新しい賃貸経営の一つに、ガレージハウスを貸し出す「ガレージハウス経営」があります。
ガレージハウスは希少性があり、比較的高い賃料で貸すことが可能です。
他とは違った土地活用をやってみたい方の中には、ガレージハウス経営に興味がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、「ガレージハウス経営」を検討している方に向けて、
- ガレージハウス経営のメリットとデメリット
- ガレージハウス経営に成功するための方法
- 設計のポイント
- 注意すべき落とし穴
などについて解説していきます。
ぜひ最後までおつきあいただき、ガレージハウス経営を成功に導く第一歩としてください。
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1.ガレージハウスとは
ガレージハウスとは、車庫と住居が一体となった住宅を指します。
主にビルトインガレージと呼ばれる形式で、車庫と住居が内部で行き来できるタイプの車庫付き住宅のことです。
ガレージハウスには、1戸からなる戸建てタイプのものと、複数戸が連なった長屋タイプのものがあります。
長屋タイプのものは、かなり広い土地面積が必要なため、数としては少ないです。
ガレージハウス経営では、多くの場合、戸建てタイプのものが賃貸に出されています。
車庫はシャッター付きのものが多く、車を風雨から守ることができるという点が特徴です。
また、室内で車のメンテナンスや洗車、架装(かそう)等を行うこともできます。
そのため、車やバイクの愛好家に需要があり、自宅をガレージハウスにしたり、賃貸でガレージハウスに住んだりする人たちが一定数存在します。
賃貸のガレージハウスは、「車は好きだけども、自宅をガレージハウスにするのは無理」といった人たちに底堅い需要があります。
2.ガレージハウス経営のメリット
ガレージハウス経営のメリットは、以下の3点です。
- 駅から離れた立地でも需要がある
- 賃料を高めに設定できる
- 狭い土地でも活用できる
それではひとつずつ見ていきましょう。
2-1.駅から離れた立地でも需要がある
ガレージハウスは駅から離れた立地でも需要がある点がメリットです。
入居者は愛車での移動を前提としているため、駅から徒歩圏外であっても貸すことができます。
むしろ高速インターチェンジに近いような立地の方が、ドライブが楽しめるため、適した立地です。
普通のアパートや賃貸マンションとしては難しい土地でもできる点が、ガレージハウスの強みです。
2-2.賃料を高めに設定できる
ガレージハウスはガレージという付加価値のついた戸建て賃貸ですので、賃料を高めに設定できる点がメリットです。
希少性も高く、物件が少ないので、気に入ってもらえるように設計すれば長期間入居してもらうこともできます。
周辺の戸建て賃貸と比較すると、賃料をやや高くすることができ、長期に安定して貸せる点が強みです。
2-3.狭い土地でも活用できる
ガレージハウスは狭い土地でも活用できる土地活用です。
広い意味で戸建て賃貸ですので、戸建てが建つような土地であれば、建てることができます。
また、形状が悪くアパートが建てにくい土地でも可能な土地活用です。
3.ガレージハウス経営のデメリット
ガレージハウス経営のデメリットは、以下の3点です。
- アパートよりも投資効率が低い
- 戸建てタイプは空室時の影響が大きい
- 建物の固定資産税は安くならない
それではひとつずつ見ていきましょう。
3-1.アパートよりも投資効率が低い
ガレージハウスは、アパートよりも投資効率が低いという点がデメリットです。
賃貸のガレージハウスは、広い意味で戸建て賃貸に分類されますが、1つの土地に1戸の建物となるため、小さな住戸を複数戸詰め込めるアパートよりも収益性が低くなります。
小さな住戸は、賃料単価も高くなるため、同じ建築単価に対して利回りが高くなります。
投資効率は賃貸面積が広い1戸のガレージハウスを貸すよりも、賃貸面積が狭い複数戸のアパートを貸した方が高くなるのです。
3-2.戸建てタイプは空室時の影響が大きい
戸建てタイプは空室時の影響が大きい点がデメリットです。
戸建てタイプのガレージハウスは1戸しかないので、空室が発生すると家賃収入がゼロ円となります。
複数戸あるアパートなら他の部屋の賃料によって借入金の返済をできますが、戸建てタイプでは空室時は建物オーナーが貯金から借入金を返済するような状況となります。
空室時のリスクを避けるには、設計を工夫して満足度の高いガレージハウスを建てることがコツです。
3-3.建物の固定資産税は安くならない
ガレージハウスは、建物の固定資産税は安くならない点がデメリットです。
インターネット上には、ガレージ部分は建物の固定資産税がかからないという情報が出回っていますが、その情報は間違いとなります。
ガレージハウスは住宅ですので、アパートや戸建て賃貸と同様に住宅用地の軽減措置があり、「土地」の固定資産税は安くなります。
一方で、「建物」の固定資産税が安くなるということはありません。
ガレージハウスの車庫部分も固定資産税の対象ですので、車庫部分が増えることでむしろ固定資産税は高くなります。
良くある間違いとしては、車庫部分は延床面積の5分の1を課税対象の面積に含まないという誤解があります。これは新築時の建築確認申請において車庫は延床面積の5分の1まで容積率の対象に含まないというルールと混同した誤解です。
容積率とは、延床面積の敷地面積に対する割合を指します。
容積率の対象の面積と、固定資産税の課税対象の面積は別の話です。
車庫部分は固定資産税の対象面積となりますので、ガレージハウスの建物固定資産税は安くはならないということになります。
4.ガレージハウス経営に成功する方法
ガレージハウス経営に成功する方法は、ガレージハウスの建築に慣れた施工会社に依頼することが最大のポイントです。
ガレージハウスの設計には、通常の住宅にはない注意点があります。
賃貸に適したガレージハウスを建てるには、ノウハウを蓄積しているガレージハウスの施工実績が豊富な会社に依頼することが安心ですし、安全です。
とはいっても、不動産のプロでもない限り、どの建築会社がガレージハウスを得意としているのか、見極めるのは困難ですよね?
