二世帯住宅を賃貸併用化させて土地活用で成功するための7つのポイント

土地活用をする際、当面は親子で二世帯住宅にして住んでおき、将来的に、どちらかの世帯が空いたら、そこを賃貸住宅として貸し出せたら良いのだが、とお考えでしょうか。二世帯住宅は、最初に建築構造と間取りに気を付ければ、将来的に賃貸併用住宅にして賃料収入を得ることはできます。今回は、二世帯住宅を賃貸併用化したいとお考えのオーナー向けに、このような土地活用方法の特徴をまとめました。
二世帯住宅と賃貸併用住宅の違い
二世帯住宅とは、同じ敷地内で一緒に暮らしながらも、1世帯ごとに玄関・キッチン・トイレなどがあり、それぞれの世帯で独立した生活ができる構造の家のことです。親子世帯で住むことが多いのですが、居住者に法的なきまりはありません。また二世帯住宅は、建築基準法上では長屋の扱いになります。
親子などの家族で暮らす場合は、2つの世帯を区切るための内ドアなどがあり、鍵を開けておけば、家族がお互いに行き来できる構造になっていますが、これもつけることが義務ではありません。
賃貸併用住宅は、同じ敷地内に他人同士が住むのが前提の家です。物件ごとの区切りがあるのはもちろん、お互いの居室を行き来できるためのドアなどはありません。建築基準法上、賃貸併用住宅は共同住宅となり、自宅部分以外は、アパートやマンションと同じ扱いになります。
そのため、二世帯住宅を建てて、将来的には空いた方の部屋を賃貸に出す予定の場合は、同じ敷地内に他人が住むことを想定した、間取りやサイズなどを考えておく必要があります。
二世帯住宅は敷地と土地条件に合った特徴的な間取り・建築物になる可能性が高くなります。土地活用で二世帯住宅を建て、将来、賃貸併用住宅としても使いたいとご検討中の方は、二世帯住宅や賃貸併用住宅に実績のあるプランつくりができるハウスメーカーや建築会社を見つけるようにしてください。
NTTデータグループの運営する「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求であれば、一度の入力で最大10社へのプラン請求が可能です。入力時に、活用予定地のエリアと広さを入力すれば、その土地条件に合った建築プランが入手でき、二世帯住宅・賃貸併用住宅作りの、頼もしいパートナーが見つかります。
二世帯住宅を賃貸併用タイプで建てる5メリット
はじめに二世帯のスタイルで建築し、あとで空いたお部屋を賃貸に出す予定をして建てると、同じ土地活用をするのでも、以下のようなメリットがうまれます。
1.ローンの返済負担が軽くなる 2.副収入が発生する 3.建築時の選択肢が増える 4.ライフスタイルの変化に対応しやすい 5.相続税対策になる |
ローンの返済負担が軽くなる
二世帯住宅は「住宅」ですので、土地活用スタート時には100%住宅ローンが使えます。ローンは、親子リレー・親子ペア・親子のどちらかが全負担するタイプの3種類から選べます。子世代が負担する場合には、団体信用生命保険(団信)がかけられますので、万が一のことがあった際にも安心です。
ローン返済中でも、空いた1世帯分を賃貸に出す場合には、建物全体の50%分(2世帯のうちの1世帯分)までは住宅ローンが適用できますので、金利の低い部分を大きく残しながら、二世帯→賃貸併用へとシフトすることも可能です。
副収入が発生する
二世帯のうちの1世帯が空いたとき、賃貸併用として使える仕様にしてあると、その部分を賃貸住宅として貸し出すことができるため、賃料収入が得られます。ローン返済中であれば、賃料収入から返済ができますし、完済していれば経費を差し引いた分が副収入になります。
2-3.建築時の選択肢が増える
賃貸併用化することを前提にしておくと、プラン作成の際に、さまざまな選択肢が出てきます。二世帯をどのように区切ればあとで使いやすいのか、敷地にとって最適な間取りは何なのかなど、比較検討するべきことがたくさんでてきます。
