【詳しく解説】鉄骨造アパートの坪単価はいくら?おすすめのハウスメーカーも紹介
鉄骨造はアパート建築でも多く採用される構造です。鉄骨造の種類は、軽量鉄骨造と重量鉄骨造に大きく分かれます。それぞれの坪単価も若干の差があり、メリット・デメリットも少しずつ異なるのが特徴です。
この記事では、鉄骨造の坪単価の相場や、アパート建築費のシミュレーション、建築費を抑えるポイント、おすすめのハウスメーカーなどについて解説します。
なお、簡単に鉄骨造アパートの建築費が知りたい方は、以下のボタンから建築プランの請求ができますので、ぜひご利用ください。
この記事の内容
1.鉄骨造の坪単価とアパート構造の特徴
鉄骨造など建築物にはおおよその坪単価相場が存在します。
鉄骨造アパートの坪単価相場は、軽量鉄骨で80万~100万円、重量鉄骨で90万~120万円といわれています。
なお、鉄骨造以外のアパート建築費が知りたい方は、以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひご参照ください。
ここでは、鉄骨造のアパート建築費の坪単価と相場、その内訳について解説します。
1-1.アパートの構造は主に3種類
アパートのような集合住宅の建築では、構造は主に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3種類から選択されます。
それぞれの特徴を簡単にまとめました。
構造 | 特徴 | 適応階数 |
---|---|---|
木造(W造) | もっとも坪単価相場が安い 狭小地の建築に強い 居住空間の快適性が高い |
~2階(3階) |
鉄骨造(S造) | 規格化されていることが多い 工期が大幅に短縮できる コスパに優れている |
2~7階 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 遮音性や耐火性に優れている 中高層建築物向き 坪単価が高く、工期も長い |
3~8階 |
アパートの構造でよく見られるのは、木造と鉄骨造です。特に鉄骨造はユニット工法に向いているため、規格アパートによく見られます。
1-2.鉄骨造の坪単価と相場
鉄骨造アパート建築の坪単価は、軽量鉄骨造と重量鉄骨造によって多少異なります。
軽量鉄骨と重量鉄骨による坪単価相場 | ||||
構造 | 構造基準 | 坪単価相場 | ||
---|---|---|---|---|
軽量鉄骨造 | 鉄骨の厚みが6ミリ未満 | 80万~100万円 | ||
重量鉄骨造 | 鉄骨の厚みが6ミリ超 | 90万~120万円 |
※HOME4U調べ
鉄骨造は使われる鉄骨の厚みによって建てられる規模が変わるため、坪単価にも差が出てきます。軽量鉄骨造では法定耐用年数により、さらに3ミリ以下、3ミリ超~4ミリ以下、4ミリ超~6ミリ以下に分かれます。
鉄骨造は10年前に比べ、坪単価の水準が大きく上昇しました。国税庁が発表する「地域別・構造別の工事費用表」によると、令和4年度は昨年に比べ水準がわずかに上昇しています。
令和になってからの調査結果を見ると年々平米当たりの工事費用は全国平均で微増が続いている状態です。横ばいとなることはあってもしばらくは下落に転じる可能性は高くないと考えてよいでしょう。
1-3.アパート建築費の内訳
アパート建築では、建物本体の工事費のほかにも費用がかかります。内訳は以下のとおりです。
費用 | 内容 | 割合 |
---|---|---|
本体工事費 | 基礎部分、躯体、外装、内装、住設など | 費用全体の7~8割 |
付帯工事費 | 地盤改良工事、駐車場などの外構工事、給排水管工事など | 本体工事費の約2割 |
諸費用 | 不動産取得税や登録免許税など各種税、水道負担金、アパートローンの手数料、火災保険料など | 本体工事費の約1割 |
これらを合計した金額が、アパート経営の初期費用となります。
初期費用を概算するには、以下の計算式を使います。
- 建築費(本体工事費)=坪単価×延床面積(坪)
