この記事の監修者
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椎名 前太
所属
職業 住宅・不動産ライター、宅地建物取引士、ペット共生住宅管理士
住宅・不動産ライター、宅地建物取引士、ペット共生住宅管理士。複数の会社で営業職を経験。
建築家などの専門家とは違う「消費者目線」を活かし、難解な内容でも分かりやすく書くことを得意としている。
出版に関わった不動産関連の書籍は50冊以上。LIFULL HOME'S PRESSなど複数のサイトでも執筆中。
マンションの建築費の目安は、3階建ての鉄骨造で8,550万円、5階建ての鉄筋コンクリートで1憶9,250万円程度と、木造アパートに比べると建築費が高めです。
しかし、木造アパートに比べると家賃水準を高めに設定することができ、建物そのものの耐久性も高いので、安定した賃貸経営ができるという大きなメリットがあります。
この記事はマンションの建築費の目安と、収益性の高いマンション建築を実現させるためのコツを解説します。
また、ご自身の土地に「いくらで何階建てのマンションが建てられるか知りたい」という方は、以下のボタンから土地情報を入力すると、最大10社の大手建築会社から建築費や予想収益が含まれた、「マンション建築プラン」を取り寄せることができます。
近年、材料費の高騰に伴い、マンションの価格は高騰はしています。
まずは、マンション建築費の相場とその推移を確認しましょう。
国土交通省の発表する「建築着工統計調査(2022年)」によると、「共同住宅(貸家)」の構造ごとの工事費予定額の平米単価は以下のようになっています。
構造 | 平米単価 | |
---|---|---|
SRC造 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 | 28万円 |
RC造 | 鉄筋コンクリート造 | 27万円 |
S造 | 鉄骨造 | 26万円 |
出典:国土交通省
「延べ床面積(平米)×平米単価」で大まかな建築費の目安を知ることができます。
マンション建築費の相場は上昇傾向にあります。以下は、2017年~2022年の建設費指数(2015年を100としたときの数値)の推移をグラフにしたものです。
【参照:一般社団法人建築物価調査会建設価額建設費指数よりまとめ】
内訳となっている工事原価・建設費・設備費の3つは以下のとおりです。
3つの工事はいずれも他の工事と関連性があるため、上昇傾向にあるときは全体的に上がっていきます。相場がこのように上昇傾向にある理由は、コロナ禍とウクライナ情勢、人件費や資材の高騰など複数の理由が複雑に絡み合っています。
今後の動向を正確に予想することは難しいですが、より正確なマンション建築費を知りたいときは「HOME4U 土地活用」をご利用いただくのが近道です。土地の所在地や広さなど簡単な項目を入力するだけで、最大10社のハウスメーカーから提案が受けられます。
マンションを建てる費用の相場を考えるとき、目安となるのは「構造ごとの坪単価」です。
具体的には、マンションを建てる際には以下のような費用がかかってきます。
それぞれの費用について、順番に解説していきます。
まず、マンションを建てるときにかかる費用の大半を占める「本体工事費」について解説します。
マンションの構造には、「鉄骨造(S造)」「鉄筋コンクリート造(RC造)」「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)」があります。
そのうち、「鉄骨鉄筋コンクリート造」は、主に分譲マンションや超高層マンションで採用され、最も建築費が高くなります。
中低層の賃貸マンションを建築するなら、通常は「鉄骨造」か「鉄筋コンクリート造」を選びます。
マンションを計画するときには、坪単価を目安にすれば、建築費をイメージできます。
たとえば5階建て程度のマンションの場合、坪単価の目安は、次のとおりです。
構造 | 坪単価 |
---|---|
鉄筋コンクリート造 | 坪85万円~120万円 |
鉄骨造 | 坪80万円~120万円 |
※「HOME4U」提携企業の成約価格から算出。別途工事費用を含む場合もあり。
本体工事費は坪単価と延床面積から算出できます。この延床面積とは、マンションの各階の床面積全てを合計したものです。
20平米のワンルームが各階に3戸ある、3階建てのマンションを例にとります。
延べ床面積は、20平米×9戸=180平米(約54坪)です。
鉄骨造なら、本体工事費は約4,500万円~6,500万円。
鉄筋コンクリートなら、本体工事費は約5,000万円~6,500万円になります。
※上記は共有部分の面積は考慮していません。
上記のとおり、同じ規模の建物でも、建築費には幅があります。建築プランの内容によって、建築費は変わります。構造以外に建築費に影響する要素は、次のとおりです。
階数、規模、建物の形状 | 狭小地に建てる場合には、坪単価は割高になります。 建物の形状は凹凸のある複雑なものより、シンプルな長方形に近いほど安くなります。 |
グレード | 外壁や内装などのグレードしだいで建築費が左右されます。 |
間取り | ワンルームかファミリー向けなのかによって、同じ延べ床面積でも坪単価は変わります。 ワンルームにすると戸数が増える分、必要な設備や建具、壁が増えるので坪単価が上がります。 |
