この記事の監修者
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吉崎 誠二
所属 社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長
職業 不動産エコノミスト、不動産関連企業コンサルタント
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション,CREコンサルティングなどを行うかたわら、同分野の連載を月15本、テレビ、ラジオのレギュラー番組(4本)に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数。
アパートの建築を検討する際に、オーナーがもっとも悩むのは「アパートメーカー(建築会社)」選びです。
この記事を読むと、
といったことがわかります。
なお、以下のボタンから土地情報を入力すると、アパートメーカーから見積もりや収益プランをまとめて取り寄せることができます。企業ごとの比較がしやすくなるので、ご活用ください。
アパートメーカーは会社によって規模も特徴もさまざまです。大きく分けて以下の5種類の建築事業者が挙げられます。
このうち、実際にアパート建築に携わることが多いのは、ハウスメーカー、建築会社、工務店の3つです。3つの違いを以下に表でまとめました。
ハウスメーカー | 建築会社 | 工務店 | |
---|---|---|---|
コスト | 平均~やや高め | 平均~やや高め | やや安め~高い(ケースによる) |
工期 | 短い(最短2~4ヶ月) | 会社によって異なる | やや長め |
品質 | 高い | 高い | 工務店ごとにばらつきあり |
自由度 | あまり高くない | あまり高くない | 高い |
ハウスメーカーは大手であれば、全国各地に支社や拠点を置いています。また、建築会社とは、建物を建てる会社の総称です。高層ビルを中心に手掛けるゼネコンから、住宅建築を主とする小規模の会社まで幅広くあります。
ハウスメーカーや建築会社は、基本的に自社で設計して施工も行う「設計施工」の体制を整えているのが一般的です。また、関連会社に管理会社やメンテナンス会社があることが多く、竣工後のアパート管理や建物の修繕まで相談できるのがメリットです。
また、自社で大きな工場を抱え、工業化工法を採用できるため、工期やコスト、品質のばらつきがないという点もメリットとして挙げられます。
大手建築メーカーに、土地活用としてアパート建築を依頼するメリットは、施工実績が豊富であることから、様々な条件の土地に対して、様々な提案をもらえることでしょう。また、建築後の点検や維持管理などアフターフォロー体制が整っているため、安心です。加えて、アパート経営は建築してからがスタートですから、賃貸住宅経営のサポート体制も整っています。
工務店とは、地域に根付き、地元住民の細かな相談にも柔軟に対応してくれる建築事業者です。
規模にもよりますが、工務店は内部に設計部門や、管理会社やメンテナンス会社を持っていない場合が一般的です。そのため、工務店でアパートを建てる場合、自力で管理会社やメンテナンス会社を見つける必要があります。
工務店は、設計の柔軟性が高い点がメリットですが、コスト面では高くなりがちです。品質面においても工務店ごとにばらつきがあるため、慎重に検討する必要があるでしょう。
地域密着の工務店に依頼すると、たいていは賃貸経営をサポートしたり入居者管理などをする管理会社(PM会社)が内部や系列にないので、自ら行うか、自分で探す必要があります。また、施工が近隣地域に限られることが多いことから、多様な事例を見て検討するということができにくくなります。また、価格は高い会社もあれば低い会社もありまちまちです。メリットとしては、様々な融通が利くことが多いことでしょう。
アパートメーカーは規模も特徴もさまざまです。数あるアパートメーカーのなかから、おすすめの17社とその特徴をご紹介します。
旭化成ホームズは、「安心の建物」「将来を見据えたコンサルティング」「長期にわたって経営を見守るサポート体制」を3つの柱とし、長期安心のアパート経営を支えてくれます。
集合住宅ブランド「ヘーベルメゾン」の基本構造部分は、耐用年数が60年以上。耐震性・耐火性にもすぐれ、入居者の安全とオーナーの資産を守ってくれます。
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吉崎 誠二
所属 社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長
職業 不動産エコノミスト、不動産関連企業コンサルタント
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション,CREコンサルティングなどを行うかたわら、同分野の連載を月15本、テレビ、ラジオのレギュラー番組(4本)に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数。
使い方に関するご不明点など、お困りのことがありましたら専属のオペレーターがお受けします。何でもお気軽にご相談ください。
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平日10:00~18:00
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2-2.朝日建設
朝日建設は、神奈川県相模原市を拠点とするハウスメーカーです。神奈川・東京エリアを中心に、高性能で省エネな賃貸マンションや戸建住宅をはじめとした多彩な建物を建築しています。設計の自由度が高く、間取りもグレードも希望や土地にふさわしい提案が受けられます。
また、竣工後のアパート管理プランは、経営業務を一括もしくは一部委託できる「一般管理」と、賃貸物件を一括して借り上げる「サブリース(一括借り上げ)」の2種類から選択できるのも特徴です。
神奈川・東京エリアの建築に強く、自由度も高い建築が可能です!
