土地を所有していると、毎年、「固定資産税」と「都市計画税」がかかります。
税金の額は、土地の価値に応じて決められています。
そのため、地価の高い場所では、驚くほど高額になることも少なくありません。
また、地価の安い場所でも、毎年の税金を合計すれば決して無視できない金額になってしまうので、しっかりと対策を考える必要があります。
今回は、固定資産税の計算方法と節税のコツをわかりやすく解説していきます。
固定資産税の仕組みを知って、ぜひ賢く土地活用に活かしてください。
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1. 土地の固定資産税のしくみ
初めに、土地の固定資産税のしくみについてご説明します。
1-1. 固定資産税は誰にどうやって課税される?
土地を所有していると、毎年、「固定資産税」がかかります。
市街地のほとんどの場所では、「固定資産税」と合わせて「都市計画税」も課税されます(「市街化調整区域」では都市計画税はかかりません)。
※用語解説
「市街化調整区域」は市街化を抑制するため、基本的に建物を建てられないエリアです。
固定資産税等は、1月1日時点の所有者に対し、1年分の税金が課税されます。
5月~6月ごろに市区町村から納税通知書が送られてくるので、一括または年4回に分けて納付します。
1年の途中で土地を売買したときには、引き渡し日以降は買主負担となるように当事者間で精算されるのが一般的です。
1-2. 固定資産税は誰が決める?
固定資産税の額は、市区町村が決めます(特例的に東京都23区内は都が課税)。
市区町村が、それぞれの土地の評価額を決め、これを基礎にして税額が決まります。
2章では固定資産税の基本的な計算方法を解説しますが、条例で税率や軽減制度などが定められるので、市区町村ごとに制度が少しずつ異なります。
地価が高い場所では、それだけ固定資産税は高くなります。
また、固定資産税は、現況の利用状況によって水準が変わります。
建物が建っていない更地よりも、一戸建てやアパート・マンションの敷地は税額が下がる仕組みになっています。
なお、宅地に比べると、農地や山林などはかなり安い水準に評価額が決められています。
固定資産税は、税額のもとになる評価額が3年ごとに見直しされます。
また、建物を新築したり取壊したりして、利用状況に変化があると、新たな価格が決定されます。
店舗部分を住宅に変更した場合など、自分で届出しないと税金が安くならない場合もあるので注意が必要です。
2. 土地の固定資産税の計算方法
それでは、土地の固定資産税の調べ方と計算方法について見ていきます。
計算式は次のとおりです。
固定資産税=「課税標準額」×1.4%
都市計画税=「課税標準額」×0.3%(都市計画区域のみ)
固定資産税の計算を3つのステップで解説します。
【ステップ1】固定資産税評価額を調べる
【ステップ2】課税標準額を計算する
【ステップ3】課税標準額×税率を計算する
2-1. 【ステップ1】固定資産税評価額を調べる
最初に、固定資産税の計算のベースになる「固定資産税評価額」を調べます。
概算額の調べ方と、正確な金額の調べ方についてご紹介します。
(1) 固定資産税評価額=時価の70%くらい
固定資産税額を簡単に、おおまかに知りたい場合には、固定資産税評価額=時価の70%前後と覚えておくと役立ちます。
1,000万円前後で売買される土地なら、固定資産税評価額は700万円程度が目安になります。
実際に売買される相場よりも安めの評価をもとに課税されるので、納税者の負担が重くなりすぎないように配慮されています。
(2) 実際の固定資産税評価額の調べ方
実際に市区町村が定めている固定資産税評価額を確認する方法は、3種類あります。
- 納税通知書に付いてくる課税明細書の価格を見る
-
毎年5月~6月ごろに送られてくる納税通知書には、「課税明細書」が付いています。
「課税明細書」の「価格」という欄が固定資産税評価額です。
- 市区町村役場で「固定資産税評価証明書」を取得する
-
市区町村役場の納税課等で「固定資産税評価証明書」を取得すると、課税明細書と同じように評価額を確認できます。
東京都23区内は、都税事務所で取得でき、郵送で請求することも可能です。
ただし、取得できるのは所有者や借地人・借家人、相続人などに限られます。
身分証明書や、借地人であることがわかる書類など、必要書類を事前に確認してください。
(3) 固定資産税路線価から計算する方法
課税明細書が手元にない場合には、「固定資産税路線価」から「固定資産税評価額」を概算する方法があります。
「固定資産税路線価」は、道路ごとに定められた平米あたりの評価額です。
路線価は、「全国地価マップ(https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal)」で確認できます。
「固定資産税路線価」と「相続税路線価」があるのでお気をつけください。
郊外などで「固定資産税路線価」が決められていない場所では、近くの「標準宅地(「全国地価マップ」で表示される赤い丸印のところ)」を参考にしてください。
「固定資産税路線価」がわかったら、土地の面積をかければ評価額が概算できます。
なお、実際の固定資産税評価額は、路線価がそのまま採用されるのではなく、土地の形状などの個別性を反映して決められます。
同じ場所でも、長方形の使いやすい形の土地に比べると、使いにくい形の土地の方が安い評価額になります。
2-2. 【ステップ2】課税標準額を計算する
「固定資産税評価額」を基礎にして、税金の軽減を考慮したものが、「課税標準額」です。
住宅用地は次の通り、税金が軽減されるのがポイントです!
