【詳しく解説】10階建てマンションの建設費シミュレーション|構造別建設費相場と儲かるポイント
所有地に10階建て規模の建物が建てられる場合、収益性が高い土地活用としてまず候補に挙げられるのがマンション経営です。
マンション建設費用は構造別で大きく変わります。中高層マンションで多い構造別の建設費相場は以下のようになっています。(建坪100坪・延床面積1000坪)
- 鉄骨造:8億円~
- 鉄筋コンクリート造:9億円~
- 鉄骨鉄筋コンクリート造:12億円~
本記事では10階建てマンションの建築費について、建設費の内訳、利回りなどのシミュレーションも交えて解説します。
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この記事の内容
1.【構造別】10階建てマンションの建設費相場
マンションを建てる費用は構造によって坪単価相場があり、これを計算式に用いるとおおよその建設費用がわかります。
ここではマンション建設費の内訳と構造別の建設費シミュレーションをしてみました。
1-1.マンション建設費の構造別坪単価
マンションの建設費は、以下の計算式で概算を求めます。
建設坪単価は躯体構造によって、相場が異なります。10階建て規模のマンションでは、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造のいずれかを採用するのが一般的です。それぞれの坪単価相場を以下にまとめました。
重量鉄骨造(S造) | 90万~120万円/坪 |
---|---|
鉄筋コンクリート造(RC造) | 90万~120万円/坪 |
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 120万~130万円/坪 |
※HOME4U調べ
1-2.マンション建設でかかる費用の内訳
マンション建設費は本体工事費以外にもいくつかの項目に分かれます。具体的には以下のような割合で構成されるのが一般的です。
種類 | 内容 | 割合 |
---|---|---|
本体工事費 | マンション本体にかかる費用。基礎部分、躯体、外装、内装、住設など。 | 全体の7~8割 |
付帯工事費 | 本体にかかわらない工事の費用。地盤改良工事や駐車場などの外構工事、給排水工事など。 | 本体工事費の約2割 |
諸費用 | 工事以外にかかる費用。不動産取得税や登録免許税など税各種、水道負担金、アパートローンの手数料、火災保険料など。 | 本体工事費の約1割 |
10階建てマンションとなると、付帯工事費も諸費用負担も高額になります。計画時にはこれらを含めてしっかり検討することが大切です。
1-3.10階建てマンション建設費構造別シミュレーション
10階建てでマンションを建設した場合の費用を構造別にシミュレーションしてみます。
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1-3-1.重量鉄骨造
<設定条件>
- 建築面積・延床面積:100坪・1000坪
- 坪単価:90万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:9億円=90万円×1000坪
付帯工事費:1億8,000万円=9億円×20%
諸費用:9,000万円=9億円×10%
初期費用:11億7,000万円
1-3-2.鉄筋コンクリート造
<設定条件>
- 建築面積・延床面積:60坪・600坪
- 坪単価:95万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:5億7,000万円=95万円×600坪
付帯工事費:1億1,400万円=5億7,000万円×20%
諸費用:5,700万円=5億7,000万円×10%
初期費用:7億4,100万円
1-3-3.鉄骨鉄筋コンクリート造
<設定条件>
- 建築面積・延床面積:150坪・1500坪
- 坪単価:100万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:15億円=95万円×90坪
付帯工事費:3億円=15億円×20%
諸費用:1億5,000万円=15億円×10%
初期費用:19億5,000万円
2.【10階建て】マンションの間取り例と利回りシミュレーション
10階建てマンションの建設費を抑えるのはようかん型がおすすめです。ここではタイプ別に1戸の間取り事例とそれに基づくマンション経営の利回りをシミュレーションしてみます。
2-1.単身者向けタイプ
単身者向けタイプは戸数を稼げるため、空室リスクの軽減が見込めます。ただし、建設坪単価は高めです。
<設定条件>
- 鉄筋コンクリート造10階建て
- 1R×36部屋+店舗×1
- 専有面積:26平米
- 家賃収入:7万円/戸(店舗35万円)
<利回りシミュレーション>
本体工事費:3億5,000万円=100万円×350坪
付帯工事費:7,000万円=3億5,000万円×20%
諸費用:3,500万円=3億5,000万円×10%
総費用:4億5,500万円
家賃収入:3,024万円=7万円×36戸×12ヶ月
店舗貸収入:420万円=35万円×12ヶ月
賃貸収入:3,444万円
経費:688万8,000円=3,444万円×20%
利回り:約6%=(3,444万円-688万8,000円)÷4億5,500万円
2-2.ファミリー向けタイプ