【引用:お客様の声|朝日建設株式会社】
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2-3.木下工務店
木下工務店は、「総合生活企業」の木下グループの一員として、アパートだけでなく、介護施設や保育園など、幅広い土地活用の提案をしてくれます。
また、同社の賃貸ガレージハウス「Espace(エスパース)」は、車にこだわりのある入居者からの人気が高く、周囲と差別化した賃貸経営が可能です。創業68年以上の実績とノウハウを誇る木下工務店に、ぜひ土地活用を相談してみてください。
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2-4.住友不動産
住友不動産は、高層建築から注文住宅までさまざまな建築物を手がけ、RC造や鉄骨造、木造などさまざまな構造・工法に精通した企業です。
低層アパートでは、木造ならではの快適性を高めた住空間を実現。伝統的な木造軸組み工法と先進テクノロジーを融合したウッドパネル工法、そして2×4工法を展開しています。
対応力が非常に高い大手建築会社です!
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2-5.住友林業
グループの総合力で、オーナーの資産に相応しい活用の方法を提案しているのが住友林業です。設計・施工、アフターメンテナンスまで、賃貸経営に関するすべてのステップで、細部にわたってサポートが受けられます。
建築の面では、木の住まいの心地よさと、自由な設計が叶えられる付加価値が魅力。収益性の高い賃貸アパート経営が期待できます。
木造建築なら、まず選択肢にあがる建築会社です!
【引用:住友林業の口コミ・評判(みん評)】
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2-6.生和コーポレーション
RC造、鉄骨造、木造など、さまざまなアパート構造に対応が可能で、低層アパートから高層マンションまで土地に合った提案が受けられます。
一括借り上げの管理システムのほか、24時間365日インフォメーションサービスなど、賃貸アパート経営のリスクに対応するサービス体制も充実しています。
「100年賃貸」を掲げ、耐久性・管理面では業界随一です!
【引用:生和コーポレーションの口コミ・評判(みん評)】
「生和コーポレーション」から
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2-7.積水ハウス
業界最多の住宅建築の実績を活かし、技術とノウハウから生まれた賃貸住宅ブランドが「シャーメゾン」。ブランド力のある賃貸住宅として価値を提供し続けています。
さらに、グループ会社である積水ハウス不動産各社と一体となり、アパートの入居者募集から一括借上、建物の維持管理までをサポートするサービスも展開しています。長期安定の万全なアパート経営サポートが強みです。
安心・安全の「シャーメゾン」ブランドが決め手となりました!
【引用:積水ハウスの口コミ・評判(みん評)】
「積水ハウス」から
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2-8.セキスイハイム
綿密な市場調査と入居者ニーズに基づいたプランニングを行うのが、セキスイハイムです。住宅の大半を工場で生産する「ユニット工法」を取り入れ、高品質で短工期の賃貸住宅を実現。スピーディにアパート賃貸経営を始められることが特徴です。
長期安定のアパート経営サポートにも力を入れており、グループ企業による管理体制とアフターサービスも充実しています。
豊富な商品ラインナップが魅力です!
