アパートローンの団体信用保険(団信)は加入必須?メリット・デメリットについて
アパート経営について考え始めると、団体信用生命保険(団信)に入る必要があるかどうかも気になります。
アパートローンを組む金融機関によっては、団信加入が必須条件になっているところもあるため、アパート経営をするのであれば、団信についても知っておく必要があります。
今回は、アパートローンを組む際の団信について、以下のようにまとめています。
- アパートローンの団信とは
- アパートローンの団信に加入する5つのメリット
- アパートローンの団信に加入する5つのデメリット
- アパートローンの団信加入を検討する6ポイント
また、これからアパートローンを組む、という方は、「HOME4U 土地活用」で複数の企業の建築費の見積もりをもらうことをおススメします。
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1.アパートローンの団信とは
団信とは、団体信用生命保険の略です。
団信は、アパートローンの返済中に、ローン契約者に事故や死亡など、万が一のことが起こってローン返済が難しくなった場合に、ローン残高がゼロになる保険のことです。
生命保険会社が、ローン残高に相当する金額を、保険金として銀行に支払って債務に充てます。一般的には、団信はローンを借りる時、または借り換え時にのみ契約可能なタイプの保険です。
1-1.団信の役割
団信に加入すると、アパートローンを組んでも、万が一の時には家族を守ることができます。
ローン返済期間中に契約者が死亡または高度障害を負うなど所定の状態※となった場合に、残債を団信からの生命保険で相殺します。
家族は、ローン完済したアパート建物と、アパート経営を引き継ぐことができます。団信加入をしていない場合は、他の生命保険から残債を支払うか、または家族が家賃収入からアパートローン支払いを続けることになります。
団信に入ることにより、家族にローン返済の負担の心配をせずに、大切な資産を引き継いでもらうことができます。
※所定の状態は、契約をする団信プランによって違いがあります。契約内容と約款をよく確認してください。
1-2.団信の種類
団信には多くの種類があり、さらに、金融機関によってさまざまなプランがあります。
どの団信も、基本プランとして死亡と高度障害があり、それ以外に特約を付けることができます。
今回はよくある3タイプの特約を紹介しますが、これ以外にも、さまざまな特約を付加ができます。
- 1.がん
-
死亡や高度障害に加えて、がんの診断があった際にも残債が0円になる団信です。がん保険ですので、加入日から90日間くらいの免責期間が設定され、その期間が過ぎてからの適用になります。団信加入よりも前にがんの診断があった場合は適用外です。
- 2.三大疾病保障付
-
基本の死亡と高度障害に加えて、日本の三大死亡原因とされるがん・心筋梗塞・脳卒中の三大疾病と診断されると、アパートローンの残債が0円になります。
診断が下りてから1年以上経過してから保険が下りる、診断後すぐに保険が下りるなど、どのような基準で保険が下りるのかは、各プランの「所定の状態」の定義によって違いがあります。
三大疾病保障付きの団信に入る場合は、各社のプラン内容をしっかりと比較してから選択するようにしてください。
- 3.8大疾病保障付
-
前項で解説をした三大疾病保障のがん・急性心筋梗塞・脳卒中」に以外に、さらに糖尿病・高血圧症・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎の診断が下りたときに、保証の対象となります。
各プランの定義する「所定の状態」によって支払内容が違いますが、一般的に、三大疾病は所定の状態が60日以上、残りの5つに関しては12か月の就業不能があった場合に適用されます。
プランによっては、病気によって働くことが困難になった場合、回復をして労働ができるようになるまでの期間、アパートローン返済額と同程度の保障額が月々に支払われるものもあります。
上記以外にも、すべての疾病やケガを対象にしたものや、すでに病歴がある方でも入れるタイプの団信もあります。保険商品によって少しずつ内容が違いますので、どのような団信の取り扱いがあるのかの詳細は、ローンを組む前に複数の保障内容を把握して、複数社を比較しておく必要があります。
1-3.団信への加入方法
団信は、アパートローン借り入れをする金融機関の提携保険商品として用意があります。そのため、基本的には金融機関から保険会社を紹介するという形で、ローン申込時に加入します。
