【初心者向け】農地(田・畑)の固定資産税はいくら、いつ、どのように払うのか?|税がかからないケースもあり!
農地(田・畑)の固定資産税支払いの概要は以下です。
項目 | 概要 |
---|---|
農地(田・畑)の 固定資産税はいくらか? |
|
固定資産税を いつ払うか? |
|
固定資産税を どのように払うか? |
|
本記事では、農地(田・畑)の固定資産税の内容や計算方法、支払い時期・方法について解説します。
また、軽減する方法も説明しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
1.農地(田・畑)の固定資産税はいくら?
農地(田・畑)の固定資産税は所有している農地の区分や評価・課税方法によって異なります。
1-1.農地(田・畑)の区分と固定資産税額の目安
農地は以下のような基準によって分類されており、農地がどこに位置するかによって固定資産税額が変わります。
区分 | 詳細 | 固定資産税額の目安 |
---|---|---|
一般農地 | 市街化調整区域 にある農地 |
10aあたり 1,000円 |
生産緑地 | 良好な生活環境の確保に効用があり、公共施設などの敷地として適する500㎡以上の各自治体から指定された農地 | 10aあたり 数千円 |
一般市街化 区域農地 |
市街化区域内の農地 | 10aあたり 数万円 |
特定市街化 区域農地 |
首都圏や近畿圏、中部圏の市街化区域内にある農地 | 10aあたり 数十万円 |
1-2.農地(田・畑)の固定資産税評価額の算定方法
農地の固定資産税評価額の算定方法は
- 農地評価
- 宅地並評価
の2種類があります。
農地を「農地評価」で算定されると固定資産税は安くなり、「宅地並評価」で計算されると固定資産税は高くなります。
1-2-1.農地評価|固定資産税が安くなる
農作物の耕作を目的として行われた農地の売買で、実際に成約した価格を基準にして農地の評価額を算定する方法です。
「一般農地」や「生産緑地」は、農地評価によって固定資産税が決定されます。
1-2-2.宅地並評価|固定資産税が高くなる
農地として評価せずに、近隣の宅地が売買された実例価格を基準に算定する方法です。
農地から宅地へ変更した場合の造成費相当額を控除して、評価額が決められます。
「一般市街化区域農地」と「特定市街化区域農地」は農地でありながら「宅地並」として、評価されます。
1-3.農地(田・畑)の固定資産税の軽減措置
農地にも固定資産税の軽減措置が設けられており、該当するものは以下のとおりです。
- 地価が急激に上昇した際の調整措置
- 住宅地との税負担を均衡にさせるための軽減措置
1-3-1.農地の負担調整措置
地価の上昇に伴う固定資産税の負担増を緩和するため、「一般農地」「生産緑地」「一般市街化区域農地」には調整措置が設けられています。
具体的には下記Aの計算式で求めた「負担水準」をBの表に当てはめて負担調整率を算出し、前年度の課税標準額に乗じることで税額を軽減する効果があります。
- 一般農地・生産農地の負担水準 =
前年度の課税標準額 ÷ 今年度の評価額
- 一般市街化区域農地の負担水準 =
前年度の課税標準額 ÷ (今年度の評価額 × 1/3)
負担水準の区分 | 負担調整率 |
---|---|
0.9以上のもの | 1.025 |
0.8以上0.9未満のもの | 1.05 |
0.7以上0.8未満のもの | 1.075 |
0.7未満のもの | 1.1 |
1-3-2.市街化区域農地の特例
「一般市街化区域農地」と「特定市街化区域農地」は宅地並みの評価額となるため、一般農地に比べて固定資産税が高額になります。
住宅用地との税負担を均衡させるために以下のような課税標準の特例措置が設けられており、評価額が1/3になることで固定資産税を大幅に軽減されます。
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2.農地(田・畑)の固定資産税の計算方法
農地の固定資産税の計算方法について、農地の区分ごとに解説します。
2-1.「一般農地・生産緑地の固定資産税」計算方法
「一般農地」と「生産緑地」の固定資産税を求める計算方法は、以下のとおりです。
原則的な計算方法で求められた税額(本則税額)と負担調整措置が加味された調整税額のうち、いずれか少ない税額の方が固定資産税として適用されます。
- 本則税額=
評価額(農地評価)×標準税率 - 調整税額=
前年度の課税標準額×負担調整率×標準税率
2-1-1. 「一般農地・生産緑地の固定資産税」シミュレーション
一般農地の固定資産税のシミュレーションを行います。
例えば、下記のような農地を所有している場合は本則税額よりも調整税額の方が安くなり、固定資産税のおおよその目安は「2,258円」です。
- 固定資産税評価額:20万円
- 前年度の課税標準額:15万円
農地の 固定資産税 |
シミュレーション |
---|---|
本則税額 | 固定資産税=2,800円 計算方法 20万円(評価額)× 1.4%(標準税率) |
調整税額 |
固定資産税=2,258円 ※負担水準=0.75 ※ 負担水準0.7以上0.8未満の負担調整率は1.075 |
2-2.「一般市街化区域農地の固定資産税」計算方法
