【詳しく解説】5階建てマンションの建設費はいくら?利回りシミュレーションと費用を抑えるコツ

マンションの建設費は5階建て規模で、おおよそ2億7,000万~3億9,000万円が目安となります。(延床面積300坪で計算)
5階建てはマンション経営としては中規模程度で、収益性が高い土地活用方法といえます。
この記事を読めば、
- 5階建てマンションは2億円台から建てられる
- ハウスメーカーの設計施工一貫方式で建てると建設費を抑えられる
- 長期的なマンション経営の成功にはプロに建設相談がおススメ
といった内容がわかります。
なお、5階建てマンションの建築費を詳細に知りたい方は、以下のボタンから建築プランの請求ができますので、ぜひご利用ください。
この記事の内容
1.【5階建てマンション】の建設費相場
一般的にマンション建設はアパートなどと比べて高額になります。
それは、マンション建設で採用されるのが頑強な構造であるためで、これらの構造の坪単価は木造などに比べると高額になることに起因します。
まずはマンションの建設費の相場を確認し、5階建てマンションがいくらになるのかをシミュレーションします。
1-1.【5階建てマンション】の構造と構造別坪単価
マンション建設は、多くの場合で重量鉄骨、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートの3種の躯体構造から選択されます。
構造別に微妙に違いが出る建設坪単価を以下にまとめました。
重量鉄骨造(S造) | 90万~120万円/坪 |
---|---|
鉄筋コンクリート造(RC造) | 90万~120万円/坪 |
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 120万~130万円/坪 |
※HOME4U調べ
マンションの建設費は上記の坪単価に延床面積をかけて概算を出します。1フロア60坪の5階建ての場合、坪単価に300坪をかける計算式です。
1-2.マンション建設の費用詳細
マンション建設費(本体工事費)を算出できれば、建築時にかかる総額(初期費用)も算出できます。本体工事費以外の付帯工事費、諸費用はそれぞれ本体工事費に比例するためです。以下にそれぞれの費用詳細とおおよその割合をまとめました。
種類 | 内容 | 割合 |
---|---|---|
本体工事費 | マンション本体にかかる費用。基礎部分、躯体、外装、内装、住設など。 | 全体の7~8割 |
付帯工事費 | 本体にかかわらない工事の費用。地盤改良工事や駐車場などの外構工事、給排水工事など。 | 本体工事費の約2割 |
諸費用 | 工事以外にかかる費用。不動産取得税や登録免許税など税各種、水道負担金、アパートローンの手数料、火災保険料など。 | 本体工事費の約1割 |
1-3.【5階建てマンション】建設費シミュレーション
マンションは5階建てとなると、それなりの高額な建設費用の負担があります。ここでは、5階建てマンションの建設費を構造別にシミュレーションしました。
1-3-1.重量鉄骨造
<設定条件>
- 建築面積・延床面積:60坪・300坪
- 坪単価:90万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:2億7,000万円=90万円×300坪
付帯工事費:5,400万円=2億7,000万円×20%
諸費用:2,700万円=2億7,000円×10%
初期費用:3億5,100万円
1-3-2.鉄筋コンクリート造
<設定条件>
- 建築面積・延床面積:80坪・400坪
- 坪単価:100万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:4億円=100万円×400坪
付帯工事費:8,000万円=4億円×20%
諸費用:4,000万円=4億円×10%
初期費用:5億2,000万円
1-3-3.鉄骨鉄筋コンクリート造
<設定条件>
- 建築面積・延床面積:100坪・500坪
- 坪単価:120万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:6億円=120万円×500坪
付帯工事費:1億2,000万円=6億円×20%
諸費用:6,000万円=6億円×10%
初期費用:7億8,000万円
