アパート経営の成功率はどのくらい?成功率に関係する3つの指標
これからアパート経営をする予定の方にとって、アパート経営の成功率がどのくらいなのかは、非常に気になるところです。
ご所有の土地にアパートを建てるのであれば、莫大な金額がかかるので慎重になりますし、親が経営していたアパートを相続で引き継ぐのであれば、自分の代でつぶしたくはないものです。
しかし、実はアパート経営の成功率に関した、公的なデータというものはありません。
そこで、この記事では金融機関が公表しているデータをもとに、アパート経営の「成功率」と「なにを持って成功とするか」について、解説します。
この記事の内容
1.アパート経営の成功率に関した公的データは存在しない
アパート経営の成功率に関した、公的なデータは存在していません。
その主たる理由として、アパート経営で得た不動産所得には確定申告をする義務がありますが、アパート経営を含む不動産投資が成功しているかどうかは、税務署など公的機関への報告義務がありません。そのため、各オーナーの経営状態が成功しているかどうかは、外部からは判断できないのです。
ネットには、民間企業の独自調査によった成功率の割合データが散見されますが、アパート経営の成功率に関した公的なデータが存在していない以上、あくまで私企業内での独自の意見ということになります。
1-1.「アパート経営は成功率が高い」とされる本当の理由
繰り返しになりますが、公的な成功率のデータはないものの、ネット上にはいくつものアパート経営成功率の数値をみかけます。どこも7割近い、高い成功率をうたっているものが多く、数字から判断すれば投資全体としては「成功しやすい」部類に入ります。
数ある投資方法の中で、不動産投資が、なぜこんなに成功率が高いとされるのかを紐解いてみたいと思います。
まず、不動産投資をする際、投資家(オーナー)は賃貸建物を入手するために莫大な金額がかかりますので、金融機関から融資をひいて投資資金に充てます。たくさんの投資方法の中で、銀行が「投資のためのお金を貸してくれる」のは、不動産投資だけです。
一見、不動産投資が他の投資より優遇されているように見えるのは、金融機関から借りたローンの返済原資が入居者家賃であるためです。金融機関は、入居率が高いと判断できる物件や土地条件であれば、例え土地と建物の両方を担保に投資をしたとしても、完済まで継続して融資返済が続くと判断します。
貸し出しをする金融機関にとっては、貸したお金の利子が金融機関の利益になりますので、元本と利子が完済されない案件には、融資の価値がないと判断するのです。
そのため、金融機関は融資の申し込みがあると、まずは物件の土地条件と賃料相場を調査し、万が一返済が滞った場合には、いくらで売却できるかなどの金額をベースに、土地オーナーの資産状況と担保にする不動産価値の両方を与信審査します。
そのため、はじめから土地を所有していて、その土地と新築アパート建物の両方を担保に入れられる「土地活用よるアパート経営」は、金融機関からすると、かなり優良な貸出先ということになります。
別の見方をすれば、金融機関がアパート経営のために融資をすると決定したのであれば、その時点で、そのアパート経営の成功率がある程度高い傾向にあると言っても過言ではなりません。
また、アパート経営を含む不動産投資には、最終的に不動産投資を手じまいするときの方法(出口戦略)として、土地建物の売却があります。
オーナーの立場で見たときには、仮にローン残債があった状態で手じまいをすることになっても、土地建物を売却すれば借金が相殺されるのであれば、アパート経営は赤字にはならなかったことになります。
このようなことを総合し、アパート経営を含む不動産投資は、投資の中では成功率が高めであるとされています。
2.アパート経営の成功率を決める3つの視点
本章では、これから土地活用でアパート経営をする・親からの相続で経営中のアパートを引き継いだ方が、これから先の成功率を推測する方法として、3つの視点を用意しました。
- 金融機関のデータから見たアパート経営の成功率
- 空室状況から見たアパート経営の成功率
- オーナーの想定した「成功」から見た成功率
2-1.金融機関のデータから見たアパート経営の成功率
ローンの貸し出しをする金融機関には、公的なデータとして経営状況を投資家向けに公表する義務があります。
金融機関からの貸出先で焦げ付き(不良債権)などがあれば、そのデータも公表されています。このような情報であれば、「不動産への融資」に関したある程度の公的な真実を語っていると言えます。
