【詳しく解説】70坪のアパートの建築費はいくら?部屋数と向いている構造
70坪の土地でアパートを建築するとなると、気になるのは建築費と実現可能な経営規模という方は多いのではないでしょうか。
70坪で建てられるアパートの規模は2階建てで
- ワンルームタイプ:10室程度
- ファミリータイプ:4~6室程度
が目安です。一方、70坪の土地に建てるアパート建築費は、構造別で
- 木造:7,007万~9,100万円
- 軽量鉄骨造:7,280万~9,100万円
- 重量鉄骨造:8,190万~1億920万円
- 鉄筋コンクリート造:8,190万~1億920万円
が目安となります(容積率100%の土地に70坪の延床面積で建てた場合)。
本記事では、70坪規模の土地に建てるアパートの建築費について、詳しく解説します。70坪規模のアパートに向いている構造についても解説している内容です。失敗しないアパート経営のために建築時に気を付けたいことも解説しています。土地活用成功の第一歩として、ぜひお役立てください。
なお、簡単に70坪のアパートの建築費が知りたい方は、以下のボタンから建築プランの請求ができますので、ぜひご利用ください。
この記事の内容
1.【70坪】のアパートの建築費用相場
アパートの建築構造は大きく分けて3つで、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造です。構造の違いでアパートの建築費の坪単価相場が異なります。ここでは、アパートの建築費用について、構造別の坪単価と内訳を詳しく解説します。
1-1.構造別建築費坪単価と70坪の建築費一覧
構造別のアパート坪単価相場と容積率100%の土地に建てる規模で想定した建築費をまとめました。
構造 | 坪単価相場 | 70坪のアパート建築費 (延床面積70坪換算) |
---|---|---|
木造 | 77万~100万円/坪 | 7,007万~9,100万円 |
鉄骨造 | 軽量鉄骨:80万~100万円/坪 重量鉄骨:90万~120万円/坪 |
軽量鉄骨:7,280万~9,100万円 重量鉄骨:8,190万~1億920万円 |
鉄筋コンクリート造 | 90万~120万円/坪 | 8,190万~1億920万円 |
※HOME4U調べ
なお、アパートの建築費の概算には以下の計算式を用います。
アパート建築費用=坪単価×延床面積(坪)
1-2.アパート建築の本体工事費以外の費用
アパート建築には本体工事以外にもお金がかかります。本体工事費、付帯工事費、諸費用に大きく分けることができ、全建築費に対する割合はおおよそ決まっています。それぞれの割合と含まれる費用の内訳をまとめました。
種類 | 内容 | 割合 |
---|---|---|
本体工事費 | アパートの本体にかかる費用。基礎部分、躯体、外装、内装、住設など。 | 全体の7~8割 |
付帯工事費 | アパート本体にかかわらない工事の費用。地盤改良工事や駐車場などの外構工事、給排水工事など。 | 本体工事費の約2割 |
諸費用 | 工事以外にかかる費用。不動産取得税や登録免許税など税各種、水道負担金、アパートローンの手数料、火災保険料など。 | 本体工事費の約1割 |
初期費用はこの総額です。建築費が7,0000万円と想定すると、付帯工事に1,400万円、諸費用に700万円かかる計算になります。
アパートの建築費については、以下の動画や関連記事も併せてご確認ください
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2.【70坪】のアパートに向いている建築構造
アパート建築で採用される3つの構造にはそれぞれ、メリットとデメリットがあります。
構造 | メリット | デメリット |
---|---|---|
木造 |
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鉄骨造 |
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鉄筋コンクリート造 |
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70坪の土地に建てる規模のアパートで多く見られる構造は、木造と鉄骨造です。
70坪の敷地を有するアパートの規模は一般的といえます。鉄筋コンクリート造のような堅牢性を求めずとも、木造や鉄骨造で十分に機能を満たせるという見方が大半です。
また、70坪の土地では4階建て以上のアパート建築はまれで、中高層建築物向きの鉄筋コンクリート造は建築費的にも効率が悪いと判断できます。
ただし、長期的に建て替えをしないなど目的がはっきりしている場合には、鉄筋コンクリート造がもってこいです。
3.【70坪】アパートの部屋数と建築費シミュレーション
ここでは、70坪の土地に建てるアパートの規模と建築費をシミュレーションします。土地によって建てられる規模が変わりますが、2階建てではワンルームが10室程度の規模となるのが一般的です。
3-1.木造アパート
木造アパートは建築費を抑えられる構造です。設計に対する柔軟性もあるため、変形地でも最大の規模を確保しやすくなります。