ただし、市町村によって、軽減の内容が異なる場合があります。
- 住宅が建っている土地
-
「住宅」というのは、マイホームとして利用している一戸建てや、賃貸アパート、マンションなどです。
|
固定資産税 |
都市計画税 |
1戸あたり200平米までの部分 (小規模住宅用地) |
課税標準額=評価額×1/6 |
課税標準額=評価額×1/3 |
1戸あたり200平米を超える部分 (一般住宅用地) |
課税標準額=評価額×1/3 |
課税標準額=評価額×2/3 |
※建物の床面積の10倍が上限
- 住宅の建っていない土地(農地以外)
-
「課税標準額」をもとに税額が決まります。
ただし、「負担調整(負担水準の均衡化)」という制度があるため、課税標準額よりも負担が抑えられます。
「課税標準額」=「固定資産税評価額」×0.7
となります。
なお、条例により、負担の上限が70%ではない場合もあります(東京都23区内では65%)。
- 免税点について
-
課税標準額が一定の金額未満の場合、固定資産税・都市計画税は課税されません。
土地の課税標準額が30万円未満なら固定資産税は課税されないのが一般的です(市町村の条例によって異なる可能性があります)。
2-3. 【ステップ3】課税標準額×税率を計算する
最後に、「課税標準額」×税率を計算します。
基本的な税率は、固定資産税1.4%、都市計画税0.3%です。
ただし、市区町村が税率を決めるので、都市計画税が0.25%といったケースがあります。
各市町村のホームページなどでご確認ください。
※注意点
計算が複雑になるため、ここでは「負担調整」という制度は一部省略してご説明しました。
負担調整というのは、固定資産税の評価額が変わったとき、急に税額が変わると困るので、なだらかに税額を変える制度です。
また、市区町村の条例で、独自の減額制度が存在する場合もあります。
「自分の土地の課税額の根拠を詳しく知りたい」という場合には、市区町村の納税課など(東京都23区は都税事務所)に問い合わせれば説明を受けることができます。
3. 「住宅」を建てれば土地の固定資産税が下がる!
次に、固定資産税を下げる方法について見ていきます。
どのくらい下がるのか、シミュレーションも合わせて見ていきます。
3-1. 住宅の敷地は固定資産税・都市計画税が軽減される
「住宅」の敷地は固定資産税等が大幅に軽減されます。
これを「住宅用地の特例」と呼びます。
軽減対象となる「住宅」に該当するのは、一戸建てのマイホームだけではありません。
賃貸アパート、賃貸マンション、賃貸併用住宅、戸建賃貸、なども対象です。
聞きなれないかもしれませんが、「賃貸併用住宅」というのは、建物の一部がマイホーム、一部分が賃貸用になっている建物です。
軽減される割合を再掲します。
|
固定資産税 |
都市計画税 |
1戸あたり200平米までの部分 (小規模住宅用地) |
課税標準額=評価額×1/6 |
課税標準額=評価額×1/3 |
1戸あたり200平米を超える部分 (一般住宅用地) |
課税標準額=評価額×1/3 |
課税標準額=評価額×2/3 |
※建物の床面積の10倍が上限
ここで注意したいのは、土地が200平米を超えるかどうかです。
「戸数×200平米まで」の土地が「小規模住宅用地」となり、課税標準額が6分の1になるので、広い土地の場合には戸数の多いアパート等が有利です。
例えば、1,000平米の土地に一戸建てが1棟だけ建っている場合には、200平米だけが「小規模住宅用地」として固定資産税評価額が1/6になります。
残りの800平米は「一般住宅用地」として評価額は1/3になります。
一方で、1,000平米の土地に6戸のアパートが建っている場合には、200平米×6戸=1,200平米まで「小規模住宅用地」として扱われるので、1,000平米の土地全体の評価額が1/6になります。
なお、1階が店舗、2階が住宅、などの店舗併用住宅も、居住部分の割合に応じて軽減が受けられる可能性があります。
3-2. 土地の固定資産税はどれくらい下がる?シミュレーション例
それでは、住宅を建てたときに土地の固定資産税と都市計画税がどれくらい下がるのか、シミュレーションしてみます。
シミュレーションの前提
固定資産税評価額:7,000万円の土地
面積:1,000平米
税率:固定資産税1.4%、都市計画税0.3%
負担調整率の上限:70%
【ケース1】更地で保有した場合
7,000万円×0.7×(1.4%+0.3%)=83.3万円
固定資産税+都市計画税=83.3万円
【ケース2】アパート(6戸)を建築した場合
6戸なので、土地全体が「小規模住宅用地」となります。
固定資産税:7,000万円×1/6×1.4%=約16.3万円
都市計画税:7,000万円×1/3×0.3%=約7万円
固定資産税+都市計画税=約23.3万円
★約60万円の減額に成功!