今回は、アパート経営を含めた不動産投資に関して、特徴がある金融機関4行の決算書をもとに、不動産投資ローンに関した貸出枠の中で、不良債権となった割合を表にまとめました。
貸出金額に対する不良債権の割合 % | |
---|---|
A不動産投資に強い大手都市銀行 | 6.53% |
B住宅系で人気のある大手都市銀行 | 0.84% |
C不動産投資に強い大手地方銀行 | 1.45% |
D不動産投資に強いネット系銀行 | 1.99% |
4つの金融機関 不良債権割合 平均 | 2.70% |
【各金融機関 2023年第二四半期の決算説明資料より編集部まとめ】
太字で表した「4つの金融機関 不良債権割合の平均」である2.7%は、複数の金融機関の平均値です。
この数値を基にすると、金融機関での不動産投資での焦げ付割合が約2.7%であることから、残りの貸し出し分は、滞りなくローン返済の継続ができていることになります。つまり、100%-2.7%=97.3、約97%の不動産投資家は、問題なくローン返済ができていると推測できます。
ただしこの数値は、不動産投資をしている方の実情の数字ではなく、あくまで、ローン返済を滞納して不良債権となるという最悪のシナリオを指し引いたという意味での「成功率」です。
実際には、この97%という数字の中には、毎月ローンを返済したらプラスマイナスゼロの方や、オーナーが自己資金から補填しているケースなどの、経営状態が不安定なものも含まれています。
そのため、この数字をそのまま受け取ることには注意が必要ですが、アパート経営を含めた不動産投資の成功率は「おおむね高い」傾向にあると言えます。
土地活用ではじめるアパート経営は、一般的な不動産投資と比較すると成功率が高くなる傾向があることは理解いただけたと思います。
アパート経営が成功するために大切な条件はいくつもありますが、はじめての土地活用の場合は、何でも相談出来て信頼できるパートナーとなるハウスメーカーや建築会社の伴走が必要です。
このような会社の見つけ方は、たくさんのアパート建築プランを請求し、プランや担当者の対応を見比べていくことで、だんだんとわかるようになります。複数のプラン請求には、NTTデータグループの運営している「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」の一括プラン請求をご利用ください。
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2-2.空室状況から見たアパート経営の成功率
アパート経営に最もダメージを与えるのは「空室リスク」です。
アパート経営を含む不動産投資では、金融機関から借りたローンの返済原資は、入居者からの家賃です。
空室があるということは、その部屋から一円も収入が入ってきませんので、空室が多くなるとローンの返済額に影響が出ることがあります。
アパート経営をはじめるときには、融資を申し込む段階で事業計画書を作って提出しますが、この事業計画書は融資をしてもらうために、「健全経営」ができることを証明するための資料です。
そのため、一般的な不動産投資の事業計画書は、はじめから空室が2割ある前提で、それでもローンが返済可能であることが証明できる数字を使います。例えば、10室あるアパートであれば常に2室が空室でも、ローン返済には困らない前提で総予算を組み、毎月の返済額を決定します。この数字が、金融機関が想定した数値と合致していれば、審査は通過し、融資が下りることになります。
つまり、事業計画書に沿って考えれば、アパート経営は空室率2割ならば成功している、それ以上の空室が発生し始めたら、経営が成功から徐々に離れ始めていると考えられます。
ただし、相続によってアパート経営を引き継いだケースで、親の代でローンが完済している場合や、経費とのバランスが取れていて事業計画に支障が出ていないのであれば、4割以上の空室率でも問題なく継続が可能です。
現実問題として、アパートの空室率が2割以上になった場合は、空室リスク対策として、必要なリフォームや修繕、家賃の値下げなどで対応し、満室経営を目指していきます。
空室対策による経費が多かった年は、確定申告が赤字になることもありますが、会社員や他の事業をしている方の場合は、損益通算という形でアパートの赤字経営の恩恵を受けることもあります。
このようなことから、アパート経営の成否は、空室率を基準にして長期的かつ柔軟な視点で見ておく必要があります。
2-3.アパートオーナーの想定した「成功」から見た成功率
