【徹底解説】40坪の土地に建てるアパートの建築費用。ローコストにおさえて経営を成功させる方法
40坪の土地は、約132.2平米です。一般的な戸建て住宅が1棟建つ程度で、アパート経営をするための敷地として、広さが不十分なのではと思われますが、土地の条件を満たせば十分に建築可能です。
ただし、40坪では建てられる規模が限られるので、建築プランと経営プランをしっかり組み立てておくことが重要です。
そこで本記事では、40坪のアパートの建築費用の相場とローコストで収益性を高める方法について解説します。
この記事を読むと、
- 40坪に建てるアパートの建築費用は3,080万円~
- 40坪のアパートでも建築費を抑える方法は3つ
- 狭小アパート経営の相談は「HOME4U 土地活用」がおすすめ
といったことがわかります。
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この記事の内容
1.【40坪】の土地に建てるアパートの建築費用相場
アパートの主な躯体構造は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造です。建築費は、構造によって建築坪単価相場が異なるため、坪単価相場をそれぞれ知っておくと構造別の建築費の目安がわかります。
40坪の土地に容積率100%で木造アパートを建てた場合に必要な建築費用(本体工事費)の相場は、おおよそ3,080万~4,000万円です。
1-1.構造別建築費坪単価と40坪の建築費一覧
構造別のアパート坪単価相場と40坪の土地に建てる規模で想定した建築費をまとめました。
構造 | 坪単価相場 | 40坪のアパート建築費 (延床面積40坪換算) |
---|---|---|
木造 | 77万~100万円/坪 | 3,080万~4,000万円 |
鉄骨造 | 軽量鉄骨:80万~100万円/坪 重量鉄骨:90万~120万円/坪 |
軽量鉄骨:3,200万~4,000万円 重量鉄骨:3,600万~4,800万円 |
鉄筋コンクリート造 | 90万~120万円/坪 | 3,600万~4,800万円 |
※HOME4U調べ
1-2.アパート建築の本体工事費以外の費用
アパートの建築費は、本体工事費、付帯工事費、諸費用の3部構成になっています。全体の建築費に占めるおおよその割合は以下の通りです。
種類 | 内容 | 割合 |
---|---|---|
本体工事費 | マンション本体にかかる費用。基礎部分、躯体、外装、内装、住設など。 | 全体の7~8割 |
付帯工事費 | 本体にかかわらない工事の費用。地盤改良工事や駐車場などの外構工事、給排水工事など。 | 本体工事費の約2割 |
諸費用 | 工事以外にかかる費用。不動産取得税や登録免許税など税各種、水道負担金、アパートローンの手数料、火災保険料など。 | 本体工事費の約1割 |
アパート経営を始める際の初期費用はこの合計額となります。
延床面積40坪の木造アパートの場合、本体工事費は3,080万~4,000万円となるため、トータルの初期費用は4,004万~5,200万円かかる計算です。
アパートの建築費については、以下の動画や関連記事も併せてご確認ください
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2.【40坪】のアパート建築に向いている構造
40坪の土地でのアパート経営は、いわゆる狭小アパートに分類されます。狭小住宅の場合、構造には比較的加工しやすい素材を選ぶことが多いため、木造か軽量鉄骨造を採用するケースが大半です。
また、狭小地に建てるアパートの場合、確保できる部屋数も限られることから、収益性には限界があります。高利回りのアパート経営とするには初期費用を抑える必要があるため、坪単価相場が比較的安価な木造と軽量鉄骨造は好都合です。
3.【40坪】のアパートの部屋数と建築費シミュレーション
40坪の土地に建てるアパート建築の間取り例と建築費シミュレーションを3パターン紹介します。
3-1.木造2階建てアパート
40坪程度の土地にアパートを建てるとなると、日当たりなどの懸念が発生することもあります。例として挙げた間取りは、2階にLDを持ってくることで日当たりの問題を解決している木造アパートの事例です。
また、戸数を減らし、2階建てにすることで建築費も抑える効果があります。
<設定条件>
- 土地面積:43坪
- 木造2階建て
- 2LDK3室
- 建ぺい率・容積率:80%・200%
<建築費シミュレーション>
本体工事費:5,082万円=77万円×66坪
付帯工事費:1,016万4,000円=5,082万円×20%
諸費用:508万2,000円=5,082万円×10%