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2-9.セレ コーポレーション
首都圏エリアに特化し、アパートの空間づくりから建設、運営までを手掛けるのが、セレ コーポレーションです。機能や外観のデザインにこだわった商品戦略が強みで、独創的な間取りや赤煉瓦調のクラシカルな外観など、デザイン性の高い建物を提供しています。特に若者向けアパートを中心とした商品展開が特徴です。
アパート賃貸管理までを自社で行うことにより、的確なメンテナンスやフォローを行っています。竣工後も節税対策や事業承継、ライフプランまでサポートが受けられます。
デザイン性が高く、こだわりのアパートを建築できます!
【引用:実例集|セレ コーポレーション】
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2-10.大東建託
大東建託は、賃貸住宅管理戸数、賃貸仲介件数、住宅供給戸数で1位を継続して更新中。圧倒的な実績から得たノウハウを活かし、オーナー・入居者の満足度が高いアパートブランド「DKセレクト」を提供しています。
所有している土地周辺のニーズに適した土地活用を提案できる「市場把握力」、安全で快適な住まいを追求した「高品質建物」、高い入居率を維持する「優れた仲介力」、そして煩雑な業務を代行する「安心の管理力」が強みです。
業界最大手の安心感・提案力・管理力が魅力です!
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2-11.大和ハウス工業株式会社
大和ハウス工業株式会社は、全国に9ヶ所の支社、45ヶ所の支店、9ヶ所の工場を持つ住宅総合メーカーです。積み重ねた経験・実績・ノウハウをもとに、希望と満足に満ちた理想の土地活用を提案してくれます。
賃貸住宅ブランド「D-ROOM」では、入居者だけでなく街や地球環境に配慮した2階建て・3階建てのレジデンス「TORISIA」や、繊細優美・重厚端正な都市型レジデンス「GRACA」を展開。構造や防水などの初期保証30年という、オーナーが長期で安心できるシステムも完備しています。
素晴らしい提案力と親身な対応、アフターケアも万全です!
【引用:ダイワハウスの口コミ・評判(みん評)】
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2-12.東建コーポレーション
業界最大規模の全国47都道府県に拠点がある東建コーポレーション。地域特性や立地など、さまざまなニーズにこたえる技術とノウハウが強みです。
建築面では、鉄骨柱を組み合わせてつくる「高耐力フレーム」や粘弾性ダンパーで揺れを吸収する「制震フレーム」を活用し、高い耐震性を実現しています。土地所有者向けのアパート・マンション経営代行サービスや、「ホームメイト」のブランド名で入居仲介サービスのチェーンを持っていることも強みです。
全国に拠点があり、対応力は業界随一です!
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2-13.トヨタホーム
トヨタホームは、名古屋を本社とするハウスメーカーです。戸建住宅で培った実績をもとに、中高層のマンションにも対応しています。初期保証は30年、最長60年まで延長可能な保証システムは業界屈指です。
高耐久・高品質を実現する2種類の工業化建築工法が特徴で、「一括借上システム」など安定したアパート経営をサポートする体制も整っています。
戸建住宅で培った、住空間の快適さが魅力です!
【引用:トヨタホームの口コミ・評判(みん評)】
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2-14.パナソニックホームズ
パナソニックホームズは、住宅メーカーとしての実績とノウハウを活かした「オーナーの経営サポート」「建築」「技術力」の3つを大きな強みとしています。オーナーの経営サポート面では、安定した収益を生み出す計画から、次世代への資産継承までをサポート。
医療・介護施設との連携も特徴のひとつで、幅広い施設づくりのノウハウがあります。
建築面では、独自開発の光触媒タイルの外壁により、クリーニングやメンテナンスの負担を軽減。遮音性の高い「遮音性能床」の開発など技術力にも定評があります。
耐震性や光触媒タイルの外壁など、住宅性能の高さが魅力です!