- 付帯工事費=本体工事費×20%
- 諸費用=本体工事費×10%
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2.鉄骨造アパートの建築費シミュレーション
それでは、鉄骨造アパートの建築費を階数別にシミュレーションしましょう。
アパートと同時に検討できる鉄骨造の賃貸併用住宅の建築費についてもシミュレーションしてみます。
2-1.2階建てアパート
2階建ての規模でアパートを建てる場合、木造か軽量鉄骨造のどちらかを選択するのが一般的です。
軽量鉄骨造は規格アパートによく採用され、木造並みのローコストで工期も短く、安定した品質のアパートが建てられます。
<設定条件>
- 軽量鉄骨造2階建て
- 延床面積:80坪
- 坪単価:80万円(ハウスメーカーの規格アパート)
<建築費シミュレーション>
本体工事費:6,400万円=80万円×80坪
付帯工事費:1,280万円=6,400万円×20%
諸費用:640万円=6,400万円×10%>
初期費用:8,320万円
2-2.3階建て賃貸併用住宅
賃貸併用住宅は、オーナーが住む自宅にアパートを併設した建物のことを指します。
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鉄骨造は空間を広くとれ、強度もあるため、賃貸併用住宅に向いている構造です。軽量鉄骨造の3階建てを想定してシミュレーションします。賃貸併用住宅は自宅部分が含まれるため、坪単価は高めとなります。
<設定条件>
- 軽量鉄骨造3階建て
- 延床面積:120坪
- 坪単価:95万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:1億1,400万円=95万円×120坪
付帯工事費:2,280万円=1億1,400万円×20%
諸費用:1,140万円=1億1,400万円×10%
初期費用:1億4,820万円
賃貸併用住宅は住宅ローンを利用して資金の調達ができるのが最大のメリットです。また、家賃収入を自宅のローン返済に充てられます。
2-3.4階建てアパート
4階建てとなると、規模が大きなアパートになります。頑強で安定感のある重量鉄骨造が向いていますが、その分、坪単価も高めになります。以下、重量鉄骨造での建築を想定したシミュレーションです。
<設定条件>
- 重量鉄骨造4階建て
- 延床面積:140坪
- 坪単価:100万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:1億4,000万円=100万円×140坪
付帯工事費:2,800万円=1億4,000万円×20%
諸費用:1,400万円=1億4,000万円×10%
初期費用:1億8,200万円
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3.鉄骨造で集合住宅を建てるメリット・デメリット
集合住宅を建築する際は、構造のメリット・デメリットをしっかり把握して、最適な構造を選びたいものです。ここでは、鉄骨造のメリットとデメリットを軽量鉄骨と重量鉄骨に分けて解説します。
3-1.鉄骨造のメリット
鉄骨造は、軸組に鉄骨を用いた構造で、軸組の強度が木造より増すため、耐久性があります。そのため、軽量鉄骨造でも重量鉄骨造でも、空間を広くとれるという特徴があります。
集合住宅を鉄骨造で建てることのメリットは以下の通りです。
鉄骨造のメリット | ||||
軽量鉄骨造 | 重量鉄骨造 | |||
---|---|---|---|---|
|
|
軽量鉄骨造と重量鉄骨造のどちらを選ぶか考える場合は、建物の階数とともに検討しましょう。1階を貸店舗として上階を賃貸住宅とする3~4階建てには、重量鉄骨のほうが向いています。
3-2.鉄骨造のデメリット
鉄骨造は、ほかの構造に比べても良いとこ取りの面が多い一方、デメリットも存在します。
鉄骨造のデメリット | ||||