二世帯住宅を将来的に賃貸化する場合、その物件は賃貸物件として魅力的である必要がありますので、自宅だけを建てるのとは違った視点での、お部屋づくりやデザインが必要になります。選ぶべきことが普通の土地活用よりも増えますが、慎重に検討すれば、普通の住宅としても賃貸物件としても、最善のものが出来上がります。
賃貸併用化を意識しないままで二世帯住宅を建ててしまうと、人に貸すための物件にカスタマイズするために、あとから大きなお金がかかる可能性もありますので、注意してください。選択肢が多い分、プラン提案の上手なハウスメーカーや建築会社を探すことで、最適なプランを見つけやすくなります。
2-4.ライフスタイルの変化に対応しやすい
二世帯が同じ場所に住んでいると、子世帯が独立や転勤で別の場所に住む、親世帯が介護施設に入るなど、将来的にどちらかが住み替えを検討する可能性があります。
賃貸併用化できない普通の二世帯の構造にしてしまうと、空いた方の住居を有効活用できず、単に留守中の家、または空き家という形で所有し続ける必要があります。ローンが終わっていない場合は、その間にも返済は続きますので、返済負担が重くなります。
土地活用を検討する段階から、二世帯を賃貸化できるように考えておけば、ライフスタイルの変化に柔軟に対応でき、無駄な空きスペースが発生しません。
2-5.相続税対策になる
相続発生時に、二世帯住宅を賃貸併用として使っていた場合、賃貸部分は貸家建付け地として、土地建物の評価額が時価よりも低く評価されます。また小規模宅地の特例も適用されますので、住宅部分には特定居住用宅地等として80%減額、賃貸部分には貸付事業用地とし50%までの減額が適用されます。
相続発生時の居住状態によって適用できる制度が変わりますので、相続税対策としての土地活用をお考えの方は、スタート前の段階で税理士などの専門家にも相談をするようにしてください。
3.二世帯住宅を賃貸併用型にする5デメリットと事前対策
二世帯住宅を賃貸併用にすることを想定して土地活用をはじめることの、デメリットとその事前対策方法をまとめました。多くのデメリットの要因は、1章で説明をした、二世帯住宅と賃貸併用住宅が、住居として本質的に違う点にあります。
1.プライバシーの問題が発生しやすい 2.建築費が高くなる 3.登記方法に注意が必要 4.賃貸化のタイミングに注意が必要 5.二世帯+賃貸併用に対応できる建築会社は少ない |
3-1.プライバシーの問題が発生しやすい
二世帯住宅はそもそも、親子などの家族同士が、世帯だけを分けて1つの敷地内に住むための方法です。どのような間取りであっても、基本的には家族が暮らすという想定で作られるため、いかにファミリーとして一体感をもって暮らせるかを前提にしてあります。
しかし、賃貸併用住宅は、同じ敷地内に他人が住むことを想定 した家です。そのため、二世帯住宅を賃貸併用住宅にする時には、プライバシーの問題が起きやすくなります。
対応策:はじめから間取りをプライバシー重視にする
将来的に、二世帯住宅を賃貸併用住宅にするのであれば、最初からプライバシー重視できる間取りや構造にしておく必要があります。一般的に、他人同士が住む賃貸併用住宅では、玄関の出入り口を真逆の方向に設置するなどで、普段の生活で不必要に顔を合わせる機会を、極力減らすように配慮をしています。
二世帯住宅では、玄関は左右上下などで同じ方向に設置されることが多いので、設計の段階で十分に考えておく必要があります。たとえば、オーナーが敷地内の1階2階、または建物の右左のどこに住むかによって、玄関の位置や壁・床の位置が変わります。
敷地の形や接面道路の向きや広さによって、適した間取りというものがありますので、プランの段階で良いアイデアを出してくれる、ハウスメーカーや設計士の存在が重要になります。
3-2.建築費が高くなる
