賃貸併用マンションで土地活用をするために知っておくべきスタート前の注意点

賃貸併用住宅は、戸建だけではなく、アパートやマンションなどの集合住宅としても建てられます。ただし、戸建に比べると規模が大きくなるため、借入資金やローン返済額が気になるオーナーも多いかと思います。また、実際の経営は普通のマンション経営と比べると、どうなのだろうと不安になる方もいらっしゃいます。本記事では、賃貸併用住宅をマンションタイプで建てる場合に、知っておいた方がよいことをまとめています。
この記事の内容
1.賃貸併用住宅の「マンション」とは? 他タイプとの違いを理解する
賃貸併用住宅とは、同じ敷地・建物の中に、オーナーが住むマイホーム部分と、入居者が住む賃貸物件が共存している建物のことです。賃料収入が発生するマイホームと考えると、わかりやすいといえます。
戸建てだけではなく、アパートやマンションなどの共同住宅でも、同じ敷地・建物内に自宅部分を作れば、賃貸併用住宅にできます。 建物の構造や土地の面積などによって、3タイプの賃貸併用住宅が建てられます。また、販売数は少ないですが、賃貸併用住宅を購入することもできます。
1.賃貸併用住宅 戸建タイプ
2.賃貸併用住宅 マンションタイプ
3.賃貸併用住宅 RCマンションタイプ
建物のどこをマイホーム部分にするか、何部屋の賃貸物件が作れるのかは、土地の広さや条件、そしてオーナーと家族が、どのような暮らし方を希望するかによっても変わります。
以下はよくある賃貸併用住宅の構造と坪単価と出来上がりイメージをまとめたものです。活用予定地の諸条件を活かしたプラン探しをして、ご所有の土地では、どのようなことができるのかを確認しておき、家族とよく話し合うことが、スタート段階ではとても重要です。
賃貸併用住宅タイプ |
主な構造 |
平均坪単価 |
出来上がりイメージ |
---|---|---|---|
戸建タイプ |
木造 |
77~100万 |
戸建2~3階建てに自宅と賃貸物件がある |
マンションタイプ |
鉄骨・木造 |
80~100万 |
3~4階建て集合住宅の一部が自宅 |
RCマンションタイプ |
鉄筋コンクリート造 |
90~120万 |
一棟分譲マンションの中に自宅がある |
1-1.賃貸併用住宅 戸建タイプ
一般的な木造2~3階の戸建ての中に、自宅と賃貸物件があるタイプです。外観は、ほぼ戸建て住宅と同じで、住宅街にも自然になじみます。木造であるため、3タイプの中では、建築費を一番おさえられます。構造の基本が戸建住宅なので、建物の設計も木造建築でできることに限られてきます。
敷地面積や土地条件が一軒家に向いている場合は、戸建タイプの賃貸併用住宅が適していると言えます。ただしこのような土地条件では、賃貸戸数は多くは取れない傾向にあります。敷地面積が広ければ、木造アパート規模の建物を建てることにより戸数の確保ができます。
1-2.賃貸併用住宅 マンションタイプ
鉄骨で作られた3~4階建ての一部をマイホームとし、残りを賃貸物件にします。たとえば、4階建ての1~2階部分が自宅部分、残りの3~4階建てにワンルーム賃貸物件を複数戸作るなどのイメージです。見た目は大きめの一軒家、またはデザイン性のある集合住宅のイメージです。
法律で決まりがあるわけではありませんが、賃貸部分が3戸以上ある場合は、構造に関係なく「アパート」「マンション」と呼ぶことが多くなります。そのため、賃貸物件の数を3戸以上は欲しいとお考えの場合は、マンションタイプの賃貸併用住宅が適していることになります。
3~4階建てで鉄骨構造にすることが多いため、機能性とデザイン性の高い建物になります。プランの段階で創意工夫することにより、マイホームらしさも残しながら、賃貸物件として通用する外観や設備を両立させることができます。
構造には軽量鉄骨と重量鉄骨がありますが、4階建てくらいまでなら、軽量鉄骨を使ったほうが建築コストをおさえられます。現在の木造建築技術でも4階建ては可能ですが、長期的な安全性や劣化の進み具合の問題から、木材を使う場合でも、木造と鉄骨を組み合わせた設計プランになる傾向があります。
次項の鉄筋コンクリート造の賃貸併用マンションと比較すると、頑丈さと防音性能は下がるため、テナントなどは入れず、住居専用での賃貸経営にした方が、自宅部分の静かな暮らしが確保できます。一般住宅としては高さがありますので、自宅部分をどこに置くかで賃料設定が変わります。
1-3.賃貸併用住宅 RCマンションタイプ
鉄筋コンクリート造(RC)マンションの一部を自宅とし、残りを賃貸物件として使います。見た目も内部も一般的なマンションですので、賃貸併用住宅というよりは「分譲マンション一棟の中に自宅を作る」イメージです。上層階に自宅を作れば「オーナーズハウス」「ペントハウス」と呼ばれることもあります。
鉄筋コンクリート造であるため、土地条件の最大限度まで建物が建てられます。設計としてできないことがほぼないため、建物のワンフロアを自宅とし、残りのすべてを賃貸物件にして、マンションオーナーとして高収入を得ることも十分に可能です。また、鉄筋コンクリート造の建物は防音防火機能も高いため、住居以外にも、店舗や事務所などのテナント賃貸を組み込むことも可能です。
賃貸併用住宅には、戸建・アパート・マンションとさまざまな選択肢があります。ご所有の土地にどのような賃貸併用住宅が適しているのかは、オーナー家族のご希望と、さらには土地条件・エリア条件も含めて、総合的に判断する必要があります。
不動産と不動産経営に関したプロフェッショナルのサポートが必要ですので、検討段階で、ますは数多くの賃貸併用住宅プランを入手し、さまざまな可能性を探ってみることをおすすめします。NTTデータグループの運営する日本最古の不動産情報サイト「HOME4U 土地活用」であれば、一回の入力で最大10社にまで一括プラン請求ができます。
一度に数多くの賃貸併用住宅プランが比較できますので、マイホーム作りとしても、土地活用としても、納得のいくプラン探しができます。
2.賃貸併用住宅でマンション経営をする5メリット
賃貸併用住宅のマンションには、土地活用として、次のような5つのメリットが発生します。
1.マイホームが持てる
2.住宅ローンが使える
3.家賃収入でローン支払いができる
4.固定資産税を節税できる
5.相続税対策ができる
3-1.マイホームが持てる
賃貸併用のマンションですので、建物の一部はかならずマイホームになります。一般的に、土地活用というのは「余った土地」「遊休地」を活用することですが、賃貸併用マンションであれば、1つしか土地がなくても、マイホーム建築と土地活用によるマンション建築の、両方を実現できます。
そのため、賃貸併用マンションは、土地活用と併用してマイホーム建築ができる方法・マイホームと不動産投資を同時にできる方法とも言えます。
3-2.住宅ローンが使える
賃貸併用マンションの自宅部分は、条件をクリアすれば、住宅ローンが使えます。金融機関によって違いはありますが、おおむね、建物の延べ床面積の50%以上が自宅であれば適用可です。賃貸部分には別途、アパートローンなどの事業用ローンを使います。
ふたつ合わせた金額が賃貸併用マンションの建築総額になりますが、一部だけでも金利が低く、返済期間を長くとれる住宅ローンが使えるのは、土地活用としても大変に有利です。
3-3.家賃収入でローン支払いができる
賃貸併用住宅のマンションは、賃貸部分からの賃料収入がありますので、ローンの返済原資は賃料収入になります。 毎月の返済額を賃料収入以下に設定しておけば、オーナーの返済負担はほぼ0円にすることもできます。また、普通のローンと同様に、繰り上げ返済などで金利負担を減らしていくことも可能です。
ローンが完済したら、賃料収入から経費を差し引いた分はまるごと、毎月の収入になります。将来的には、ご自身でマイホームに住み続けながら、賃料収入を老後資金にするなど、フレキシブルな使い方も計画できます。
3-4.固定資産税を節税できる
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している方全員に課される地方税です。賃貸併用住宅でマンションを建てようと検討するような土地は広さがありますので、活用予定地が200平米以上(約60坪以上)ある場合 は、広めの土地に大きなマイホームを一軒だけ建てるよりも、賃貸併用住宅のマンションにした方が、固定資産税を節税できます。
200平米以内の土地には「小規模宅地用地」として、固定資産税の評価額が更地の1/6になります。200平米を超えた部分からは「一般住宅用地」となり、評価額は更地の1/3になるため、固定資産税を押さえるのであれば、小規模宅地用地の方が効果的です。
小規模宅地用地は1住宅に対して200平米以内という決まりがあるため、賃貸併用住宅のマンションにすると、マイホーム1戸+賃貸物件戸数分にそれぞれ特例が適用されます。たとえば、戸数が5戸あれば、それぞれ5戸に適用され、さらに自宅にも適用されます。ある程度の広さがある土地であれば、戸数をたくさんとれる建物が建てられますので、その分、減税効果が期待できます。
3-5.相続税対策ができる
相続が起きた際、賃貸併用マンションには、自宅部分に対する特例と、賃貸部分に対する特例の両方を適用できます。
たとえば4階建ての建物で1階が自宅、2~4階は賃貸物件の場合、1階自宅を配偶者などの同居親族が相続すれば、特例が適用されて、土地の評価額を80%減じることができます。2~4階の賃貸部分には貸付事業用地として、一定条件を満たせば、土地の評価額が50%減になります。
家屋の1階は自家用家屋、2~4階は貸家としてそれぞれ評価を行い、要件を満たせば減額制度が適用されます。賃貸部分は、その建物の固定資産税評価額から、借地権割合として全国一律30%を差し引いた評価額(3割引)になります。自家用家屋は固定資産税評価額そのもので評価をします。
固定資産税評価額は、毎年4~6月ごろに各市町村から送られてくる「固定資産税納税通知書」に同封されている課税明細書で確認できますので、相続税対策を検討し始めた段階で、税額を把握できます。
3.賃貸併用住宅のマンション経営5デメリットと解決策
賃貸併用住宅のマンション経営する土地活用には、次のようなデメリットが5つあります。事前対策でデメリットを最小限にすることができます。
1.設計に制限がかかる
2.使えるローンが限定される
3.費用がかかる
4.売却しにくい
5.相続対策には時間が必要
3-1.設計に制限がかかる
賃貸併用マンションにおける設計上の制約は、2つの理由から起こります。ひとつは、自宅と入居者が同じ敷地内・建物内に住む構造のため、普通のマンションを建てるよりも設計上の工夫が必要なことです。
入居者とオーナーの、どちらにもプライバシーが必要であるため、エントランスなどの出入り口を逆方向にする、防音性能を高い建材にするなど、普通の賃貸物件・普通のマイホームを建てるよりも、気を付けるべきポイントが数多くあります。
ふたつめは、利用するローンの問題です。一般的なマンション建築には事業用ローン、一般的なマイホームは住宅ローンを使います。賃貸併用住宅のマンションでは、マンション部分には事業用ローン、自宅部分には住宅ローンと、ひとつの建物に、ローンを分けて申し込みます。
事業用ローンと比べて住宅ローンは金利も低くて長期返済が可能ですが、多くの金融機関で、建物の総延べ床面積の50%以上を自宅にしなければならないという条件を設けています。
そのため、自宅部分を大きくとろうとすると、必然的に賃貸部分も大きくなるため、マンション全体の建築費負担が大きくなります。反対に、自宅部分を狭くすれば、賃貸部分も小さくできますが、マンション全体の戸数が減ることによって賃料収入が減ってしまいます。
・対策>
賃貸併用マンションは、オーナーにとってはマイホーム建築ですが、ローン申し込みを受ける金融機関から見たときは土地活用による不動産投資です。そのため、どのような設計プランであっても、マンションの賃料でローンが完済できることが大前提になります。
このことをベースにして賃貸併用住宅のマンションを考えると、自宅部分として譲るべき部分、賃貸部分として守るべき部分がハッキリしてきます。
敷地面積と土地条件によって、確保できる賃貸戸数は、ある程度は決まってきますので、賃貸併用住宅に実績のあるハウスメーカーや建築会社にプラン請求をし、最大~最小の戸数を想定した、細かなプラン比較をしてください。そのうえで、家族の希望や予算、将来の相続対策などを含め、バランスの良いプランを探し出す必要があります。
3-2.使えるローンが限定される
住宅ローンには公的融資と民間融資がありますが、フラット35のような公的融資は、マイホーム部分があったとしても、賃貸併用住宅マンションのような「第三者に貸し出すことを前提とした物件」がある建物には、融資の許可が下りない傾向があります。
そのため、賃貸併用マンションの建築費用は、賃貸併用住宅の融資を受け付けている民間金融機関にある、事業用ローン・住宅ローンを利用することになります。賃貸併用住宅への住宅ローン取り扱いをしている金融機関は多くはないため、普通のマイホーム取得と比較すると、使えるローンは限られてきます。
【参照:公的融資 フラット35】
・対策>
民間金融機関で賃貸併用マンションのローンを申し込む場合には、マンション部分には事業用、住宅部分には住宅ローンと分けて申請するのが一般的です。また、どの金融機関でも、総延べ床面積の50%以上が自宅であることを条件としています。
しかし、金利の低い住宅ローンと金利が高めの事業用ローンをふたつ合わせて支払っていくと、結果的に、金利の低い住宅ローンのメリットが薄まってしまうことがあります。たとえば、建物を4階建てにしたい場合、住宅ローンを利用したければ、延床面積の半分は自宅部分にする必要があるため、1階2階を自宅にしないと融資がおりません。
活用予定地にある程度の敷地面積があり、自宅部分が1階だけで十分な広さが確保できるケースでも、住宅ローンを使うためには2階も自宅にしなければならないことになります。延べ床面積の多くを賃貸物件にできれば、それだけ収益が上がりますので、賃貸併用マンションの経営という観点でいえば、住宅ローンは使わずに、すべてをアパートローンで融資をするという選択肢もあります。
大型のローンを組んで長期返済を考える際には、金利の低さも大切ですが、プランを実現するために必要な金額をかならず貸し出してくれる金融機関の中から、住宅ローンの利用にこだわらずに、より良い条件の金融商品を選び出すことが最優先事項になります。
3-3.費用がかかる
すべての賃貸併用住宅に言えることですが、普通にマイホームを建てるだけ、普通に賃貸住宅を建てるだけよりも、コスト高になります。その理由は、賃貸とマイホームが併用であるがゆえに、一般の家や投資物件には必要のない設備や機能が必要になるためです。
たとえば、入居者とオーナー双方のプライバシーを守るために、それぞれの出入口を真逆の位置にするなど、一般的ではない設計が必要です。こうして気を使っておいても、賃貸物件にはさまざまな人物が入居してきますので、音・ニオイ・光などの生活トラブルが起きることがあります。そうなった場合には、入居者よりも、マイホームとしてずっとそこに住み続けるオーナーファミリーの方が、被害の当事者になりやすい傾向があります。
このようなことを防ぐためには、あらかじめ防音性能の高い建材を使う、配管や間取りに配慮するなど、普通の建築物には必要のない、細かな設計上・建築上の工夫が必要ですので、結果的にコスト高になってしまいます。
・対策>
コストをおさえながら快適な建物を建てるためには、活用予定地に関した最適解の情報が必要です。賃貸併用の建物は注文住宅と同じですので、一般的な建物と比較をしても、あまり役には立ちません。ご自分やご家族だけで悩む前に、まずは、賃貸併用の建物の実績が多いハウスメーカーや建築会社にプラン請求をしてください。
大手ハウスメーカーや建築会社の中でも、賃貸併用の建物プランがある会社であれば、施工数も多く、専門の建築士・設計士がいますので、さまざまな条件に合わせたうえで、最も良いプランを提案することができます。かならず、複数の会社に賃貸併用マンションのプランを請求し、オーナーご自身が比較検討するようにしてください。
多くのプランは、必要だと思われる設備や建材などが全部入っているため、最初に見るプランは非常に高額に感じます。しかし、そこから、必要ないと思われるものを差し引いていく作業をすることにより、マイホームとしての住みやすさと、良質な賃貸住宅としての条件の両方をクリアした、コストパフォーマンスの良い賃貸併用マンションプランが出来上がっていきます。
3-4.売却しにくい
賃貸併用マンションは売却しにくく、現金化しにくいというデメリットがあります。不動産市場の中で、購入希望者のほとんどはマイホームを探しており、賃貸物件を探す方は不動産投資家です。
賃貸併用マンションは、その構造からマイホームでも賃貸住宅でもないため、「賃貸併用住宅が欲しい」という方以外には、一般顧客にも不動産投資家にも訴求しづらいというデメリットがあります。さらに、中古物件となると、メンテナンス費用などの問題から、購入の優先順位が下がる傾向にあります。
・対策>
設計の段階で、売却することも想定したプランが必要です。賃貸併用マンションの場合、戸建の賃貸併用住宅よりは、共同住宅としての機能も多くなるため、構造と間取りを工夫しておくことにより、売却時のハードルを下げることが可能です。
たとえば、4階建ての建物であれば、マイホーム部分は1階ワンフロアに限定し、2階以上はすべて賃貸にします。こうすることで、中古で購入した方は、1階部分に手を加えるだけで、他の賃貸物件はそのまま引き継ぐことができます。
ワンフロアであれば、どこの部分がマイホームでも良いのですが、賃貸物件は景色が良いほど家賃を高額に設定できます ので、売却を視野に入れるのであれば、マイホームは1階にしておくことも検討してください。
土地条件と周辺環境も大きく影響しますので、プラン比較の段階で、ハウスメーカーや建築会社の担当者に相談をして、ご家族と一緒に納得のいくプランを探し出してください。
3-5.相続対策には時間が必要
相続税対策として賃貸併用マンションを検討している場合は、ある程度の時間の余裕をもって動き始める必要があります。土地に自宅と賃貸物件の両方がある賃貸併用マンションは、小規模宅地の特例・貸家建付地の特例など、相続の際に、相続税評価額を大きく減額できる制度が適用されます。
これらが適用されるためには、相続が開始される時点よりも丸3年以上前に、賃貸併用マンションが完成し、経営がスタートしている必要があります。それ以外のケースは、相続税対策ありきで土地活用をしたとみなされ、減税対象から外れる可能性が高くなります。
・対策>
相続開始から丸3年の経営期間が必要だということは、建築期間も含めて4年近い年月が必要です。さらに、その前のプラン比較やハウスメーカー選び、家族会議、設計相談をする時間をたっぷりとるためには、相続税対策としての賃貸併用マンションには、5年ほどの準備期間が必要であることがわかります。
相続開始がいつになるのかは、誰にもわかりません。しかし、早めに動いておけば、節税対策をうまく着地させることにつながりやすくなります。まずは、プラン比較をするために、なるべく多くのハウスメーカーや建築会社に、賃貸併用住宅
賃貸併用住宅をマンションで実現させ、さらに相続税対策にするためには、検討段階を含めて4~5年のスパンを想定しておく必要があります。ご所有の土地にどのようなマンションが建てられるか、そしてそのマンション内に、どんなマイホームが作れるのかは、プランを比較することでわかります。
NTTデータグループが運営する「HOME4U土地活用」の一括プラン請求であれば、一回の入力で最大10社にまで、一度にプラン請求ができます。マイホームの夢、土地活用の夢、そして相続税対策という家族の未来を、一気に解決できるプランを探してください。
4.賃貸併用マンションを経営する前の5つの注意点
賃貸併用マンションで土地活用をする方は、以下の5つに気を付けておくことで、賃貸経営がスムーズになります。その結果、マイホームでの暮らしも有意義なものになります。
1.希望するライフスタイルに沿った建物にする
2.エリア条件にあったプランを選ぶ
3.返済計画は慎重に考える
4.間取りや設計には工夫が必要
5.賃貸併用住宅に強いハウスメーカーや建築会社を探す
4-1.希望するライフスタイルに沿った建物にする
賃貸併用住宅のマンションは、家族以外の住人が敷地内に同居するための構造と間取り設計であるため、完成後は、普通のマイホームのような増改築をするのはむつかしくなります。そのため、土地活用スタート前の時点で、賃料収入を得る以外のゴールもハッキリさせておく必要があります。
たとえば、自分たちが高齢になったらケア付ホームへ移動する予定であれば、自宅も賃貸に出せるような構造に作っておきます。もともとの賃貸部分と合わせて、マイホームの分も収入になれば、老後資金対策は万全となります。将来、子世代と同居する予定であれば、途中から二世帯としても使えるような、可変性のある間取り構造にしておくこともできます。
ご家族のライフスタイルを含めた、わがままな要望もプランの段階から組み込んで、家づくりに反映させてください。そのためには、賃貸併用住宅の実績が多いハウスメーカーや建築会社にプラン請求をして、担当者に何でも相談ができるパートナー会社選びが必要です。
4-2.エリア条件にあったプランを選ぶ
賃貸経営は、周辺に賃貸ニーズがあってはじめて成立しますので、活用予定地の周辺に賃貸ニーズがない場合には、経営に苦労する可能性があります。また、賃貸ニーズにも、ファミリー向け・独身向け・テナント向けなどがありますので、賃貸併用住宅マンションで貸し出す物件は、ニーズに沿った内容にしておく必要があります。
さらに、この建物はご自宅も兼ねていますので、マイホームの環境として適しているのかも重要です。そこに何十年も住むことも想定したうえで、住環境・エリア環境・賃貸ニーズなどを、総合的に判断していく必要があります。
たくさんのプラン比較をすることによって、「やはり賃貸物件だけにした方が良い」「戸建ての賃貸併用の方がよさそうだ」など、新しい発見をすることもあります。プランを比較するためには、数多くのハウスメーカーや建築会社にプラン請求をして、数多くのプランを比較して、知見を広める必要があります。
4-3.返済計画は慎重に考える
賃貸併用住宅マンションのローンは、賃料収入が返済原資です。返済方法や計画は、家族構成・賃料設定・借入総額・経営状態によって変わります。たとえば、駅から近く、空室が発生しにくく、賃料設定が高い好条件なエリアに複数戸の賃貸物件があれば、マイホームとマンションの両方を、賃料収入だけで楽にローン返済が可能です。
たとえば、返済額を毎月30万円で設定した場合、家賃6万円の部屋を5室経営すれば、賃料収入は月額30万円、オーナーの持ち出しはゼロになります。しかし、返済原資が賃料収入であるということは、空室が発生すれば、その分はオーナーが負担する ことになります。
長期の返済期間の間には、様々なライフスタイルの変化、エリア環境の変化、社会情勢の変化があることを前提に、満室状態だけではなく、いくつもの返済シミュレーション計算をして、万が一の状態を想定しておく必要があります。どのような借り方をした場合でも、金利の高いローンから優先的に支払っていけば、ライフイベントや経営リスクに左右されずに、安定した支払いが続け られます。
マイホームと賃貸物件が同居している建物であるからこそ、借り方と支払い方には選択肢がありますが、経営リスクが重なれば、自宅も賃貸物件も両方失う可能性があります。無理のない長期返済をシミュレーションし、バランスの良い計画を立ててください。
4-4.間取りや設計には工夫が必要
賃貸併用住宅の設計の基本は、オーナー家族と入居者の生活動線を分けることです。たとえば、入居者用のエントランスと、家族用の玄関は逆方向に設置し、普段からお互いの視線が行きかわないように配慮するなどがあげられます。それ以外にも、生活音のする水回りの位置をまとめる、防音効果の高い建材を使うなど、さまざまな工夫が必要です。
特に、あまり規模の大きくない賃貸併用住宅のマンションには、間取りと設計に創意工夫が必要です。鉄筋コンクリート造などの頑健なつくりで、大型な賃貸併用マンションであれば、一棟の分譲マンションにオーナーズハウスがあるという位置づけになり、普通にマンションを建てるだけで、賃貸併用マンションとして成立します。
しかし、規模の大きくない賃貸併用マンションの場合、費用の観点から、鉄骨造または鉄骨×木造などの組み合わせになることが多く、生活音などが問題になりやすくなります。特に、水回りや足音などの生活音は、家族同士では気になりませんが、生活リズムの違う他人のものは、気になるものです。
どのような間取りにするのかは、土地条件・接面道路・家族構成・予算・経営計画・利用するローンによっても変わってきます。小中規模の賃貸併用マンションの場合、完成してから問題が起きると、賃貸経営に大きな影響が出る可能性がありますので、プランの段階から、賃貸併用住宅に実績のあるハウスメーカーや建築会社に相談し、適切な設計ができる会社を探しておく必要があります。
4-5.賃貸併用住宅に強いハウスメーカーや建築会社を探す
賃貸併用住宅は、ほぼ注文住宅と同じです。そのため、規模の大小に関係なく、賃貸併用住宅の経験則が多い会社は、多くはありません。賃貸併用住宅をマンションで作る場合は、大手ハウスメーカーや建築会社から選ぶようにしてください。
大手ハウスメーカーや建築会社では、賃貸併用住宅のパッケージ商品がいくつかあり、基本設計をもとに建材・人員などを確保しています。そのため、まったくのゼロから作るよりも、より効率良いプラン作成ができ、さらに、建築費も抑えることが可能です。
大手ならではの建築実績があるため、結果的に賃貸併用住宅の取り扱い件数も多く、経験値が高くなります。高度な技術を持つ建築士や設計士を社員として抱えることができるため、土地の条件を活かしたフレキシブルな設計提案・間取りプラン作成にも対応できます。賃貸併用住宅に強いメーカーに関してより多くの情報を知りたい方は、関連記事も参考にしてください。
まとめ
賃貸併用住宅をマンションで建てようとご検討中の方向けに、わかりやすくまとめました。賃貸併用住宅のマンションには、鉄骨造と鉄筋コンクリート造があり、建築費が抑えられるのは鉄骨造です。しかし、活用予定地の敷地面積や条件によっては、より戸数が取れる規模のマンションを作った方が、土地活用としては成功しやすくなることもあります。
まずは、ご所有の土地にどのような建物が建てられるのか、どのくらいの規模にすれば理想のマイホームと、土地活用が両立できるのかを、プランを請求して内容を比較してみてください。
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。