アパート経営とマンション経営の違いを徹底比較
本記事は、賃貸経営を検討なさっている方に向けて、アパート経営とマンション経営(一棟経営)の違いを比較し、どちらの経営を始めるべきか検討できるようにしています。
この記事を読むと
アパート経営、マンション経営それぞれの
- 向いているタイプ
- メリット・デメリット
- 初期費用
- 収益性
等の違いを理解し、比較・検討できます。
この記事の内容
1.アパート経営とマンション経営の比較
アパート経営とマンション経営の違いをみてみます。
1-1.アパート経営とマンション経営に向いている人を比較
ざっくり比較すると、アパート経営とマンション経営それぞれに「向いている人」は以下です。
向いている人 | |
---|---|
アパート経営 |
|
マンション経営 |
|
整理すると、
アパート経営は比較的少ない資本(1億円未満)でも着手できるのに対して、マンションは1億円以上の資本が必要となります。
また、アパートは比較的小さめの土地でも建設可能ですが、マンションは広めの敷地が必要です。
1-2.アパート経営とマンション経営のメリデメ・初期費用・収益性を比較
次に、複数の切り口からアパート・マンション経営を比較します。
メリット | デメリット | 初期費用 | 収益性 | |
---|---|---|---|---|
アパート経営 |
|
|
2500万~1億程度 |
|
マンション経営 |
|
|
アパートの数倍 |
一番注目すべき費用面についてまとめると、
アパートのほうが初期投資にかかる費用が少ない分、表面利回りは若干高めになり易いですが、
トータルの家賃収入に関してはマンションのほうが大幅に高くなります。
これは、アパートは建築費が低く、マンションは家賃が高めで大きく戸数が多いからです。
2.アパート経営が向いている人、マンション経営が向いている人を解説
この章では、「アパート経営が向いているオーナーの特徴」と「マンション経営が向いているオーナーの特徴」について、詳細にご説明します。
2-1.アパート経営が向いているオーナーの特徴
アパート経営に向いているオーナーは
- 初期投資に費やせる金額が少ない人(資本1億円未満)
- 狭い土地を所有している人
です。
自己資金の調達が1億円未満の方は、マンション経営より、アパート経営に向いています。
また、マンション建築が不可能、もしくは難しい「狭い土地を所有」している場合に向いているのもアパート経営です。
アパート経営に向いているか
相談しよう
もっと具体的にアパート経営に向いているかどうかを相談する際には、「HOME4U 土地活用」の活用がおすすめです。アパート経営のノウハウを豊富に持った最大10社にアパート経営プランを無料で請求することが可能です。
2-2.マンション経営が向いているオーナーの特徴
マンション経営に向いているオーナーは
- 初期投資にまとまった金額を投入できる人(資本1億円以上)
- 大企業勤務等、金融機関のローン審査に有利な人
- マンションが建築できる広い土地を所有している人
です。
初期投資を1億円以上かけられる人は、マンションの経営に向いていると言えるでしょう。(一棟経営が可能)
加えて、金融機関のローン審査に有利な人の要素は、以下の4つです。
- 勤務している企業の規模・知名度が高い(東証一部上場企業など)
- 所得が高い(年収500万円が融資可否のボーダーラインとされるケースが多い)
- 勤続年数が長い(3年以上が目安。ただし近年は転職によるキャリアアップが一般化してきたことから、重要度は下がりつつある)
- 役職についている(必須ではないが、役職者はより有利)
また、広い土地をお持ちの方も、アパートよりマンションに適しているため向いています。
3.アパート経営のメリット・デメリットを解説
アパート経営のメリット・デメリットについて、より掘り下げて解説します。
3-1.アパート経営のメリットについて
マンション経営と比較したとき、アパート経営のメリットは以下3つです。
- 収益性(利回り)が若干高くなり易い
- 少額の資本で開始できる
- 狭小地(30坪が目安)でも建設できる
3-1-1. 収益性(利回り)が若干高くなり易い
トータルの家賃収入は家賃が安く戸数が少ない分マンション経営より劣るアパート経営ですが、初期費用として必要な金額が少ない分、投資額に対する利回り(収益性)が高い傾向にあります。