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2-15.ミサワホーム
住宅メーカーとして、戸建住宅で積み重ねてきた「住まいづくりのノウハウ」を持つミサワホーム。「実績あるデザイン力」「暮らしのアイデアと先進性」「テクノロジー&クオリティ」の3点が大きな強みです。
1998年に世界初の「ゼロ・エネルギー住宅」を発売したことに始まり、その後も環境に配慮した「ハイブリッド住宅」や、建設時からの環境負荷をゼロ以下にする住宅の提案など、環境保護の観点で先進的な住まいづくりを実践しています。
「蔵のある賃貸」やZEH賃貸など、独自性で入居者にアピールできます!
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2-16.三井ホーム
三井ホームは「三井不動産グループ」の一員として、豊富な建築実績と、長年にわたる賃貸住宅の管理実績があります。企画・設計・施工・管理運営・リーシングといった専門企業を、グループ内に持つことも強みです。土地活用に関するニーズにワンストップで応えられる体制を持っています。
構造躯体は、一般的な枠組壁工法をオリジナル技術で進化させた「プレミアム・モノコック構法」。非常に高い耐震性が強みでもあります。
グループ全体でのフォロー体制が魅力です!
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2-17.ユニホー
ユニホーは東海地区を中心に、2万件以上の賃貸マンション、賃貸アパート、賃貸住宅の管理を手掛ける企業です。アパート建築などの土地活用にも対応しています。
入居者募集、契約、家賃回収、退去時のメンテナンスなどの賃貸管理はもちろんのこと、不動産売買やリフォームなどのサービスを提供しており、オーナーの要望に応えられる体制を構築している点が強みです。
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以上17のアパートメーカーを紹介しました。気になった建築会社はありましたか?
アパートメーカーを選ぶ時、知名度や規模、企業イメージもポイントではありますが、良質なアパートを建てるなら、複数のハウスメーカーや建築会社を比較するのが良いでしょう。
比較検討には、最大10社のハウスメーカーからプラン請求できる「HOME4U 土地活用」がおすすめです。
3.アパートメーカーを比較する際の5つのポイント
アパートメーカーを選定する際には、実績や評判、客観的なポイントをもとに選定することが大切です。特に施工実績や竣工後の入居率もチェックしましょう。また、実際にアパートメーカーが建てた物件を見学させてもらう方法もおすすめです。
ここでは、アパートメーカー選びで比較すべき基本の5つのポイントについて詳しく解説します。
3-1.建築費は適切か?
アパートメーカーの比較すべきポイントは、まずは建築費です。投資額を抑えるには、見積もりを比較して適切な価格のアパートメーカーを選ぶことが重要なプロセスとなります。
アパートの建築費は躯体の構造や設備のスペックで変わってきます。各社の建築資材の購買力によって、建築費も変わってきます。また、下請け構造となっている建設業界では、アパートメーカーが提携しているパートナー企業の状況によってもアパート価格が異なります。さらに、たまたま決算期が近づいているなど諸事情がある場合、目標売上を確保するために低い金額で見積ってくる会社もあるでしょう。
このように建築費はアパートメーカーの事情によっても異なってくるため、投資額を抑えるには見積もり価格を比較することが重要です。
「HOME4U 土地活用」では、最大10社から無料で「アパート経営」のプランを請求できます。各社の見積もりを比較したいときにお役立てください。
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3-2.得意とする建築物は?