普通の一軒家には1世帯が入るので、玄関・キッチン・風呂などは1つしかありません。しかし、二世帯住宅には何でも二世帯分必要になるため、これだけでも建築費が高くなります。二世帯住宅はお互いの生活を独立させながら、行き来しやすい家として、双方の家に通じる廊下や内扉が設置されていることがあり、これも普通の家にはないものです。
二世帯住宅をさらに、賃貸併用として使うためには、人に貸すことを想定したプライバシー性の高い住居にする必要があります。防音性の高い床や壁、賃貸物件として魅力のある間取りや外観デザインなど、家族だけが住まう家であれば不要な建材や設計も必要になります。その分、建築費や設計費用がプラスになることがあります。
対策:注文住宅に強いハウスメーカーを探す
活用予定地や道路幅などによって、適した構造・間取り・方向などが違いますので、二世帯住宅も賃貸併用住宅も、基本は注文住宅であることを前提にプラン比較をしてください。大手ハウスメーカーの場合は、二世帯・賃貸併用ともに、ある程度までのパッケージプランがありますので、そのプランをベースにカスタマイズすることになります。パッケージ商品になっているものは、ゼロから作る注文住宅よりは割安になる傾向があります。
3-3.登記方法に注意が必要
住宅を建てたときには、所有権登記をします。二世帯住宅には、単独登記・共有登記・区分登記の3つの登記方法があります。
・単独登記 二世帯住宅を一戸の住宅として考え、親子のどちらかの名義で登記を行う ・共有登記 二世帯住宅を一戸の住宅として考えた上で、親子で共有しているとして登記を行う ・区分登記 二世帯住宅を完全に別戸として考え、それぞれの名義で登記を行う方法 |
登記方法は自由に選べますが、将来、賃貸併用にする場合は、二世帯が完全に独立している方が賃貸物件にしやすいため、区分登記が適しています。
区分登記は2世帯分をそれぞれ登記しますので、登記手数料などの費用は2倍になりますが、親子それぞれが住宅ローン控除・固定資産税・不動産所得税の軽減措置が使え、大きな節税効果が期待できます。しかし、相続を検討している場合は、注意が必要です。
対策:相続税対策で土地活用をする場合は区分に注意
相続税対策として二世帯住宅で土地活用をする場合は、小規模宅地の特例に注意してください。小規模宅地の特例は、被相続人が住んでいた330平米以下の住宅は、相続税課税対象額の80%が減額されるという制度です。
区分登記をすると、二世帯住宅のそれぞれを全く別の1戸ととらえるため、子世帯の家がある土地(相続をする親の土地)に、小規模宅地の特例が適用できません。
80%減額はかなり強力な減税ですので、相続税対策として二世帯住宅を建てるのであれば、この点はおさえておく必要があります。相続も視野に入れた上で税理士に相談し、どの方法で登記を行うべきかを確認してください。
3-4.賃貸化のタイミングに注意が必要
二世帯住宅を途中から賃貸化するときには、タイミングに注意をしてください。二世帯住宅のローンは住宅ローンですが、住宅ローンの多くは、人に貸し出すための事業用の住宅には使えません。
ローン返済中に賃貸併用化するときには、完済しているか、利用中のローンが事業用(不動産投資・アパート経営)などにも使えるローン商品である必要があります。
対策:賃貸併用住宅に使える住宅ローンを探す
土地活用を検討する段階で、賃貸併用住宅にすることを想定している場合は、複数の金融機関に、将来的に賃貸併用住宅として賃貸経営をする予定があることを、事前に相談してください。ローン商品には、住宅にしか使えない一般的な住宅ローンと、事業用にも使えるローンがあります。
賃貸併用住宅の場合、建物の延床面積の50%以上を自宅として利用するのであれば、自宅部分には住宅ローンが使えます。そのため、賃貸併用住宅にも使える住宅ローン商品を選んでおけば、二世帯住宅で自宅として使っているときも、将来的に賃貸併用にするときも、同じ住宅ローンを利用し続けることができます。