【ケース3】一戸建てを建築した場合
200平米まで「小規模住宅用地」となります。
固定資産税:7,000万円×200/1,000×1/6×1.4%+7,000万円×800/1,000×1/3×1.4%=約29.4万円
都市計画税:7,000万円×200/1,000×1/3×0.3%+7,000万円×800/1,000×2/3×0.3%=約12.6万円
固定資産税+都市計画税=約42万円
★約41万円の減額に成功!
住宅を建てれば大幅に節税できることがおわかりいただけたと思います。
なお、土地が広い場合には戸数が多いほうが有利ですが、ワンルームのアパートにしてできるだけ戸数を増やしたほうが有利とは限りません。
賃貸の需要をしっかり見極めて、ワンルームか、ファミリータイプか、戸建賃貸か・・・等を検討する必要があります。
税金対策の住宅建築を検討するときのポイントについては5章でご紹介します。
4. 固定資産税が上がってしまうケースに注意!
「住宅の取壊し」と「空き家の放置」によって固定資産税等が上がってしまうケースがあるため、ご注意ください。
4-1. 住宅を取壊した場合
住宅地として固定資産税が軽減されるかどうかは、1月1日時点で住宅が建っているかどうかで決まります。
そのため、年末に取壊してしまうと住宅地とみなされなくなるので、1月2日以降に取り壊したほうがトクです。
売却予定で住宅を取壊すときには、買主が決まってから取り壊すこともできるので、タイミングをしっかりと不動産会社に相談することをおすすめします。
なお、住宅を建て替え中の場合でも、1月1日時点で旧宅が取り壊されていれば住宅地の軽減が受けられないのが原則です。
ただし一定の要件を満たす場合、市区町村等に申告すれば、住宅用地の軽減を継続して受けられる場合があります。
4-2. 空き家を放置している場合
家を取壊すと固定資産税が上がるため、空き家を取壊さず、そのままにしているケースは多く見られます。
ところが、空き家の放置によって様々なトラブルが全国的に増え、社会問題になってきました。
そこで2015年より、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」という新しい法律が施行されました。
これにより、市町村から「特定空き家等」に指定され、必要な改善措置の勧告の対象となると、住宅用地の特例が使えなくなるため固定資産税が上がります。
空き家を放置していると、税金が上がるだけでなく、放火や不法投棄等のリスクもあります。
住む予定がない場合には、早めに売却するか、建て替えなどの土地活用をおすすめします。
空き家のリスクと対処方法については、こちらの記事で詳しくご紹介します。
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5. 土地の固定資産税節税を確実に実現させるためにはプロに相談が安心!
「固定資産税って高いな」「これからどのくらい負担があるのか不安だな」といったお悩みは、土地活用によって解消できるかもしれません。
土地活用は、固定資産税の節税だけでなく、相続税対策にも有効です。
とはいえ、住宅を建てれば固定資産税が大幅に下がるのは事実ですが、やみくもにアパートを建てればいいというものでもありません。
節税も視野に入れて「住宅」を建てるとしても、選択肢はアパート、マンション、賃貸併用住宅、戸建て賃貸など様々です。
また、住宅用地の特例を有効に活用するためには、土地の面積・戸数・建物の床面積の関係に気を配る必要もあります。
大切なのは、固定資産税の負担軽減と、家賃収入による収益性を見極め、総合的に有利になる土地活用を考えること。
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様々な企業の提案をじっくり比較してみると、それぞれの節税効果・収益性・初期投資の違いがわかるので、自分に合ったものを選びやすくなります。
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まとめ
それではおさらいです。
固定資産税を知るには、まず「固定資産税評価額」を調べて、「課税標準額」を計算し、税率をかけます。
基本的な税率は次の通りです。
固定資産税=「課税標準額」×1.4%
都市計画税=「課税標準額」×0.3%
一戸建て、アパート、マンション、賃貸併用住宅、戸建賃貸などが建っていると、課税標準額が減額されます。
1戸あたり200平米までの部分が大きく減額されるので、広い土地ならば戸数の多いアパートが有利です。
住宅を取壊したり、空き家を所有している方は、固定資産税が上がってしまう可能性があるのでご注意ください。
節税を視野に入れて土地活用を始めるときには、節税と収益性をしっかり両立できるプランを見極めることが大切です。
「HOME4U 土地活用」を利用して、頼れる企業の提案を徹底比較し、大切な資産を活かすベストな方法を見つけてください。
この記事のポイント まとめ
土地の固定資産税はどうやって課税される?
固定資産税等は、1月1日時点の所有者に対し、1年分の税金が課税されます。
5月~6月ごろに市区町村から納税通知書が送られてくるので、一括または年4回に分けて納付します。
詳細は「固定資産税は誰にどうやって課税される?」をご一読ください。
固定資産税の計算方法は?
土地の固定資産税は、以下の式で計算できます。
ご自身で計算するためにはいくつかのステップが必要です。
詳細は「土地の固定資産税の計算方法」をご一読ください。
土地の固定資産税を下げる方法は?
土地の固定資産税が上がるのはどんなとき?
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