実際のアパート経営とマンション経営の表面利回りのシミュレーション例は以下です。
利回りは以下のように計算ができます。
アパート経営 | マンション経営 | |
---|---|---|
初期費用 | 7,500万円 | 1億2,000万円 |
家賃収入 | 月額賃料6万円×15部屋×12ヶ月=1,080万円 | 月額賃料9万円×15部屋×12ヶ月=1,620万円 |
表面利回り | 1,080万円÷7,500万円=14.4% | 1,620万円÷1億2,000万円=13.5% |
以上のように家賃収入は低くなりますが、投資額に対する利回りは高くなる傾向にあります。
3-1-2.少額の資本で開始できる
アパート経営を新築でスタートできる最低ラインは、延べ床面積30坪で、2,310万円〜3,000万円です。
以下は、2階建ての場合の建築構造別の費用相場です。
延べ床面積 | 木造 | 軽量鉄骨造 | 重量鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造 |
---|---|---|---|---|
30坪 | 2,310~ 3,000万円 |
2,400~ 3,000万円 |
2,700~ 3,600万円 |
2,700~ 3,600万円 |
50坪 | 3,850~ 5,000万円 |
4,000~ 5,000万円 |
4,500~ 6,000万円 |
4,500~ 6,000万円 |
80坪 | 6,160~ 8,000万円 |
6,400~ 8,000万円 |
7,200~ 9,600万円 |
7,200~ 9,600万円 |
100坪 | 7,700~ 1億円 |
8,000~ 1億円 |
9,000~ 1億2,000万円 |
9,000~ 1億2,000万円 |
頭金として建築費用の1割を用意し、残りの初期費用はアパートローンでまかなうと仮定すれば、頭金として231〜300万円用意できれば、アパート経営の検討が可能です。
3-1-3. 狭小地(30坪が目安)でも建設できる
アパートは狭小地でも建築が可能です。
狭小地の目安は30坪で、以下は、木造アパートの実例です。
- 木造2階建て
- 1R×4部屋
- 家賃収入6万円/戸
- 延床面積:36坪
本体工事費:3,240万円 = 90万円×36坪 ※坪単価90万円
諸費用:324万円 = 3,240万円×10%
総費用:3,564万円
以下の記事では狭小地でアパート建築を検討する際のメリットやデメメリットを具体的に紹介していますので、ご参考ください。
3-2.アパート経営のデメリットについて
マンション経営と比較して、アパート経営のデメリットは以下3つです。
- トータルの家賃収入が低い
- 耐震性・耐火性などが劣る
- 老朽化が早い
3-2-1.トータルの家賃収入が低い
アパート経営は、マンションに比べて家賃設定が低めであるため、トータル家賃収入はマンションに比べて低くなります。
3-2-2.耐震性・耐火性が劣る
木造が主流のアパートは、鉄骨造や鉄筋コンクリート造が主流のマンションと比較して、耐震性・耐火性では相対的に劣ります。
建築技術の進歩により、木造でも耐震性や耐火性が従来よりも強化されてきてはいますが、マンションと比較すれば強度が低いことは否めません。
3-2-3.老朽化が早い
アパート建築は木造が主流のため、老朽化が早く、減価償却費を経費計上可能な期間(法定耐用年数)も短く設定されています。
構造 | 耐用年数 | 定額法償却率 |
---|---|---|
木造 | 22年 | 0.046 |
軽量鉄骨造 | 19年(厚み3㎜以下) 27年(厚み3㎜超4㎜以下) |
0.053 0.038 |
重量鉄骨造 | 34年 | 0.030 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 | 0.022 |
老朽化が早い分、空室リスクの上昇にもつながり、老朽化を補修するための修繕費用も必要となってきます。
これらのデメリットを抑えながらアパート経営を成功させるには、複数の企業から経営プランを取り寄せて比較するのが近道です。比較には「HOME4U 土地活用」をご利用ください。
さらにアパート経営のメリット・デメリットについて詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