しかし、これはあくまで任意ですので、他の保険代理店やインターネットで個別に加入することもできます。金融機関によっては、提携の団信保険加入をすると、自社の金利を優遇するキャンペーンをしていることもありますので、加入前には、各社の情報をよく確認をしておく必要があります。
1-4.団信の保険料
団信の保険料相当額は、もともと金利に含まれていることが多いので、特約をつけない普通の団信であれば、追加料金はありません。また、金融機関によっては団信の保険料相当額が0円のところもあります。
がんや三大疾病など、保障の手厚い保険に入る場合は、特約部分の保険料相当額が、金融機関によって0~0.3%の範囲で金利が上乗せされます※。また、既往症や疾病のある方が入るワイド型という保険には、ほとんどのケースで金利の上乗せがあります。
上乗せ率は借入額、返済期間、金融機関の考え方によって違いますので、ご自身と家族の状況を考えて、加入前に、複数の団信を比較しておく必要があります。団信の保障を手厚くすると、その分、ローン支払額は増えますが、万が一の場合の安心感も大きくなります。
※各金融機関のプラン・キャンペーン・提携保険会社のキャンペーンなどにより変動があります。
1-5.支払い期間と保障期間
一般的に、団信の支払い期間と保障期間は、ローンの支払い期間と同じです。団信は、万が一の場合に、ローン残債を保険料で相殺することが目的ですので、完済した時点で保障も終了します。
例えば、ローンの支払い完了が75歳でしたら、保障も75歳の完済日までです。
1-6.普通の生命保険との違い
団信はアパートローン契約時に加入できる保険です。保険の目的が、ローン残債の保障ですので、保険料は金融機関が設定します。そのため、保険でローンの残債は0にできますが、万が一のことが起きても、ローン契約者やその家族が、団信から保険金を受け取れるわけではありません。
普通の生命保険は、自分に万が一のことがあった時に、残された家族が生活に困らないようにすることが目的の保障ですので、自分の好きなタイミングで加入し、好きな金額の設定をします。万が一のことが起きた場合は、保険の契約者またはその家族が保険金の受け取りをします。
両者の違いをカンタンに表にしました。
団信 | 一般の生命保険 | |
---|---|---|
ローン契約時 | 加入タイミング | いつでも可能 |
生命保険金によるローンの相殺 | 加入目的 | 遺族への生活保障など |
借入額に応じて金融機関が設定 | 金額設定 | 加入者が自由に決定 |
ローン金利に上乗せ | 支払い方法 | 自分で保険料支払い |
なし。残債に充当される | 遺族の保険金受け取り | あり。 |
両者の比較をするとわかりますが、団信は、あくまでアパートローンに対する保障であり、生命保険は遺族に対する生活保障をすることが目的です。まったく違う目的の商品ですので、団信に加入していれば生命保険が不要になるわけではないことがわかります。
2.アパートローンの団信に加入する5つのメリット
本章では、アパートローンの団信に加入するメリット5つにまとめて解説しています。
- アパート経営の投資リスクが減る
- アパート経営を家族に賛成してもらいやすくなる
- 万が一の場合でも家族に土地や建物を残せる
- 連帯保証人がいなくてもアパートローンが組める
- 団信の保険金には所得税がかからない
2-1.アパート経営の投資リスクが減る
アパート経営にはさまざまなリスクがありますが、団信に入ることにより、アパート経営のリスクが一つ解消されます。
アパート経営をするためにはアパート建築をするための費用が必要ですが、これは、投資というリスクを負っていることになります。この投資額は、本来は、アパート経営によって回収していくものです。
団信は、ローン契約者が死亡した、または重大な障害を負って支払い能力がなくなってしまったときに、保険会社が契約者やその家族に代わって残債を払う仕組みです。つまり、アパート建築費という大きな投資額を、万が一の場合には、保険で100%カバーすることができますので、その時点で、投資リスクは0になります。
2-2.アパート経営を家族に賛成してもらいやすくなる
土地オーナーがアパート経営に乗り気でも、ご家族の反対で前に進めないことがあります。
ご家族が反対する大きな理由の多くは、アパート経営そのものよりも、「大きな借金をして、万が一のことがあったら…」という借金を背負うことへの精神的な怖さに起因している傾向があります。
に説明しても、経営の当事者にならない限りは、ピンとはこないため、やはり反対されてしまうケースの方が多いと言えます。
