【初心者向け】家賃収入で暮らすための基礎知識|大家さんはどれくらい儲かるのか?
国税庁の「令和2年申告所得税標本調査」によると、不動産オーナーの平均所得は約540万円/年です。
令和4年のサラリーマンの平均年収は 「458万円」なので、不動産オーナーの年間所得の方が多いと言えます。
参考:国税庁|令和2年申告所得税標本調査結果
参考:国税庁|令和4年 民間給与実態統計調査
(※不動産所得額は、アパート経営だけに限らず不動産所得を得た方全員の平均です)
本記事では、家賃収入で暮らすための基礎知識について、詳しく解説します。
1.家賃収入で暮らすために必要な物件
では、不動産オーナーの平均所得である540万円の不動産所得を得るためには、どのような物件を所有すればよいのでしょうか。
目安としては、戸数が多く実質利回り5%の収益を生み出す物件であれば、540万円前後の所得を得ることができます。
以下は新築アパートの間取り・戸数別の実質利回り事例です。
1K・ 8戸 |
1K・ 12戸 |
2DK・ 8戸 |
2LDK・ 4戸 |
|
---|---|---|---|---|
家賃/月 | 6万円 | 5万円 | 8万円 | 10万円 |
坪単価 | 90万円 | 90万円 | 90万円 | 90万円 |
投資額 (建築費または購入費等) |
8,000 万円 |
1億2,000 万円 |
1億円 | 6,500 万円 |
年間家賃収入 (満室) |
580 万円 |
720 万円 |
770 万円 |
480 万円 |
空室率 | 10% | 5% | 10% | 5% |
年間支出 (収入の20%) |
116 万円 |
144 万円 |
154 万円 |
154 万円 |
手元に残る金額/年 | 406 万円 |
540 万円 |
539 万円 |
360 万円 |
実質利回り | 5.08% | 4.50% | 5.39% | 5.53% |
実質利回りとは、不動産が生み出す年間純収益の投資額に対する割合です。
投資額(購入時諸費用を含む)
実質利回りは実際に「どれくらい儲かるか」を示す値になり、投資・経営を判断する際にはこちらをしっかり算出・シミュレーションしてから判断する事をおすすめします。
2.家賃収入だけで暮らすのは難易度が高い
戸数が多くて実質利回り5%の収益を生み出す物件を所有できるならば、家賃収入だけで暮らせる可能性が高いです。
しかし、現実的には以下のような現状や課題点があります。
- 賃貸経営をしている方は兼業が多い
- 不動産所得の約半数は会社員の年収以下
- 大きな投資額を用意する必要がある
それぞれについて、詳しく解説します。
2-1.賃貸経営をしている方は兼業が多い
現状、「家賃収入だけで生活している方は少数派」という事実があります。
国土交通省が2019年8月に実施した賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査によると、賃貸経営者のうち約8割の方は何らかの職業との兼業で賃貸経営を行なっています。
上記アンケート調査から判断すると、専業として賃貸経営を行なっている方は約2割に留まっており、家賃収入だけで生活しているのは少数派であることがわかります。
2-2.不動産所得の約半数はサラリーマンの平均年収以下
現状、不動産オーナーの約半数はサラリーマンの平均年収より低い不動産所得しか得られていないという事実があります。
国税庁「令和2年申告所得税標本調査」の内訳をまとめると以下のとおりです。
国税庁によるとサラリーマンの平均年収は 「458万円」になりますが、不動産所得の申告があった不動産オーナー223万9,516人のうち、1,000万円以上の不動産所得者が15%以上いる一方で、400万円以下の不動産所得者が約半数を占めているのが実情です。
不動産所得額 | 不動産所得があった人数 | 割合 |
---|---|---|
150万円以下 | 21万7,268人 | 9.70% |
150万超〜200万円 | 18万9,919人 | 8.48% |
200万超〜400万円 | 65万8,650人 | 29.41% |
400万超〜 600万円 | 40万1,932人 | 17.95% |
600万超〜 800万円 | 23万7,795人 | 10.62% |
800万超〜1,000万円 | 14万627人 | 6.28% |
1,000万超〜2,000万円 | 25万145人 | 11.17% |
2,000万超〜5,000万円 | 11万303人 | 4.93% |
5,000万超〜1億円 | 2万2,561人 | 1.01% |
1億円超〜 | 1万316人 | 0.46% |
不動産オーナーの収入や仕事内容の詳細は、以下の記事をご確認ください。