アパートメーカー各社は、それぞれ得意とする建築構造や工法、間取りやデザインが異なります。特定の得意分野を持つ企業のみに提案してもらうのでは、自分の土地の需要に合わせた最適なアパート建築プランを決めるのは難しいでしょう。
そのため、各社の得意分野をリサーチし、どの建築プランが自分の土地に合っているのか考えることが必要となります。
3-2-1.構造や工法
例えば、狭い土地でアパートを計画する場合など、アパート構造を変えることで意外な解決策が見つかることがあります。
建築技術にはオーバーハングといった建て方があります。オーバーハングとは庇のように突き出した岩を意味し、下の階よりも上の階が張り出した工法のことです。
狭い土地のアパート建築の場合、オーバーハングを取り入れることによって、リビングやバルコニーなど貸室面積が増えたり、下の部分に駐車場を確保できたりすることがあります。
オーバーハングは、梁(柱と柱をつなぐ横架材)が太くて頑丈でないとできません。木造や軽量鉄骨造では難しく、重量鉄骨造で可能となる工法です。
アパートメーカーはそれぞれ得意とする工法も異なります。そのため、複数のアパートメーカーからさまざまな建築プランを提案してもらうことで、理想のアパートを建てることができます。
3-2-2.間取りや遮音性
間取りやプランも、アパートメーカーによって得意分野は異なります。 大手のアパートメーカーの場合は施工数が多いため、ワンルームのタイプもファミリータイプも無難にこなせるでしょう。しかし、施工数があまり多くないアパートメーカーへの依頼を検討する際は、その会社の施工した物件・実績や商品ラインアップをあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
また、間取りやプランを検討する上で、事前に考えておきたいのが遮音性です。部屋数を多くするために間取りを小さく、壁を薄くした場合、音漏れが大きいと竣工後の入居者同士のトラブルに発展しかねません。アパート構造を検討する段階で、音漏れや防音についても考慮しておきましょう。
アパート建築に際して検討しておきたい防音対策については、以下の記事でも解説しています。
3-2-3.内装設備
内装設備についても、アパートメーカーごとに特徴が表れます。
内装設備とは、電気、照明、空調、情報通信などの機能をあらかじめ備え付けたものです。エアコンやモニター付きインターフォン、温水洗浄便座、浴室乾燥機、自動お湯はり給湯器等、生活する上で便利かつ快適な設備があると、入居者の関心も高まります。「新築物件なら当然ついている設備」を最低限設置しておくことが、安定的な賃貸アパート経営には必要です。
アパートメーカーが実際に手掛けた賃貸物件を見ることで、室内にどのような設備が入るのかが良くわかります。物件見学が可能であれば積極的に足を運び、「この設備は見積もりの中に入っているのですか?」と確認すれば、見積もりから大きく離れることもないでしょう。
3-2-4.デザイン
アパートメーカーのプランを比較するポイントとして、デザイン性も大切です。アパートの建築では、ついつい建築費や収益性の「数字」に目が行きがちですが、デザインも賃貸経営においては重要な要素です。
デザインが良いアパートは、それだけで入居者にとって魅力的に見えますし、空室対策としても効果的です。アパートを長く稼げる優良な資産とするには、デザイン性はとても重要なポイントとなります。
入居希望者は必ずアパートの外観や内観の写真を見るので、入居者の気持ちになって雰囲気の良いデザインを選ぶのがコツです。アパートメーカーからの提案書には、通常「イメージパース」と呼ばれるカラーのグラフィック画像が載っています。各社のデザインを比較するにあたっては、提案書のパースを見比べてみましょう。
ただし、デザインは見る人の主観によって好みが分かれるため、できるだけ家族や周囲の意見を幅広く聞きながら決めることをおすすめします。
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3-3.事業の体制は?