5階建ての構造は、重量鉄骨造と鉄筋コンクリート造が主流です。それ以上になると鉄骨鉄筋コンクリート造の割合も増えてきます。
より大きい規模のマンションの例は、10階建てマンションの建設費の記事で解説しています。
2.【5階建てマンション】の間取り例と利回りシミュレーション
ここでは入居者のターゲット別に1戸の間取り事例とそれに基づくマンション経営の利回りをシミュレーションしてみます。
マンションは効率的に部屋を配置するため、同じ間取りの長方形の住戸を集めた形にするのが一般的です。シミュレーションを通して、5階建てマンションの事業規模を推察できます。
2-1.単身者向けタイプ
単身者向けタイプはワンルームから1K、1DKなどの間取りが一般的です。建築費は住戸数が多く、設備が多いため高めになります。
<設定条件>
- 重量鉄骨造5階建て
- 1DK×16部屋+1F店舗
- 専有面積:30平米
- 家賃収入9万円/戸(店舗35万円)
<利回りシミュレーション>
本体工事費:2億円=100万円×200坪
付帯工事費:4,000万円=2億円×20%
諸費用:2,000万円=2億円×10%
総費用:2億6,000万円
家賃収入:1,728万円=9万円×16戸×12ヶ月
店舗貸収入:420万円=35万円×12ヶ月
賃貸収入:2,148万円
経費:429万6,000円=2,148万円×20%
利回り:約6%=(2,148万円-429万6,000円)÷2億6,000万円
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2-2.ファミリー向けタイプ
ファミリー向けタイプの間取りとすると専有面積が大きくなるため、家賃坪単価が下がります。しかし、ファミリー向けの物件は長期入居率が高まるため、経費を抑えることが可能です。
<設定条件>
- 鉄筋コンクリート造5階建て
- 2LDK×20部屋
- 専有面積:50平米
- 家賃収入:15万円/戸
<利回りシミュレーション>
本体工事費:3億5,200万円=110万円×320坪
付帯工事費:7,040万円=3億5,200万円×20%
諸費用:3,520万円=3億5,200万円×10%
総費用:4億5,760万円
家賃収入:3,600万円=15万円×20戸×12ヶ月
経費:648万円=3,600万円×18%
利回り:約6%=(3,600万円-648万円)÷4億5,760万円
3.【5階建てマンション】が建てられる?建築規制と階数の関係
建てられるマンションの高さは立地により変わります。5階建てともなると15メートルほどの高さとなるため、高さ制限をはじめとする建築規制と照らし合わせて建てられるかを確認しなければなりません。
ここではマンションの階数など建築規模に影響する建築基準法や建築規制について解説します。
3-1.建ぺい率・容積率
建ぺい率と容積率は土地に建てられる広さや容積を決めたものです。
建ぺい率 | 土地面積に対する建築可能な建物面積(建坪)の割合 |
---|---|
容積率 | 土地面積に対する建築可能な延床面積の割合 |
例えば、建ぺい率50%・容積率100%の場合、5階建てマンションを建てるには最低でも100坪程度の土地の広さが必要です。
特に容積率は高さに影響が大きく、200%や300%の土地であれば5階建ても現実的になります。
3-2.高さ制限
建物の高さは隣地や周辺の環境に大きな影響を及ぼすため、さまざまな規制があります。以下にまとめました。
絶対高さ制限 | 用途地域で決められている高さ制限。第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域には10、12メートルの制限があり、15メートルほどの5階建ては難しい。 |
---|---|
道路斜線制限 | 前面道路の幅がかかわる高さ制限。反対側境界を起点に上部に一定の角度に上がった延長線の高さにする。 |
隣地斜線制限 | 隣地に影響する高さ制限。一定の高さを起点に定められた角度線までの高さに制限する。宅地は20メートルが起点となるため、5階建ては多くで建てられる。 |
北側斜線制限 | 隣地斜線制限と同様の計測で、宅地の場合5メートルを起点とする制限。建物の北側にかかる高さ規制。 |
日影規制 | 周辺の日照を確保するための規制。冬至の日を基準に日影ができる範囲と時間を定める高さと幅に関する規制。 |
