アパート経営は「経費で落とせるもの」と「落とせないもの」があります。
不動産所得を得ている人の、所得金額別の内訳
経費で落とせるもの |
経費で落とせないもの |
(1)公租公課(税金) |
(1)不動産に関係のない税金 |
(2)損害保険料 |
(2)20万円以上の修繕費 |
(3)修繕費 |
(3)借入金の元本 |
(4)管理委託料 |
(4)アパート経営に関連しない費用 |
(5)仲介手数料 |
|
(6)広告宣伝費 |
(7)青色事業専従者給与 |
(8)給料賃金 |
(9)水道光熱費 |
(10)通信費 |
(11)交通費 |
(12)接待維持費 |
(13)新聞図書費 |
(14)消耗品費 |
(15)解体費・立ち退き料 |
(16)地代・家賃 |
(17)ローン保証料 |
(18)借入金利子 |
(19)減価償却費 |
上表の中には、「接待交際費」や「交通費」、「通信費」、「新聞図書費」、「消耗品費」等の家事消費と混同されそうな費目も存在しますが、あくまでもアパート経営に関連するものだけが経費として落とすことが可能です。
個人的な費用は経費として落とすことはできません。
アパート経営についてプロに相談したい方は、以下のボタンから複数のハウスメーカーに節税対策を含む経営プランの一括請求が可能です。ぜひご利用ください。
カンタン60秒入力
大手10社の建築費収益プランを一括比較!
1.アパート経営の経費で落とせるもの
一般的に、支出したお金を「費用」として計上することを「経費で落とす」と表現します。
商売をやっている方のように、なんでも費用になるわけではありません。
1-1.落とせる経費の費目一覧
アパート経営の経費で落とせるものは、以下の19種類あります。
ご所有の土地にアパートを建築した場合にかかる費用や収支プランを詳しく知りたい方は「HOME4U 土地活用」でプラン請求をしてみることをおすすめします。
アパートの建築費や将来の収益はいくら?
大手10社のプラン比較はコチラから!
1-2.経費の費目一覧で押さえておくべきポイント
1-2-1.公租公課
公租公課とは税金のことです。
固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税、印紙税、事業税などの税金は必要経費になります。
・固定資産税
固定資産税とは、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に対して課税される市区町村税です。
固定資産評価額に税率の1.4%をかけたものになります。
・不動産取得税
不動産取得税とは、不動産を取得した際やアパートを建築した際に課税される地方税です。
固定資産評価額に税率の3%をかけたものになります。
・登録免許税
登録免許税とは、アパートや土地を取得した際の所有権の登記にかかる税金です。
固定資産評価額に税率の0.4%をかけたものになります。
・印紙税
印紙税とは、アパート建築時に作成される書類や契約書に対して課税される税金です。
税額は記載された契約金額によって異なります。
印紙税額
記載された契約金額 |
印紙税額 |
1万円未満 |
非課税 |
1万円以上~100万円以下 |
200~1,000円 |
100万円超~500万円以下 |
2,000円 |
500万円超~1,000万円以下 |
1万円 |
1,000万円超~5,000万円以下 |
2万円 |
5,000万円超~1億円以下 |
6万円 |
1億円超~5億円以下 |
10万円 |
5億円超~10億円以下 |
20万円 |
10億円超~50億円以下 |
40万円 |
50億円超 |
60万円 |
契約金額に記載なし |
200円 |
・事業税個人として10室以上のアパートの貸し付けを行った際に課税される都道府県税です。
不動産所得から事業主控除額(290万円)を控除した額に税率の5%をかけたものになります。
事業税 = (不動産所得 - 専業主控除額290万円) × 5%
1-2-2.修繕費
建物や設備のメンテナンス代金、入居者の入れ替え時に行うクロスの貼替等の費用などの修繕費は経費として落とすことができます。
ただし、その年に経費として全額としたい場合は、1か所あたりの修繕費を20万円未満にする必要があります。
20万円以上の工事を行うと、資本的支出として扱われ、経費として落とすことができなくなるので注意が必要です。
1-2-3.青色事業専従者給与
10室以上のアパートである場合、青色申告者と生計をひとつにする15歳以上の配偶者や親族を専従者として、支払った給与を経費として扱うことが可能です。
青色申告者とは、正規の簿記の原則により記帳を行い、税務署長の承認を受けた人を指します。
専従者の条件
- 生計を共にしている配偶者や親族
- 申告する年に15歳以上
- 他の仕事についておらず、専従している期間が半年以上
- 給与額
1-2-4.減価償却費
減価償却費は、経費として落とすことができます。
減価償却を理解するための3用語
減価償却 |
建物や備品、車両等の固定資産の費用を耐用年数に応じて分割していく手続き |
減価償却費 |
減価償却の手続きによって計上される費用 |
耐用年数 |
減価償却費が計上できる期間 |
建物の耐用年数に応じて減価償却費が決まり、耐用年数が22年の場合は22年間は減価償却費を経費として計上できることになります。
2.アパート経営の経費で落とせないもの
経費として落とせると思っていても、以下の費用は落とすことができません。
2-1.落とせない経費の費目一覧
アパート経営の経費で落とせないものは、以下の4種類あります。
印紙税額
費目 |
内容 |
(1)不動産に関係のない税金 |
法人税や所得税などの不動産に関係のない税金が該当します。 |
(2)20万円以上の修繕費 |
一か所当たりの工事が20万円以上をこえる修繕。
資本的支出になります。
|
(3)借入金の元本返済額 |
借入金の元本部分は経費として落とせません。
ただし、利子部分は経費として落とすことが可能です。
|
(4)アパート経営に関連しない費用 |
アパート経営に関連しない個人的な支出が該当します。 |
ご所有の土地にアパートを建築した場合にかかる費用や収支プランを詳しく知りたい方は「HOME4U 土地活用」でプラン請求をしてみることをおすすめします。
アパートの建築費や将来の収益はいくら?