「団信生命保険に入るから、何かあったら保険が下りるから大丈夫」と説明するほうが、すんなりと納得してもらえる可能性が高くなります。
2-3.万が一の場合でも家族に土地や建物を遺せる
ローン契約者に万が一のことがあった場合、団信によって残債が全額相殺されますので、その時点でローンが完済します。ご家族は、ローンの終わっている、入居者から家賃収入が発生している不動産を引き継ぐことになります。
団信に入っていることで、大黒柱がいなくなっても、ご家族はアパートからの賃料が入りますので、生活のための収入が途絶えることなく、安心して暮らしていけます。そのうえで、土地も不動産も相続していくことができます。
2-4.連帯保証人がいなくてもアパートローンが組める
団信に加入すると、連帯保証人がいなくてもアパートローンが組めるようになります。
そもそも、連帯保証人とは、ローン契約者に万が一のことが起きた時に、その債務の支払いを保証してくれる人のことです。
しかし、団信に入っていれば、残されたローン債務は生命保険によって完済されますので、支払保証をするための連帯保証人も不要になります。
2-5.団信の保険金には所得税がかからない
普通の生命保険が満期になった、または契約者が死亡したなどで保険が下りた場合、その金額は、一時所得として所得税の申告をする義務があります。しかし、団信の場合は所得ではないため、納税義務がありません。
ローン契約者が死亡したことによって団信の残債免除(団信でローン残債を相殺する)がされた場合は、ローン契約者がつくったアパートローンの借金が、家族などの相続人に相続されるよりも前に、借金が減ったことになりますので、相続をする人の所得にはなりません。そのため、課税対象になりません。
死亡以外の理由、例えば、高度障害などを理由に団信の残債免除(団信でローン残債を相殺する)がされた場合も、残債免除をされる理由が、ローン契約者の本人の身体の障害が理由になります。あくまで、本人の支払い能力がなくなったことによって、本人が支払い免除になっているため、本人も相続人にも所得とはならず、課税はされません。
3.アパートローンの団信に加入する5つのデメリット
団信に加入した場合のデメリットを5つにまとめています。
- 相続税が発生する可能性がある
- 健康状態によっては加入できない
- ローン返済負担額が増える
- ローン審査が厳しくなる可能性がある
- 商品によっては途中解約できないものもある
3-1.相続税が発生する可能性がある
相続税対策でアパート経営をスタートしたのにもかかわらず、団信に加入していたために、想定外の相続税が発生してしまうことがあります。例を出してみてみましょう。
例)アパートの相続税評価額1億円 アパートローンの残債が9,000万円だったケース
- ・想定していた相続税対策
-
評価額1億円のアパートに対し、残債9,000万円なので、実質1,000万円のみが課税対象額となる。
【プラスの財産1億円 - マイナスの財産9,000万円 =1,000円】 - ・団信加入していた場合に起きること
-
評価額1億円のアパートに対するローン残債9,000万円は団信によって債務免除になるため、評価額1億円のアパートは、そのまま1億円になってしまう。
【プラスの財産1億円 -(マイナスの財産9,000万円)+(団信保険9,000万円)=1億円】
上記例のように、本来の相続税対策としてアパート経営を始める場合には、アパートの建築費などのマイナスの財産使って、資産全体の課税評価額を下げることが目的です。
しかし、団信でローン残債が相殺されてしまうことにより、アパートというプラスの財産から、本来なら差し引けるはずのマイナスの財産(ローン)が消えてしまいますので、相続税対策の効果がなくなってしまいます。
対策
相続税対策でアパート経営をする場合は、ローンを組む、団信に入るなどをする前の段階で、必ず税理士に相談し、相続税対策としての効果があるかを確認しておく必要があります。
また、団信は必ずしも入らなければならないものではありませんので、上記例の場合であれば、アパート経営の賃料収入によって9,000万円のローンが計画通りに返済できるような、土地やエリア条件の良いアパートであれば、団信加入の必要性はありません。
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3-2.健康状態によっては加入できない