初期費用:6,606万6,000円
3-2.木造3階建てアパート
集合住宅を3階建てで建てる場合、耐火建築物としなければなりません。しかし、条件を満たすことで木造の3階建てを建てることが可能です。これを「木造3階建て共同住宅(木3共)」と呼び、コスト面でメリットがあります。
木3共は建物の外に3mの通路を配する必要があります。40坪規模の土地の場合、建物自体は実際の建ぺい率を満たさずに作らなければならないことも考えられます。
<設定条件>
- 土地面積:40坪
- 木造3階建て
- 1R6室
- 建ぺい率・容積率:60%・150%
<建築費シミュレーション>
本体工事費:4,250万円=85万円×50坪
付帯工事費:850万円=4,250万円×20%
諸費用:425万円=4,250万円×10%
初期費用:5,525万円
3-3.鉄骨造3階建てアパート
軽量鉄骨造アパートは、大手ハウスメーカーの規格アパートによく採用される例があります。規格アパートで建てれば、ローコストかつ高品質なアパート建築が実現できます。
<設定条件>
- 土地面積:40坪
- 軽量鉄骨造3階建て
- 1K6室
- 建ぺい率・容積率:60%・200%
<建築費シミュレーション>
本体工事費:5,525万円=85万円×65坪
付帯工事費:1,105万円=5,525万円×20%
諸費用:552万5,000円=5,525万円×10%
初期費用:7,182万5,000円
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4.【40坪】のアパート建築に関わる建築規制
本来であれば集合住宅建築には向かないことも多い40坪の土地でアパート経営を始めるには、どの程度の規模の建物が建てられるかをまず確認しなければなりません。
ここでは、40坪の土地で建築可能な規模を決定づける土地の建築規制について解説します。
建築基準法ついて詳しく解説している記事もあります。併せてご一読ください。
4-1.建ぺい率・容積率
建物を建築可能な土地には建ぺい率と容積率がセットで設定されています。これらは土地に対する建物の規模の割合を示すものです。
建ぺい率は、宅地では一般的に60%で、周辺環境によっては80%や40%に設定されていることもあります。
容積率の設定は、50~500%と設定はさまざまです。容積率が高いほど高層建築が可能になります。40坪程度の狭小アパートの場合、容積率が150%以上あるほうが好ましいでしょう。
建ぺい率と容積率が60%・120%に設定されている40坪の土地の場合、最大建築可能規模は建坪24坪、延床面積は48坪です。
4-2.接道義務
接道義務は、直接建物の規模に影響する規制ではありません。災害発生時の避難経路確保のために設けられているものです。道路にかかわる規制として2つの決まりがあります。
接道義務 | 4メートル幅以上の道路への出入り口を2メートル以上確保する義務 |
---|---|
セットバック | 土地と接する道路の幅が4メートル未満の場合、道路の中心から2メートルを道路分として確保する(自用地を後退させる)措置 |
接道義務は義務とあるとおり、この条件を満たしていないと土地に建物を建てられません。
また、セットバックの必要が出てくると土地が狭くなるため、40坪の土地の形状によっては活用が難しくなる場合もあります。
≪接道義務≫
≪セットバック≫
4-3.用途地域
土地はエリアごとに主となる使い道を決められています。これが都市計画法に基づく用途地域です。定められた用途によっては、アパートを建てられないエリアもあります。
用途地域は13種に分けられており、このうち工業専用地域ではアパート経営はできないことになっています。
工業専用地域のほか、都市計画区域外、市街化調整区域でもアパート経営は原則的にできません。
4-4.高さ制限
その土地に建てられる建物の高さは、用途地域や高度地区の種別によって上限値が決められています。これらも含め、高さ制限には大きく4種の規制があります。
種類 | 概要 |
---|---|
絶対高さ制限 | 用途地域の決まりによる高さ制限。第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域では、10メートルまたは12メートルの高さに制限される。 |
道路斜線制限 | 前面道路の反対側境界から定められた角度で引かれた延長線の高さまでとする制限。斜線勾配は住居系の用途地域の場合、1:1.25。中高層住居専用地域以外の容積率300%以下の地域内で特定行政庁が指定する区域内では2:5になる。 |