軽量鉄骨造 | 重量鉄骨造 | |||
---|---|---|---|---|
|
|
先述したように軽量鉄骨造の法定耐用年数は、厚みによって3段階に分かれています。もっとも薄い3ミリ以下の場合、法定耐用年数は木造よりも短い19年となり、減価償却期間も19年となります。
アパートローンでは法定耐用年数をもとに返済期間を決定することが多いため、軽量鉄骨造ではローン返済プランもしっかり練っておく必要があります。
4.鉄骨造アパートの建築費を抑えるポイント
鉄骨造はコストパフォーマンスに優れた構造です。
しかし、鉄骨造アパートで賃貸経営を始めるなら、建築費を抑えるコツを把握しておけば、より高利回りでの運用も期待できます。
ここでは、鉄骨造アパートの建築費を抑えるポイントを4つご紹介します。
4-1.実績のあるハウスメーカーに依頼する
建築時は、設計を専門にする会社などに別注すると、建築費の10%程度の設計料が必要になります。5,000万円の建築費用を見込んだ場合、500万円程度の設計料がかかることもあり、その出費のかなり大きくなります。
しかし、ハウスメーカーに設計から依頼することでこの出費が抑えられます。
ハウスメーカーは、社内に設計部門を抱えていることがほとんどです。設計施工一貫方式といって、一貫して依頼することで設計料を1~3%に抑えることができます。
4-2.シンプルなつくりにする
賃貸住宅の入居希望者の多くは、建物が四角くてシンプルなつくりを好みます。シンプルな方が、自分の生活スタイルや好みにアレンジしやすいためです。シンプルなつくりにすると装飾分のコストダウンも図れます。
建物の形状も四角いほうが好まれます。
建物も長方形にした方が建築費を抑えられます。建物の中で居室を効率的に配置できるのは長方形で、これを「ようかん型」といい、効率的に収益性を上げる方法としてマンション建築でもよく見られます。
4-3.仕上げ材や設備のグレードを下げる
デコラティブな装飾や機能の充実した設備は、それだけ費用がかさみます。仕上げ材や設備は、入居に影響が出ない程度にグレードを下げても問題ありません。複雑な機能がついた設備やオーナーの好みを反映した装飾は、控えるようにしましょう。
賃貸住宅の場合、退去のタイミングでメンテナンスに入ることも多いため、非常に耐久性の高いものを導入する必要はありません。設備に関してもシンプルで使い勝手の良いものを選び、時代に流れに沿ってリフォームして対応した方が安く済むでしょう。
4-4.ハウスメーカーのプランを比較検討する
建築費を抑えるために必ずやっておくべきポイントは、複数のハウスメーカーにプラン請求することです。ハウスメーカーに建築プランを求めると、それぞれに得意を生かしたプランの提示を受けられます。
プランの請求は1社1社にコンタクトをとるのではなく、一括プラン請求サービスの活用がおすすめです。一括してプラン請求すると、建築費用や工法も比較検討しやすくなります。また、ハウスメーカーには他社と比較検討されていることが伝わり、いっそう力を入れて「選ばれる」プランを作り出すでしょう。
費用面で分からないことがあれば質問し、しっかり納得のいく回答を得られた会社を選ぶとよいでしょう。
複数社の一括プラン請求には「HOME4U 土地活用」をご活用ください。最大10社から無料で建築プランを手に入れられます。
5.鉄骨造アパート建築でおススメのハウスメーカー
それではここで、鉄骨造アパート建築を得意とするハウスメーカーの中でも特におすすめの5社をご紹介します。同じ鉄骨造を得意としていても、それぞれに付加価値を付けたアパートづくりに取り組んでいます。
5-1.旭化成ホームズ
旭化成ホームズは、住宅ブランド「へーベルハウス」を展開しています。賃貸向けには「へーベルメゾン」のブランド名で、さまざまなニーズに応えられるプランラをそろえています。
鉄骨造の弱点を補う「ALCコンクリート・へーベル」により、耐火性、遮音性、断熱性に優れた建物を実現しています。耐久性にも優れており、60年耐用の躯体構造で長期経営をサポートしてくれます。
