一般的な住宅の土地の面積は首都圏では40坪程度が多いため、30坪となると少し狭い部類に属します。
狭い土地は基本的に土地活用は難しいのですが、規模が小さく投資額が抑えられることから、低いリスクで土地活用ができるというメリットもあります。
この記事を読むと、
- 30坪で土地活用をするメリットとデメリット
- 30坪でも賃貸経営や駐車場などさまざまな活用方法がある
- 土地に適した活用方法を知るにはプロに相談することが近道
といったことがわかります。
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1.【30坪】で土地活用をするメリット
「30坪は土地活用をするには少し狭いかな…」と心配している方もいらっしゃるかもしれませんが、以下のようなメリットがあります。
- (1)投資額が少なくリスクを抑えられる
- (2)借入金を少なくしてキャッシュフローを良くすることができる
メリットを十分に理解していただくために、それぞれひとつずつ解説していきます。
1-1.投資額が少なくリスクを抑えられる
30坪で土地活用をするメリットの一つは、「投資額が少なくリスクを抑えられる」です。
30坪の土地の上に建てられる建物は必然的に規模が小さくなるため、全体の投資額を抑えることができます。
不動産投資は、1回の投資額が大きければ大きいほど、失敗したときのリスクも大きくなります。
30坪の土地活用の場合、自然に投資額が抑えられますので、失敗したときの損失も小さくすることができます。
そのため、30坪の土地活用は、「あまりリスクを取りたくない人」や「土地活用の初心者」にも向いています。
1-2.借入金を少なくしてキャッシュフローを良くすることができる
30坪の土地活用は投資額が少ないことから、借入金を少なくしてキャッシュフローを良くすることができるというメリットがあります。
キャッシュフローとは、「土地活用で得られる収益の最終的な手残り」のことです
土地活用では、主に以下のような支出が発生します。
- 固定資産税および都市計画税
- 損害保険料
- 管理委託料
- 軽微な修繕費
- 入居者募集費用
- 税金
- 借入金の返済額
土地活用の支出の中で、一番大きな割合を占めるものが「借入金の返済額」です。
一般的な土地活用の場合、借入金の返済額は家賃収入に対して50%程度の割合を占めます。
もし全額自己資金で投資をすれば、借入金の返済額はゼロ円になりますので、キャッシュフローが大きく向上します。
土地活用は、下手に大きな物件で多額の借入金を借りて投資を行うよりも、小さな物件でほとんど借入金を借りずに投資を行った方がキャッシュフローは良くなることもあります。
土地活用で稼ぐには、規模を大きくするという方向性もありますが、自己資金割合を大きくするという方向性もあるのです。
30坪の土地活用は投資額が少ないため、人によっては自己資金100%で活用ができる方もいらっしゃいます。
借入金を借りずに投資をすれば、30坪の土地活用でも大きな土地の土地活用に引けを取らないキャッシュフローを得ることができますので、極力借入金を借りない方向性も検討してみてください。
2.【30坪】で土地活用をするデメリット
メリットがある一方でデメリットも存在します。
以下の3点が主なデメリットです。
- (1)総額としての収入が高くない
- (2)選択肢が限られる
- (3)建築費が割高となる
それではひとつずつ見ていきましょう。
2-1.総額としての収入が高くない
前章で「キャッシュフローが良い」というメリットを挙げましたが、総額としての収入が高くならない点はデメリットです。
土地活用は、建物規模が大きいほど賃貸面積も増えるため、家賃収入も大きくなります。
30坪の土地活用は、大きな建物を建てることはできないことから、賃貸面積も少なく、家賃収入の総額も土地活用としては少なくなります。
また、30坪ではゆとりのある建物設計が難しいため、「貸しにくい」建物となってしまうケースもあります。
しっかり吟味した適切な間取りにしておかないと、賃料を低めに設定しないと借主が見つからないといったこともあり、賃料単価が低くなる例もあります。
限られた土地で収益を最大化するためには、「どういったものを建てるのか」を事前にしっかり練ることが重要です。
2-2.選択肢が限られる
30坪の土地活用は、選択肢が限られるという点がデメリットです。
土地活用は、基本的に土地面積が広いほど選択肢が増えていきます。
賃貸マンションや郊外型店舗、ビジネスホテル、オフィスビル、老人ホーム等の土地活用は広い土地面積が必要です。
30坪では広い土地面積を要する土地活用ができないことから、限られた選択肢の中で選ばざるを得ません。
30坪で土地活用を行うには、数少ない選択肢の中でも可能性をしっかりと広げ、その中から収益性の高い土地活用を選ぶという比較検討のプロセスがとても重要となります。
2-3.建築費が割高となる
30坪のような小さな敷地の土地活用は、建築費が割高となる傾向があります。
狭すぎる土地だとハウスメーカーの規格品が収まらないこともあり、特殊な設計や特注品が必要となることもあります。
また、賃貸面積を確保するために3階以上の建物とすると、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造等を採用することになり、木造2階建ての物件と比べると割高となってしまうことも多いです。
このようなデメリットを踏まえ、30坪で土地活用を成功させるには、建築費についても複数の建築プランの中からしっかり比較することが重要となります。
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3.【30坪】でできるおススメの土地活用
では、どのような活用法が30坪の土地には適しているのでしょうか?