隣地斜線制限 | 隣地の境界線上の一定の高さを起点として定められた角度で引かれた延長線の高さに制限する。宅地は20メートルを起点として敷地側に角度をつけた延長線上となる。 |
北側斜線制限 | 北側斜線制限の場合、隣地斜線制限の起点より厳しく、宅地の場合は5メートルとなる。建物の北側にかかる高さ規制。3階建て以上の場合は注意。 |
以上の制限は、敷地周辺に広い公園や道路があるなど日照に影響がないと認められる場合は、緩和条件が適用されます。
高さ制限は、40坪規模の土地に3階建て以上を建てる場合に北側斜線制限に注意が必要です。
4-5自治体ごとの条例
建物への規制は、自治体によっては独自の規制をかけている場合があります。
よくある自治体ごとの規制は「ワンルーム条例」です。東京23区など、ワンルーム需要の高いエリアで制定されています。それぞれ条例内容が異なるため、ワンルームタイプの建築を検討している場合には確認が必要です。
最低面積の確保 | 1戸当たりの最低面積を決める規制。23区では26平米以上と規定していることが多い。 |
---|---|
ファミリー住戸の併設 | 規模が一定以上のアパートの場合、管理人の常駐が求められる。 |
管理人の設置 | 集合住宅に管理人の常駐を定めた規定。日中のみの設置を求める場合も。 |
駐車場の確保 | 敷地内に駐車場の確保を求められる。 |
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5.【40坪】のアパート建築をローコストにする方法
40坪の土地にアパートを建てる場合、規模を大きくできないため収益性を十分に確保するのが難しくなることもあります。狭小アパートでも経営に成功している事例は多くの場合、建築時のローコスト化が背景にあるといってよいでしょう。
ここでは、40坪規模のアパートでもできるローコスト化の方法を紹介します。
5-1.規格化アパートで建てる
規格化アパートとは、アパートの多くの建材・部材を規格化し、大部分を工場で生産した後に、現地で組み立てる工法を採用したアパートのことです。大手ハウスメーカーで規格化した商品ブランドを展開しています。
建築にかかる工程の多くを工業化することでローコスト化が図れるだけでなく、工期の短縮、品質の安定などのメリットがあります。
規格化アパートのシリーズを複数で展開しているメーカーもあり、規格化されているとはいえ、さまざまなプランに対応可能です。
しかし、土地の形状などによっては対応できない場合もあるため、プランを複数依頼して対応できるメーカーを選ぶとよいでしょう。
5-2.ハウスメーカーで設計施工一貫方式を選ぶ
設計施工一貫方式とは、建物の設計から建築工事までを一貫して同一の会社に依頼してアパートを建てることです。多くのハウスメーカーでこの方式を採用しています。
設計は設計会社へ、建築は建築会社へと別々に発注すると、それぞれへの支払いが発生します。この場合、設計会社へ報酬(設計料)は40坪規模のアパートの場合、建築費の10%程度が一般的です。
設計施工一貫方式で建てると、設計料は建築費の1~3%になります。数千万円の建築費に対し、その差は数百万円です。そのため、一貫方式で依頼することで大幅なローコスト化が図れます。
5-3.同規模の建築実績があるハウスメーカーで比較検討する
理想的なアパート経営を実現するには、建築費用の総額や内訳を吟味するところから始めなければなりません。
特に建築費用を抑えるには、メーカーごとの総額費用の違いや標準設備の価格差、オプション仕様の追加・グレードアップでの追加費用など、建築費用に関する疑問や不安を解消しておきます。
40坪のアパート建築を考える場合、同規模の実績がある複数のハウスメーカーから概算の見積もりを取り寄せて比較・検討するのが疑問・不安解消の早道です。
6.【40坪】のアパート建築を成功させるコツ
40坪のアパート経営を成功させるには建築時にできることがたくさんあります。ここでは、40坪のアパート建築を成功させるコツを紹介します。
6-1.自己資金比率を上げる
アパート経営を検討する際、あらかじめ回避するべき2大リスクが「空室リスク」と「返済リスク」です。空室の発生により毎月の家賃収入は減るとローン返済が滞るおそれが高まり、最悪の場合は物件を手放さざるを得なくなります。
「返済リスク」を回避する対策として、まず自己資金割合を初期費用の3割と設定したうえで、予算内で建築できる規模を計ります。自己資金は建築時にかかる総額の3割が目安です。
この目安を基本に、収入に対するローン返済率を50%以下におさえることができれば、多少の空室が出てもすぐには経営に支障をきたさないでしょう。
満室稼働でも返済率が60%を上回る場合は運営の危険性が高まり、僅かな空室リスクで経営基盤が揺らいでしまうおそれがあるので注意が必要です。