2-3.大きな投資額を用意する必要がある
家賃収入だけで暮らすためには、収益性の高いアパートやマンションを建築もしくは購入しなければなりません。
以下は投資額(建築費または購入費)と、そこから生み出される年間の不動産所得をシュミレーションしたものです。
サラリーマンの平均年収くらいの所得を得るためには、1億円くらいの投資が必要です。
1K・ 8戸 |
1K・ 12戸 |
2LDK・ 8戸 |
3LDK・ 12戸 |
|
---|---|---|---|---|
投資額 (建築費または購入費等) |
5,400 万円 |
8,550 万円 |
1億880 万円 |
1億9,200 万円 |
坪/戸 | 7.5坪 | 7.5坪 | 16坪 | 20坪 |
家賃/月 | 7万円 | 7万円 | 14万円 | 15万円 |
収入/月 | 56万円 | 84万円 | 112万円 | 180万円 |
支出/月 | 約39 万円 |
約59 万円 |
約78 万円 |
約126 万円 |
所得/年 | 202 万円 |
302 万円 |
403 万円 |
648 万円 |
ローンを利用してアパートやマンションを経営することも可能ですが、毎月の返済額が大きいと手取りが大きく減ってしまうため、家賃収入だけで暮らすためには、ローンに大きく依存せずにアパート経営を始められるよう、多額の現金を用意する必要があります。
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3.家賃収入で暮らすための4つのポイント
家賃収入のみで生活できる状態を少しでも早く実現するためのアクションとして、以下の4つのポイントを意識しましょう。
- 中古アパート経営から始める
- 空室対策を徹底する
- 物件追加購入のための資金を貯める
- 適宜売却して手元資金を増やす
それぞれについて解説します。
3-1.中古アパート経営から始める
もしアパートを建築する土地を持ってない場合は、中古アパートを購入してアパート経営を始める方法があります。
- 利回りが大きい
- 節税効果が高い
- 比較的少額から投資できる
- すぐに経営開始ができる
新しくアパートを建築するよりも費用を抑えてアパート経営を始めることができるので、利回りが大きいです。
特にサラリーマンであれば、1,000万円〜3,000万円程度の中古物件から不動産経営をスタートし、時間をかけつつ着実に資産を増やしていくのが常道です。
また、アパート経営を引き継ぐことができるので、空室率など需要を確かめたうえでアパート経営を始めることができます。
3-2.空室対策を徹底する
物件の空室率が多いと、アパート経営開始時に想定していた利回りを達成できず、得られる家賃収入が少なくなってしまいます。
空室対策として、
- 管理サービスの質を徹底して入居者の満足度を高めること
- 退去者が出た際の募集を徹底すること
が大切です。
ただし、空室対策についてはオーナー自身の努力というより、管理を委託する管理会社の力に左右される面が大きいです。
3-3.賃貸物件を複数所有するために資金を貯める
相当大きな物件でない限り、1棟の家賃収入だけで暮らしていくことは困難です。
家賃収入だけで生計を立てるためには、所有する賃貸物件を増やしていくのも一つの手段です。
そのためには、諸々倹約に努め、物件を追加保有するための資金を着実に貯めていくことが大切です。
3-4.適宜売却して手元資金を増やす
保有した物件についてはいつまでも保有するばかりでなく、良い機会があれば売却することでまとまった金額を得ることができます。
増やした手元資金を使って、売却前よりもより利回りの高い優良物件を購入すれば、専業大家として家賃収入だけで暮らせる状態というゴールも近づきます。
賃貸経営の家賃収入だけでサラリーマンの平均年収と同等の収入を得られるようになるためには、1億円程度の物件を保有するのが目安となります。
一般的な年収のサラリーマンの方であれば、まずは比較的手の届きやすい1,000万円〜3,000万円程度の中古物件から不動産経営をスタートし、時間をかけつつ着実に資産を増やしていくのが常道です。
- 賃貸経営をしている方は兼業が多い
- 不動産所得の約半数は会社員の年収以下
- 大きな投資額を現金で用意する必要がある
詳細は「2.家賃収入だけで暮らすのは難易度が高い」にて解説しています。
- 中古アパート経営から始める
- 空室対策を徹底する
- 物件追加購入のための資金を貯める
- 適宜売却して手元資金を増やす
詳細は「3.家賃収入で暮らすための4つのポイント」にて解説しています。
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