アパートオーナーが土地活用に何を求めているかで、成功率の見え方も変わります。
土地活用の基本は、土地からの利益を最大化して収入を得ることですので、今まで活用していなかった土地から利益が発生したのであれば、大きな意味で言えば成功になります。
例えばオーナーが、「月数万円の収入で良い」と思っているか「アパート投資だけで生計を立てたい」と思っているかによっても、成功だとされる金額も基準も変わります。
また、土地活用には様々な種類がありますので、ご所有の土地に最も適した土地活用方法を択べているかも、アパート経営の成功率に大きく影響します。
次章からは、どのような状態が、オーナーにとっての成功になりやすいかを探っていきます。
3.アパート経営の成功率と深い関係がある7つの経営メリット
本章では、アパート経営の成功率と深い関係のある7つの経営メリットをまとめています。
オーナーによってアパート経営をはじめる理由がさまざまであるため、何をもって成功とするかは、オーナーが土地活用に何を求めたかで変わってきます。
アパート経営をすることによって、オーナーに発生するメリットは主に7つあります。
- 土地の有効活用
- 高利回りの資産活用
- 長期安定収入
- 将来への備えになる
- 夢の実現が可能(FIREなど)
- さまざまな節税ができる
- 資産の継承と拡大
3-1.土地の有効活用
所有しているだけで活用をしていなかった土地を活用し、新たに収入が発生していることがすでにメリットと言えます。
相続をして引き継いだ場合も、今までは親世代の収入と不動産だったものが、ご自分の収入と不動産になり、これから先もアパート経営を含めた土地の有効活用ができるというメリットがあります。
3-2.高利回りの資産活用
アパート経営は、数ある投資方法の中では利回りが良いと言われています。
利回りとは、アパート経営に投資した金額から、どのくらいの利益が出せるのかを示す数値のことです。
もっとも簡単な計算方法は「年間家賃収入÷物件価格×100=利回り(%)」となります。
以下は計算方法の例です。
例)
- 投資総額 1億円
- アパートの部屋数 6室
- 年間想定家賃 10万円×6室×12か月=720万円
- 利回り 720万円÷1億円×100=7.2%
同じ不動産への投資として、国内の株式での不動産投資(REIT)の利回りは0.46~7%と幅広く、平均利回りは3.18%です。同じ1億円を投資するのであれば不動産投資の方が有利ということになります。
利回りは工費総額や家賃設定を何度もシミュレーションする中で、ご所有の土地とエリアにとっての最適な利回り数値の相場がわかるようになりますので、たくさんのアパート建築プランを請求することで情報の確度が高くなっていき、成功率も上がる傾向にあります。
3-3.長期安定収入
アパート経営はスタートから20~30年、建物の状態が良く、大きな災害などがなければ50年近い長期の経営も可能です。
立地条件が良ければ、経年をしても家賃設定を大幅に下げる必要がないため、長期安定収入が期待できます。
建物の経年劣化などによる修繕費は年々かさむようにはなりますが、適切なメンテナンスをすることにより、収支バランスの良い状態を長期にわたって維持することも可能です。
3-4.将来への備えになる
前項で解説したように、アパート経営は長期の安定収入が期待できる投資方法ですので、例えば35歳でスタートしたアパート経営を20年でローン完済すれば、定年が見えてきた55歳の頃には、アパート経営からの収入を老後資金のサポートに充てることができます。
また、同じように10~20年単位の未来の計画に沿ってアパート経営をすれば、子供の大学入学資金や将来のマイホームの建て替え資金など、人生のライフイベントのさまざまなシーンへの備えになります。
3-5.夢の実現が可能
将来的に起業や独立をするなど、早期リタイアメントやFIREを希望する方にとって、アパート経営という、給料とは別の収入の柱があることは、大変に心強いと言えます。
会社員としての給与がある場合は、家賃収入を全額返済に充てることで、事業計画でつくった完済時期を早めることも可能です。
ローンが完済したアパートは、入居者からの収入から経費を指し引いたものが全て収入となりますので、会社を辞めて独立する、不動産経営を専業にするなど、さまざまなことにチャレンジできます。
3-6.さまざまな節税ができる
アパート経営をはじめることで、さまざまな節税が可能です。