4.マンション経営のメリット・デメリットを解説
この章では、マンション経営のメリット・デメリットについて、さらに詳しく解説していきます。
4-1.マンション経営のメリット
アパート経営と比較したときのマンション経営のメリットは以下3つです。
- 家賃収入が高い
- 耐震性・耐火性が優れている
- 建物寿命が長い
4-1-1.家賃収入が高い
家賃を高めに設定できるマンションは、トータルの家賃収入はアパートに比べて上回り、高い傾向にあります。
4-1-2.耐震性・耐火性が優れている
マンションは重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造が主流であることもあり、地震や火災の被害に対してアパートに比べて耐震性・耐火性に優れています。
4-1-3.建物寿命が長い
同様に、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造が主流な理由から、アパート建築に比べて、建物の寿命が長いです。
したがって、減価償却費の経費計上によって節税効果を得られる「法定耐用年数」の期間も長く設定されています。
構造 | 耐用年数 | 定額法償却率 |
---|---|---|
木造 | 22年 | 0.046 |
軽量鉄骨造 | 19年(厚み3㎜以下) 27年(厚み3㎜超4㎜以下) |
0.053 0.038 |
重量鉄骨造 | 34年 | 0.030 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 | 0.022 |
減価償却費の詳しい計算方法やシミュレーション例は、以下の記事からご確認ください。
4-2.マンション経営のデメリット
アパート経営と比較したときのマンション経営のデメリットは以下2つです。
- 収益性(利回り)が劣る
- 多額の初期投資を要する(一棟経営の場合)
4-2-1. 収益性(利回り)が劣る
マンションは初期費用が莫大にかかるので、最初に投入した金額に対する収益の比率「利回り」は、アパートより若干低くなる傾向があります。
マンション経営を検討している方は、以下の記事をご覧ください。
4-2-2.多額の初期投資を要する(一棟経営の場合)
マンションを新築で建設するとなると、1億円以上の初期資金を調達できることがボーダーとなってきます。
この1億円のうち、頭金として用意するのは1割で済ませて残り9割を金融機関からの融資で賄うとしても、キャッシュで1,000万円を保有していることが最低条件です。
マンションの建築費・収益シミュレーションは、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」を使うと、最大10社から建築費・収益プランを一括請求することができます。
アパート経営に向いている人は以下の特徴があります。
- 初期投資に費やせる金額が少ない人(資本1億円未満)
- 狭い土地を所有している人
マンション経営に向いている人は以下の特徴があります
- 初期投資にまとまった金額を投入できる人(資本1億円以上)
- 大企業勤務等、金融機関のローン審査に有利な人
- マンションが建築できる広い土地を所有している人
詳細は「2.アパート経営が向いている人、マンション経営が向いている人を解説」にて解説しています。
アパート経営のメリットは以下3つです。
- 収益性(利回り)が若干高くなり易い
- 少額の資本で開始できる
- 狭小地(30坪が目安)でも建設できる
マンション経営と比較して、アパート経営のデメリットは以下3つです。
- トータルの家賃収入が低い
- 耐震性・耐火性などが劣る
- 老朽化が早い
詳細は「3.アパート経営のメリット・デメリットを解説」にて解説しています。
マンション経営のメリットは以下3つです。
- 家賃収入が高い
- 耐震性・耐火性が優れている
- 建物寿命が長い
マンション経営のデメリットは以下2つです。
- 収益性(利回り)が劣る
- 多額の初期投資を要する(一棟経営の場合)
詳細は「4.マンション経営のメリット・デメリットを解説」にて解説しています。
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。