「アパート経営を始めたら、たくさん税金がかかるのでは?」とご心配な方もいらっしゃるかもしれません。
せっかく利益が出ても、「多額の税金を差し引かれて、手元にあまり残らない…」なんてことは避けたいですよね。
アパート経営で毎年かかる税金は、「自動的に課税されるもの」と「確定申告を行って課税されるもの」に分けられます。
特徴 |
税金の名称 |
自動的に課税されるもの (土地や建物の価値に応じて課税される) |
固定資産税 都市計画税 |
確定申告を行って課税されるもの (利益に対して課税される) |
所得税 住民税 事業税・消費税(一定要件を満たした場合のみ) |
固定資産税や都市計画税の税額は市区町村が決めて自動的に納付書を送ってきます。
でも、所得税や住民税は確定申告の結果に応じて決まるので、税金の仕組みを知っているかどうかで差が出ることがあります。
この記事では、毎年発生する税金の内容とシミュレーション、節税対策について解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、アパート経営で生じる税金に関する不安や疑問をクリアしてくださいね!
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1.自動的に課税される「固定資産税・都市計画税」
固定資産税と都市計画税は、毎年課税される税金で、1月1日時点の土地・建物の所有者に対して課税されます。
特に手続きをしなくても、市区町村から4月頃に納付書が送られてくるので、これを年4回または一括で支払えば完了します。
税額は市区町村が所定の方法で評価して決めることになっており、土地や建物の価値が高いほど、固定資産税等の税額も高くなります。
なお、「市街化調整区域」の場合は、都市計画税は課税されません。
税率は次のものが一般的ですが、全国一律ではなく、低めの市町村もあります。
- 固定資産税・・・課税標準×1.4%
- 都市計画税・・・課税標準×0.3%
更地にアパートを建てると、土地の固定資産税・都市計画税が安くなります。
これは「住宅用地の減免」という優遇制度のためで、課税標準が下記のとおり減額されます。
区分 |
固定資産税 |
都市計画税 |
住宅1戸につき200平米までの部分(小規模住宅用地) |
6分の1 |
3分の1 |
上記以外(一般住宅用地) |
3分の1 |
3分の2 |
2.利益に課税される「所得税」「住民税」「事業税」「消費税」
次に、アパート経営による利益に課税される税金を見ていきます。
「所得税」や「住民税」は、収入から経費を差し引いた「利益(儲け)」に課税されます。
1年分のアパート経営について翌年の2月16日から3月15日頃に確定申告を行い、その結果に応じて課税額が決まります。
アパートを複数棟所有するなど経営の規模が大きくなって一定要件を満たすと、「事業税」や「消費税」もかかりますが、これらの対象になるケースは多くありません。
2-1.所得税
所得税は「総合課税」といって、アパート経営だけでなく、給与所得などの他の収入も総合的に考慮して税率・税額が決まります。
所得税は、所得が多くなるにしたがって税率が高くなる「累進課税」となっており、税率は5~45%です。
つまり、給与所得が300万円の方と1,000万円の方では、アパート経営による所得が同じだったとしても、アパート経営の儲けに対して課税される金額は違ってきます。
2-2.住民税
所得税と同じく、他の所得も含めて税額が計算されます。
住民税は、「所得割」と「均等割」の合計になります。
「所得割」は前年の所得金額に応じて課税され、税率は約10%です。
「均等割」は所得に関わらず一律に負担するもので、自治体によって異なりますが5,000円前後です。
2-3.個人事業税
個人事業税の対象になるのは、おおむね10室以上または5棟以上のアパート経営を行い、事業所得となるケースです。
そして、経費を差し引いた「不動産所得」が290万円を超えると個人事業税がかかります。
2-4.消費税
アパート経営によって一定要件を満たすと、消費税の課税事業者となり、消費税の申告も必要になります。
消費税の課税事業者となる要件は2つあります。
-
●要件1:家賃に消費税がかかること
-
住宅の家賃について消費税は非課税なので、ほとんどのアパート経営では、免税事業者となります。
消費税がかかるのは、非住宅部分や、駐車場使用料です。
アパートの1階を店舗・事務所にする場合には課税事業者になる可能性が出てきます。
-
●要件2:課税金額が1,000万円を超えること
-
店舗、事務所、駐車場などの課税される「不動産所得」が1,000万円を超えると、翌々年に消費税の課税事業者になります。
3.不動産所得の計算方法と税金シミュレーション
ここからは、不動産所得の計算方法を解説し、シミュレーションも行います。
3-1.「不動産所得」は収入から経費を差し引いたもの
課税対象となる「不動産所得」は、家賃収入などから経費を差し引いたものです。
家賃の総額が課税対象になるのではなく、純粋な利益だけに課税されることにご注意ください。
収入と経費の内容は次のとおりです。
収入 |
家賃、管理費収入、駐車場収入、更新料、礼金、自動販売機収入など (※入居者に返還しなければならない「敷金」は収入に含まない) |
経費 |
管理委託費、修繕費、火災保険料、固定資産税、減価償却費、ローン利息、税理士報酬、その他アパート経営のために必要な費用 |
3-2.税金シミュレーション
それでは、アパート経営を行うとどれくらい所得税や住民税がかかるのか、下記の前提条件でシミュレーションしてみます。
【前提条件】
- アパート経営以外の収入は、給与収入のみ。
- 給与所得(給与所得控除などを差し引いた後の金額)は500万円とします。
- アパート経営による利益合計は370万円、経費合計は70万円とします。