<設定条件>
- 木造2階建て
- 2LDK×4部屋
- 延床面積:68坪
<建築費シミュレーション>
本体工事費:5,440万円=80万円×68坪
付帯工事費:1,080万円=5,440万円×20%
諸費用:544万円=5,440万円×10%
初期費用:7,072万円
所有地でのアパート建築費シミュレーションを知りたい方は「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」をご活用ください。最大10社から収支もわかる建築プランが手に入れられます。
3-2.軽量鉄骨造アパート
軽量鉄骨造アパートは、規格化アパートに採用することの多い構造です。経営開始当初から安定経営が見込める構造でもあります。以下は75坪の土地に建てるケースを想定しました。
<設定条件>
- 軽量鉄骨造2階建て
- 1K×10部屋
- 延床面積:84坪
<建築費シミュレーション>
本体工事費:6,720万円=80万円×84坪
付帯工事費:1,344万円=6,720万円×20%
諸費用:672万円=6,720万円×10%
初期費用:8,736万円
3-3.鉄筋コンクリート造アパート
鉄筋コンクリート造のアパートは法定耐用年数が47年と長く、減価償却費を長期的に計上できる構造です。
また、耐久性が高く、入居希望者が集めやすい構造でもあります。
<設定条件>
- 鉄筋コンクリート造3階建て
- 1K×15部屋
- 延床面積:132坪
<建築費シミュレーション>
本体工事費:1億1,880万円=90万円×132坪
付帯工事費:2,376万円=1億1,880万円×20%
諸費用:1,188万円=1億1,880万円×10%
初期費用:1億5,444万円
他の坪数でのアパート建築費については以下の記事も参考にしてください。
4.【70坪】のアパートの部屋数にかかわる建築規制
70坪の土地でのアパート経営は規模をどの程度にできるかを確認することから始めるとよいでしょう。建物の規模は、建築基準法などさまざまな建築規制によって最大値が決まっています。
ここでは70坪のアパートの部屋数にかかわる建築規制について解説します。
4-1.建ぺい率・容積率
土地の広さに紐づく規制のことを建ぺい率と容積率といいます。敷地面積に対し建物の広さを決めているのが建ぺい率、フロア数などにつながる規模が決められているのが容積率です。
建ぺい率 | 土地面積に対する建築可能な建物面積(建坪)の割合 |
---|---|
容積率 | 土地面積に対する建築可能な延床面積の割合 |
規模を図るために特に注目したいのが容積率です。アパートを建てられる土地では80~200%となっているのが一般的で、70坪の土地で容積率が200%だと延床面積140坪のアパートが建てられます。
4-2.接道義務
土地は道路と面していないと建物を建てられません。どの程度接しているかにも規定があり、これが接道義務です。道路にかかわる土地の建築規制には2種類あります。
接道義務 | 4メートル幅以上の道路への出入り口を2メートル以上確保する義務 |
---|---|
セットバック | 土地と接する道路の幅が4メートル未満の場合、道路の中心から2メートルを道路分として確保する(自用地を後退させる)措置 |
4-3.用途地域
用途地域とは、都市計画法に基づいて土地の利用方法を定めている規制です。住宅が建てられる用途地域ではアパート経営ができます。工業専用地域でのみアパート経営ができません。
また、同じく都市計画法で定めている市街化調整区域と都市計画区域外でも新規でアパートを建築することが原則不可能です。
4-4.高さ制限
建物は高さに制限がかかります。環境によって異なり、特に注意が必要なのが北側斜線制限です。以下に高さにかかわる制限をまとめました。
絶対高さ制限 | 用途地域で決められている高さ制限。第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域で高さ制限が10、12メートルで設定されている。 |
---|---|
道路斜線制限 | 前面道路の幅がかかわる高さ制限。反対側境界を起点に上部に一定の角度に上がった延長線の高さにする。適用角度は住居系の用途地域の場合、1:1.25。 |
隣地斜線制限 | 隣地に影響する高さ制限。一定の高さを起点に定められた角度線までの高さに制限する。宅地は20メートルが起点。 |
北側斜線制限 | 隣地斜線制限と同様の計測で、宅地の場合5メートルを起点とする制限。建物の北側にかかる高さ規制。 |
日影規制 | 周辺の日照を確保するための規制。冬至の日を基準に日影ができる範囲と時間を定めている。 |
容積率が高く3階建て以上が建てられ、北側の隣地に建物がある場合は特に、北側斜線制限と日影規制に注意が必要です。
4-5.自治体ごとの規制
アパートは住宅です。住環境を良好に保つ必要から、自治体ごとに規制を設けていることがあります。
代表的な規制が、「ワンルーム条例」です。
東京23区など、ワンルーム需要の高いエリアで制定されています。それぞれ条例内容が異なるため、ワンルームタイプの建築を検討している場合には確認が必要です。例えば、以下のような内容がよく見られます。