3-3.用途地域
用途地域とはエリアごとに土地を何の用途で使えるかを定めているものです。
たとえば、住宅用途を主とする住居専用地域や商業施設などの目的にも使える商業地域などがあります。住居専用地域は高さなどの規定が異なる4種に分かれており、用途地域の種類は全部で13種にもなります。マンションを含む集合住宅は工業専用地域以外の用途地域では建築可能です。
ただし、用途地域の制限には高さ制限を設けているものもあり、例えば第一種.第二種低層住居専用地域には5階建てのマンションは建てられません。
また、エリアによって建物を新規で建てられない場合もあります。市街化区域以外の都市計画区域外、市街化調整区域がそれに当たり、原則的にマンションは建てられません。
3-4.接道義務
接道義務は、建物の高さに直接影響はありません。接道義務は所有地の最低限の間口を確保するための規定です。
接道義務と似た道路が関連する規制にセットバックがあります。こちらは前面道路の最低限の幅を確保するため、道路として使用する分には建物が建てられなくなる規制のため、狭小地は高さに影響があるかもしれません。
接道義務 | 4メートル幅以上の道路への出入り口を2メートル以上確保する義務 |
---|---|
セットバック | 土地と接する道路の幅が4メートル未満の場合、道路の中心から2メートルを道路分として確保する(自用地を後退させる)措置 |
3-5自治体の条例
マンション建設にかかわる規制には自治体独自のものもあります。マンションの場合、供給量や住環境を保護する目的で定めていることが多く、「ワンルーム条例」は、自治体が設ける建築規制として代表格といえるでしょう。
ワンルーム条例でよくある規制は以下のようなものです。
- 住戸の最低面積
- ファミリー住戸の一定数の併設
- 管理人の設置
- 駐車場の確保
建物の規模によって満たすべき要件が変わります。
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4.【5階建てマンション】の建設費を抑えるコツ
マンションの5階建て規模となると中規模程度の建物となります。建設費はほかの賃貸経営資産の中でも高額になりがちのため、プランニングの段階から出費を抑える工夫が必要となるでしょう。ここではマンションの建設をコストダウンさせるためのコツを紹介します。
4-1.設備のグレードを落とす
マンションでは、各戸に水回り設備などの住宅設備が入ります。戸数が増えれば必要な設備も増えるため、それだけ金銭的負担も増えるでしょう。
住宅設備導入の費用は、水回り設備だけでも100万円程度はかかります。こうした設備費用の部分を少しでも削ることで建築費を抑えることが可能です。
賃貸の場合、住設のグレードを下げても問題ありません。
設備は新築時、最低限の機能が備わっているものを選びます。賃貸経営をしていると一般の住宅よりも早い段階で入れ替えが必要になるため、そのときにはそのときの必要となる機能を備えたものを導入するとよいでしょう。
ただし、住宅設備の中でも機能を惜しまないほうがよいジャンルもあります。インターホンなど防犯にかかわる設備や安全にかかわる設備などです。
また、5階建てとなるとエレベーターの設置は一般的です。必要な設備はしっかり維持・管理できるものを導入するとよいでしょう。
4-2.1戸の間取りを40平米以上にする
集合住宅での賃貸経営では、家賃坪単価も重要なポイントになります。もっとも家賃坪単価が上げられるのは単身者向けのワンルームタイプです。
しかし、立地によっては単身者向けには需要がない場合もあるでしょう。その場合は、40平米をひとつの基準とします。40平米以上として戸数を減らすことで建設費を抑えることができるためです。
40平米以上で使用する建材や住設の全体量を減らせるため、建築コストダウンが図れます。また、40平米以上であれば、家賃坪単価とのバランスもとりやすくなるでしょう。
4-3.設計施工一貫方式で建てる
マンションを建設する際は、建築士が作成した設計をもとにして進められます。建物は、構造の強度や広さなどが建築基準法などの法律の要件を満たすように設計しなければなりません。そのため、設計では複雑な計算が必要です。
一般的に設計会社などに依頼すると建設費の7~10%が設計料としてかかります。