そんなときに便利なのが、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」です。
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5.ガレージハウス経営の設計ポイント
ガレージハウス経営における「設計ポイント」は、以下の9点です。
- 車庫の幅と高さを十分に取る
- 室内から見ることのできるギャラリー仕様にする
- シャッターをリモコン操作できるようにする
- 車庫から居室への入口には網戸を設ける
- 壁面収納を用意する
- ガレージ内で洗車できる仕様とする
- ガレージ奥に換気扇を設置する
- ガレージ内にもエアコンを設置する
- 寝室と車庫の位置を離す
それではひとつずつ見ていきましょう。
5-1.車庫の幅と高さを十分に取る
賃貸用のガレージハウスは、車庫の幅と高さを十分に取ることがポイントです。
ポルシェのカイエンのような大型輸入車が入るような物件を建てると、かなり競争力が上がります。
国内のマンションの機械式駐車場では、大型輸入車が入る物件がほとんどありません。
そのため、大型輸入車の愛好家は常に駐車場探しに苦労しています。
大型輸入車が入るような物件にすると、群を抜いて競争力が高まりますので、車庫の大きさは大型輸入車を前提に考えることが最も重要です。
5-2.室内から見ることのできるギャラリー仕様にする
車庫部分は、室内から見ることのできるギャラリー仕様にすることがポイントです。
住宅と車庫の境の壁をガラス張りとし、いつでも車を愛でることができるような空間にしておくと、魅力的になります。
ガラス張りにしておけば、ワックスで磨き上げた愛車を室内からゆっくり眺めることができるため、愛好家たちの満足度をかなり上げることができます。
車庫内は、人感センサー付き照明としておくのもおススメです。
近くを通ったときに、愛車がライトアップして映し出される演出にしておくと、ギャラリー感が醸し出されます。
5-3.シャッターをリモコン操作できるようにする
シャッターをリモコン操作できるようにすることもポイントです。
リモコン式にしておけば、外から帰宅したときに車内にいたままシャッターを開けることができます。
細かい部分ですが、車庫の操作性は入居者の満足度をかなり左右します。
リモコンは予算的に苦しくても仕様から落とすことなく、最後までこだわって死守するようにしてください。
5-4.車庫から居室への入口には網戸を設ける
車庫から居室への入口には網戸を設けることがポイントです。
車庫は、シャッターの開口部分が大きいため、そこから虫が車庫内に入ってきます。
車庫と居室との間に網戸がないと、虫が住宅部分まで入り込んでしまうことがよくあります。
住宅部分の居住の快適性を落とさないためにも、網戸で虫の浸入を防ぐことがコツです。
5-5.壁面収納を用意する
ガレージハウスでは、壁面収納を用意することもポイントです。
ガレージハウスを借りる人は、自分で車のメンテナンスや改造等を行う人が多いため、工具の置場が必要となります。
工具類が手の届く場所にあると、作業をし易いため、大変便利です。
車庫部分は、あらかじめ大型輸入車を意識して広く作り、さらに充実した備え付けの壁面収納も用意することをおススメします。
5-6.ガレージ内で洗車できる仕様とする
ガレージ内で洗車できる仕様とすることもポイントです。
洗車用のシンクを用意し、排水設備を設けて車庫内で車を洗車できるようにしておきます。
車庫内で洗車できるようにしておけば、雨の日や寒い日でも洗車をすることが可能です。
愛好家が洗車したい日が必ずしも晴れとは限らないので、いつでも洗車できるようにしてあげると入居者に喜ばれます。
5-7.ガレージ奥に換気扇を設置する
ガレージ奥に換気扇を設置することもポイントです。
車庫内は、車からの排気や洗車時のワックス等の臭いが充満します。
車庫内の換気が悪いと、ニオイが居室まで入り込んでしまいます。
車庫内のニオイを逃すには、特に空気の流れが悪くなるガレージ奥に十分な容量の換気扇を設置しておくことがコツです。
できれば、ガレージ奥には換気扇が2個あると望ましいといえます。
空気が入れ替わる開口部のシャッター側に換気扇があっても、効果は高くありません。