アパート経営をはじめる方の中には、以下のようなさまざまな節税を目的にスタートされる方もいらっしゃいます。
- ・所得税 住民税
- 損益通算によりアパート経営で赤字が出た場合に、会社員などの給与と赤字を相殺できる。その際、会社で払いすぎた源泉徴収が還付されることがある。
- ・相続税 贈与税
- 現金で相続・贈与をすると、額面に対して100%の相続税がかかりますが、アパートを建ててから相続・贈与をすれば、課税評価額を下げられます。
- アパートを建てるためのローン残債はそのままマイナスの遺産として課税額を減らすことができます。また、人に貸している土地建物は貸家建付地・貸家割合などの減税制度が適用されるため、相続税の課税対象額を減額できます。
- ・固定資産税
- 人が住むための建物は、住宅用地の特例が適用されるため、更地の1/6の固定資産税・都市計画税になります。
これらはすべて税金の制度を利用した節税方法ですので、条件さえ合えばだれでも利用できる上に、適切なことをすれば、節税への成功率は高い方法です。
特に、将来の相続税対策をご検討中の方、法人会社を経営されている方、会社員としての年収が1,000万円を超えている方は、税理士に相談の上、節税対策としてのアパート経営も検討する価値があります。
3-7.資産の継承と拡大
相続で引き継いだアパート経営の場合は、ご自分が頑張って経営を学び、アパート経営の成功率を上げることで、次の世代に不動産を良い状態で手渡すことができます。アパート経営にはオーナーにとって多くのメリットがありますので、そのメリットを子々孫々にまで継承していけるのは、家にとっての成功と言えます。
今ある状態から良い状態で引き継いでいくためには、適切なタイミングでリノベーション・建替えなどをする必要があり、長期的な事業計画が必要です。
これからアパート経営をはじめる方は、土地活用で資産を増やしてから次の世代に遺すことができます。どちらのケースでも、親子で協力して進めておくほうが、アパート経営と資産継承・拡大の成功率は上がります。アパート経営と将来のことが気になる方は、以下の参照ページをご利用ください。
アパート経営をはじめてオーナーになること、相続でアパート経営を引き継いでオーナーになることのどちらも、不動産投資による大きなメリットがあることがわかりました。アパート経営は他の投資と比較すると成功率も高めであり、さらに土地がすでにある、またはアパートがすでにある状態であれば、成功率はさらに高くなります。
これからアパートを建てる方も、相続によるアパートに少し手を加える予定の方も、まずは、ご所有の不動産を使って、どのようなことができるのかをアパート建築プランを請求して比較してみるところからはじめて下さい。
プラン請求の際には、たくさんの可能性の中から最適なものを選び出すために、たくさんのプランを請求します。その際には、一回の入力で最大10社にまでプラン請求ができるNTTデータグループの運営する「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」の一括プラン請求をご活用ください。
なお、アパートの経営の基本について詳しく知りたい方は、以下の動画や関連記事も併せてご確認ください
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4.アパート経営の成功率を高めるための7つの準備
どれだけ良い条件でスタートしても、経営者である現在のオーナーが努力しなければ、アパート経営の成功率は下がってしまいます。
はじめてのアパート経営者となる方向けに、経営の成功率を高めるための7つの準備をまとめました。
- 立地条件の良い場所で経営する
- リスクを考慮して経営計画を立てる
- 余裕のある資金計画を立てる
- 経営計画・資金計画は定期的に見直す
- 良質な管理会社に管理委託する
- さまざまな土地活用と比較する
- 複数の建築プランを比較する
4-1.立地条件の良い場所で経営する
アパート経営で最大のリスクとなるのは空室ですが、この空室リスクを最も高い確率で回避できるのは、立地条件の良さです。
良い条件の立地とは、例えば、駅から徒歩10分圏内・近くにコンビニやスーパーがある・などの利便性の高い場所のことです。
これに加えて、日当たりや風通しが良い、ターミナル駅に直通しているなども好条件です。
ただし、小さな子供がいるファミリー世帯向きのアパートの場合は、駅から15分以上離れていても、近隣に保育園・幼稚園・学校・医療施設・公園などが揃っていれば、立地条件が良いと判断されます。
