【初心者向け】賃貸併用住宅の収益・コストをわかりやすく解説
本記事では、賃貸併用住宅の収益・コストについて解説します。
この記事を読むと、
- 賃貸併用住宅の収益・コストの考え方
- 実質利回りの計算方法やシミュレーション事例
- 建築費用の目安
- 収入・支出の目安
がわかります。
1.賃貸併用住宅の収益・コストの考え方
賃貸併用住宅の収益・コストの考え方は以下の通りです。
- 収益の目安である「実質利回り」を把握するのが大切
- 建築費用、収入・支出の目安を把握し、収益シミュレーションする
1-1.実質利回りを把握する
収益の目安を表す「実質利回り」は以下の式で計算します。
実質利回りは、修繕費や管理費といった諸経費も考慮するため、より実態に即した利回りとなります。
(年間家賃収入-年間の諸経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100
以下は実際に賃貸併用住宅の利回りシミュレーションを行ったものです。
- 1階はオーナー住居、2階を2戸に分けてそれぞれ15万円の家賃
- 年間家賃収入
:360万円(15万円 × 2戸 × 12か月) - 年間の諸経費:40万円
- 物件価格:6,500万円
- 購入時諸経費:450万円
=(年間家賃収入-年間の諸経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100
(360万円-40万円)÷(6,500万円+450万円)×100
= 4.6%
以上のように、実績利回りは4.6%と計算されました。
賃貸併用物件の利回りは、一般的な賃貸物件の利回りの目安よりも少し低くなり、目安は5%前後とされています。
利回りの高い賃貸併用住宅の特徴や考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
また、賃貸併用住宅について基礎知識を知って全体像を理解したい方は、以下の記事をご覧ください。
1-2.建築費用、収入・支出の目安を把握する
収益の目安を表す「実質利回り」の計算には、家賃収入はもちろん建築費用を含む支出の目安を把握することが必要です。
以下は、収入・支出の具体的な費用項目をまとめています。
収入 | 支出 | |
---|---|---|
経営開始前 | 経営開始後 (ランニングコスト) |
|
|
|
|
2章より賃貸併用住宅の建築費用、収入・支出について詳しく解説します。
2.賃貸併用住宅の建築費用・初期費用
賃貸併用住宅の建築費は、「坪単価×延床面積」の式で計算でき、坪単価は「構造」によって相場が変わります。
また「延床面積」は建物の各階の床面積を足した面積のことです。
賃貸併用住宅(全体平均) | 112万円 | |
---|---|---|
構造別 | 木造 | 77万~110万円 |
軽量鉄骨造 | 80万~120万円 | |
重量鉄骨造 | 90万~130万円 | |
鉄筋コンクリート造 | 100万~140万円 |
賃貸併用住宅の初期費用は、建築費以外にも大きく3つに分類できます。建築費(本体工事費)、付帯工事費、諸費用です。
以下表にて、初期費用の分類ごとの内容をまとめています。
項目 | 費用の目安 | 何にかかる費用か |
---|---|---|
建築工事費:本体工事費 | 総額の7~8割 |
|
建築工事費:付帯工事費 | 本体工事費の2割 |
|
諸費用 | 本体工事費の1割 |
|
以下は、坪単価の相場や費用の目安から、初期費用・建築費用を求めたシミュレーション例です。
- 木造3階建て(坪単価:85万円)
- 賃貸部分:合計4戸(1K×1室+1R×3室)
- オーナー住宅部分:3LDK
- 延床面積:65坪
項目 | 費用 | 計算方法 |
---|---|---|
建築工事費: 本体工事費 |
5,525万円 | 坪単価 × 延床面積(坪) =85万円 × 65坪 |
建築工事費: 付帯工事費 |
1,105万円 | 本体工事費の2割 =5,525万円 × 20% |
諸費用 | 553万円 | 本体工事の1割 =5,525万円 × 10% |
合計 | 7,183万円 |
賃貸併用住宅の建築費についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
