この記事の監修者
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吉崎 誠二
所属 社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長
職業 不動産エコノミスト、不動産関連企業コンサルタント
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション,CREコンサルティングなどを行うかたわら、同分野の連載を月15本、テレビ、ラジオのレギュラー番組(4本)に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数。
アパート建築において、高い収益性を求めて3階建てにしようと考えると、気になるのは建築費です。3階建てアパートの建築費は2階建てアパートよりも高額になるのが相場です。
本記事では、3階建てアパートの建築費の相場や価格を抑えるコツについて解説します。なお、もっと簡単に3階建てアパートの建築費が知りたい方は、以下のボタンから建築プランの請求ができますので、ぜひご利用ください。
この記事の内容
3階建てアパートの建築費は、坪単価で木造が80万~100万円、鉄骨造が90万~120万円、RC造(鉄筋コンクリート)が100万~120万円ほどです。
50坪(3階建てで合計150坪)のアパートでいうと、建築費の相場は木造で1億2千万円~1億5千万円、鉄骨造で1億3.5千万円~1億8千万円、RC造で1億5千万円~1億8千万円となります。
2階建てアパートよりも坪単価が高くなるため、3階建てアパートの建築費がより大きくなります。
以下は、2階建てと3階建てのアパート建築費の坪単価相場です。
アパート構造 | 2階建て | 3階建て |
---|---|---|
木造 | 77万円~100万円 | 80万円~100万円 |
鉄骨造 | 90万円~120万円 | 軽量鉄骨:90万円~105万円 重量鉄骨:90万円~120万円 |
RC造(鉄筋コンクリート) | 90万円~120万円 | 100万円~120万円 |
※HOME4U調べ
一階部分の面積50坪のアパートを立てるとして、建築価格の相場を比較してみましょう。
計算は、『坪単価 × 50坪 × 階数』で行います。
アパート構造 | 2階建て | 3階建て |
---|---|---|
木造 | 7,700万円~1億円 | 1億2,000万円~1億5,000万円 |
鉄骨造 | 9,000万円~1億2,000万円 | 軽量鉄骨:1億3,500万円~1億5,750万円 重量鉄骨:1億3,500万円~1億8,000万円 |
RC造(鉄筋コンクリート) | 9,000万円~1億2,000万円 | 1億5,000万円~1億8,000万円 |
3章で詳しく解説しますが、3階建てアパートは耐火構造が必要となるため、鉄骨造やRC造がよく選ばれる傾向が多く、2階建てアパートよりも坪単価が割高になります。
木造3階建ての賃貸住宅(共同住宅)は、準耐火構造建築でいいことから比較的ローコストで建築でき、かつ3階建てにすることで部屋数も一定数確保できること、減価償却の年数が短いことにより減価償却費が多く取れる事などから、収益性が高くなります。しかし、木造3階建ての共同住宅を建築するためには基準があります。主なものは以下の通りです。1)避難上有効なバルコニーを各戸に設けること2)原則として3m以上の敷地内道路を設けること 3)主要構造部を1時間以上の準耐火構造とする などです。
アパートの建築費については、以下の動画や関連記事も併せてご確認ください
また、以下のボタンから土地の情報を入力すると、あなたの土地にあったアパートの建築費の見積もりを、最大10社の建築会社から無料で取り寄せることができます。
アパート建築には建築費用のほかにも、付帯工事費やさまざまな手続きにかかわる初期費用がかかります。
付帯工事費は以下のような項目です。
建築会社の中にはこうした費用も建築費の一部として組み込んでいる場合もあります。
諸費用は、火災保険の保険料や登録免許税、専門家に依頼した場合の報酬などにかかるお金です。一般的に本体工事費の5~10%とされています。
2階建てアパートと3階建てアパートを比較すると、同じ面積の土地に建てるとしたら当然3階建てアパートの方が重量は重くなります。