大手10社のプラン比較はコチラから!
2-2.経費として落とせないものを詳しく説明
2-2-1.不動産に関係のない税金
落とせる経費の費目一覧にも書いたように、固定資産税、都市計画税、登録免許税、事業税などの税金は必要経費として落とせますが、それ以外の法人税や所得税などの不動産に関係のない税金は経費として落とすことができません。
2-2-2.20万円以上の修繕費
一ヵ所当たりの工事が20万円以上を超える修繕は、経費ではなく資本的支出となります。
資本的支出とは、新たに資産を構築したとみなされる支出のことです。
資本的支出によってそのお金は一旦資産として計上され、減価償却の対象となります。
例えば、「アパートにもう一部屋増築する」という工事をする場合、増築は新しく建物を作ることとほぼ同じであることから資本的支出として扱われます。
しかし、資本的支出となってしまったお金はずっと費用にならないというわけではなく、減価償却の対象となるので、工事ごとに定められた耐用年数によって費用化していくことはできます。
2-2-3.借入金の元本返済額
借入金の元本返済額は経費ではない支出となります。
お金の貸し借りは会計上の損益ではないということから、借入金の「元本」部分は経費になりません。
「利子」部分は経費として落とすことができます。
2-2-4.アパート経営に関連しない費用
アパート経営で認められている経費は、「アパート経営のために要した支出」が対象です。
アパート経営に関連しない個人的な支出は家事消費となり、経費として認められません。
家事消費とは事業とは無関係な個人的な支出を指します。
3.節税に効果が高い3つのコツ
3-1.減価償却費を所得から差し引く
減価償却費を所得から差し引くことで、所得を減らすことができ節税に高い効果をもたらします。
減価償却を理解するための3用語
減価償却 |
建物や備品、車両等の固定資産の費用を耐用年数に応じて分割していく手続き |
減価償却費 |
減価償却の手続きによって計上される費用 |
耐用年数 |
減価償却費が計上できる期間 |
木造アパートの減価償却の事例
4400万円の木造アパートを建てた場合、耐用年数は22年になるので、減価償却費は22年間にわたり毎年200万円ずつ費用として計上されます。
仮に不動産所得が500万円になった場合、500万円-200万円で300万円に対して税金が発生します。
減価償却費は実際に支出される経費ではありませんが、会計上の費用として所得を小さくしてくれるので、税金だけ少なくしてくれる費用なのです。
減価償却に関係の深い構造別のアパート建築費が知りたいときは「HOME4U 土地活用」を使えば、最大10社のハウスメーカーから無料で建築費見積もりを含む建築プランが手に入れられます。
アパートの建築費はいくら?
