土地活用方法を決める際に「土地活用ランキング」を知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
本来、ベストな土地活用は「ランキング」ではなく「土地ありき」で決めるものですが、他の土地活用と比較することで、最適な土地活用が見えてくることもあります。そこでこの記事では、「投資額」や「建てやすさ」など7つの観点で土地活用方法を採点し、総合点をもとにランキング化してみました。
1位:アパート
2位:戸建て賃貸
3位:マンション
4位:事業用定期借地権
5位:時間貸し駐車場
6位:賃貸併用住宅
7位:老人ホーム
8位:郊外型店舗
9位:トランクルーム
10位:太陽光発電
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1.ランキングを決める7つの視点
土地活用のランキングを決めるに当たり、以下の7つの項目について点数化して比較を行います。
各項目とも「1~5」の5段階評価とし、点数が高いほど良い評価としています。
比較項目 |
内容 |
投資額の負担 |
投資額が少ない方が負担感も少なく、取組みやすい土地活用といえます。
投資額が多いものは「1」、少ないものは「5」と評価しています。 |
建てやすさ |
建物を建てるには、土地の利用規制や広さが関係します。
利用規制が厳しいものや広い土地面積を必要として建てにくいものは「1」、利用規制が緩いものや狭い土地でも建てられるものを「5」という評価です。
|
収益性 |
収益性は、用途や建物規模によって賃料単価や収入総額が変わります。
賃料単価が低いものや総額が小さいものは「1」、賃料単価が高いものや総額が大きいものは「5」という評価です。
|
管理のしやすさ |
建物竣工後の管理は、一棟貸し等の貸し方や入居者属性によって変わります。
入居者対応や修繕対応が多く管理に手間がかかるものは「1」、ほとんど管理の手間がかからないものは「5」という評価です。
|
退去リスク |
退去リスクも、一棟貸し等の貸し方や入居者属性によって変わります。
退去が早く後継テナントが見つかりにくいものは「1」、退去されてもすぐに次の入居者が決まるものや滅多に退去が発生しないものは「5」という評価です。
|
賃料下落リスク |
賃料下落リスクは、用途や建物構造によって決まります。
賃料下落が生じやすいものは「1」、賃料下落が生じにくいものは「5」という評価です。
|
相続税対策※ |
相続税の節税効果は、建物を貸すか、土地を貸すかで異なってきます。
相続税の節税効果が低いものは「1」、節税効果が高いものは「5」と評価しています。
|
※相続税対策に関しては、建物を建てて他人に貸す活用を行うと、相続税評価額が下がるため節税効果があります。
相続税の評価方法は、アパートや戸建て賃貸、マンション、老人ホーム、郊外型店舗等、建物を他人に貸している収益物件であれば用途に関わらず同じです。
2.土地活用ランキング
土地活用を上に挙げた7つの視点で評価し、ランキングすると以下のようになります。
ランキング |
土地活用 |
投資額の負担 |
建てやすさ |
収益性 |
管理の容易性 |
退去リスク |
賃料下落リスク |
相続対策 |
合計得点 |
1位 |
アパート |
3 |
5 |
4 |
4 |
5 |
3 |
5 |
29 |
2位 |
戸建て賃貸 |
4 |
5 |
3 |
5 |
3 |
3 |
5 |
28 |
3位 |
マンション |
1 |
3 |
5 |
4 |
5 |
4 |
5 |
27 |
4位 |
事業用定期借地権 |
5 |
1 |
2 |
5 |
5 |
5 |
2 |
25 |
5位 |
時間貸し駐車場 |
5 |
5 |
1 |
4 |
5 |
2 |
1 |
23 |
6位 |
賃貸併用住宅 |
3 |
4 |
2 |
2 |
4 |
3 |
4 |
22 |
7位 |
老人ホーム |
1 |
3 |
3 |
4 |
3 |
2 |
5 |
21 |
8位 |
郊外型店舗 |
1 |
1 |
5 |
5 |
1 |
2 |
5 |
20 |
9位 |
トランクルーム |
3 |
3 |
2 |
3 |
4 |
3 |
1 |
19 |
10位 |
太陽光発電 |
4 |
1 |
1 |
5 |
5 |
1 |
1 |
18 |
それでは、1位から順に各土地活用について詳しく見てみましょう。文末には各土地活用におススメの土地についても記述しています。
1位:アパート
アパートは1億円未満でもできるので、投資額の負担は軽いです。
工業専用地域と呼ばれる大規模工場地帯を除き、どこでも建築可能ですので、建てやすいのが特徴です。
収益性については、1Kのような単身世帯向けにすると賃料単価を高くすることもできます。
管理に関しては、管理会社に任せることができますが、入居者から細かい修繕要望が生じることはあります。
退去者が生じてもすぐに次の入居者も決まり、複数戸あることから1戸が与える空室の影響は小さいです。
木造や軽量鉄骨等で建てると老朽化が早く、相応の賃料の下落リスクは存在します。
相続税対策については、建物を他人に貸す形態となりますので、相続税評価額が下がり、節税効果があります。
アパートがおススメの土地は、60坪以上の土地で駅から徒歩10分圏内にあり、高層建築物が建てられないような土地です。
アパート経営は、賃貸住宅需要がある地域では、たいていの場所で始める事ができます。また、アパート建築メーカー、経営サポート会社など関連企業が多くあり、選択肢が多いこともメリットと言えるでしょう。
吉崎
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2位:戸建て賃貸
戸建て賃貸は、建物として戸建てを建てるだけですので、投資額の負担は低いといえます。