すると、不動産所得は、370万円-70万円=300万円になります。
【シミュレーション】
まず、課税される所得金額を求めます。
給与所得+不動産所得=500万円+300万円=800万円
下記の早見表を使って、所得税を計算していきます。
所得税の速算表(国税庁ホームページより)
課税される所得金額 |
税率 |
控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで |
5% |
0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで |
10% |
97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで |
20% |
427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで |
23% |
636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで |
33% |
1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで |
40% |
2,796,000円 |
40,000,000円 以上 |
45% |
4,796,000円 |
アパート経営を行う前の税金と、アパート経営を行ったときの税金を比較してみます。
速算表を見ると、課税所得が500万円のときの所得税の税率は20%、所得が800万円に増えると税率は23%です。
|
給与所得のみ |
給与所得+アパート経営 |
A 所得税 |
(500万円×20%)-427,500円≒572,000円 |
(800万円×23%)-636,000円=1,204,000円 |
B 復興特別所得税 |
所得税×2.1%≒12,000円 |
所得税×2.1%≒25,000円 |
C 住民税 |
500万円×10%+5,000円=505,000円 |
800万円×10%+5,000円=805,000円 |
合計(A+B+C) |
1,089,000円 |
2,034,000円 |
※計算をわかりやすくするため、住民税の式は一部簡略化しています。
上の例では、アパート経営で増えた税金は次のとおりです。
2,034,000-1,089,000=945,000円
ただし、アパート経営の利益が同じでも、アパート経営以外の収入が異なれば、アパート経営の税額は変わります。
また、「4-5.売り上げが大きくなったら法人化を検討」で法人化についてご紹介しますが、アパートを法人の所有にすれば税額は変わります。
4.節税に役立つ5つの知識
固定資産税や都市計画税は節税できませんが、所得税・住民税は確定申告の内容しだいで変わります。
無駄な税金は1円だって払いたくないものです。
そのためには、次の5つのことを知っておいてください。
(1)経費をもれなく計上することが節税のキホン
(2)木造アパートは減価償却が大きいので有利
(3)アパートを建てると損益通算できる場合がある
(4)青色申告は節税のメリットが大きい
(5)売り上げが大きくなったら法人化を検討
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。
4-1.経費をもれなく計上することが節税のキホン
所得税や住民税は、アパート経営により得られた「利益」に課税されるので、経費が多いほうが税額は少なくなります。
そのため、合法的に認められる費用をもれなく計上することが大切です。
アパート経営の管理委託料や火災保険料などについては、経費になるのはわかりやすいと思います。
一方で、経費になるかどうか迷いやすいものもあります。
それは、交通費、通信費、消耗品費、接待交際費です。
アパート経営のために使ったなら、交通費、通信費、消耗品費、接待交際費も経費になります。
例えば、次のようなものです。
- 経営しているアパートの現地確認や不動産会社に訪問するための「交通費」
- 不動産会社への手土産代などの「接待交際費」
- アパート経営の事務処理のためのプリンター、文房具などを購入したときの「消耗品費」(10万円未満の場合)
ただし、プライベートで使用した分は経費にならないので、後日税務署の調査が入ったときにしっかり説明できるようにしてください。
領収書やレシート、使い道・行先・相手先の名刺、現地写真など、しっかり証拠記録を残すことが大切です。
4-2.木造アパートは減価償却が大きいので有利
アパート経営をはじめるときにぜひ知っておきたいのが「減価償却費」です。
木造アパートは毎年計上できる減価償却費が大きくなるので、節税に有利です。
詳しく解説しますと、「減価償却」というのは、建物の価値が毎年少しずつ減っていくものとみなして、取得費用を毎年少しずつ経費にできる制度です。
減価償却は、毎年現金を支出するわけではないのに、経費が計上できるという点がポイントです。
現金が減らないのに、経費を計上できるので、その分、課税対象になる利益を少なく計算することができます。
減価償却費が大きければ、それだけ節税できることになります。
木造アパートの法定耐用年数は22年と、他の構造に比べて最も短くなっています。
構造 |
法定耐用年数 |
木造 |
22年 |
鉄骨 |
19~34年(鉄骨の厚みによる) |
鉄筋コンクリート |
47年 |
法定耐用年数が短いと、毎年計上できる減価償却費が大きくなるので、節税に有利です。
個人でアパート経営を行う場合、木造のアパートを選択する方が多数派ですが、その理由は鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりも建築費が安いからというだけではありません。
木造は減価償却の面でも有利な制度になっているため、初期投資を抑えつつ、効率の良い不動産投資が可能なのです。