ローン規約に「賃貸併用住宅の利用不可」がある場合は、途中から賃貸経営をすると規約違反になってしまうため、自宅部分にはそのまま住宅ローンを、賃貸部分に事業用ローンを組みなおす必要があります。
3-5. 二世帯+賃貸併用に対応できる建築会社は少ない
二世帯住宅、賃貸併用住宅ともに、敷地面積・土地条件・家族構成・経営方法などを含めてプラン作成をする必要があるため、基本的には注文建築と同じです。どちらもひとつの敷地内に2つ以上の世帯が住む構造が必要であり、その条件の中で快適に生活できるためのさまざまな知識と情報が必要です。
このような経験がある建築会社は多くはなく、さらに経験値となるほどの数を建てている会社は、ほとんどありません。結果的に、総合的な建築件数が多い大手ハウスメーカーにデータが集中することになります。大手ハウスメーカーには、二世帯住宅・賃貸併用住宅ともにパッケージ化された商品もそろっており、高額な設計料がかからない状態でのプラン設計が可能です。
対策:大手ハウスメーカーにプラン請求をする
二世帯住宅は敷地と土地条件に合った特徴的な間取り・建築物になるため、ほぼ注文住宅と同じです。土地活用で二世帯住宅を建て、将来、賃貸併用住宅としても使いたいとご検討中の方は、まずは、二世帯住宅や賃貸併用住宅のプランつくりに、信頼と実績のあるハウスメーカーを見つけるようにしてください。
NTTデータグループの運営する「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求であれば、一度の入力で最大10社へのプラン請求が可能です。入力時に、活用予定地のエリアと広さを入力すれば、土地条件に合った建築プランが入手できます。備考欄に賃貸併用住宅にできる二世帯を検討中であることをご記入いただければ、その内容に沿ったプラン作成をしてもらえます。
4.二世帯住宅の賃貸併用化を成功させる7ポイント
二世帯住宅を、将来的に賃貸併用住宅にさせる前提での土地活用をする場合は、以下の7ポイントを意識しておくようにしてください。賃貸併用にするタイミングはオーナーによって違いますが、以下のポイントを押さえることによって、二世帯住宅としての快適な生活と、賃貸併用にした後の賃貸経営が成功しやすくなります。
1. 賃貸に出す前提で間取りや外観を考える 2. 建てるなら別棟または分離二世帯タイプ 3. メーターや配管はすべて別にしておく 4. 防音対策は普通の家より強くしておく 5. メンテナンス費がかからない設計を選ぶ 6. 耐震等級は築年劣化を想定して選ぶ 7. 長期保証があるハウスメーカーから選ぶ |
4-1.賃貸に出す前提で間取りや外観を考える
二世帯住宅の間取りや外観などのプランを選ぶときには、賃貸併用住宅をする前提のプランを探してください。賃貸に出すとは、人に貸して賃料を頂くということですから、人が借りたいと思うような間取りやデザインが必要です。
たとえば、二世帯のうちの1つを賃貸化するとしても、外観や部屋が「いかにも元が二世帯住宅」というようなつくりでは、借り手も付きにくく、安定した賃貸経営はのぞめません。自分たちが二世帯として住むときにも住みやすく、賃貸住宅としても価値がある間取りや外観デザインを考える必要があります。
また、賃貸を選ぶ入居者は「利便性」を重要視します。駅歩がある場合は、敷地内に駐車場スペースを確保し、賃貸化したときにはカーシェアや自転車シェアができるようにしておくなど、借りる人がいる想定でのさまざまなアイデアが必要です。
建築会社との綿密な打ち合わせも大切ですが、それより大事なのは、適切な設計とプラン作成ができる、経験豊富な会社を探し出すことです。将来的に賃貸化することがわかっているのですから、手を加えやすい、変更がしやすい構造設計が選べるハウスメーカーを探す必要があります。
4-2.建てるなら別棟または分離二世帯タイプ