建てやすさについては、狭い土地でも建てることができますし、工業専用地域と呼ばれる大規模工場地帯を除き、どこでも建築できます。
収益性は、面積が大きいファミリータイプとなってしまうため、賃料単価が低く、アパートよりも劣ります。
一棟貸しとなるため、管理の必要性はほとんどありません。
ただし、一棟貸しは退去が発生すると賃料がゼロとなってしまうため、退去リスクは高いです。
戸建て賃貸は、相続税評価額を下げる効果がありますので、アパートと同様に相続税対策としての効果もあります。
戸建て賃貸におススメの土地は、不整形な土地でも有効敷地面積が30坪程度あり、駅から徒歩15分圏内にあるような土地です。
戸建賃貸は、近年分譲戸建価格上昇、供給数減少で需要が増えています。また、郊外や地歩都市などで、駅からの距離がある立地の土地でも戸建賃貸では大きなマイナス要因とならない点もメリットと言えるでしょう。
吉崎
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3位:マンション
マンションは投資額が数億円にもなり、投資に対する負担は大きいです。
マンションの適地は希少ですので、どこでも建てられるわけではなく、建てにくさはあります。
敷地は相応の広さを要し、高層の建物を建築するには土地の容積率(延床面積の敷地面積に対する割合のこと)が高く指定されていることが必要です。
収益性については、戸数も多いため収入総額が多くなります。高層階ほど賃料単価を上げることができ、1階を店舗にすることも可能です。
管理については、管理会社に委託すればほとんどやることはありませんが、将来的に各部屋のリフォーム等の判断業務は必要です。
退去が発生しても、すぐに次の入居者は見つかりますし、戸数が多いため1戸当たりの空室の影響は少ないです。
堅牢な鉄筋コンクリート造であることから建物劣化は少なく、賃料の下落リスクはアパートより低いです。
収益物件ですので相続税の節税効果はあります。
マンションがおススメの土地は、容積率が200%以上で、かつ、土地の面積が100坪以上あり、駅から徒歩10分圏内にあるような土地です。
賃貸マンションを保有するメリットは、RC造では、耐用年数も長く、借り入れ期間も長く設定することができ、キャッシュフローが安定しやすくなります。また、仮に手放すとなった時に、他の賃貸住宅に比べて、強気の価格で売却する可能性が高いこともメリットでしょう。
吉崎
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4位:事業用定期借地権
事業用定期借地権とはコンビニやホテル等の事業用の建物の所有を目的とした借地権であり、契約期間終了後、確実に土地が更地となって返還される借地権のことです。
借地事業は土地を貸すだけなので、建物投資がなく、投資額の負担はありません。ただし、条件の良い土地でないと事業用定期借地権のオファーはなく、なかなかできない土地活用となります。
収益性は駐車場等の暫定利用よりは高いですが、アパート等の建物投資を伴う活用より低いです。
借地事業であるため管理の手間はほとんどなく、借地人(土地を借りる人)が建物投資を行ってでも土地を借りているため、退去リスクはほとんどなく、賃料下落リスクも低いです。
相続税対策としては、若干節税効果はあるものの、収益物件を持つよりは効果は低くなります。
事業用定期借地権に適した土地は事業によりさまざまです。ビジネスホテルであったら駅から近い立地、ロードサイド型店舗の場合は幹線道路など通行量の多い道路の沿線などの条件のいい土地が適しています。
土地を貸すだけのスタイルでは、初期投資はありませんが、その分地代しか収入はありません。また、節税効果は少なくなります。定めた期間は、所有土地を自ら利用することができないのはもちろん、売却なども難しくなります。
吉崎
5位:時間貸し駐車場
時間貸し駐車場(コインパーキング)は投資額の負担は低く、需要があればどこでもできます。
収益性は低いですが、管理は容易で退去リスクもほとんどありません。
ただし、近隣に競合の駐車場ができると賃料減額要請もあり、賃料下落リスクはあります。
相続税については、特に節税効果はありません。
時間貸し駐車場はどこでもでき、台数も1台から可能ですが、特に駅に近い土地はおススメです。
コインパーキングの場合、ほぼ、初期投資が不要です。税効果はなく、また固定資産税などもかかりますが、該当地域での再開発計画や、周辺との一体開発の可能性がありそうならば、それまでの収益源になり、テンポラリーの土地活用として有効です。
吉崎
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6位:賃貸併用住宅
賃貸併用住宅は、投資額の負担感はそれほど大きくはないです。
戸建てよりはやや広い土地が必要ですが、広過ぎると向いていないため若干建てにくさはあります。
収益性は、半分を自宅として利用する賃貸併用住宅の場合はそれほど高くありません。
自主管理も可能ですが、自主管理をすれば管理の手間も発生します。
退去リスクはそれほど大きくなく、賃料の下落リスクは特に高いわけではありません。
相続税対策については、自宅部分は収益対象ではないことから、オール収益物件よりは減額効果は低いでしょう。
賃貸併用住宅におススメの土地は、自宅の敷地が70~80坪以上あり、駅から徒歩15分圏内にあるような土地です。
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7位:老人ホーム
老人ホームは大型物件が多いことから、投資額の負担感はあります。
土地利用の規制上はアパートと同じエリアで建築可能ですが、相応の広さを求められるため建てにくさはあります。
収益性はアパートよりは低いですが、一棟貸しのため管理は簡単です。
ただし、近年は介護報酬の改定が経営を圧迫するケースが見られ、退去リスクや賃料下落リスクが顕在化しています。