5-2.積水ハウス
積水ハウスは、「シャーメゾン」という賃貸住宅ブランドを展開しています。軽量鉄骨造の2階建て集合住宅から重量鉄骨造の4階建てまで、空間を広くとれる鉄骨造の強みを生かした設計自由度の高い賃貸住宅に定評があるハウスメーカーです。
特にZEH賃貸」シリーズは、建築実績ナンバーワンを誇ります。ゼロ・エネルギー化を図りながら、居住空間の快適性がアップしていることから、入居希望者から人気のあるプランです。
5-3.大東建託
大東建託の賃貸住宅では、木造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造と規模やスタイルに合わせて構造が選べます。
鉄骨造で採用している「鉄骨造システムブレース構造」は、鉄骨造の耐震性をいっそう高めた構造です。柱をK型に組み合わせることで地震発生時の躯体変形を一般の鉄骨造の3分の1に抑えることに成功しました。
また、大東建託は一括借り上げによる経営サポートなど、長期にわたるサポート・管理体制を強みとしています。実績に裏付けされた確かな賃貸事業計画を立ててくれ、立地に合った賃貸スタイルをさまざまな躯体から選べます。
5-4.大和ハウス
鉄骨生産量トップクラスの工場をもつ大和ハウスは、高強度とプランの自由度を兼ね備えた重量鉄骨構造のアパートを数多く提供しています。
大和ハウスの賃貸住宅ブランド「D-room」は自社工場で生産した軸組をパネルフレームではさむ構造で、縦方向・水平方向の荷重にも強くなっています。また、鉄骨造の賃貸住宅で気になる遮音性についても独自の高遮音床を採用し、静かな生活空間を実現しています。
5-5.トヨタホーム
トヨタホームは、アパートなどの集合住宅だけでなく、戸建て賃貸、賃貸併用住宅、寮・社宅にも対応しています。
「シンセシリーズ」と「エスパシオシリーズ」は、同じ鉄骨造でも鉄骨ラーメン構造とEST工法という異なる工法のシリーズです。それぞれの特性をさまざまな賃貸形態に合わせることで、鉄骨造の性能を最大限に引き出します。
高品質の工場生産で、大空間の間取り、大開口にも対応できる堅牢性を生かせるのが「シンセシリーズ」で、こちらは集合住宅向きです。「エスパシオシリーズ」は、鉄骨の高性能と間取りの自由度を併せ持つ工法で、賃貸併用住宅で強みが発揮されます。
同じ鉄骨造ブランドをもつハウスメーカーであっても、それぞれに特徴が異なります。「HOME4U 土地活用」で複数社から一括プラン請求すれば、所有地に合ったベストプランを見つけやすくなります。ぜひご活用ください。
6.鉄骨造アパート建築に強いハウスメーカーを探すなら
鉄骨造の賃貸住宅建築を得意とするハウスメーカーや建築会社は、かなり多くあります。その分、どの企業をパートナーに選ぶかは難しいかもしれません。
ハウスメーカーはそれぞれ、強みとする工法や技術を持っています。坪単価の設定も異なり、建築費も提案によって大きく変わることも少なくありません。複数社から一括して無料でプランを取り寄せられる「HOME4U 土地活用」を利用して、最適なプランを選んでみてください。
鉄骨造アパートの建築費を抑えるには以下のような手法があります。
- ハウスメーカーに建築を依頼する
- シンプルなつくりにする
- 仕上げ材や設備のグレードを下げる
- ハウスメーカーのプランを比較検討する
それぞれの具体的な方法は「鉄骨造アパートの建築費を抑えるポイント」で解説しています。
アパートなど鉄骨造の賃貸住宅建築では多くのメーカーで規格アパートの提案が受けられます。特に以下の企業は実績も豊富でおススメです。
- 旭化成ホームズ
- 積水ハウス
- 大東建託
- ダイワハウス
- トヨタホーム
詳しくは「鉄骨造アパート建築でおすすめのハウスメーカー」で紹介しています。これらのメーカーから一括でプラン請求したい方は「HOME4U 土地活用」をご活用ください。
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