ファミリータイプは単身者向けタイプに比べ定住率が高く、経営が安定しやすくなります。設備が少なく済む分、建設費用も単身者向けより抑えることが可能です。
<設定条件>
- 鉄骨鉄筋コンクリート造10建て
- 2LDK×40部屋
- 専有面積:74平米
- 家賃収入:15万円/戸
<利回りシミュレーション>
本体工事費:9億8,700万円=105万円×940坪
付帯工事費:1億9,740万円=9億8,700万円×20%
諸費用:9,870万円=9億8,700万円×10%
総費用:12億8,310万円
家賃収入:7,200万円=15万円×40戸×12ヶ月
経費:1,440万円=7,200万円×20%
利回り:約4.5%=(7,200万円-1,440万円)÷12億8,310万円
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3.【10階建て】マンション建設費の増減に影響する事象
10階建てマンションを建設するとなると、事業規模も大きくなり、初期費用負担は相当な額になります。
もともとの建物建設以外にも規模の大きな建物には費用増減に影響する独特のポイントがあります。ここでは、その費用増減に影響する事象について解説します。
3-1.地盤
10階建てほどの高さの建物を建てる際は、地盤強化のために杭工事が行われます。地盤調査を経て支持地盤に杭を打ち込む工事です。
建設予定地の支持層は調査をしないとどの程度の深さにあるかわかりません。この深さが深くなればなるほど地盤強化のための費用は高くなります。一見しても判断ができない費用となるため、注意が必要です。
3-2.近隣の状況
東京都など自治体によって、近隣住民からの申し出に応えるかたちで説明の場を設ける必要があるとした条例を制定しているところもあります。マンション建設時は騒音や工事関係車両の出入りなど、近隣の生活環境に少なくない影響を及ぼすこともあるでしょう。
こうした懸念には事前に対処しておく必要があります。
また、住宅密集地など、隣接している建物から十分な距離がとれなかったり、出入り口があまり広くなかったりすると、いくつかの工程で手作業に切り替える場合もあります。こうした場合、重機などによる作業よりも費用がかかります。
さらに、近隣施設等に配慮して養生をしっかりするケースもあります。
3-3.間取り
集合住宅建設は戸数が増えれば増えるほど、建設費用がかかります。そのため、専有面積が狭いワンルームを多く設けるとそれだけ建設費が高額になります。
間取りタイプによって建設費に影響するのは、住宅設備が1戸につきひとつ必要だからです。設備の中でも水回りの設備はそれぞれそれなりの金額になります。設置には配管も必要になってくるため、工事費用そのものも高くなるのが一般的です。
また、マンションはようかん型での配置がもっとも効率よく建設費も安価になります。北側斜線規制などに影響があると、建物の形状を変形させる必要がでてくるため、建設費に影響が出ることもあるでしょう。
3-4.エリアの建築規制
エリアによっては防火地域や準防火地域に指定されていることがあります。
これらの地域に建設予定地がある場合、建築制限に満たした建物を建てなければなりません。
10階建てマンションは、防火地域でも準防火地域でも耐火建築物としての性能を満たす必要があります。耐火建築物とは、躯体構造がRC造やSRC造などの耐火構造であること、防火ダンパー付きの換気扇の設置などが求められます。
耐火構造にするためには費用がかかります。しかし、耐火構造にすることで入居者を集めやすくなる、資産が守られる、などのメリットもあります。
4.【10階建て】マンション建設で注意したい建築規制
建物を建設するときには、建築基準法にのっとった規模と形状、性能にしなければなりません。特に、10階建てとなると高さ制限に注意が必要です。本章では、10階建てが建てられるかにも影響する建築規制について解説します。
4-1.建ぺい率・容積率
建物が建てられる土地には、それぞれ建ぺい率と容積率が定められています。これは、規模にもっとも影響が大きい規制といえるでしょう。
建ぺい率 | 土地面積に対する建築可能な建物面積(建坪)の割合 |
---|---|
容積率 | 土地面積に対する建築可能な延床面積の割合 |
特に延床面積を決める容積率はどの程度の高さをとれるかに影響します。
4-2.高さ制限
10階建てマンションは30メートルほどの高さです。30メートルとなると、さまざまな高さ制限が影響してきます。以下に高さ制限の種類をまとめました。
絶対高さ制限 | 用途地域で決められている高さ制限。第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域には10、12メートルの制限があり、10階建ては建てられない。 |
---|---|
道路斜線制限 | 前面道路の幅がかかわる高さ制限。反対側境界を起点に上部に一定の角度に上がった延長線の高さにする。 |
隣地斜線制限 | 隣地に影響する高さ制限。一定の高さを起点に定められた角度線までの高さに制限する。宅地は20メートルが起点となるため、10階建ては影響がある可能性も。 |
北側斜線制限 | 隣地斜線制限と同様の計測で、宅地の場合5メートルを起点とする制限。建物の北側にかかる高さ規制。 |
日影規制 | 周辺の日照を確保するための規制。冬至の日を基準に日影ができる範囲と時間を定める高さと幅に関する規制。 |