ご所有の土地がどちらでもない場合は、先に周辺エリアの賃貸需要を確認し、賃貸のニーズが高く無いようであれば別の土地活用も併せて検討してみてください。
相続で引き継いだ場合も、親世代が建築した当初とは周辺環境が変わっている可能性もありますので、やはりエリアニーズの調査が必要です。
これらの調査は、ご自身でするよりも、不動産や賃貸経営のプロであるハウスメーカーや建築会社の担当者に依頼するほうが正確なことがわかります。
4-2.リスクを考慮して経営計画を立てる
アパート経営には、次のようなリスクがあります。
1.空室リスク | 空室が発生することにより家賃収入が減る、ローン返済に支障が出る |
---|---|
2.金利上昇リスク | 金利上昇により返済額が上昇する |
3.家賃下落リスク | 入居者が決まらない場合、家賃を下げて対応する。返済計画に支障 |
4.修繕リスク | 経年劣化により修繕費が増えていき、収支バランスを圧迫する |
5.災害リスク | 地震・火災などにより経営が続行できない |
6.入居者トラブルのリスク | 入居者同士のトラブルにより退去が増えて空室リスクが高まる |
ただし、これらのリスクは経営開始前の段階で対策を講じておくことができますので、リスクを考慮・対策をしたうえでスタートすれば問題ありません。また、これらの経営リスクは物件の大小を問わず、不動産投資につきものと言われていますので、リスク=デメリットではありません。リスクに関した詳細は関連記事もご覧ください。
4-3.余裕のある資金計画を立てる
土地活用によるアパート経営は、無借金の土地を担保に入れることができますので、他の不動産投資と比べれば資金計画に余裕があります。
しかし、アパート建物を建てるためには、やはり融資が必要ですので、ローンを組む際には、なるべく自己資金を準備して堅実な資金計画を立てるようにしてください。
自己資金は最低でも総額の2割、できれば3割準備するのが理想です。
資金が3割に届かない場合でも土地条件が良い場合は、融資を引き受けてくれる金融機関もあります。しかし、利率が高くなる傾向があり、返済負担が大きくなります。
ローン返済は長期間にわたり滞りなく支払いができてはじめて「アパート経営の成功」となりますので、無理のない自己資金額と返済額を設定してください。
4-4.経営計画・資金計画は定期的に見直す
アパート経営の成功率をあげるには、5・10・15・20年後などの区切りで、現実的な物件の状態などを考慮した経営計画と資金計画を立ててください。
例えば、経営5~10年後にはエアコンや給湯設備の法定耐用年数が経過し、さまざまな修繕が発生する可能性があります。
10~15年前後には屋根や壁の塗り直し、共有部分のコンクリートやタイルの劣化補修などが必要となります。さらに、20年後には水まわり設備に大きな故障が出る可能性が高くなります。
このように、長期的な修繕リスクを基本に、その他の経営リスクを複数織り込んだ長期の予定を組んでおき、そのことを前提に経営と資金の計画を立てます。
計画通りにすすめようとしても、思ったように資金準備ができない場合には計画の見直しをし、適切な時期に適切な資金が準備できるように経営することが、アパート経営の成功率を高めることにつながります。
相続でアパート経営を引き継いだ場合でも、その時点での経営年数・建物の状態をもとに、これからかかる費用をシミュレーション計算してください。その上で収支のバランスが取れないのであれば、アパートの建て直し・別の土地活用をするなどもあわせてご検討してください。
4-5.良質な管理会社に管理委託する
アパートの日常的な管理を委託する管理会社選びは、アパート経営の成功率に大きく影響します。
管理には入居者募集・契約案内・更新管理・振込管理・かんたんなクレーム対応などをする賃貸管理と、建物の美化整備と維持管理を担当する建物管理があります。
管理会社によって得意とする管理も違い、賃貸管理と建物管理の片方しかしていない会社もあります。
どこまで委託するのかは各社の管理実績をチェックし、複数の管理会社からの管理プランを比較して選んでください。
また、出来れば担当者とは一度面談をし、委託料だけではなく、担当者の対応などもふくめて総合的に判断してください。
【参考:賃貸経営HOME4U】
4-6.さまざまな土地活用と比較する
アパート経営をする前には、必ず、アパート以外の土地活用プランを複数比較し、ご所有の土地から最も利益を最大化できるプランを探し出してください。アパート経営は最もポピュラーな土地活用方法ですが、もっと別の土地活用プランの方が適している可能性もあります。