しかし、ハウスメーカーに設計も施工も依頼すれば、設計費を1~3%にまで抑えることが可能です。これを設計施工一貫方式といいます。
ハウスメーカーに依頼すると、設計施工一貫方式での発注形態になるのが一般的です。設計から施工を同一の企業内で行うことで、設計から竣工までの意思疎通がスムーズになるだけでなく、自社が得意とする技術を生かした建物ができるなどのメリットがあります。
5.儲かる【5階建てマンション】建設のポイント
マンションの5階建てともなると戸数も増えるため、空室リスクへの対策が欠かせません。リスクヘッジは建設時にしておくのがもっとも効率的です。
ここでは、空室リスクに強い、儲かる5階建てマンションとするための建設時のポイントを4つ紹介します。
5-1.立地に合った間取りにする
賃貸住宅の経営は、立地に合った間取りを選択しないと失敗するリスクが高まります。
マンションなど賃貸集合住宅の間取りには、単身向けとファミリー向けの2パターンがあります。それぞれターゲットによって向いている立地条件が少し異なるため、現地状況調査は欠かせません。それぞれの向いている立地をまとめました。
ターゲット | 間取りタイプ | 向いている土地の特徴 |
---|---|---|
単身者 | 1R、1DK等 |
|
ファミリー層 | 2LDK、3DK等 |
|
専有面積は単身者向けが30平米未満、ファミリー向けは40平米以上とするのが一般的です。
5-2.差別化を図るポイントを作る
マンション経営で空室リスクへの対策として、第一に考えられるのは競合との差別化です。マンションの大きな強みとなるのは新しさですが、あとから競合が増える懸念を考えると、建設時に差別化ポイントを盛り込んでおくことが有効に働くでしょう。
最近では、賃貸でもZEH賃貸が注目されており、環境への負荷軽減だけでなく住環境の快適性も高いことから入居希望者の人気を集めています。こうした付加価値で差別化を図ると、長期入居につながりマンション経営が安定しやすくなります。
5-3.シンプルな意匠にする
マンションの内装などのデザインをシンプルにすると建設費用が抑えられるため、利回りが高くなります。初期費用面にもメリットがある方法ですが、経営的にもデザインや間取りはシンプルにするのがおススメです。
多くのマンションは長方形の住戸を重ねて配置するようかん型をしています。こうすることで敷地を効率的に利用でき、かつ箱型に近いつくりのほうが建設費は安く済むためです。
一方、入居者側としても、四角い間取りのほうが家具を配置しやすく使い勝手が良くなります。また、内装もシンプルであればどんなインテリアの邪魔にもならないため、万人受けするでしょう。
5-4.ハウスメーカーのプランを比較検討する
儲かるマンションとするには高利回りを目指すことが第一です。利回りは建設費用が影響します。そのため、建設費用を抑えつつ、ニーズに応えられるマンションを建設することが成功のカギです。
建設費を抑えるには、ハウスメーカーで設計施工一貫方式を選択する方法があります。しかし、マンション建設を手掛けるハウスメーカーは多くあり、どの企業を選択するかに悩む方も多いでしょう。
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この記事のポイント まとめ
マンションの建設費は構造別に異なる坪単価相場から割り出せます。マンションで採用される構造の坪単価相場は以下の通りです。
- 重量鉄骨造:90万~120万円
- 鉄筋コンクリート造:90万~120万円
- 鉄骨鉄筋コンクリート造:120万~130万円
3つの構造の建設費シミュレーションなど詳しくは「【5階建てマンション】の建設費相場」をご一読ください。
マンション経営で儲けるためには建設時にできる対策があります。
- 立地に合った間取りにする
- 差別化を図るポイントを作る
- シンプルな意匠にする
- ハウスメーカーのプランを比較検討する
「儲かる【5階建てマンション】建設のポイント」でコツを解説しています。
また、無理なくマンション建設を成功させるには「HOME4U 土地活用」の活用がおススメです。プランを一括請求することで、自分に合った経営方法が簡単に見つかります。
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