3-2.赤字が出た場合の損益通算
所得税は、損益通算によって節税することもできます。
損益通算とは、所得が赤字になり損失の出た場合に他の所得へ損失を合算することを指します。
【損益通算ができる所得】
赤字が出た場合に損益通算をすることで、総所得金額を下げることが可能になるため、自然と税金も下がっていきます。
個人事業をやっている方の事例
事業所得が▲200万円の赤字で、アパート経営の不動産所得がプラス500万円の場合、所得税の課税標準は次のように計算されます。
課税標準 = 不動産所得(+500万円) + 事業所得(-200万円)
= 総所得金額(300万円)
3-3.所得が900万円を超えた場合の法人化
アパート経営は法人化した方が節税に効果的です。
税率は所得(利益)が900万円超になれば法人の方が税率は低くなるため、単純に個人から法人に切り替えるだけでも節税が可能です。
法人は税率が低いだけでなく、経費が認められる範囲も個人よりも広くなるため、法人で支払う経費は費用として認められやすくなります。
ただし、法人であっても事業に必要なものが費用として認められるという前提は同じため、全ての経費が費用になるわけではありません。
また、法人には役員報酬によって親族に所得を分配できる等のメリットもあるため、上手く活用すれば、さらに節税が可能です。
4.経費・税金の対策についても相談できる会社の選び方
選ぶ際の基準は以下の通りです。
- 「経費の費目」のどの部分が理解できていないか明確にし、節税知識が豊富で経営のサポートもできる会社である
- アパート建設だけでなく、その後の経営までサポートした実績がある会社である。
- 営業担当者の対応がいい会社である。
・「経費の費目」のどの部分が理解できていないか明確にし、節税知識が豊富で経営のサポートもできる会社である
アパート建築・経営サポートをしてくれる代表的な会社は以下の4つの形態があります。
それぞれに違う特徴があり、自分の現状や要望次第で相談先が変わってきますので、適切な会社を選びましょう。
・アパート建設だけでなく、その後の経営までサポートした実績のある会社である。
アパート建設だけでなく、その後の経営までサポートした実績がある程、様々な知見を持っているといえます。
・営業担当者の対応がいい会社である。
担当者は長い付き合いになることが多いので、担当者の対応がいいとその後もストレスなくアパート経営をすることができます。
「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」ではお客様の状況に合わせて、「上記の基準を満たした経費・税金の対策について知見・経験が豊富な企業」を選んでご紹介いたします。
国内大手のハウスメーカー・建築会社が多数参画していて、お客様に合った企業から7つを選び、無料一括プラン請求できるため、「条件に合った企業の中で比較検討」可能です。
「どの会社が一番経費の対策が充実しているか」、「どの会社が一番自分のアパート経営に合った魅力的なプランを出してくるか」など、客観的に判断することができます。
是非ご活用ください。
土地の所在地や広さなどを入力するだけで、国内の優良ハウスメーカー最大10社へ無料で「アパート建築プラン」の請求ができます。
もし「自分の土地にアパート以外の活用法があるのか気になる」という場合でも、駐車場・ビル・店舗・高齢者施設・倉庫など様々な土地活用の専門企業から、収益プランの提案が受けられるオプションがあるので、幅広く検討することも可能です。
なお、アパート経営にかかる税金と節税について詳しく知りたい方は、以下の動画や関連記事も併せてご確認ください
また、以下のボタンから土地の情報を入力すると、節税を考慮したアパート建築プランを、最大10社の建築会社から無料で取り寄せることができます。
カンタン60秒入力
大手10社の建築費収益プランを一括比較!
この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット
アパート経営の収益・節税プランを企業に請求できます!
あなたに合った活用法が分かる!
【全国対応】HOME4U「土地活用」
理想のアパート建築を実現させるには、構造/工法/間取りなどの設計部分はもちろん、 建築費や収支計画をまとめた建築プランを複数の企業に依頼し、各社の提案を比較して、 長期安定アパート経営につながる「収益最大化」プランを見つけることが大切です!
ただ、アパート建築の依頼先は「ハウスメーカー」や「建築会社」「専門会社」など様々です。 「どこに依頼すればいいか分からない」「何から始めたらいいか分からない」とお悩みでしたら、 複数の信頼できる企業へまとめて相談、プランが請求できる「HOME4U 土地活用」をご利用ください。
“HOME4U 土地活用 3つの特徴”
- 提携企業は、信頼できる業界大手企業が勢ぞろい!この顔ぶれはHOME4Uならではのラインアップ!
- 複数社へプラン一括請求、比較できるからいろんな工法や間取り、坪単価の提案を幅広く受けることができる!
- NTTデータグループが運営。19年の実績があり、セキュリティも安心!
アパートを建てたい土地の住所など簡単な項目を入力するだけで、厳しい審査によって厳選された複数の大手企業へまとめてプラン請求ができるので、各社の提案を比べながら、あなたの土地にぴったりなアパート建築プランを見つけることができます。
ぜひ「HOME4U 土地活用」を利用して、あなたの土地・地域、希望にあったアパート建築の「収益最大化」プランに出会ってください!
ぜひコチラから大手企業に一括相談して、成功への足掛かりをつかんでください!