二世帯住宅には以下のように3タイプあり、賃貸併用に向いているのは、生活が完全に分離できるタイプの構造です。
完全共有タイプ |
寝室以外の部屋をファミリーで全共有する構造。大きな一軒家タイプ |
---|---|
一部共有タイプ |
二世帯でリビング・風呂などを共有し、それ以外は各世帯で生活するタイプ |
完全分離タイプ |
世帯が完全に分かれて、1つの敷地に2つの家があるタイプ |
さらに、完全分離タイプは、次のような世帯の分け方ができます。
上下 |
1階2階で仕切られるが、室内に共有廊下や階段がないため、1階は平屋感覚で暮らせる。 |
---|---|
左右 |
2階建ての家が、ふたつ並んで建っている状態。一軒家っぽさのある二世帯生活が送れる。 |
上下で分かれるタイプは、親世帯が1階に住み、子世帯が2階に住む傾向があります。将来は1階2階のどちらかが賃貸に出されます。床の防音を強くしないと、賃貸に出した時に、足音などの騒音問題が起きる可能性があります。
左右で分かれるタイプは、真ん中の壁部分に防音対策をしないと、二世帯住宅のときからお互いの生活音に悩まされる可能性があります。また、親世帯が高齢化すると、階段の上り下りができなくなり、二階部分がまったく使えなくなることがあります。
4-3.メーターや配管はすべて別にしておく
二世帯住宅を、賃貸併用住宅として使うようになると、水道・ガス・電気などのライフラインを、自宅用と賃貸用に完全に分ける必要があります。一緒のままだと使用料の区別ができないためです。
メーターを新規につけるためには、配管も必要になるため、もともと分けて設置をしていないと、賃貸併用で貸し出すときに、新規設置のための工事費用が発生します。
特に、賃貸に出す部屋を、元の1世帯からさらに分割してワンルーム2~3物件にするなどの場合、建物を建てる段階で配管を引いていないと、工事が大掛かりになることがあります。プランの段階で賃貸に出すことを想定してあれば、あとになって、使わなくなっても問題にはなりません。
4-4.防音対策は普通の家より強くしておく
二世帯住宅と賃貸併用住宅のつくりでは、賃貸物件がある賃貸併用住宅の方が、防音性が高くなります。二世帯住宅として暮らしている分には、世帯が分かれていても家族ですので、足音や話し声、排水音などは、お互いにそこまで気にしない可能性が高いと言えます。
ところが、他人に部屋を貸すと、とたんに生活音が気になるようになります。建築基準法でも、家族で暮らす家と、賃貸併用住宅のような共同住宅とでは、騒音対策の基準値が違います。例えば、鉄筋コンクリート造マンション場合、以下のような基準があります。
|
道路など外からの不規則な騒音 |
別室からの騒音 |
---|---|---|
昼間 55デシベル以下 |
大きく聞こえ、少しうるさい |
非常に大きく聞こえうるさい |
夜間 45デシベル以下 |
聞こえるがほとんど気にならない |
大きく聞こえ気になる |
【参照:環境省 騒音に係る環境基準について】
上記のデシベル数は、騒音のレベルでいうと「普通」に該当します。将来、賃貸物件化するのであれば、最低でも、集合住宅の騒音基準レベルにした騒音対策をしておく必要があります。
4-5.耐震等級は築年劣化したときを想定する
建築予算にもよりますが、耐震等級は良いものを選ぶようにしてください。耐震等級を決める建築基準法は1950年に制定され、その後、1971・1981・2000年と改正されており、50年の間に4度も耐震等級の内容変更がされました。
住宅には法定耐用年数という、国が定めた使用期間めやすがあり、木造22年、鉄筋コンクリート造で47年です。どちらも長期間ですので、住んでから併用住宅として貸し出すまでの間には、建物は劣化しますし、さらに法改正される可能性もあります。