4-3.用途地域
用途地域はエリアごとに用途が定めている建築規制です。都市計画法で13の用途地域に分けられています。このうち、工業専用地域ではマンションなど集合住宅を建てられません。
用途地域以外にもエリアによる規制は存在します。市街化区域以外の都市計画区域外、市街化調整区域でも原則的に集合住宅を建てられないと考えてよいでしょう。
4-4.接道義務
接道義務は、災害時の避難経路を確保する目的の建築規制です。避難経路の確保にかかわる規制は以下の2種類があります。
接道義務 | 4メートル幅以上の道路への出入り口を2メートル以上確保する義務 |
---|---|
セットバック | 土地と接する道路の幅が4メートル未満の場合、道路の中心から2メートルを道路分として確保する(自用地を後退させる)措置 |
4-5自治体の条例
所有地の自治体が独自の建築規制をかけていないかもチェックする必要があります。
代表的な自治体の建築規制は「ワンルーム条例」です。
ワンルーム条例は、ワンルーム住戸を有する集合住宅に対する規制で、それぞれ自治体が定める規定を満たす必要があります。
- 住戸の最低面積
- ファミリー住戸の一定数の併設
- 管理人の設置
- 駐車場の確保
規模が大きくなる10階建てマンションの場合、ファミリー住戸の一定数の併設や駐車場の確保などがかかわってきます。
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5.【10階建て】マンション経営を成功させる建設のポイント
マンション建設は多額の初期費用を必要とする土地活用です。経営を成功させるには初期費用のかかる段階、つまり計画から建設までにしておきたいことがあります。本章では、マンション建設のポイントを4つ紹介します。
5-1.立地に合った間取りにする
マンション経営は立地の影響を大きく受ける賃貸事業です。
ターゲット設定はエリアニーズに基づき設定します。ターゲットによって向いている立地の特徴は変わってきます。
間取りタイプ | 向いている土地の特徴 |
---|---|
単身者向け(1R、1DK等) |
|
ファミリー向け(2LDK、3DK等) |
|
10階建てマンションともなると規模も大きくなるため、たくさんの住戸を持てます。タイプの異なるターゲットを設定できるエリアであれば、1棟の中に複数のタイプの住戸を作ることも可能です。
5-2.差別化を図るポイントを作る
10階建てマンションが建てられるようなエリアには、同様の規模の修道住宅が林立している可能性があります。競合となる別の物件の中から選ばれるためには、差別化を図るのが有効です。
差別化を図るには、入居規定の変更や家賃設定の改定などの方法もありますが、もっとも有効な方法が独自の設備投資です。設備投資は、建設時がもっとも取り入れやすいタイミングになります。
例えば、昨今の感染症対策として各戸の玄関先に手洗い場を設ける、子育て世代に優しい設備を設けるなどが考えられます。
5-3.シンプルな意匠にする
賃貸住宅は、シンプルなつくりのほうが入居者を集めやすいという特徴があります。
中にはデザイナーズマンションのような独特なインテリアデザインでコアな層をターゲットにしている場合もありますが、10階建て規模では建設費が膨大になってしまい、利回りが低く万が一に備えられない経営が続くことになるかもしれません。
シンプルなつくりは入居者が自分の好みに変えやすいというメリットが生まれます。そのため、ターゲットを広くでき、経営も安定させやすいでしょう。
5-4.建設プランを比較検討する
大きなお金が動くマンション建設では失敗や後悔はできる限り避けたいものです。しかし、本当にこれが正しい選択なのかと迷うタイミングは多く訪れます。迷いを解決する手段として有効なのが、実はプランの比較検討です。
マンション建設に携わる企業はそれぞれ強みとしていることが異なります。複数の企業から建設プランを取り寄せることで、全く違う発想で作成されたアイデアをいくつも自分のものにすることもできるでしょう。
しかし、10階建てマンション建設に対応できる企業を探すのはなかなか難しいものです。
そこで便利なサービスが「HOME4U 土地活用」です。最大10社から建設プランを一括で取り寄せられるサービスで、参画する企業には10階建て規模のマンション建設に対応できる企業が多くあります。経営開始後のサポート体制を整えている企業も多く、経営をトータルで相談することも可能です。
10階建てマンション建設費用に悩んだら、ぜひ「HOME4U 土地活用」をご活用ください。
マンションの建設費は構造別の坪単価相場を延床面積でかけて求めます。マンションで採用される各構造の坪単価相場は以下の通りです。
- 重量鉄骨造:90万~120万円
- 鉄筋コンクリート造:90万~120万円
- 鉄骨鉄筋コンクリート造:120万~130万円
シミュレーションなど詳しくは「【構造別】10階建てマンションの建設費相場」で解説しています。
莫大な費用がかかるマンション経営では建設時にできる成功の秘訣があります。
- 立地に合った間取りにする
- 差別化を図るポイントを作る
- シンプルな意匠にする
- 建設プランを比較検討する
詳しくは「10階建てマンション経営を成功させる建設のポイント」をご一読ください。
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