団信は入りたくても入れないこともあります。団信に加入の際には、健康状態に対する告知をする必要があります。告知した内容や健康状態によっては、団信に加入できないこともあります。また、持病や病歴がある場合にも、普通の団信加入ができないことが多い傾向にあります。
対策
アパート経営をしようと計画し始めた段階から、健康に気を付けることです。団信加入時の告知の診断は、一般の保険と同じように、保険会社の調査員が行います。特約のついたタイプの団信加入、または借入額大きい場合には、保険会社から健康診断結果の証明書の提出を求められます。
まずは、健康診断で問題のない結果が出るように、食事や生活習慣に気を付けるようにしてください。
病歴や持病がある方は、ワイド団信という、健康上の理由で通常の団信に加入できない方向けの団信もあります。たとえば、高血圧症・糖尿病・肝機能障害などの病歴があることが理由で、通常の団信に加入できなかった場合でも、ワイド団信であれば加入できるケースがあります。
ただし、どの程度の病状や既往症であれば加入できるのかは、明らかにされていません。また、ワイド団信の審査を通過して場合でも、通常の団信の金利に、ワイド団信の保険料相当が上乗せされますので、ローン返済額は上がります。
健康上のことが理由で団信加入をご検討中の場合は、加入をしなくてもアパートローン返済に支障のない返済計画や、建築プランも同時に検討しておく必要があります。
3-3.ローン返済負担が増える
団信加入をすると、その保険料相当が、ローン金利に組み込まれますので、団信に入らないプランよりも金利は高くなることがあります。さらに、加入する団信に、さまざまな特約を付ける、健康上の理由からワイド団信に加入する場合には、普通の団信よりも、さらに金利アップしますので、返済負担額が増えます。
対策
団信加入によってどのくらいの金利変化があるのかは、申し込みをする金融機関によって違います。中には、団信の保険料が0円のところもあります。アパート経営をご検討の際には、建築プランの比較以外にも、申込ができる金融機関が提携する団信の内容もよく比較しておく必要があります。
団信の金利は、ローンの借入額や返済期間、さらには、過去の取引履歴などによって個別に決まっていきますので、アパート建築プラン・経営プランをもとに、複数の金融機関で個別にシミュレーションをしていくしかありません。これらは金融機関へアパートローンの無料相談に行ったときに、確認することができます。
また、団信によって金利が上がっても、金融機関が提携する団信への加入であれば、アパートローン本体の金利は下げてくれるキャンペーンを実施していることもあります。融資申込をする前の段階で、複数の金融機関を比較して、より良い条件のところでローン申し込みと団信申込をするようにしてください。
3-4.途中解約できないタイプの商品がある
アパート経営のために団信加入する場合、ローンの借り換えや一括返済するとき以外では、途中解約ができないプランがあります。例えば、特約を設定しているものや、ワイド団信などは途中解約ができないことの方が多い傾向があります。
これは、団信の保険料は金利部分に組み込まれているため、団信を解約すると金利も変わってしまい、ローン金額全体に大きな影響が出るためです。どうしても解約したい場合はローンの借り換えとなります。
対策
団信に加入する場合は、解約に関したルールをよく確認し、将来解約する気持ちがある場合は、解約を受け付けてくれる団信プランを扱う金融機関を探すようにします。
どうしても解約したい場合は、ローンの借り換えになりますが、その場合は、団信なしでもアパートローンを受け付けてくれる金融機関を探す必要があります。また、団信なしで融資が下りるような経営プランがないと、借り換え自体ができないケースもあります。このように、途中で切り替えることが難しいことが多いため、アパートローンを組む際には、解約条件も調べておく必要があります。
3-5.ローン審査が厳しくなる可能性がある
団信に加入しないことで、ローン審査が厳しくなる可能性はあります。特に、自己資金が少ない、その他の資産が少ない場合には、団信加入をしないことが理由で、融資を断られることもあります。また、団信に加入しない場合は、連帯保証人や共同担保を求められますが、金融機関が希望する内容で用意できない場合も、融資を断わられるケースがあります。
対策
金融機関から見た場合、団信加入をしてもらえれば、万が一の場合の返済トラブルが起きなくなりますので、お金を貸しやすくなるということは理解しておいてください。
マイホームのための住宅ローンとは違い、アパートローンはあくまで投資ですので、出来るだけ金利を下げるために、団信に入らないでおこうと思うオーナーがいるのは当然です。