さらに、東日本大震災などのような想定外の大きさの地震が起きると、そのときの被害状況をベースにして、人々の耐震等級に対する意識が変わる可能性もあります。現在、耐震等級は3段階あり、一般戸建てに適用されることが多い等級1は「100年に一度程度発生する地震でも、倒壊・崩壊しない程度の耐震性」です。
これだけでも十分耐震性が高いと言えますが、等級2は、等級1の1.25倍の強さで、学校や病院などの耐震性能です。実際の二世帯や賃貸併用住宅に、学校や病院と同じレベルの性能は必要ありませんが、少しでも安全性の高いものにする、その他の住宅性能を付加するなどすれば、将来の変化にも柔軟に対応できます。
耐震等級を含んだ住宅性能は、住宅性能評価書やマークなどによって公的に表示されますので、性能の良い二世帯住宅は、将来的には性能の良い賃貸併用住宅になります。
【参照:国土交通省 住宅性能表示制度 かんたんガイド】
4-6.メンテナンス費がかからないプランを選ぶ
どのような不動産でも、必ず経年劣化します。特に一年中、直射日光と雨風にさらされている屋根や外壁は、他の部分よりも早く傷むため、定期メンテナンスが必要です。外観の汚れは賃貸併用物件としての印象も悪くなり、入居者獲得にも影響する可能性があります。
外壁がパネル式で亀裂などがある場合は交換が必要になりますし、塗装をしてある場合は塗り替えが必要です。放置しておけば、雨水のしみ込みによって躯体にカビやシロアリなどの影響が出る場合もあります。費用を抑えるためには、プラン作成の段階で、メンテナンスのことを想定した建材を提案できる建築会社かハウスメーカーを選ぶようにしてください。
4-7.長期保証があるハウスメーカーから選ぶ
二世帯住宅を賃貸併用にしたお部屋に住もうとする方は、中古物件を探している方ですので、築年と家屋の保証内容もチェックする傾向があります。そのため、二世帯を建てる時に、長期保証があるハウスメーカーを選んでおくと、数十年後に賃貸併用住宅にする際にも「〇〇社の長期点検・保証継続中」と宣伝文に書くことができます。
二世帯を賃貸併用住宅化した物件は、戸建て規模の延床面積があることが多いため、長期保証が残っていれば安心感のある賃貸物件とみなされます。計画段階ではイメージしづらいことですが、経年した物件となったときに、非常に訴求効果が高いと言えます。
大手ハウスメーカーや建築会社であれば、多くのケースで延長保証もあるため、賃貸件に何かあった場合の保証と、会社存続の保証の両方の安心感を与えます。
二世帯住宅は敷地と土地条件に合った特徴的な間取り・建築物になる可能性が高くなります。土地活用で二世帯住宅を建て、将来、賃貸併用住宅としても使いたいとご検討中の方は、二世帯住宅や賃貸併用住宅に実績のあるプランつくりができるハウスメーカーや建築会社を見つけるようにしてください。
NTTデータグループの運営する「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求であれば、一度の入力で最大10社へのプラン請求が可能です。入力時に、活用予定地のエリアと広さを入力すれば、その土地条件に合った建築プランが入手できます。気になるプランを比較したうえで、現地調査をしてもらうことで、より土地にピッタリの活用方法がわかります。
まとめ
二世帯住宅を賃貸併用住宅としても使う土地活用についてまとめました。二世帯が完全分離して暮らせるタイプで建築すれば、賃貸併用住宅として貸し出すのはスムーズにいくことがわかりました。また、二世帯住宅も賃貸併用住宅も、敷地の形・土地条件・接面道路によってできる建物に違いがあるため、ほぼ注文住宅であることがわかりましたね。
このような特徴の強い建物は、大手ハウスメーカーの方が建築実績もあり、またいくつかのパッケージ商品があるため、コストダウンもしやすいと言えます。まずは、複数のプランを比較するところからはじめてみてください。
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。