一般市街化区域農地は「宅地並評価額」となるため、一般農地よりも固定資産税が高くなります。
- 本則税額=
評価額(宅地並評価)× 特例措置(1/3)×標準税率 - 調整税額=
前年度の課税標準額×負担調整率×標準税率
2-2-1. 「一般市街化区域農地の固定資産税」シミュレーション
一般市街化区域農地の固定資産税のシミュレーションを行います。
例えば、下記のような農地を所有している場合は調整税額よりも本則税額の方が安くなり、固定資産税のおおよその目安は「14万円」です。
- 固定資産税評価額:3,000万円
- 前年度の課税標準額:2,500万円
農地の 固定資産税 |
シミュレーション |
---|---|
本則税額 | 固定資産税=14万円 計算方法 3,000万円(評価額)× 1/3(特例措置)× 1.4%(標準税率) |
調整税額 |
固定資産税=35万8,750円 ※負担水準=2.5 ※負担水準0.9以上の負担調整率は1.025 |
2-3.「特定市街化区域農地の固定資産税」計算方法
特定市街化区域農地は首都圏や近畿圏、中部圏の市街化区域内にある農地です。
将来的に宅地に転用される可能性が高いため、宅地と同様の評価額となります。
- 本則税額=
評価額(宅地並評価)×特例措置(1/3)×軽減率×標準税率 - 調整税額=
(前年度の課税標準額+当該年度の評価額×1/3×5%)× 標準税率
なお「本則税額の軽減率」は新たに特定市街化区域農地となった際に、初年度から4年度目まで適用されます。
- 初年度:0.2
- 2年度目:0.4
- 3年度目:0.6
- 4年度目:0.8
2-3-1. 「特定市街化区域農地の固定資産税」シミュレーション
特定市街化区域農地の固定資産税のシミュレーションを行います。
例えば、下記のような農地を所有している場合は調整税額よりも本則税額の方が安くなり、固定資産税のおおよその目安は「18万6,600円」です。
- 特定市街化区域農地になって4年度目
- 固定資産税評価額:5,000万円
- 前年度の課税標準額:4,500万円
農地の 固定資産税 |
シミュレーション |
---|---|
本則税額 | 固定資産税=18万6,600円 計算方法 5,000万円(評価額)×1/3(特例措置)×0.8( 軽減率)×1.4%(標準税率) |
調整税額 |
固定資産税=64万1,600円 ※負担水準=0.83 ※負担水準0.8以上0.9未満の負担調整率は1.05 |
3.農地(田・畑)の固定資産税がかからないケース
農地(田・畑)の固定資産税については、以下の場合において課税されないケースがあります。
- 課税標準額の合計が30万円未満の場合
- 被災した場合や生活保護の場合
農地を含む不動産について、同一市区町村内で同一名義人の所有する土地の課税標準額の合計が30万円未満の場合、固定資産税は課税されません。
また名義人が被災したり生活保護を受けていたりする場合は、各自治体に申請をすることで、固定資産税が減免される場合があります。
参考:一宮市役所「固定資産税・都市計画税 よくある質問」
参考:平川市役所「生活保護の受給や火災などの災害にあった場合、固定資産はどうなるの。」
固定資産税がかからない土地の条件については下記記事で詳しく解説しているので、あわせてご確認ください。
4.固定資産税の支払い時期と支払い方法
固定資産税の「支払い時期」と「支払い方法」の目安は以下のとおりです。
毎年4月から6月にかけて固定資産税の納税通知書と納付書が届き、一括または4回に分けて納税します。
項目 | 内容 |
---|---|
支い払時期 |
|
支払い方法 |
|
支払い時期や方法は自治体によって異なるため、届いた通知書で必ず確認してください。
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5.農地(田・畑)の固定資産税の負担を軽減する方法
農地(田・畑)の固定資産税の負担をできるだけ軽減したい場合は、以下の方法を検討するとよいでしょう。
施策 | 内容 |
---|---|
農地のまま |
|
農地転用する |
|
農地(田・畑)の活用法や手放し方については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
農地の固定資産税は、区分によって異なります。
- 一般農地は10aあたり1,000円程度
- 生産緑地は10aあたり数千円
- 一般市街化区域農地は10aあたり数万円
- 特定市街化区域農地は10aあたり数十万円
詳細は「1.農地の固定資産税はいくら?」にて解説しています。
農地の固定資産税は、次のケースに該当すると減免されます。
- 土地の課税標準額の合計が30万円未満の場合
- 被災した場合や生活保護を受けた場合
詳細は「3.農地(田・畑)の固定資産税がかからないケース」にて解説しています。
自治体により支払い時期と支払い方法が異なりますので、注意が必要です。
- 一括または年4回に分けて支払う
- 現金や口座振替などで支払える
詳細は「4.固定資産税の支払い時期と支払い方法」にて解説しています。
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