しかし、加入をするだけで、連帯保証人や共同担保が不要になり、万が一の場合には、アパートの経営状態に関係なく、家族が借金を背負うこともないのですから、団信のメリットの部分も視野に入れて慎重に判断をしてください。
4.アパートローンの団信加入を検討する6ポイント
本章では、アパートローンを組む際に、団信加入をするかしないかで迷った時、検討すべきポイントを6つにまとめています。
- 団信加入は必須ではない
- 団信に加入するならば生保の見直しは必要
- 団信に途中加入したい場合、ローンの借り換えが必要
- 団信に入れなかった場合の対処法を考える
- 団信加入しない場合のリスク対策を考えておく
- 大手ハウスメーカーには団信提携の建築プランがある
4-1.団信加入は必須ではない
金融機関にもよりますが、アパートローンを組む際の団信加入は必須ではありません。
そのため団信に入らなくても、アパートローンを組むことはできます。
アパートローンを組む時に団信加入が必須ではない主な理由は、もともと、アパートローンの返済原資はアパート入居者からの家賃収入ですので、ローン契約者に万が一のことがあっても、アパート経営さえうまくいっていれば、返済が滞ることがないと金融機関が判断しているためです。
土地オーナーとしても、ローン金利は少しでも低く出来る方が、経営は良くなりますので、団信に入らないでアパート経営をしている方もたくさんいらっしゃいます。
4-2.団信に加入するならば生保の見直しは必要
団信は、ローン契約者が死亡や高度障害になった場合に、ローン残額を支払ってくれるタイプの保険です。しかし、団信はローンの残額がゼロになるだけですので、一般的な生命保険の特約で保障されているタイプの内容は、団信にはついていないことが多いので注意が必要です。
団信でも特約を付ければ、一般の生命保険と差のない保障が付けられるものもありますが、団信の場合は、特約付加によって金利が上がる点にも注意が必要です。
すでに他の生命保険に入っていて、さらに団信にも入る場合は、既存の生命保険内容の見直しをして、団信と保障内容が重複する部分がないかを確認しておく必要があります。団信加入を検討することで、保険の見直しにもなりますので、よく内容を検討したうえで判断してください。
4-3.団信に途中加入したい場合、ローンの借り換えが必要
団信は基本的に、新規のアパートローンの申込時、または借り換え時にしか加入できません。しかし、一部金融機関では特殊団信(がん団信など)を中途加入できるキャンペーンを設けるケースがあります。原則は借り入れ、借り換えするときにしか加入できないことは認識しておきましょう。
団信は途中加入が出来ないため、加入したい場合は借り換えることが必要です。
ローンの借り換えを検討する際は、INVASEの「オンライン型不動産投資ローン借り換えサービス」をおすすめします。
銀行の審査があるため、すべての方が借り換えできるものではありませんが、オンラインで瞬時に借り換え額が把握でき、本審査承認まで自宅で済ませることができます。
アパートローンの借り換えについては、以下の記事もご確認ください。
4-4.団信に入れなかった場合の対処法を考える
アパートローンを組む際には団信に入りたいが、入れなかった場合の対処法も考えておく必要があります。団信はアパートローンを組む時に加入しますが、団信の保険審査が下りなくても、金融機関からの融資審査が下りていれば、アパートローン自体は借りることができます。(ただし、団信加入が前提条件の金融機関の場合は、アパートローンもおりなくなります)
団信加入を断られる主な理由は健康上の問題ですので、仮に、金融機関Aで団信加入を断られたからと言って、金融機関Bで再度申請しても、加入できる可能性はかなり低いと言えます。そのため、団信加入ができなかった場合は、団信なしでアパートローンを組むことになります。
団信なしの状態でアパートローンを返済することに不安がある場合は、個人でローン残債相当の死亡受取金に設定した生命保険に入れば、万が一の場合は、その生命保険金でローンの相殺ができます。これは、団信の代わりとして入るものですので、他に生命保険に入っていても、別枠として考えておく必要があります。
また、同じ生命保険でも「逓減定期保険」という保険であれば、ほぼ団信の基本プランと同じ保障が得られます。逓減定期保険は、掛け捨てタイプの死亡保険で、死亡保険金総額がだんだんと減少していくタイプの保険です。
保障される死亡保険金額は、保険への契約直後が最も高く、長くかけていればいるほど、死亡保険金額の受け取り額が少なくなります。ほとんどの保険会社で取り扱いがあります。