立地 | 建築工事の際に、大型トラックや重機が敷地まで侵入できるかどうかが影響します。 住宅が密集している都心では割高になりやすいです。 |
このように、ケースバイケースで違ってくるので、なるべく建築費を抑えながら収益性の高いマンションを建てるノウハウを持った建築会社に依頼することが大切です。
別途工事費は本体工事費のおよそ15~20%前後です。主な内容は、屋外給排水・電気・ガス工事費、駐車場・アプローチ・塀などの外構工事費、地盤改良工事費、空調設備等の付帯工事費などです。
道路から建物までのアプローチが長いと、給排水管の引込管が長くなり、コストが上がります。また、地盤が弱いと地盤改良や杭打ち工事が必要になって、費用が上がる場合があります。
マンション建築の依頼先(ハウスメーカーや建築会社)によっては、この別途工事費が本体工事費とともに工事費として見積もられることもあるため、建築費の坪単価で比較する際には、費用に何が含まれているのかを確認することが大切です。
諸費用は、マンション建築費のおよそ10%前後かかります。
内容は、ローン手数料、火災保険料、印紙税、不動産取得税、登記費用(登録免許税、司法書士報酬)などが必要となります。マンションの建築では、事業用ローンを利用した計画がほとんどですが、諸費用については自己資金で賄うのが一般的ですので予め用意が必要です。
資金計画を立てる際には、本体工事費だけでなく、付帯工事費、諸費用についても可能な限り具体的な見積もりを入手して予算を立てます。借入金と自己資金の割合については建築会社と相談しながら決めますが、全体のうち自己資金を10~30%くらい用意できると理想的です。
なお、相続税対策としてマンションを建てる場合には、借入金の割合をできるだけ多くするのが一般的です。相続税の計算では、遺産の総額からアパートローン(※)残高を差し引くことで、「正味の財産額」を圧縮して節税できるからです。
※賃貸住宅(アパートやマンションなど)の建築・取得資金として利用することのできる金融機関などからの融資(借入金)のこと。
銀行の融資審査で見られるポイントは大きく3つあります。1つ目は、申込者本人の属性についてです。仕事や収入・資産状況などをみて返済能力があるか、信頼がおけるかといったことを判断されます。
2つ目は、建築するマンションの収益性についてです。安定した収益を上げられることはローンの返済能力に直結するので、審査する上で重要なポイントになります。
金融機関でも独自に市場調査をして家賃の妥当性を検証します。建築会社に作成してもらった事業収支表(事業計画書)を金融機関にも提出することになるので、スムーズに審査に通るためにも、収益性の高いプランを選ぶことが非常に大切です。
3つ目は、土地と建物の担保価値です。金融機関は融資の際、万が一ローンの返済が滞ったときに競売にかけるため土地と建物に抵当権を設定します。そのため、すでに土地を所有している場合は建物建築費が借りやすくなります。
マンション建築をご検討なら、建築費だけでなく、将来の収支や節税額がいくらになるかも気になりますよね。「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」なら、これらの情報をまとめた「建築プラン」を最大10社に請求できます。
マンション建築費の相場や内訳、計算方法を踏まえたうえで、具体的なシミュレーションをしてみましょう。
例えば3階建て鉄骨造アパートの場合、マンション建築費はこのようなシミュレーションになります。
【前提条件】
【初期費用のシミュレーション】
マンション建築費:90坪(延床面積)×95万円(坪単価)=8,550万円
諸費用:8,550万円(建築費)×10%(諸費用分)=855万円
合計金額:8,550万円+855万円=9,405万円
続いて、5階建ての鉄筋コンクリートのマンションの場合です。
【前提条件】
【初期費用のシミュレーション】
マンション建築費:175坪(延床面積)×110万円(坪単価)=1憶9,250万円
諸費用:1憶9,250万円(建築費)×10%(諸費用分)=1,925万円
合計金額:1憶9,250万円+1,925万円=2億1,175万円
ご所有の土地にあわせたマンション建築費が知りたい場合には「HOME4U 土地活用」をご利用ください。土地の所在地や広さなど簡単な項目を入力するだけで、最大10社のハウスメーカーから提案が受けられます。
マンション経営のメリットの代表的な例を紹介します。
実際に高収益を実現するには、押さえておくべきポイントがあります。この章では、最低限チェックしておくべき5つのポイントをご紹介します。
マンション経営にはメリットが多いですが、どこでもマンションがおすすめというわけではありません。立地や敷地条件によっては、建築費の安い木造アパートを建てたほうが有利な場合もあります。
周辺の地域の顧客層について把握し、木造アパートとマンションの需要を比較して、ニーズに合わせることも大切です。
収益性を高めるために、初期費用は無駄を省いてなるべく抑えなければなりません。一方で、マンションならではの強みを備えていなければ入居者から見て魅力に欠けてしまうので、投資する部分とコストダウンする部分とのメリハリが大切です。
周りのマンションやアパートと比べて有利になるようにしつつ、収益性の面でも無駄がないように、バランスを見極める必要があります。