相続税対策は、収益物件ですので節税効果があります。
老人ホームにおススメの土地は、バス停から徒歩5分圏内にあり、敷地の広さが300坪以上あるような土地です。
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8位:郊外型店舗
郊外型店舗は大型店舗だと投資額の負担感が大きく、幹線道路沿いにかなり広い土地が求められます。
賃料単価は高いため収益性は非常に高く、一棟貸しのため管理は容易といえます。
ただし、売上が落ちると退去リスクがあり、後継テナントが決まりにくいという特徴があります。
賃料についても、売上が落ちると減額要請がくることが多いです。
収益物件ですので相続税の節税効果はあります。
郊外型店舗におススメの土地は、幹線道路に面し、敷地の広さが500~1,000坪以上あるような土地です。
9位:トランクルーム
トランクルームは、現在は建築基準法をクリアしていないコンテナ置き型での経営ができないので、トランクルームに似た建物を建てる必要があり、相応に建築費が発生します。
建てやすさについては、「第一種低層住居専用地域」、「第二種低層住居専用地域」、「第一種中高層住居専用地域」には建てることができず、一定の制約があります。
収益性については顧客がつくまで時間がかかり、建物投資を伴う割には低いです。
管理については自主管理をしようとすると、集客が難しくなります。
退去が発生しても、次の借手は見つかることが多いので、退去リスクは高くはありません。
賃料については、周辺に競合のトランクルームが発生すると下がる可能性はあります。
相続税対策については、トランクルームには借地借家法が適用されない物件がほとんどであるため、基本的に相続税の節税効果はありません。
トランクルームにおススメの土地は、周囲にマンションがあり、他に利用しにくい土地、当面の間は売却や本格的な活用の見込がない土地です。
10位:太陽光発電
太陽光発電は、主な投資が太陽光パネルと架台ですので投資額の負担はそう大きくありません。
建てやすさは、日照時間や広さ、送電環境等を加味すると適地はそれほど多くないと言えます。
収益性に関しては、買取価格が年々下がり続けており、かなり低くなっています。
管理に関しては、手間はほとんど不要です。
貸しているわけではないので、退去リスクはありません。
賃料下落リスクに関しては、買取価格は年々下がっており、今後、上昇する可能性はないものと思われます。
相続税対策については、収益物件のような節税効果はありません。
太陽光発電は、日照時間が長く、近くに送電環境が整っている広い土地を持っており、自己資金で太陽光パネルを設置できる方におススメです。
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3.ベストな活用方法を見つける方法
土地活用はランキングも参考になりますが、「土地の条件ありき」でベストな活用方法を見つけることが重要です。その土地に適した土地活用方法であれば、ランキングに関係なく、「その土地に1番」の土地活用となります。
例えば、アパートを建てられるような土地はたくさんあったとしても、マンションを建てられるような土地は少ないです。マンションを建てるには、相応の土地の広さや容積率が必要なため、アパートよりは建てにくいという側面があります。
しかしながら、マンションは規模も大きいため収入総額は大きく、建物劣化が少ないことから賃料下落リスクは低いです。そのため、マンションが建てられる土地であれば、アパートではなくマンションを建てた方が良いことになります。マンションに適した土地であれば、ランキング1位の土地活用はマンションなのです。
土地活用では、「どのような建物が建てられるか」という建築規制と、「どのような借主がいるか」という賃貸需要の2つが分からない限り、ベストな土地活用を見つけることができません。しかし、建築規制を知るなら一級建築士に、賃貸需要を知るなら管理会社にといったように、各分野のプロに相談するのは手間がかかります。
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まとめ
いかがでしたか。
土地活用ランキングについて解説してきました。
それぞれの土地活用には、建てやすさや収益性等に違いがあります。
特徴を数値化していくとご紹介したランキングになりますが、このランキングは土地活用の優劣を決めるものではありません。
ベストな土地活用は、「ランキングありき」ではなく「土地ありき」で決めるものです。
「HOME4U 土地活用」を利用して、その土地にあったベストな土地活用を見つけるようにしてください。
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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
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この記事の監修者
この記事の監修者
吉崎 誠二
所属 社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長
職業 不動産エコノミスト、不動産関連企業コンサルタント
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション,CREコンサルティングなどを行うかたわら、同分野の連載を月15本、テレビ、ラジオのレギュラー番組(4本)に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数。
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