐用年数以内」にすることを留意してください。
4-5.(5)適切な管理方式を選ぶこと
儲かるアパート経営を行うコツの5つ目に当たるのが、適切な管理方式を選ぶことです。
ここ数年、サブリースがマスコミで取り上げられているので、サブリースという名称を聞いたことある人も多いでしょう。
アパートの管理方式には、主に「管理委託」と「パススルー型サブリース」、「家賃保証型サブリース」の3つがあります。
管理委託とは、管理会社に対して家賃の5%程度の管理料を支払い、管理を委託する方式です。
パススルー型サブリースとは、管理会社が一棟全体を賃貸し、各入居者に転貸する管理方式です。入居者から受領する賃料から5%程度を差し引いた金額を管理会がアパートオーナーに振り込みます。
収益性に関しては、管理委託とパススルー型サブリースは同じです。また、両者とも空室リスクをアパートオーナーが負います。主な違いは、管理委託か転貸かという契約形態の違いです。
一方で家賃保証型サブリースは、転貸形式を取りますが、空室によって賃料が変動することなく、毎月固定の賃料がアパートオーナーに振り込まれます。振込まれる賃料は、満室の賃料から15~17%程度差し引いた賃料です。そのため、家賃保証型サブリースは収益性が一番低い管理方式となります。
また、家賃保証型サブリースであっても、管理会会社から賃料の減額要求があるため、賃料が永久に固定されるという訳ではありません。
家賃保証型サブリースは、最初から収益性が低く、さらに将来、賃料も下がるため、最も儲からない管理方式なのです。儲かるアパート経営を目指すのであれば、管理委託またはパススルー型サブリースを選択することをおススメします。
ハウスメーカーは、オーナーを安心させるために家賃保証型サブリースを提案してくる傾向がありますが、必ずしも提案通りにする必要はありません。管理方式はアパートオーナーが自分で選択すべき内容です。
もし立地が悪くアパート経営が不安という話であれば、良い場所に土地を買い替えることも検討してください。儲かるアパート経営を目指すのであれば、管理委託またはパススルー型サブリースを選択できる土地で行うことが大切です。
4-6.(6)法人設立も検討すること
儲かるアパートにするには、法人設立も検討してみてください。
法人にアパートを所有させると「税金が安くなる」「経費で認められる範囲が広くなる」というメリットがあります。
税率は、高額所得者の個人よりも法人の方が安いです。日本は今後、超高齢化社会に入るため、さらに消費税を上げていかないと社会保障費がまかないきれません。消費税は所得の低い方に負担感が多い税金であるため、消費税を上げていくためには高所得者層から税金をたくさん取っていることを国民にアピールする必要があります。
一方で、法人税率は上げてしまうと、国際競争の中で企業が海外へ流出してしまうため、容易に上げることはできません。今後の大きな流れとして、高額所得者の個人の税率は上がり、法人の税率は下がっていくことが推測されます。よって税金に関しては、法人を建物所有者にした方が有利になるでしょう。
また、法人は個人よりも経費で認められる範囲が広いというメリットがあります。
個人は家事消費(個人的な使用のこと)との混同を防ぐため、個人で賃貸事業を行っても経費で認められる範囲が限定的です。一方で、法人はそもそもお金儲けのために作られた組織であるため、「無駄な経費をかけない」というのが根本的な考えとしてあります。そのため、法人の経費は否認されることが少なく、経費として落としやすいのです。
例えば、アパート経営のために法人を設立したら、その法人に車や携帯電話を持たせれば、ガソリン代や電話代を法人の費用にすることができます。
なお、銀行もアパート経営のために設立した法人であれば、ほぼ個人と同じような条件で融資を行ってくれる銀行も増えました。
アパート経営では節税目的で法人を設立している方が多いので、これからアパートを建てるのであれば、ぜひ法人設立も検討してみてください。
4-7.(7)持っている土地にこだわらないこと
儲かるアパート経営をするには、持っている土地にこだわらないこともポイントです。
「空室リスクが低い」「家賃が高い」などの要因を決めるのは、やはり立地が決め手となります。
土地活用をする場合、今の土地を活かそうという発想の方が多いですが、立地が悪ければどうしても無理が生じます。儲からない立地であれば、無理にアパートを建築する必要はありません。
そこでおススメなのが買い替えです。せっかく土地を持っていますので、その土地を売却して良い立地の土地に買い替えてアパートを建てれば立地の問題を解決することができます。
もちろん、買い替えを行うには、仲介手数料などのコストは発生します。しかしながら、無理矢理アパートを建てて大きなリスクを抱えるよりも、買い替えにより良い立地でアパート経営をした方が、長い目で儲かるアパート経営をすることができるのです。
しかも都市部の土地は時価と相続税路線価の乖離が地方の土地よりも大きいため、都市部でアパートを建てた方が相続税の節税効果も高くなります。
また土地の買い替えでは、特定事業用資産の買換え特例を利用すると税負担を軽くすることができます。
特定事業用資産の買換え特例とは、個人が2020年12月31日までに賃貸物件等の事業用の土地や建物を譲渡して、一定期間内に特定の土地建物等の資産に買い替えた場合、譲渡所得の一部に課税の繰り延べ(先送り)が受けられる特例です。
所有期間が10年を超える土地であれば、以下のような譲渡資産と買換え資産の組み合わせで特定事業用資産の買換え特例を利用することができます。
譲渡資産
所有期間が10年を超える土地、建物
買換え資産
国内にある面積300㎡以上の土地等で、特定施設(事務所、事業所、工場、作業場、研究所、営業所、店舗、住宅等(福利厚生施設は除く))の敷地の用に供されているもの、および建物
特定事業用資産の買換え特例を使うと、売却時に大きく課税されることを避けることができるため、売却すると大きな税金が発生するような土地であっても、支出を抑えながら買い替えることができます。不動産会社に「買換え特例を使って土地を交換したい」と依頼すれば、条件に合う土地を探してくれます。
立地の問題は、買い替えによって解決できる問題ですので、良い土地に買い替えてから儲かるアパートを建てるようにしてください。
まとめ
いかがでしたか。
「儲かるアパート経営」について解説してきました。
アパート経営には、「相続対策となる」「どこでも建てやすい」「賃貸需要が安定している」の3つのメリットがあります。
それに対して、「満室以上に儲けることができない」「供給過剰になりやすい」「築年数が経過すると収支が悪化する」という3点がデメリットです。
儲かるアパート経営を行うには、以下の7つがポイントとなります。
- 建築プランを十分に検証すること
- 環境変化に応じた設計企画とすること
- 自己資金を十分に用意すること
- 借入金の返済は減価償却費内とすること
- 適切な管理方式を選ぶこと
- 法人設立も検討すること
- 持っている土地にこだわらないこと
アパートは30~40年稼ぐ資産になりますので、特に「建築プランを十分に検証すること」がポイントです。
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この記事の編集者
「土地活用お役立ちガイド」編集部
アパート経営などの土地活用専門情報メディア「土地活用お役立ちガイド」編集部です。土地活用をこれから始める方に向けて、アパート建築費、税金・費用、土地活用の流れなどの情報をわかりやすくお伝えします。掲載記事は不動産鑑定士・宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修を行っています。
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