入居者から見てマンションに住むメリットは、遮音性等の建物性能だけでなく、設備が充実していることが挙げられます。オートロック、モニター付きインタホン、宅配ボックス、シューズボックス、浴室換気乾燥機などの設備のうち、どれを取り入れるべきか、ニーズを調査して検討します。
初期費用がかかっても、見栄えが良く長持ちするものなどは取り入れるのもおすすめです。例えば外壁のタイル張りは、初期コストはかかりますが、高級感が出るだけでなく長持ちします。
それぞれの土地に建てられる建物の大きさには、様々な法律上の規制があります(容積率、建ぺい率、日影規制、高度地区など)。
法規制を満たしつつ、最大限に建物を建てれば家賃収入を増やすことができます。だからといって敷地いっぱいに建てればいいとは限りません。敷地いっぱいに建てて戸数を増やしても、空室ばかりになったら意味がないからです。市場調査によって需要を算出し、最適な規模で建てることが建築コストを抑えることにつながります。余った土地は駐車場やコインランドリーなど、ほかの活用方法が考えられます。
また、地域性によっては、駐車場が不足していると入居者が集まらないので、最適な台数を確保する必要があります。駐輪場やバイク置場についても同様です。
地域に精通した建築会社であれば、駐車場の需要等もしっかり考慮した上で、建物を設計してもらえるでしょう。
最適な規模と同時に大切なのは、どのような間取りにするかということです。学生向け、単身の社会人向け、DINKS(夫婦のみの世帯)向け、ファミリー向けなど、どのタイプにターゲットをおくかで間取りや広さも違います。
ワンルームは建築費の坪単価が上がりますが家賃の坪単価も高くなるので、投資効率が良好です。ただし、投資効率だけでなく、ライバル物件の入居率や間取りをしっかり調査し、地域における賃貸ニーズをしっかりと把握した上で建築プランに反映することが大切です。
マンション建設のノウハウをもった企業なら、各種の法律をクリアした上で、収益性が最大になる間取りや面積を見つけて効率よくマンション経営ができるようにプランを立ててもらえます。
マンション経営は、相続税や固定資産税の節税を目的に始めるオーナーも多い土地活用方法です。建物を建てて賃貸することで、土地や建物にかかる税金を大幅に節税することができるからです。
節税を土地活用の目的として考えるなら、無理にコストダウンせず、しっかり建築費をかける方が得策となる場合もあります。そのため、建築時には建築会社から節税対策や今後かかる税金について説明を受け、必要に応じて税理士などの専門家を頼ることも考えるとよいでしょう。
マンション経営を成功させるためには、上記のようなポイントを見極めることが不可欠です。でも、よほど不動産に精通している人でない限り、最適な建築プランを判断するのは至難の業です。
そこで、判断ミスを避けるための唯一の方法は、複数の建築会社に土地活用プランを相談し、それぞれの提案を比較することです。建築プランを比較してみると、その計画が優れているのか、自分に合っているかどうかが見えてきます。
建築会社が提案するプランには、プロのノウハウと専門知識が濃縮されているので、その中から最も納得できるものを選ぶことをオススメします。複数の企業に相談するとき、ぜひ活用していただきたいのが「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求サービスです。
高い設計力を持ち、綿密な市場調査を踏まえて提案してくれる多数の優良企業から、一度に複数の建築プランを請求することができます。 比較対象がないと判断しにくいものですが、複数の企業から建築プランの提案を受ければ見極めやすくなります。
できるだけたくさんの企業から複数の提案を受け、それらを比較検討してみてください。
どこの部分に重点的に投資するのか、市場調査を踏まえた上での最適な間取り・設備を提案してくれているか、長期的なコストと収益性のバランスはどうかといった点もしっかり見比べてください。
マンション建築費の構造別の工事費予定額(1平米あたり)は以下のとおりです。
また、マンション建築費の相場は近年、上昇傾向にあります。理由としては、コロナ禍とウクライナ情勢、人件費や資材の高騰など複数の理由が複雑に絡み合っています。
詳細は「【2023年版】マンション建築費の相場推移」をご確認ください。
マンションを建てる際は、以下のような費用が必要になります。
具体的な費用の相場は、マンションの構造や規模、建物の形状、設備等によって変わってきます。
詳細は「マンションを建てる費用の相場」をご一読ください。
マンションを建てる際にチェックしておきたいポイントは、以下のとおりです。
詳細は「高収益を実現するマンション建築のポイント」をご一読ください。
マンション経営の収益・節税プランを企業に請求できます!
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職業 住宅・不動産ライター、宅地建物取引士、ペット共生住宅管理士
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建築家などの専門家とは違う「消費者目線」を活かし、難解な内容でも分かりやすく書くことを得意としている。
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