おススメの土地活用は、以下の8種類です!
- (1)戸建て賃貸
- (2)自由設計のマンション
- (3)狭小アパート
- (4)ガレージハウス
- (5)シェアハウス
- (6)コインパーキング
- (7)トランクルーム
- (8)小規模店舗
それではひとつずつ見ていきましょう。
3-1.戸建て賃貸
30坪の土地活用で最もおススメなのは戸建て賃貸です。
戸建て賃貸は、戸建てさえ建てばできますので、30坪の土地でも十分可能となります。
戸建賃貸のメリットとしては、需要の割には供給量が少なく、競合物件が少ないという点です。
戸建て賃貸の収益性はアパートよりも劣るため、アパートが建てられる広めの土地を持っている人は、ほとんどアパートを選択します。
よって、戸建て賃貸は賃貸市場になかなか供給されず、狭い土地の専売特許となっています。
戸建て賃貸には、「アパートではなく戸建てに住みたい」という底堅い需要が存在します。
そのため、戸建て賃貸は周辺に新築のアパート物件が供給されたとしても、一定の競争力を維持することができるのです。
加えて、他の土地活用と違い、何年か住んだ借主が「気に入ったから購入したい」と言ってくることもあります。
土地活用の出口戦略として「借主への売却」という選択肢があるのも、おススメのポイントです。
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3-2.自由設計のマンション
30坪のような狭い土地では、自由設計のマンションも考えられます。
自由設計とは、その敷地の特徴に応じて、ゼロから自由に設計して建てる建物のことです。
狭い土地は、規格品のマンションだと部屋が収まらないケースがあります。
マンションやアパートは、一般的には羊羹切りと呼ばれる長方形の形状をした部屋が多いです。
狭い土地は、羊羹切りの部屋が収まらないこともあります。
自由設計では、部屋の形も敷地形状に合わせてゼロから考えて作っていきます。
建物の構造は、柱や梁の長さを自由に調整できる鉄筋コンクリート造であることが多いです。
自由設計のマンションは、16坪程度の敷地から建設事例があるため、30坪であれば十分に建てることができます。
3-3.狭小アパート
敷地の形状が比較的良ければ、狭小アパートも考えられます。
狭小アパートは、各戸の部屋の面積を小さくすることができるため、家賃総額を抑えられる代わりに賃料総額を上げることができます。
そのため、狭小アパートは戸建て賃貸よりも収益性が高くなる点がメリットです。
30坪でもアパートの可能性はゼロではないので、念のため、ハウスメーカーに聞いて見ることをおススメします。
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3-4.ガレージハウス
ガレージハウスとは、車庫と住居が一体となった賃貸物件になります。
車庫と住居が内部で行き来できるビルトインガレージと呼ばれるものが、ガレージハウスを指していることが一般的です。
ガレージハウスも、戸建てさえ建てばできるため、30坪でもできる土地活用となります。
ガレージハウスは、「付加価値のついた戸建て賃貸」というイメージであり、賃料も比較的高く貸せるという点がメリットです。
また、車で移動することを前提とした愛好家をターゲットとしており、駅から離れたような立地でもできる点もメリットです。
例えば、高速インターチェンジに近い場所は、入居者がドライブを楽しめるため、ガレージハウス適地となります。
狭い土地でガレージハウスを行う場合、1階を車庫とし、2階以上を住居と設計するのが一般的です。 そのため、重量鉄骨造で建てることも多く、建築費は若干割高となります。
ただし、重量鉄骨造は、梁(柱と柱を繋ぐ横架材)を太くすることができ、広い空間を生み出すことができます。
例えば、ポルシェのカイエン等の外車の高級大型車も停められるような設計にしておくと、希少性が高まり、物件の負荷価値をさらに上げることができます。
ガレージハウスは、アイデア次第で高い賃料を得られる物件にもすることができますので、建てる場合には設計ポイント等も研究してみてください。
3-5.シェアハウス
30坪の敷地では、戸建てタイプのシェアハウスを行うことも可能です。 シェアハウスは、1人当たりの賃料総額を抑える代わりに、賃料単価を上げることができます。 よって、戸建て賃貸よりもシェアハウスにした方が収益性は高くなる点がメリットです。
また、シェアハウスは例えば「外国人と一緒に住める」、「女性専用」等のようにコンセプトを明確化すると差別化することができます。
差別化された物件は、賃料の値下げ競争に巻き込まれにくい点がメリットです。