換気扇の位置はしっかりチェックするようにしてください。
5-8.ガレージ内にもエアコンを設置する
ガレージ内にもエアコンを設置することもポイントです。
ガレージ内にエアコンがないと、夏場はシャッターを開けて汗だくで作業することになります。
シャッターを開けっ放しにすれば、虫も多く浸入してきます。
ガレージハウスの車庫は、単なる車置場ではなく、人が長時間滞在する作業スペースです。
真夏や真冬にも人が長時間いることを想定し、エアコンは必ず付けることをおススメします。
5-9.寝室と車庫の位置を離す
ガレージハウスでは、寝室と車庫の位置を離すこともポイントです。
夜間や早朝に車が入出庫することを想定し、家族の睡眠をできるだけ妨げないようにするためにも、寝室と車庫は離すことが基本となります。
車庫の上に寝室が配置されているような設計はNGですので、位置関係を必ずチェックするようにしてください。
6.ガレージハウス経営の落とし穴
競争力も高く、賃料も相場より高く設定できる魅力的なガレージハウスですが、落とし穴はないのでしょうか?
ガレージハウス経営の落とし穴は、以下の3点です。
- シャッター音がうるさくて近所からクレームが入る
- 建築費が高くなることがある
- 新築の固定資産税の軽減が全て受けられないことがある
それではひとつずつ見ていきましょう。
6-1.シャッター音がうるさくて近所からクレームが入る
ガレージハウス経営では、シャッター音がうるさくて近所からクレームが入ることがあります。
賃貸は入居者が入れ替わるため、夜間や早朝に車を出し入れする人も入ってきます。
自宅であれば近所の人と長い付き合いになるため、住人が近隣に気をつかってシャッター音の問題は解決されることが多いです。
一方で、賃貸の場合、過去のクレームの経緯を知らない人が入れ替わりで入居することから、騒音のクレームが再発してしまうことがあります。
シャッター音のクレームを避けるには、使用細則で入出庫の時間を制限することや、新築の段階で開閉音が静かなタイプのシャッターを選ぶ等の対策が必要です。
6-2.建築費が高くなることがある
ガレージハウスは、予想以上に建築費が高くなることがあります。
ガレージの広い空間を実現するために、梁(はり)の太い鉄骨を用いなければならず、材料費が高くなってしまうことが理由です。
梁とは、柱と柱を繋ぐ横架材を指します。
ガレージ部分は、一般的な住宅と比較すると、壁の量が少なくなります。
建物を支える壁面が少ないため、建物強度を保つために、太い梁を使うことが多いです。
建築費を抑えたい場合には、通常の戸建て賃貸とも比較しながら検討することをおススメします。
6-3.新築の固定資産税の軽減が全て受けられないことがある
ガレージハウスは、新築の固定資産税の軽減が全て受けられないことがあります。
新築の戸建て住宅では、延床面積が120平米までは当初3年間は建物の固定資産税が半額になるという軽減措置があります。
ガレージハウスは、車庫を作ることで全体の延床面積が120平米を超えてしまうことがよくあります。
車庫部分の面積は固定資産税の対象ですので、120平米を超えた部分は、当初3年間は通常の固定資産税が課されます。
ガレージハウスは面積が大きくなりがちなため、一部分が軽減措置を受けられなくなり、建物の固定資産税が割高となってしまうことも多いので、留意しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
ガレージハウス経営に向けて、イメージが膨らんできたでしょうか?
ガレージハウス経営のメリットは、「駅から離れた立地でも需要がある」、「賃料を高めに設定できる」等がありました。
一方で、デメリットは、「アパートよりも投資効率が低い」、「戸建てタイプは空室時の影響が大きい」等が挙げられます。
入居者の満足度を上げ、長期に住んでもらえるガレージハウスを建てるなら、建築会社選びが重要です。
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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット
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