アパートメーカーと一口に言っても、各社で事業規模も体制も異なります。設計部門の有無や管理体制なども比較しておきたいポイントです。
3-3-1.設計部門の有無
大手のアパートメーカーであれば、ほぼ社内に設計部門がありますが、念のために確認しておきましょう。
設計部門があるアパートメーカーは、最も建築費を安くできる設計プランを提案してくれるので、建築費用を抑えやすくなります。
3-3-2.管理の体制
大手のアパートメーカーなら、基本的に関連会社に管理会社とメンテナンス会社を有しています。もし管理会社やメンテナンス会社がなければ、独自に管理会社やメンテナンス会社を探すことになります。
竣工後の管理および修繕の体制はどのようになっているのか、念のため、確認するようにしましょう。その際には、管理会社の集客力と管理物件の入居率にも注意しておきましょう。どんなにうまく管理をしていても、入居率が低ければ意味はありません。以下のポイントは必ず確認しておきましょう。
3-3-3.提供している管理メニュー
管理会社が入居者に対してどのような管理メニューを提供しているのかも、必ず比較するようにしてください。
例えば、管理会社の中にはアプリで街のお得な情報を提供している会社もあります。また、水道光熱費を家賃と一括で請求するサービスを行っている会社もあります。
水道光熱費を家賃と一括で請求されれば、入居者の支払い手続きが楽になります。
管理会社が入居者に有益なサービスを行っていると、退去の防止にも繋がります。入居者の入れ替えの少ない物件は、仲介手数料やクロスの貼り替え等の経費も節約でき、アパートの収益力が高くなります。
入居者サービスに創意工夫が見られる管理会社は、アパート経営にとっても有利なので、必ずサービス内容を比較して良い管理会社を選ぶことをおすすめします。
3-3-4.事業系テナントとのコネクション
アパートメーカーは、各社が持っている事業系のテナントとコネクションがある場合があります。それによって1階部分の活用方法が異なることもあります。
例えば、1階に保育園を入居させるようなプランを提案できるアパートメーカーであれば、収益性を高めることができます。単純にアパートを建てるよりも、地域のニーズにも合ったより良い土地活用ができる可能性があります。
保育園やコンビニ、ドラッグストア等の事業系のテナントは、アパートメーカーによってコネクションの強さが異なるので、事前にチェックしてみるといいでしょう。
3-4.保証・アフターサービスは充実しているか?
多くのアパートメーカーでは、新築した建物に保証やアフターサービスが付帯しています。主要な構造躯体や屋根、外壁など、建物の部位によっても保証期間が異なるので、必ず比較して確認しておくようにしましょう。
また、保証を使うためには施工したメーカーに頼む必要があるなど、条件が課されていることが一般的です。保証やアフターサービスを比較する際には、単純に「○年保証」という点だけでなく、条件まで含めて確認をしましょう。
3-5.提案力があるか?
アパートメーカーを比較する際には、提案力も大切な要素となります。アパート経営ではさまざまな場面で専門的な知識や経験が必要となるため、パートナーとなるアパートメーカーが適切な提案をしてくれるかも選ぶポイントです。チェックしておきたいポイントを以下に解説します。
3-5-1.収支計画の妥当性
アパートの提案書の中には収支計画も入っているので、しっかり比較しましょう。特に注目したいのは「修繕費」の項目になります。
修繕費は、各アパートメーカーが独自に積立金のような費目で計上している場合もあります。将来の大規模な修繕に備えた積立形式になっていれば、オーナーとしては安心して賃貸アパートを経営することができます。
積立金の費目がない場合は、オーナーが自分で修繕積立金を貯蓄していく必要があります。本来、修繕積立金は賃貸アパートのオーナーが自分で積み立てていくものなので、計画的に貯蓄できるのであれば、積立の費目が提案書にない場合でも問題はありません。
大切なのは、将来の大規模な修繕に備えて、収支計画がどのように組まれているのかをしっかりと確認し、自分に合った収支計画を選ぶことです。
3-5-2.営業担当者の的確なアドバイス