そのため、建物を支える杭工事が必要になる可能性があります。
杭工事の費用相場は、アパート建築費の10%程となります。
また杭工事の前には、地盤を調査するボーリング工事が必要です。
ボーリング工事の費用相場は、1ポイントあたり50万円程です。
なお、杭工事の必要があるか調べる簡易的な地盤調査が必要な場合は、10万円程度で実施できます。
3階建てに限らず、他の規模・階数のアパート建築費用については、以下の記事でも解説しています。ぜひご参照ください。
それでは構造別に、3階建てアパートの建築費をシミュレーションしてみましょう。併せて間取りの事例もご紹介します。
なお、所有地に合った3階建てアパートの建築プランと具体的な建築費を知りたい方は、「HOME4U 土地活用」を利用して最大10社から無料で建築プランが手に入れられます。
木造で3階建てのアパートを建てる場合、後に詳述する「木3共」という建築規制の規制緩和措置がとれます。木造なら、狭小地や変形地でのアパート建築にも柔軟に対応できます。
<設定条件>
<建築費シミュレーション>
軽量鉄骨造は、多くの建築会社が規格化し、ブランド化しているアパート構造です。耐久性アップとローコスト化が図れる構造です。
<設定条件>
<建築費シミュレーション>
建築会社の中には、鉄筋コンクリート造で堅牢なアパート建築を得意とするところもあります。比較的大きな規模のアパートで採用される構造です。1階部分を貸店舗にして経営できるなど、広い空間どりが可能です。
<設定条件>
<建築費シミュレーション>
3階建てアパートを検討する際には、2階建てと比較しての特徴や、3階建てならではの注意点も押さえておくことが重要です。
3階建ては2階建てと比較して戸数を確保しやすく、収入を安定させやすいことがメリットです。
まず、戸数が多くなると回収できる収益が多くなります。また、戸数が増えることにより空室が出た際の経営への影響も小さくすることができ、空室リスクが低減できる効果があります。
共同住宅は3階建て以上にすると、耐火建築物として構造計算が義務付けられます。また、耐火構造にするには使用する建材にも耐火性能が求められるため、建築費は割高になります。
2階建てアパートの場合では、メーカー独自基準などで実施していない限り、重視されないポイントです。
災害などが発生した場合、3階からの避難は時間がかかることから、3階建てアパートは火災時に延焼を防ぎ、一定の時間は倒壊しない性能が求められます。したがって、構造は鉄骨造、鉄筋コンクリート造が選ばれるのが一般的です。
3階建ての場合、鉄骨造か鉄筋コンクリート造が選ばれるのが一般的ではありますが、木造の場合、「木3共」の条件を満たすことで3階建てにできます。
「木3共」とは「木造3階建て共同住宅」の略称で、敷地の避難経路などを確保した上で準耐火建築物仕様によって建てられたアパートのことです。つまり、一定の適用条件を満たせば、耐火建築物でなくても建てられる建築規制の緩和措置があります。具体的には土地が防火地域外であるほか、以下の図のような条件が必要となります。
建築基準を緩和して、「木3共」を可能にする条件の解説図
木3共は、他の建築構造に比べ安価に建てられるメリットがありますが、対応している建築会社は限られるので注意しましょう。詳しい解説と緩和措置については以下の記事をご確認ください。
3階建てアパートは高さがあるため、どんな土地でも建てられるものではありません。日陰規制などを問題なくクリアするには一定以上の広さも求められます。
ここでは、3階建てアパート建築に向いている土地をご紹介します。
土地には、建てられる建物規模の上限が設定されています。建坪の上限が決まる建ぺい率と延べ床面積の上限が決まる容積率で示されるものです。
3階建ての場合、チェックが必要となるのは主に容積率で、150%以上の容積率であることが望ましいでしょう。60坪の土地であれば、容積率150%で延べ床面積90坪の建物を建てることができます。
どれくらい共用部を取るかにもよりますが、20㎡程度のワンルームマンションで10~12部屋程度、35㎡のDINKSタイプで7~8部屋程度確保できるでしょう。
ただし、建て替えの場合は、周辺エリアの環境変化によって以前よりも建ぺい率・容積率が上がっていることがあります。ニーズのあるエリアであれば、3階建てに建て替えて収益を大きく伸ばすことも可能です。