とはいえ、減価償却の面では木造アパートが有利ですが、条件によっては、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のアパート・マンションを建てたほうが有利になります。
家賃、税金、建築費などを総合的に考えて、建築プランを決めることが大切です。
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4-3.アパートを建てると損益通算できる場合がある
アパートを建てれば、「損益通算」により、他の所得にかかる税金を減らせる可能性があります。
「損益通算」とは、利益と損失を相殺することをいいます。
アパート経営が会計上、赤字になれば、給与所得などと損益通算することができます。
すると、給与所得などに課税された税金を取り戻すことができるのです。
例えばアパート経営で100万円の赤字となった場合、給与所得と損益通算すれば、給与所得が100万円少なかったことになるのでその分の税金が還付されます。
「でも、アパート経営が赤字になったらうれしくない」と思うかもしれませんが、会計上は赤字でもキャッシュはプラスになっているケースも多いので安心してください。
その理由は、先ほどの「減価償却」のおかげです。
特にアパート経営の初期は減価償却費が多いので、会計上は「赤字」になりやすく、給与所得等にかかる税金を減らせるケースが多いです。
会社勤めなどで高い所得を得ている方や、安定した職種の方には、アパート経営は実はとても相性が良いです。
上記のとおり、給与所得などにかかる税金を大きく減らせる可能性があるためです。
しかも、安定収入があるのでアパートローンが有利な条件で借入しやすいのもメリットです。
4-4.青色申告は節税のメリットが大きい
アパート経営の確定申告の方法には、「青色申告」と「白色申告」があります。
「青色申告」は、売上や経費を複式簿記で正確に記帳する方法で、貸借対照表と損益計算書を作成しなければなりません。
白色申告の方が簡単ですが、節税のためには青色申告が圧倒的に有利です。
青色申告が税制上有利な理由は、次の4点です。
(1)「青色申告特別控除」がある。
事業的規模(概ね5棟または10室以上)なら控除額は65万円、事業的規模でない場合には10万円の特別控除が受けられます。
(2)「専従者給与控除」を計上できる。
事業的規模なら、青色事業専従者給与を経費に算入できます。
例えば、配偶者や子どもにアパート経営を手伝ってもらって給与を支払い、経費にすることが可能になります。
(3)赤字の繰り越しができる。
青色申告では、赤字を3年まで繰り越すことができ、黒字になった年に赤字分を差し引くことができます。
古いアパートの取壊し費用や、災害による損失が発生した際などに活用できます。
(4)経費にできる科目が増える。
青色申告は、白色申告よりも経費にできる範囲が広くなります。
例えば、貸し倒れ損失が発生したときに、回収不能となった年の経費に算入できます。
青色申告を行うには、税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。
青色申告は色々と有利なのでおすすめですが、専門知識が必要になったり、事務処理に時間がかかるのではと心配に思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも青色申告は、会計ソフトを購入したり、オンラインで処理できるサービスを使えば、それほど専門知識がなくても可能です。
手間をかけたくない場合には、経費と割り切って、税理士に依頼するのもおすすめです。
4-5.売り上げが大きくなったら法人化を検討
アパート経営が軌道に乗って、貯まった資金を元手に所有物件が増えたら、法人化を視野に入れるタイミングがきます。
不動産収入が増えて、一定ラインを越えたら、法人化したほうが税制上有利です。
そのラインは所得がおよそ1,000万円程度と言われています。
「法人化」するには、新たに会社を設立して、個人所有のアパートを会社に売却します。
ただし法人化には次のようなメリットとデメリットがあるので、両方を考慮する必要があります。
★法人化のメリット
- 所得が多い場合は個人よりも法人の方が税率が有利
- 経費として認められる範囲が広い
- 損失の繰り越し控除の年数が長い
- 家族に仕事を手伝ってもらうなら従業員として給与を支払うことができ、所得を分散できる
- 相続税対策がしやすい
★法人化のデメリット
- 会社の設立費用や、所有権の移転費用がかかる
- 個人事業主として確定申告するよりも、法人の決算の方が難しいので、手間が増えたり税理士を依頼する費用が必要になる
- 赤字でも発生する法人住民税の均等割など、ランニングコストがかかる
このように一長一短があるため、法人化を検討する際には、税理士に相談した上で判断することをおすすめします。
まとめ
それではおさらいです。
アパート経営を行ったときに毎年かかる税金は、次のとおりです。
●固定資産税、都市計画税・・・土地や建物の価値に応じて課税される。特に手続きをしなくても自動的に納付書が送られてくる。
●所得税、住民税(事業税、消費税)・・・利益に応じて課税される。確定申告が必要。
所得税や住民税は、家賃収入総額に課税されるのではなく、経費を差し引いた「利益(儲け)」部分に課税されます。
無駄な税金を払わないためには、次の5つの知識を知っておいてください。
- 経費をもれなく計上することが節税のキホン
- 木造アパートは減価償却が大きいので有利
- アパートを建てると損益通算できる場合がある
- 青色申告は節税のメリットが大きい
- 売り上げが大きくなったら法人化を検討
アパート経営で避けては通れない税金の問題。
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