最低面積の確保 | 1戸当たりの最低面積を決める規制。23区では26平米以上と規定していることが多い。 |
---|---|
ファミリー住戸の併設 | 規模が一定以上のアパートの場合、管理人の常駐が求められる。 |
管理人の設置 | 隣地に影響する高さ制限。一定の高さを起点に定められた角度線までの高さに制限する。宅地は20メートルが起点。 |
駐車場の確保 | 敷地内に駐車場の確保を求められる。 |
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5.【70坪】のアパート経営で失敗しない4つのポイント
70坪の土地で始めるアパート経営は、一般的な経営規模といえます。建築時にできる対策も多くあるため、経営開始後に失敗しないためにも対策を把握しておくとよいでしょう。ここでは4つのポイントを紹介します。
5-1.戸数を増やす
70坪規模となると、ワンフロア当たりの面積が広くなったり、駐車場スペースが確保しやすくなったりして、ファミリータイプの間取りが作りやすくなります。
しかし、同じ面積に対して戸数を増やしたほうが坪当たりの家賃単価が高く、収益性が高まります。最大値となりやすいのがワンルームタイプです。ファミリー向けの部屋を4室とするより、ワンルームで10室設けたほうが高収益になります。
また、戸数を増やすことで空室リスクも分散できることも戸数を増やすメリットです。
5-2.エリアを調査し他の土地活用と比較する
土地活用を始める際、エリアニーズの調査と把握が最も重要です。収益性が高いからとアパート経営を始めても借り手が現れなければ、収益を得られません。逆に賃貸住宅需要が高ければ、70坪でマンションを経営することも可能です。
もし、活用する土地の周辺において賃貸住宅が林立しているようであれば、供給過多になっている可能性もあります。新築として建てた当初は順調に入居者を集められても、ゆくゆくは空室を埋めるための対策に苦心するようになるかもしれません。
アパート経営は長期運用が基本です。長期的な経営計画でよい見通しがつかない場合は、ほかの土地活用を検討するか、前もってアパート建築時に対策を講じておく必要があります。
5-3.経営プランを長期的視野で検討する
アパート経営は長期的な資産運用によって収益化を図る投資の一種です。多額の初期投資が必要で、多くの場合はアパートローンを活用して始めます。
アパートローンの活用は、自己資金のみで建てるよりも規模の大きい物件を建てることができるため、レバレッジ効果を生み出します。しかし、レバレッジ効果はローン返済が順調になることを前提に求めるものです。
そこで大切になってくるのが、返済計画を含む長期の経営プランをしっかり立てることです。
アパートローンの返済期間は建物の減価償却期間内に収めます。建築の減価償却費は20年ほどの期間にわたり、少なくない額を経費として計上可能です。その分をローン返済に充てます。
5-4.同規模の建築実績があるハウスメーカーで比較検討する
アパートは土地の広さや形状によって、最適な構造、経営方針などが変わってきます。数ある形から所有地にあったアパート経営を見つけ出すには、第一歩として同規模の建築実績があるハウスメーカーを当たることから始めるとよいでしょう。
ハウスメーカーはそれぞれ、得意とする工法を持っています。そのため、その工法を生かしたプランニングに強く、一つとして同じプランにはなりません。そこで、複数社からプランを取り寄せて比較検討することで自分にとって最適なアパート経営プランが見つけやすくなります。
プランの比較検討には「HOME4U 土地活用」をご活用ください。以下のフォームより簡単な入力をするだけで、70坪の土地に適したアパートの建築プランを手に入れられます。
アパート建築費は「構造別坪単価相場×延床面積」で概算できます。70坪の延床面積で建てた場合の相場は以下の通りです。
- 木造:7,007万~9,100万円
- 軽量鉄骨造:7,280万~9,100万円
- 重量鉄骨造:8,190万~1億920万円
- 鉄筋コンクリート造:8,190万~1億920万円
詳しくは「【70坪】のアパートの建築費用相場」で解説しています。
70坪規模の土地に建てるアパートに向いている構造には、主に
- 木造
- 鉄骨造
が挙げられます。条件によっては鉄筋コンクリート造が向いているケースもあるため、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて選ぶとよいでしょう。詳しくは「【70坪】のアパートに向いている建築構造」をご一読ください。
アパート経営では以下の4つのポイントを注意する必要があります。
- 戸数を増やす
- エリアを調査し他の土地活用と比較する
- 経営プランを長期的視野で検討する
- 同規模の建築実績があるハウスメーカーで比較検討する
詳しくは「【70坪】のアパート経営で失敗しない4つのポイント」で解説しています。
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