6-2.エリアを調査し他の土地活用と比較する
土地活用を始める際、エリアニーズの調査と把握が重要です。収益性が高いからとアパート経営を始めても借り手が現れなければ、収益を得られません。逆に賃貸住宅需要が高ければ、40坪でアパートを経営することも可能です。
ただし、賃貸経営に向いている立地だとしても賃貸供給が飽和状態にあると経営が先細りする可能性があります。
アパート経営は長期運用が基本です。長期的な経営計画でよい見通しがつかない場合は、ほかの土地活用を検討するか、前もってアパート建築時に対策を講じておく必要があります。
6-3.戸数を増やす
狭小アパート経営となる40坪の土地に建てるアパート経営で収益をあげるには、可能な限り多く居室を確保することで、坪当たりの家賃単価を上げることが可能です。40坪規模だと、2LDKを4室より、ワンルームを8部屋のほうが家賃収入は増えます。
ただし、戸数を増やすと設置する住宅設備が増えるため、建築費は高くなるのが一般的です。
6-4.ニーズを汲んだ間取りや設備投資をする
アパート経営の大敵である空室リスクを回避する対策に、間取りの設定や設備投資があります。
40坪の狭小地で空室リスクを軽減させるには、戸数を増やすと稼働率への影響が少なく済みます。しかし、戸数を増やせるワンルームタイプにしたところで、ニーズがないエリアでは逆効果です。
また、セキュリティ面での設備投資など、初期設備投資をしっかりと検討することも重要です。
建築プラン検討の際にはエリアのニーズをしっかり把握し、需要のある間取りタイプや人気の設備を取り入れる必要があります。ハウスメーカーに相談すれば、プロの目で需要を見出してくれるため安心です。
競争力のあるアパートを建てるには、実績豊富なハウスメーカーから一括プラン請求できる「HOME4U 土地活用」をご活用ください。
6-5.競合物件との差別化を考える
アパート経営を成功させるには、競争力のある魅力的な物件を建築したいものです。
収支計画を圧迫しない範囲で魅力的な物件となるよう付加価値をつけ、差別化を図っていくのがおすすめです。
例えば、繁華街など人通りの多い場所に建てるならオートロック付にするなど、ターゲットとなる入居者をイメージすると差別化しやすくなります。
6-6.経営プランを長期的視野で検討する
アパート経営は長期的な資産運用によって収益化を図る投資の一種で、多額の初期投資が必要です。
アパート建築には多くの場合でアパートローンを活用します。自己資金のみで建てるよりもアパートの収益性を高められるため、レバレッジ効果を生み出します。しかし、大きなレバレッジ効果を期待して、多額の借入金返済に追われるようでは元も子もありません。
そこで大切になってくるのが、返済計画を含む長期の経営プランをしっかり立てることです。
減価償却期間内で借入金を返済できるようなプランニングするとよいでしょう。
6-7.複数のプランを比較検討する
要望や予算、所有地に合ったプランを選ぶには、複数の企業からアパート建築プランの提案を受けることが大切です。
建築会社によって、得意とする構造や提案力は異なり、建築費用もおのずと違ってきます。複数のプランを比較検討することで、本当に自分に合ったプランが見えてくるでしょう。
また、建築後のフォローや管理体制についても先に検討しておくことをおすすめします。一般的に、ハウスメーカーにアパートの建築を依頼すると、その関連会社に管理を任せる場合が多いため、管理会社の評判も確認しておくと安心です。
建築会社や管理会社を比較検討するには、まずはプランの一括請求をして、その土地に対して各社が提案してくれるプランを比較してみてください。
40坪のアパート建築のプラン請求には「HOME4U 土地活用」の活用がおすすめです。狭小アパート建築にも強いハウスメーカー最大10社から渾身の建築プランを手に入れられます。
40坪の土地に建てるアパートの建築費用の相場は以下の通りです。
- 木造:4,004万~5,200万円
- 軽量鉄骨造:4,160万~5,200万円
- 重量鉄骨造:4,680万~6,240万円
- 鉄筋コンクリート造:4,680万~6,240万円
詳しくは「【40坪】の土地に建てるアパートの建築費用相場」で解説しています。
40坪規模の狭小アパートでも建築費用を抑えるコツはあります。
- 規格化アパートを建てる
- ハウスメーカーで設計施工一貫方式を選ぶ
- 同規模の建築実績があるハウスメーカーで比較検討する
詳しくは「【40坪】のアパート建築をローコストにする方法」で解説しています。
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