3階建てアパートの高さはおおよそ10メートルもしくは12メートル以内です。
建築基準法に基づき第1種・第2種低層住居専用地域では、建物の高さは10メートル以内もしくは12メートル以内と制限されています。また、建物の高さ制限にはこれだけでなく、周辺への日陰の影響を限度内にとどめる斜線制限や日影規制によっても高さが制限されます。
斜線制限や日影規制に関しては、複雑な計算が必要です。3階建てアパートが建てられるかどうか、建築会社に調査を依頼すると良いでしょう。
3階建てアパートでは、エレベーターを設置しないケースがほとんどです。設置の費用が高額になるだけでなく、メンテナンスにも費用がかかるためです。エレベーターがなければ、入居者は自室との行き来を階段で昇り降りするしかありません。そのため、3階の居室は高齢者やベビーカーを利用するファミリー層には不向きといえるでしょう。
立地が学生街や単身若年層が多いエリアであれば、3階であっても日当たりが良いなどの理由もあって入居者は見つけやすくなります。立地に若年層ニーズがある場合は、3階が貸しにくいこともないため3階建てでも空室リスクは少なく済むでしょう。
3階建てアパートは、2階建てアパートに比べて建築費が高額になりがちです。しかし、ポイントを押さえることでアパート建築のローコスト化が図れます。ここでは3階建てアパートの建築費を抑えるコツをご紹介します。
なお、アパート建築のローコスト化については、以下の記事でも解説しています。
大手建築会社では、規格化した建築部材を工場で製作し、現地で組み立てるユニット工法によるアパートブランドを展開していることがあります。ユニット工法のメリットは、品質が一定に保たれ、工期の短縮につながり、ローコスト化できることです。
3階建てアパートにも鉄骨造で規格化したアパートブランドは多数あります。ただし、変形地や狭小地などには対応していない場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。
建築会社の多くには自社の設計部門があり、施工する物件は設計から担当するのが一般的です。これを設計施工一貫方式と呼びます。
設計施工一貫方式は、設計会社などに設計のみを依頼する分離方式に比べ、設計料が著しくローコストで済むことが特徴です。分離方式では建築費の7~10%の設計料がかかるのに対し、一貫方式では1~3%で済みます。
特に、3階建てのアパート設計では構造計算などの手間もかかるため、設計料は高くなりがちなので、その差は大きいでしょう。
アパート建築の際には、複数の会社の建築プランを比較検討すれば、アパート建築費の削減にもつながります。
鉄骨造の3階建てや木三共など、何を選ぶかにより得意とする建築会社も変わってきます。コストカットに関しても得意とするアパート構造であれば、どの部分を削るのが効果的か、アドバイスを得られるでしょう。
3階建てアパートの建築を相談するには、「HOME4U 土地活用」を利用するのが便利です。ひと手間で最大10社の建築会社から建築プランを手に入れられます。
3階建てアパートは、2階建てアパートに比べて規模が大きいため、高い収益性が期待できます。しかし、土地が3階建てアパートに合っているのか、3階建てがもっとも収益の上がる方法なのかを判断するのは難しいことです。
「HOME4U 土地活用」は、土地の情報などを入力するだけで、最大10社の建築会社から3階建てアパートの建築プランを手に入れられます。以下のボタンより必要事項を記入して、ぜひ最適な建築プランを見つけてください。
アパート建築費は構造別に坪単価の相場があります。3階建てアパートの建築費相場は2階建てアパートより割高です。
詳しくは「3階建てアパートの建築費の相場」で解説しています。
3階建てアパートを建てる際、以下のような3つのポイントを押さえると建築費を抑えられます。
それぞれの手法について「3階建てアパートの初期費用を抑える方法」でご確認ください。
3階建てアパートに向いている土地には以下のような特徴があります。
詳しくは「3階建てアパート建築に適している土地」で解説しています。
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