土地活用にはさまざまな方法がありますので、複数の可能性の中から、最も成功しやすいものを選ぶのが、アパート経営を含んだ土地活用の成功率を上げる方法です。
相続でアパート経営を引き継いだ方は、現状の経営状態から何か改善点がないかを、一度、不動産のプロに相談してみてください。例えば、空室が続く部屋がある場合には、その部屋だけでも改修をするなどで、長期的に経営状態を良くすることも可能です。
このような、土地や建物に対して適切なことをすると、アパート経営の成功率を自力で上げていくことができます。
4-7.複数の建築プランを比較する
なるべく成功率の高いアパート経営をしたいとお考えであれば、複数の建築プランを見比べて、ご所有の土地にはどのようなアパートが適しているのかを、じっくり探し出す必要があります。
ハウスメーカーや建築会社には、各社が得意としている工法やデザインなどがあり、どこも個性のある品質の良いアパートつくりができます。しかし、アパート経営の成功率を上げたいのであれば、活用予定地エリアでニーズの高い間取り設備やデザインなどを選び出す必要があります。
活用予定地にとっての最適解になるアパート建築プランが見つかれば、空室率が低く、入居者からの支持が強い、経営効率の良いアパート経営に近づきます。たくさんのアパート建築プランを比較するのであれば、一回の入力で最大10社にまで一度にプラン請求ができるNTTデータグループの運営する不動産情報サイト「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」の一括プラン請求をご利用ください。
日本全国のアパート経営に強いハウスメーカーや建築会社の中から、相性の良い企業をご紹介しています。提案された企業は、なるべくたくさんのチェックをつけて、たくさんのプランを請求してください。
プランを見比べて、「良さそうだな」と感じるものがあれば、現地調査に来てもらいます。その際に、担当者にわからないことなども質問できますので、その対応も見ながら、プランと会社とを選んでいきます。このようにして、おおくの選択肢の中から選抜に残ったアパート建築プランと会社は、オーナーにとっての最適解ですので、アパート経営の成功率は高くなる可能性があります。
アパート経営の成功率に関する公的なデータは存在しません。ただし、何をもって「成功」とするのかはその視点によります。
- ・金融機関のデータから見たアパート経営の成功率
- ローンを滞納して不良債権とならなければ、ある意味で成功と考えられます。
金融機関のデータによると、不良債権となった割合は2.7%、不良債権を差し引いたという意味での「成功率」は、約97%となります。 - ・空室状況から見たアパート経営の成功率
- 事業計画書に沿って判断すれば、アパート経営は空室率2割ならば成功と考えられます。
- ・アパートオーナーの想定した「成功」から見た成功率
- アパートオーナーが土地活用に何を求めているかで変わります。
オーナーが求めるのが土地の有効活用なのか、長期安定収入なのか、節税なのか、その目的によって成功したか否かは変わってきます。
成功率の考え方について詳しくは「アパート経営は成功率が高いとされる本当の理由」を、アパート経営の成功率に深く関わるオーナーの経営メリットについては「アパート経営の成功率と深い関係がある7つの経営メリット」をご確認ください
アパート経営の成功率を高めるために、押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 立地条件の良い場所で経営する
- リスクを考慮して経営計画を立てる
- 余裕のある資金計画を立てる
- 経営計画・資金計画は定期的に見直す
- 良質な管理会社に管理委託する
- さまざまな土地活用と比較する
- 複数の建築プランを比較する
詳しくは「アパート経営の成功率を高めるための7つの準備」をご確認ください。
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【基本を解説】知識ゼロから始める「アパート経営 基本ガイド」 アパート経営は土地活用の王道ともいえる、人気の高い活用方法です。こちらの記事では、アパート経営で相続税対策をする方法や具体的な収益シミュレーションを確認することができます。
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