初めてのアパート建築では、わからないことも多いと思います。さまざまな疑問に対し、的確なアドバイスをしてくれる営業担当者がいるかどうかも、アパートメーカーを選ぶ際の重要なポイントです。
営業担当の力量を見極めるには、上記のような視点で考えてみてください。アパート経営においては専門知識が必要となることも多いため、「即答できるか」というよりは「必要に応じて専門家へ確認し、正確な回答ができるか」という点が重要です。
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3-5-3.融資の提案内容
アパートメーカーは多くの銀行と提携しており、どの銀行が有利な融資条件を出すのかを良く知っています。そのため、アパート経営での融資の提案内容も比較したいところです。
アパートローンの金利は、銀行や資産家の資産規模によっても異なります。リアルな金利情報はインターネット等で調べてもわかりません。実際にはかなり低い金利で組める場合もあり、情報通に聞いてみないとわからない世界でもあります。
大手のアパートメーカーは、アパートローンの情勢をタイムリーに把握しています。取引のある銀行よりも、低い金利で融資を提供している銀行を見つけることもあります。そのため、融資情報に強いアパートメーカーを通じてローンを申し込むと、融資が通りやすくなります。アパートローンや融資の助言についても、ぜひ比較してみてください。
3-5-4.VE・CDの提案内容
アパート建築プランでは、VEやCDの提案内容も比較のポイントです。
VEとはバリュー・エンジニアリングの略で、質を落とさずに価格を下げる技術的な減額のことを指します。
CDとはコスト・ダウンの略で、部材そのものを取りやめる減額のことです。
建築コストの予算がオーバーしてしまう場合、最終的に各アパートメーカーからVEやCDの提案を募って、建築費を抑えていきます。
VE・CDの提案は、依頼者の意向を大きく損ねずに、きちんと適切に予算内に収まっているかを見極めることが大切です。VE提案は質が落ちない提案なので大丈夫ですが、CD提案は受け入れ過ぎると逆にアパートの質を落としてしまいます。
極端な例ですが、今どきのアパートで全室エアコンを取り止めるといったCD提案は賃貸物件の価値を落とす提案であり、やり過ぎです。常識の範囲内で適切な減額を提案してくれるアパートメーカーか、判断しましょう。
賃貸住宅建築において大手企業はどんな構造(工法)も対応するところも多いですが、なかには工法を限定している企業もあります。そのため、活用する土地の広さや立地条件等により、最も収益性の高くなるプラン(建物)は異なります。建物タイプや規模により、ベターな構造(工法)を複数検討してから、その構造(工法)が得意な(施工実績の多い)企業を選ぶとよいでしょう。
4.信頼できるアパートメーカーを探すには
良いアパートメーカーを選定するために、建築プランの比較検討は欠かせません。
アパートメーカーは、得意な建築構造や保証・管理サービスが異なるため、最良のアパートを建てるには必ず事前にプランを比較することが重要です。すでにご紹介した比較ポイントを参考に、ご自身の土地や要望に合ったアパート建築プランを選んでみてください。
アパートメーカーを比較するにあたっては、さまざまな工法に対応できるハウスメーカーにバランス良く提案依頼ができる「HOME4U 土地活用」がおすすめです。
アパートメーカーとは、アパートを建築できる事業者のこと。主に以下の事業者が挙げられます。
このうち、実際にアパートの建築に携わることが多いのはハウスメーカー、建築会社、工務店の3つです。それぞれの違いについて詳しくは「アパートメーカーとは?」をご確認ください。
アパートメーカーは、それぞれ事業規模も特徴もさまざまです。その中でもおすすめの17社は以下のとおりです。
各社の特徴について詳しくは「アパート建築で評判のアパートメーカー17社」をご確認ください。
良いアパートメーカーを選ぶためには、まずは複数の会社から建築プランを取り寄せて比較してみることが欠かせません。選ぶ際には、以下のポイントに注目してみてください。
それぞれの得意な工法やサポート体制、提案力など、建築プランを比較することで各社の違いがよく分かります。詳しくは「アパートメーカー比較の5つのポイントとは?」をご確認ください。