また、所有している土地に建築した場合の坪単価や建築費を知りたい方は「HOME4U 土地活用」をご活用ください。最大10社から建築プランを無料で取り寄せ、比較することができます。
3.賃貸併用住宅の収入
賃貸併用住宅の収入の基本は、家賃収入です。家賃収入の他に臨時得られる礼金や更新料などの収入があります。
定期的な収入 | 臨時的な収入 |
---|---|
|
|
一般的な賃貸経営と同様、家賃収入は「入居率」に影響され、空室期間が少ないほど高くなります。
したがって、適切な家賃設定やこまめな建物のメンテナンス等を実施し、いかに高い入居率を継続できるかが重要なポイントになります。
安定した経営については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
4.賃貸併用住宅の支出(ランニングコスト)
賃貸併用住宅のランニングコストの例は以下の通りです。
- 固定資産税・都市計画税
- 修繕費
- 管理委託費
- ローン返済
- 地震・火災保険料
- 共用部等の設備、光熱費用
管理委託費は、オーナーご自身が管理業務を行えばコストを浮かすことができます。
しかし、入居者対応は多岐にわたり、「いっしょに暮している」からこそ一般的な賃貸経営より業務に負荷がかかる可能性があるため、管理会社に委託することをおすすめします。
また賃貸併用住宅は同一の建物内に賃貸部分と自宅部分があるため、ランニングコストの計算には注意が必要です。
税金、損害保険料、物件建築時の借入金の利子は、不動産按分として面積割合で按分(費用の分割)します。通信費や共用部分の光熱費は家事按分といって、家事消費と分けて計上する必要があります。
以下は50坪の賃貸併用住宅のランニングコストの計算例です。不動産按分は50%、家事按分は10%で計算します。
項目 | 費用 | 按分 | 経費計上できる費用 |
---|---|---|---|
固定資産税・ 都市計画税 |
20万円 | 不動産按分50% | 10万円 |
損害保険料 (地震保険付) |
10万円 | 不動産按分50% | 5万円 |
借入金利子 | 75万円 | 不動産按分50% | 37万5,000円 |
通信費 | 4万円 | 家事按分10% | 4,000円 |
光熱費 | 27万円 | 家事按分10% | 2万7,000円 |
合計 | 55万6,000円 |
以上から、年間約56万円を賃貸部分のランニングコストとして経費計上できる計算です。
税金や経費の詳細については以下の記事をご覧ください。
なお、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」を使えば、土地情報を入力するだけで、最大10社の大手ハウスメーカー・建築会社から建築費や予想収益が含まれた、「賃貸併用住宅の建築プラン」を取り寄せることができます。以下のボタンからお試しください。
賃貸併用住宅の収益・コストの考え方は以下の通りです。
- 収益の目安である「実質利回り」を把握するのが大切
- 建築費用、収入・支出の目安を把握し、収益シミュレーションする
詳細は「1.賃貸併用住宅の収益・コストの考え方」にて解説しています。
賃貸併用住宅にかかる建築費は、「坪単価×延床面積」の式で計算でき、坪単価は「構造」によって相場が変わります。
また、賃貸併用住宅の初期費用は、建築費以外にも大きく3つに分類できます。建築費(本体工事費)、付帯工事費、諸費用です。
詳細は「2.賃貸併用住宅の建築費用・初期費用」にて解説しています。
賃貸併用住宅の収入の基本は、家賃収入です。家賃収入の他に臨時で礼金や更新料などの収入があります。
定期的な収入 | 臨時的な収入 |
---|---|
|
|
詳細は「3.賃貸併用住宅の収入」にて解説しています。
賃貸併用住宅のランニングコストの例は以下の通りです。
- 固定資産税・都市計画税
- 修繕費
- 管理委託費
- ローン返済
- 地震・火災保険料
- 共用部等の設備、光熱費用
詳細は「4.賃貸併用住宅の支出(ランニングコスト)」にて解説しています。
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。