シェアハウスは、建物用途は「寄宿舎」と呼ばれるものになります。
寄宿舎とは、玄関、キッチン、トイレ、浴室等が共用で、寝室だけ個別に分かれた建物のことです。 学生寮のような建物がいわゆる寄宿舎に相当します。
戸建て賃貸の用途は「住宅」ですので、厳密には「戸建て賃貸」と「戸建てタイプのシェアハウス」は異なる建物です。
シェアハウスを行いたい場合には、最初から寄宿舎として設計する必要がありますので、設計者にはシェアハウスにしたい旨を伝えることが必要となります。
3-6.コインパーキング
コインパーキングも、狭い土地でできる土地活用の一つです。 以下に34坪のコインパーキングの配置例を示します。
駐車場は、1台あたり「2.5m×5.0m」の広さが必要です。
敷地内に走路を設ける場合、切り返しができるスペースを考慮し、5.0mの幅員が必要となります。
コインパーキングは、1台からでも可能です。
駐車場運営会社に土地から貸す「土地貸し」というタイプを選択すれば、初期費用ゼロ円でスタートすることもできます。
コインパーキングは初期費用を抑えて行うことができる点がメリットですが、収入は建物を建てて貸し出す土地活用よりも低くなる点がデメリットとなります。
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3-7.トランクルーム
狭い土地であれば、トランクルームも選択肢の一つです。
トランクルーム経営とは、コンテナハウスと呼ばれるコンテナに似た建物を建築し、荷物置場としてスペースを貸しだす土地活用になります。
コンテナハウスは、1つの大きさが9坪程度ですので、30坪の敷地で行うことは十分可能です。
また、駅から離れた場所でも賃貸ニーズがあります。
ただし、コンテナハウスは工場から現場にそのままの大きさで運び込まれるため、土地の間口は6m以上、前面道路の幅員も6m以上あることが必要となります。
3-8.小規模店舗
30坪の土地なら、立地によっては小規模店舗も可能です。
店舗面積は、20坪以上の区画を確保できると、飲食店や美容院等の賃貸ニーズがあります。
店舗は住宅よりも賃料単価が高いという点がメリットです。
物件が商業立地にある場合には、鉄骨造の1階建てとすると建築費も安く抑えられ、高利回りの土地活用をすることもできます。
4.失敗リスクを回避する30坪の土地活用の始め方
30坪の土地で土地活用を始めるのであれば、まずは自分の土地でどのような土地活用ができるのか、複数の具体案を比較することから始めるのが鉄則です。
前章で様々な活用法を紹介しましたが、立地、土地の形状、前面道路など色々な要素で初期費が変わってきますので、どの活用法の費用対効果が良いのかは、実際に見積もってもらわないことにはわかりません。
複数の具体案を手間なく比べるなら、NTTデータグループが運営する「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」がおススメです。
お持ちの土地の所在地や広さなどを入力するだけで、戸建て賃貸、アパート、店舗、ガレージハウス、トランクルーム、コインパーキング等を提案できるハウスメーカーや専門企業を簡単に見つけることができ、
「初期費や建築費がいくらか」
「将来の収支計画がどうなるのか」
「節税効果やローンのシミュレーション」
といった土地活用を始めるために必要な情報をまとめた「土地活用プラン」を一括請求することができます。
お金をかけずに、30坪でできる土地活用プランを比べられ、その中から最も収益性の高い土地活用を選べるようになっています。
30坪の土地でも可能性が大きく膨らみますので、まずは「HOME4U 土地活用」で複数の具体案の提案を受けてみることから始めてみてください。
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まとめ
いかがでしたか。
「30坪の土地活用」について解説してきました。
30坪で土地活用をするメリットには、「投資額が少なくリスクを抑えられる」や「借入金を少なくしてキャッシュフローを良くすることができる」といったメリットが挙げられます。
一方で、「収入が高くない」や「選択肢が限られる」といった点がデメリットです。
30坪でしっかりと収益を上げるなら、まずは様々な活用法の土地活用プランを比べ、収益性の高いものを選択することが不可欠です。
ぜひ「HOME4U 土地活用」を上手に使って、理想の活用法を見つけてくださいね!
この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット