【賃貸併用住宅】最上階を自宅にするならチェックしておきたいメリット・デメリット
ご所有の土地に賃貸併用住宅としてアパートやマンションを建てると、オーナーはご自身のライフスタイル、土地条件、エリア条件に合わせ、建物内のどこかにご自宅を作ることができます。
今回は、賃貸併用住宅のパターンとして人気の高い、建物の最上階にご自宅を設けた場合の、メリットやデメリットなどをまとめました。
この記事の内容
1.最上階をオーナーの自宅にする7つのメリット
賃貸用アパートやマンションの最上階フロアは、オーナーの自宅として使うこともできます。
1つの建物の中に、賃貸部分とオーナーの自宅がある家を賃貸併用住宅と言いますが、物件数の多いアパートやマンションの場合でも、1つの建物の中に賃貸部分と自宅部分を作ることができます。
オーナーズフロア、オーナーズハウスなどとも呼ばれ、以下のような7つのメリットがあります。
- 希望した間取りに住める
- 当たりが良い
- 眺望が良く開放感がある
- 生活音が少なく静かに暮らせる
- 防犯性が高く安心感がある
- 虫が少なく快適に暮らせる
- 資産価値が高くなる
1-1.希望した間取りに住める
アパートやマンションを設計する際に、自宅部分をゼロから設計して作ります。
1つの建物に賃貸部分と自宅部分がある賃貸併用タイプの住宅は、土地条件によって建てられる建物が変わるため、注文住宅と同じです。
そのため、自宅となる部分には、オーナーとその家族が希望している、間取りやインテリアなどを盛り込んだご自宅造りが可能です。
1-2.日当たりが良い
アパートやマンションの高さが3階以上ある場合は、普通の戸建て住宅よりも高い位置にご自宅部分がありますので、日当たりの良い家になります。
隣接する建物がある場合でも、ある程度の距離があれば、日照の邪魔にはならないケースが多いと言えます。
東・南・西方面に窓を多く設置し、一日中、日の当たる家にするなど、設計の段階から、戸建住宅にはない、自由度の高い家づくりが可能です。
1-3.眺望が良く開放感がある
建物の最上階は、視界を遮るものが少ないため、窓からの眺めの良いご自宅になります。
隣接する建物との間に距離がある、または同じような高さの建物がない場合は、昼間の時間でもカーテンを開けたままで暮らせます。
また、外部からは室内がみえないことが多いので、プライバシー性も高く、戸建では経験のできない、解放感のあるライフスタイルが手に入ります。
窓がある方角によって、朝日や夕日、遠くに見える山や海、星空や街のイルミネーションなど、さまざまな景色を自分の庭のように楽しむことができます。
1-4.生活音が少なく静かに暮らせる
最上階ですから、上の階からの足音や生活音がなく、集合住宅で住民トラブルの原因となる、音の問題を気にしないで暮らせるようになります。
また、建物に面した道路からも距離があるため、大きな通りに面していても、車のクラクションや周辺の環境音も届きにくく、静かな暮らしが期待できます。
1-5.防犯性が高く安心感がある
政府の統計データによれば、空き巣を主とした侵入窃盗犯罪は、表面出入口(玄関やエントランス)か窓の利用が最も多く、基本的には開いている玄関や窓から侵入しています。
4階以上の建物であっても、侵入手口は玄関と窓であることには変わりがないのですが、最上階の場合、エントランスでのオートロック機能に加え、外壁などを利用した外部からの侵入は、空き巣にとってもハードルが高くなるため、低層階や戸建と比べると防犯性が高くなります。
【参照:空き巣や強盗から命と財産を守る 「住まいの防犯対策」】
1-6.虫が少なく快適に暮らせる
蚊・ハエなどの虫が自力で飛べる高さは10メートルくらいと言われていますので、3階建て以上のマンションやアパートの最上階であれば、虫が室内に入ってくる確率がかなり低くなります。
虫が来ないと、ベランダに干した洗濯物に虫がつく、網戸に虫が来る可能性が少なくなります。
夏に蚊に刺されるなどもなくなり、快適に過ごせるようになります。
1-7.資産価値が高くなる
最上階にあるオーナーズハウスは、間取りや設備が、一般戸建てに準じた丁寧なつくりになっている傾向があります。
さらに、日当たりの良さや眺望の良さなど、付加価値の高い住まいであるため、不動産としての価値が高くなります。
一般的に億ションと呼ばれるようなマンション最上階の部屋は、「ペントハウス」という特別仕様の住居であることが多く、売買・賃貸とも高額で取引されています。
このことから、不動産市場でも、最上階の部屋は価値が高い部屋であることがわかります。
個人のオーナーズハウスの場合、賃貸物件の中に自宅があるという位置づけになりますので、売却の際には投資物件のような高額値付けにはなりにくいのですが、自己所有をしたままであれば、含み資産としての資産価値は高くなります。
2.最上階をオーナーの自宅にする6つのデメリット
最上階をオーナーの自宅として利用した場合、賃貸マンションやアパートとして、どのようなデメリットがあるのかを、6つにまとめています。
- 家賃収入が減る
- 自然災害に弱い
- 熱効率が悪い
- エレベーターが必要
- 建築費・経費が高くなる
- 売却時の評価額が下がることがある
2-1.家賃収入が減る
前項のメリットで触れたように、最上階の部屋は、その建物の中で最高額を設定できる可能性のあるフロアです。
土地活用をする際には、その土地から最大の利益が発生するように注意を払う必要がありますが、最上階を自宅にしてしまうと、利益の最大化が難しくなります。
マンションやアパート経営での土地活用をお考えで、ご自宅も同じ建物内にとご検討中の方は、できるだけたくさんの建築プランを請求し、土地からの利益がどうしたら最大化できるのかを比較したうえで、オーナーとしての希望も加えた判断をしてください。
たとえば、最上階ではなく1階にしたときとくらべて、賃貸収入がどれほど変わるのかを、確認して比較したうえで「やはり最上階が良い」と思えれば、自宅に最上階がある前提で、賃貸部分の経営プランを考えていきます。
おひとりで考えるよりも、ハウスメーカーや建築会社の担当者と一緒に、プランを考える方がスムーズです。
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2-2.自然災害に弱い
高さのあるマンションの高層階部分は、低層階と比較すると、地震の揺れに反応しやすくなります。
マンションやアパートは不動産という性質上、地震と火事に弱いという特徴があり、煙や火が上の階に行く、エレベーター利用ができずに避難に時間がかかるなど、災害ダメージを受けやすいと言えます。
避難経路と避難はしごの確保など、建物の安全確保とは別に、自宅部分の防災対策を、プラスアルファで考えておく必要があります。
地震対策としては、建物の免震・耐震対策のある設計を採用し、さらに室内の耐震対策もしっかり行うことで、地震によるトラブルを最小にします。
そのうえで、建物の損害保険以外に、ご自宅用の損害保険にも加入しておきます。
2-3.熱効率が悪い
マンション全体で見たときに、最上階はすぐ上が屋上であるという構造から、他のフロアよりも熱伝導が早いため、冷暖房効率が悪い傾向があります。
特に、夏場は太陽が直接照り付けるため、エアコンをつけてもなかなか室内が冷えないことがあります。
マンションの中層階は、部屋の前後左右が他の物件や構造で囲まれているため、最上階よりも冷暖房とも保温効果が高いと言えます。
天井裏となる部分に十分な断熱材を使うことにより、熱効率の問題は回避できます。
最上階の部屋は大きな窓と吹き抜けなどで天井高を高くとれるのですが、熱の循環ができるようなシーリングファンを付けるなどの工夫も必要です。
建築プランの段階で、多くの会社に提案をしてもらえますので、良いと思えるアイデアを比較してみてください。
2-4.エレベーターが必要
建物の高さが31メートルを超える建物には、エレベーターの設置義務があります。
地上31メートルは、7階くらいからの建物の高さになりますので、建築予定のマンションが7階以上ある場合は、エレベーター設置は義務になります。
エレベーター設置は、建物の高さや予算にもよりますが、建築費にプラス数百万円という規模で費用が発生します。
最上階をご自宅にする場合、予算の関係から、賃貸部分は階段のみで、ご自宅へ直通するエレベーターのみを設置できます。
しかし、エレベーターがないことで入居者が決まりにくくなる可能性が高くなるため、実際には、3~4階建てのマンションであれば、エレベーター設置をした方が、経営効率は良くなります。
建築プランを比較して、どのような方法が最適なのかを探し出すようにしてください。
2-5.建築費・経費が高くなる
マンションやアパートの最上階にご自宅を作ることになりますので、マイホーム部分は賃貸仕様とは違った設備や建材になります。
その分、建設費は割高になりやすいと言えます。
マイホームとしての夢を詰め込み過ぎてしまうと、必要以上に予算がかかる可能性が出てきます。
賃貸併用のマンションやアパートは、どうしても「自宅部分のローンは、賃貸収入でカバーできる」と考えがちですが、賃貸経営としてしっかりと利益を追求するようにしてください。
プランや設計の段階から、自宅と賃貸部分は別のものであり、賃貸経営でしっかりと黒字化を目指せる経営計画が必要です。
建築プランには、経営シミュレーションとして、賃料設定や返済計画がまとめられていますので、複数のプランを参考にしてください。
最上階にご自宅があるとしても、あくまで土地活用であることを忘れないようにしてください。
2-6.売却時の評価額が下がることがある
将来、ご所有の土地建物を売却する予定がある方は、売却時の不動産評価額が下がる可能性があることを、頭に入れておいてください。
評価額が下がる理由は、投資物件の中にマイホームがあるためです。
オーナーがこだわって作ったマイホームは、投資家から見ると、経営効率の悪い部屋になります。
売却するときには経年もしているため、広くて家賃が高いために借り手の付きにくい物件に、さらにリフォーム費用が発生しますので、投資先としては購入の優先順位が下がります。
売却も視野に入れている場合は、はじめから全室を賃貸物件にしておくプランもあわせて、比較検討してください。
最上階を自宅にした、マンションやアパートの賃貸併用住宅は、普通の賃貸物件とは構造が違うため、プランや設計の段階から考慮しておくべき点が多い建物です。
そのため、賃貸併用住宅建築に実績のある建築会社を選び、自宅部分、賃貸部分のどちらにも満足できる建物を建ててもらう必要があります。
NTTデータグループが運営する日本で最老舗の不動産情報サイト「HOME4U 土地活用」は、一度の入力で、最大10社にまでプラン請求ができますので、たくさんの企業の個性ある賃貸併用住宅プランも、一般的な賃貸アパートやマンションのプランも、じっくりと比較できます。
3.自宅の位置で変わるオーナーのライフスタイル4タイプ
ここまでは、建物の最上階にご自宅を作る前提で説明をしてきましたが、実は、賃貸併用住宅でオーナーのご自宅にできる場所は、建物内のどこでも自由に選べます。
賃貸併用住宅では、自宅部分が建物全体の50%以上あれば、ご自宅部分には金利も低く、返済年数にも余裕のある住宅ローンが使えます。(賃貸部分にはアパートローンの適用)
建物の半分をご自宅にすることを前提にしていると、土地条件やエリア条件によって、建物のどの部分を自宅として使うのが最善なのかも見えてきます。
本章では、4つのオーナーズハウス、オーナーズフロアの可能性を探ってみました。
- 最上階を使う
- 1階部分を使う
- 賃貸部分と並びにする
- それ以外の階を使う
3-1.最上階を使う
- 【階下が賃貸で最上階を住宅にする】
建物の最上階にご自宅を作り、自宅より下の階で賃貸経営をします。
ご自宅が最上階であるため、日当たりと眺めがよいマイホームになります。
最上階ですので、天井高を通常よりも高くとることもでき、解放感のある間取りが期待できます。
屋上部分を緑化すると断熱効果が期待できるうえに、専用庭としても使えます。
また、最上階の下の階の一部を利用すれば、一軒家っぽさのある、メゾネットタイプのオーナーズハウスも可能です。
建物を建てる土地条件を十分に考慮してください。
周辺に高層の建物が多い場合や、マンション同士が隣り合ってしまうほど近い場合には、最上階であっても、戸建と同じように周囲からの視線が入る普通の住居となります。
また、小さなお子さんや高齢の方がいるご家庭では、屋上部分には高い柵を用意する、自宅直通エレベーターを設置するなど、環境と生活面での安全確保が必要です。
3-2. 1階部分を使う
1階を自宅にして、それより上の階すべてを賃貸住宅として使います。
1階が自宅ですので、オーナーのライフスタイルは平屋の戸建てと同じになります。
または、2階の一部を使ってメゾネットにする、空いているエリアを駐車場や専用庭にするなど、戸建と似た生活ができます。
ご家族に高齢者がいる場合や、小さなお子さんがいる場合には、安全性の高い自宅となります。
一般的に賃貸物件の1階部分は空室が出やすい傾向があるため、賃貸経営の空室リスク対策としても有効です。
日当たりに関しては、平屋の戸建てと同じくらいと想定します。
また、眺望も期待できません。周辺の建物の高さや、エリア環境も考慮したうえで検討してください。
1階はご自宅にする以外にも、テナント貸も考慮にいれたプランを請求し、賃貸経営の綿密な戦略を立てるようにしてください。
3-3.賃貸部分と並びにする
自宅部分と賃貸部分を横に並べ、左右に分けてしまう方法です。
見た目は建物が1軒ですが、内部が分かれています。
土地面積によっては、自宅部分が縦に細長い家になる可能性があり、間取りも一般的な戸建てとは変わります。
出入口も生活空間も完全に分かれていますので、入居者にとっては普通のアパートやマンションと同じになり、空室リスクの回避につながります。
1つの建物の内部が左右に分かれた作りになっていますので、設計の段階で賃貸部分との行き来ができるような構造にしておくと、将来、二世帯住宅としても使えるようになります。
賃貸棟・住居棟で分かれるので上下階の音の心配はありませんが、ご自宅の壁の隣が賃貸物件になりますので、横方向への防音対策が必要です。
3-4.それ以外の階を使う
最上階と1階以外の、途中の階を自宅として使う方法です。
例えば、6階建ての2階部分だけをワンフロア使う、などです。
基本的な考え方は最上階や1階と同じですが、上下階に賃貸物件があるため、同じ建物の住人として、生活面での配慮が必要です。
オーナーズフロアとして、どこの階を使っても問題はありませんが、入居者の視点で考えると、最低でもエントランス(玄関)は反対側に設置するなどの配慮が必要です。
また、ご自宅ではありますが、賃貸住宅に挟まれた家として、お互いの生活音への配慮が必要になりますので、防音対策を十分にする必要があります。
プラン請求の段階で、オーナーズフロアを作る予定であることを伝え、建築プランを数多く比較していくことで、最善の判断ができるようになります。
4.最上階を自宅にするならば知っておくべき10ポイント
ご所有の土地にアパートやマンション建築をし、最上階にご自宅を作ることをご検討中の方は、次の10ポイントを知っておくと、より良い土地活用につながります。
- 一定条件をクリアすれば住宅ローンが使える
- 家賃収入でローン返済ができる
- オーナーは原則として投資用物件に住めない
- 入居者との動線を考えた設計が必要
- エレベーター設置に注意
- 設計の際には利回りも考慮する
- 節税効果が薄くなる可能性がある>
- 他の土地活用プランとも比較をする
- 賃貸併用住宅に強い会社を選ぶ
- なるべく数多くのプランを比較する
4-1.一定条件をクリアすれば住宅ローンが使える
アパートやマンション建物の中にご自宅を作る場合、建物の延べ床面積の50%以上が自宅であり、さらに自宅部分が50平米以上あれば、自宅部分には住宅ローンが使えます。
また、住宅ローン控除などの、一般的なマイホーム取得に関した制度も利用できます。
たとえば、延べ床面積が400平米の建物であれば、自宅部分は50平米~200平米ほどの広さで自由に設計できます。
ご自宅部分には住宅ローン、賃貸部分にはアパートローンと使い分ければ、建物全体での金利を低く抑えることができます。
ただし、ご自宅部分が50平米分あっても、建物全体の半分以下の延床面積になると住宅ローンの適用はできず、建物全体をアパートローンで建てることになります。
特に、活用予定地の敷地面積が大きいケースや、高層の建物を建てる場合には注意が必要です。
※金融機関の判断によるので、複数の銀行に事前に相談をしてください。
4-2.家賃収入でローン返済ができる
賃貸併用住宅は、賃貸部分からの収入でローン返済ができますので、とてもカンタンに言えば「ローンは入居者が支払ってくれる」タイプのマイホーム購入です。
もちろん、賃貸部分のローンも賃料収入から支払いますので、アパートローンも、住宅ローンも、賃料収入から返済できます。
ただし、これらは「賃貸経営が順調であれば」という前提の話ですので、アパートやマンション部分に空室リスクが発生すると、返済に影響が出る可能性があります。
ご自宅部分を含めた賃貸経営の土地活用をご検討の際は、先に、エリアにマンションやアパートとしての賃貸ニーズがあるかを、十分に確認しておく必要があります。
4-3.オーナーは原則として投資用物件に住めない
アパートやマンションを建て、そこにご自宅用の部屋を作らなかった場合は、投資用物件になります。
原則として、投資用物件に、オーナーが住むことはできません。
金融機関は、賃貸経営をすることを前提にお金を貸すので、収入が発生するはずの部屋にオーナーが住むことで、経営計画に支障が出ると判断するためです。
ただし、金融機関側が「他の入居者と同様に料金を支払えばよい」と許可をすれば、住めることもあります。
土地条件や借り入れ条件などを考慮し、金融機関の担当者が個別に判断するので、ローン申請をする前の段階で、そのような前例があるかを確認しておく必要があります。
4-4.入居者との動線を考えた設計が必要
建物を建てる際には、自宅部分と賃貸部分のアプローチや入口が別々になるようにしてください。
こうすることで、オーナーと入居者が顔を合わせる機会が極端に減り、お互いにプライバシーが守られやすくなり、生活ストレスも少なくなります。
1つの建物の入り口を分けるなどは、普通の戸建てや賃貸建物には必要がない設計ですので、賃貸併用住宅の施工実績が多いハウスメーカーや建築会社を探しておく必要があります。
たくさんの会社にプラン請求をして、数多くの建築プランを比較することで、入居者とオーナーの双方にとって暮らしやすい賃貸併用住宅の在り方が、つかめるようになっていきます。
4-5.エレベーター設置に注意
エレベーター利用は、建築プラン選びの段階で商用か家庭用かを決めてしまう必要があります。
特に、頑張れば階段利用で自室まで行ける3~5階の中小規模の建造物の場合、費用の問題から、ご自宅部分にのみ家庭用エレベーターを設置し、ご家族だけで利用するケースがあります。(この場合、1~4階が賃貸部分)
家庭用エレベーターは業務利用ができないため、将来的に、建物全体でエレベーター利用ができるようにしたい場合は、エレベーター設備をすべて取り換える必要があり、莫大な費用が発生します。
一般的な傾向として、2階建て以上の建物でエレベーターがない物件は、空室リスクが高くなります。
最上階のご自宅に行くためにエレベーター設置をご検討の場合は、はじめから入居者も使える商用エレベーターを設置する方が、経営リスクも回避しやすくなります。
賃料設定を含めた費用計算が必要ですので、プラン比較をしたときに、ハウスメーカーや建築会社の担当者に相談をしてください。
4-6.設計の際には利回りも考慮する
最上階にご自宅があるので、オーナーはどうしても「マイホーム作り」をしている感覚がありますが、賃貸併用住宅は土地活用です。
そのため、ご自宅部分にお金がかかると、建物全体の利回りは悪くなってしまいます。
借り入れでは、自宅部分は住宅ローン、賃貸部分はアパートローンと、二つのローンを組んではいますが、返済をする責任者はオーナーおひとりであることに注意が必要です。
ご自宅と賃貸物件では、コストのかけ方も違いますので、あまり凝ったマイホームにしてしまうことによって、総工費が大きくなる可能性があります。
オーナーと家族の意向は反映しつつも、適度なコストダウンも必要です。
上手にファミリーの意見を反映できる、優れた設計士のいるハウスメーカーや建築会社を探すようにしてください。
4-7.節税効果が薄くなる可能性がある
賃貸併用住宅は、一つの建物に自宅と賃貸物件が同居しています。相続が発生すると、どちらにも「小規模宅地の特例」が適用されます。
自宅部分は特定居住用宅地等として、一定の相続人(配偶者や同居親族など)が取得すれば特例の対象になりますので、土地の評価額を80%減額できます。
賃貸部分は貸付事業用宅地等として特例対象になり、土地の評価額を50%減額できます。
しかし、両方の特例を使う場合には延床面積に上限があり、上限を超えた部分は100%課税になります。
相続税対策でのアパートマンション建築は、建築費をマイナスの資産として相続財産を減らすことが大きな目的ですが、総工費・地価・建物の大きさや、相続発生時の経営状態によっては、期待している節税効果が得られない可能性もあります。
節税対策としての賃貸併用住宅をご検討の際には、必ず、投資用・賃貸併用・二世帯・マイホーム+戸建賃貸などすべてのプラン請求し、一つ一つの節税効果を比較してから判断してください。
ある程度絞り込んだ時点で、税理士・弁護士にも相談に行き、実際の相続発生に備えてください。
4-8.他の土地活用プランとも比較をする
賃貸併用住宅の賃貸部分は、エリアニーズにあった物件つくりをしないと、最上階に住みながら、アパートマンション経営に四苦八苦する可能性があります。
たとえば、エリアとして貸しビルや駐車場経営の方が適した場所であった場合は、ワンルーム賃貸を経営しても、空室リスクが高くなります。
かならず、先にエリアマーケティングで、需要のある賃貸方法が何かを確認し、需要のある物件を作るようにしてください。
これらはおひとりで頑張るよりも、ハウスメーカーや建築会社のような、土地活用と賃貸経営のプロに相談しながら進めていく方が、より良い結果につながりやすくなります。
4-9.賃貸併用住宅に強い会社を選ぶ
賃貸併用住宅の施工実績が多い、ハウスメーカーや建築会社を選んでください。
アパートやマンションの最上階を自宅にするなどの賃貸併用住宅は、基本的に注文住宅と同じ扱いになります。
そのため、設計のちからが建物の出来と、ご自宅の住み心地に大きく影響します。
とくに、マイホーム部分には施主であるオーナーの意向を反映しなければなりませんので、高い設計力と、施工技術が必要です。
ハウスメーカーごとに特徴がありますので、賃貸部分と合わせて、納得のいく家づくりができるよう、たくさんの候補の中から良いと思える会社を選びだすようにしてください。
4-10.なるべく数多くのプランを比較する
最上階をご自宅にして住む、賃貸併用住宅を建てる場合は、なるべく数多くのプランを請求し、たくさんの候補の中から絞り込むようにして、最良のプランを見つけてください。
1つひとつのプランには、各企業の個性や特徴が盛り込まれており、たくさんのプランに目を通すことで、見る目が養われます。
NTTデータグループが運営する「HOME4U土地活用」では、一回に入力で最大10社にまで一度にプラン請求ができます。
気になるプランがあれば、かならず無料現地調査に来てもらうことで、より具体的な家づくりをしやすくなります。
また、マイホーム部分のこだわりや、家族の希望なども、担当者が直接話を聞くことで設計にも反映されやすくなります。
住み心地の良い自宅部分と、長期にわたって良好な賃貸経営の両方を実現させるためには、たくさんのプランを比較することで、よりスムーズになります。
最上階以外にも、1階や並びで作るなど、建築プランを通じて、家づくりのさまざまな可能性を探ることで、見る目が養われていきます。
賃貸併用住宅は、資金面においても、アパートローンと住宅ローンの2つを使い分けできますので、建物全体で見ると金利も低くすることが可能です。
まずは、たくさんのプラン請求をして、どのような設計ができるのかを確認するところから初めてみてください。
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。