4-5.団信加入しない場合のリスク対策を考えておく
団信に加入をしないでアパートローンを組み、アパート経営をする場合は、万が一のリスク対策を用意しておく必要があります。基本的には、アパート経営のために借りたローンは、アパート入居者からの賃料が充当されますので、アパートの土地条件やエリア条件が良く、さらにエリアニーズに沿ったアパートであれば、問題なくローン返済をしながら、資産拡大をしていくことができます。
そのため、土地オーナーの中には、団信に入って金利が高くなるよりも、適切な経営をして、収益が多くなる方が良いと判断する方もたくさんいらっしゃいます。
ただし、アパート経営は息の長い経営ですので、途中で土地の周辺環境が変わることや、想定外のトラブルが起きる可能性は0ではありません。特に、エリア環境が変わることで人の流れが変わり、空室率が上がることは十分に考えられます。また、その時に、ご自身が健康で適切な経営対処ができるかどうかも保証はありません。
団信加入をしない場合は、このような想定外の出来事もシミュレーションした上で、自己資金の用意、団信に変わる生命保険の準備、連帯保証人を立てておく、早期のローン完済などで対策を講じておく必要があります。
4-6.大手ハウスメーカーには団信提携の建築プランがある
アパートローンを組む際には、団信に加入したいとお考えの土地オーナーであれば、はじめから大手ハウスメーカーで建築プランと経営プランを入手することをおすすめします。大手ハウスメーカーには、普通の住宅以外にも、アパートやマンションなどの建築プランが多数用意されています。
このようなプランの中には、ハウスメーカーと金融機関が提携するパッケージ商品がいくつかあります。パッケージ商品とは、提携している金融機関が、すでにハウスメーカーが取り扱う建築プラン・建築内容については審査が完了しており、あとはローン申し込み者の審査をするだけというプリセットプランになっていますので、審査が早いことが特徴です。
プリセットプランでは、金融機関と提携をしている生命保険会社の団信もセットになっており、ローン申請には団信が絶対条件になっている傾向があります。ローンの条件も、団信の条件も、ハウスメーカーの担当者からまとめて確認できるという利便性もありますので、他のアパートローン申請よりもスムースに進行します。
これからアパートローンを組む、という方は、「HOME4U 土地活用」をご利用ください。
以下のボタンから最大10社のハウスメーカーに、建築費の目安や収益シミュレーションがわかるアパート建築プランの申し込みをすることができます。ぜひご活用ください。
アパートローンの団信は、加入者に万が一のことが起こった場合、残ったアパートローンを保障するものです。生命保険とは以下のような違いがあります。
- 遺族や家族に保険金は下りない
- 金額設定は借入金によって決まる
- 返済はローンに上乗せされる
詳しい団信の解説は「アパートローンの団信とは」をご確認ください。
団信の加入は基本的に任意ですが、多くの場合加入が求められます。背景には以下のようなメリットがあります。
- アパート経営の投資リスクが減る
- アパート経営を家族に賛成してもらいやすくなる
- 万が一の場合でも家族に土地や建物を遺せる
- 連帯保証人がいなくてもアパートローンが組める
- 団信の保険金には所得税がかからない
メリットの詳細は「アパートローンの団信に加入する5つのメリット」で解説しています。
アパートローンの団信に加入すると生まれるデメリットは?
- 相続税が発生する可能性がある
- 健康状態によっては加入できない
- ローン返済負担が増える
- 商品によっては途中解約できないものもある
- ローン審査が厳しくなる可能性がある
各デメリットについては「アパートローンの団信に加入する5つのデメリット」でご確認ください。
団信加入は任意であるため、加入の際にはアパート経営を見越して考えておくべきことがあります。
- 団信加入は必須ではないことを念頭に置く
- 加入するなら生保の見直しをする
- 団信によって途中加入も受け入れている
- 団信に入れなかった場合の対処法を考える
- 団信加入しない場合のリスク対策を考えておく
- 大手ハウスメーカの団信提携建築プランを検討する
団信加入でアパート経営の将来性に安定力が増します。詳しくは「アパートローンの団信加入を検討する6ポイント」をご一読ください。
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