中古アパート経営のメリット・デメリット
この記事では中古アパート経営を検討している方に向けて、中古アパート経営のメリット・デメリットや、他のメジャーな投資方法との比較を解説し、さらに中古アパート選びの基準として使える、「儲けの出やすい中古アパートの特徴10個」を提示しています。
この記事の内容
1.中古アパート経営のメリット
まずは中古アパート経営のメリット5点について解説します。
- 利回りが大きい
- 節税効果が高い
- 比較的少額から投資できる
- 資産価値が下がりにくい
- すぐに経営開始ができる
1-1.利回りが大きい
中古アパート経営は新築アパート経営と比較してかかる初期費用が少ないため、利回りが大きくなる傾向があります。
新築アパートは中古と比べて資産価値が高いので購入費用がより高く、また、オーナー自身で新たに購入した土地にゼロから新築アパートを建設するとなるとさらに多くの費用がかかってきます。
すでに建設済みの中古アパートは、あまり多くの初期費用を調達できないオーナーの方にとって、少ない費用で大きな効果を期待できる投資手法です。
1-2.節税効果が高い
中古アパートの構造は木造が主流ですが、木造は鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して法定耐用年数が22年と短いため、減価償却費を費用計上できる期間もそれに対応して短くなっています。
一方で、費用計上の期間が短い分、1年あたりに計上できる減価償却費の額が大きくなるので、減価償却終了までの残期間は、単年の節税効果が高くなります。
1-3.比較的少額から投資できる
新築アパートを経営するために調達する必要のある資金の目安は(ローンでまかなう金額を含めて)4,000万円以上です。
一方で中古アパートの購入に必要な金額は1,500万円から3,000万円程度であり、頭金としては500万円程度で十分です。
新築に比べ比較的少額から始められると言えるでしょう。
1-4.資産価値が下がりにくい
新築アパートの場合、当初は資産価値が高いですが、最初の入居者が入ったタイミングで資産価値が大きく下がってしまいます。
一方で中古アパートは購入時点ですでに資産価値が下がった状態であり、その後に大きく資産価値が下がることはありません。
1-5.すぐに経営開始ができる
中古アパートは入居者が入っている状態を引き継ぎます。
手続きや手間を省くことができ、すぐに経営をスタートできるので、収益を得るスピードが速いと言えます。
2.中古アパート経営のデメリット
次に中古アパート経営のデメリットとして以下の4点についてご説明します。
- 空室リスクが大きい
- 修繕費がかさむ
- 売却しにくい
- 過去から続いている問題を抱えてしまうリスク
2-1.空室リスクが大きい
中古アパートは築年数が古くなっている分、入居者からの人気は新築アパートと比較して落ちるため、空室リスクが大きいです。
リフォームをして老朽化した箇所の修繕や、設備を新しくするなどの定期的な検討が必要です。
2-2.修繕費がかさむ
新築アパートと比較して故障や老朽化が起こるまでのスパンが短い中古アパートの経営では、より早い時期での修繕が必要となってきます。
経営をスタートしてから修繕を行うまでに少なくとも十数年間の時間的猶予がある新築アパートと比較して、中古アパートの経営ではより早めのタイミングで修繕費を用意しておく必要があります。
2-3.売却しにくい
中古アパートを売却するためには、「買う価値のある物件」である事を維持し続ける事が重要です。
定期的なリフォームを通じて物件の資産価値を維持したり、積極的な空室対策を行ったりして入居者を満たしておくといった努力が必要となります。
また、中古アパートはローン審査が通りにくく買い手が沢山いるわけではないので、短期間で売り抜けられるタイプの物件ではありません。
2-4.過去から続いている問題を抱えてしまうリスク
もしも手に入れた中古アパートに問題を起こす居住者が住んでいたり、アパート自体が住民トラブルを抱えていたりした場合、そのまま知らずにトラブル事を引き継いでしまい対処が必要になることもあります。
事前に問題を抱えていないかのチェックを欠かさないことが重要です。
3.他の投資方法との比較
この章では、中古アパート経営について「リターン」「リスク」「手間」の観点から他の投資手法と比較していきます。
リターン | リスク | 手間 | |
---|---|---|---|
中古アパート投資 | 中 | 中 | 中 |
新築アパート投資 | 中 | 低 | 多 |
一棟マンション投資 | 中 | 低 | 多 |
ワンルームマンション投資 | 低 | 中 | 少~多 |
戸建て投資 | 中 | 中 | 少 |
駐車場投資 | 低 | 低 | 少 |
コインランドリー投資 | 低 | 低 | 多 |
3-1.中古アパート投資と新築アパート投資の比較
リターン | リスク | 手間 | |
---|---|---|---|
中古アパート投資 | 中 | 中 | 中 |
新築アパート投資 | 中 | 低 | 多 |
多めの初期費用がかかる新築アパート投資と比べて、中古アパート投資はより低い初期費用で参入できることに加えて、すでに賃貸物件として運営されてきた物件を引き継ぐ形なので、すぐに経営を開始できる手軽さが特徴です。
一方で、築年数の経った物件というだけあって空室リスクが高く、また売却相手も新築アパートと比べて見つかりにくいという点で、新築アパート投資と比べて高リスクの投資手法と言えます。
新築アパート投資に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
また他の投資方法については、以下の記事もご参考ください。
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4.儲けの出やすい中古アパートの特徴10個
この章では「儲けの出やすい中古アパートの特徴」を2つの観点から10個解説します。
中古アパート選びの判断基準にご利用ください。
初期費用を抑えられる物件 | 空き室が出にくい物件 |
---|---|
|
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4-1. 初期費用を抑えられる物件
初期費用を抑えることで利回りを高くすることができ、黒字化までのスピードを速めることができます。
以下で初期費用を抑えられる物件の特徴を詳しく説明します。
4-1-1.価格交渉ができる物件
価格交渉によって額面よりも安く購入できる中古アパートを見つけて、初期費用を抑える事ができれば多大なメリットがあります。
価格交渉による値引きができる可能性が高い物件の特徴は、「長期間売れ残っている物件(目安は3ヶ月以上)」です。
不動産のポータルサイトなどを通じて売却期間が長引いている物件を見つけ、価格交渉ができる物件を探しましょう。
4-1-2.法人の決算月直前の物件
売主が個人ではなく法人の場合、決算の前に物件を販売してしまいたいケースも考えられます。
決算期の前は、その機能業績を少しでも良くしたいという考えから、会社としても売却に対して積極的な姿勢であり、また販売者担当の社員としても、個人業績を伸ばして給与やボーナスを得るために販売を急いでいる傾向があるので、値引き交渉に応じてくれる可能性が高めです。
4-1-3.再建築不可物件
再建築不可物件は、法律で「その土地に現在の建物と同じ建物を建てられない」という制約を受けている物件です。
再建築不可物件は銀行からの融資がおりにくいこともあり、販売価格が安くなっている傾向があります。
一見して手を出さない方が無難な「いわくつき」の物件にも見えますが、入居希望者側が再建築不可物件を気にすることはないので、アパート経営をする分には問題ありません。
販売価格が割安になっている分、手元資金に余裕があればキャッシュで購入してしまうのも手です。
4-1-4.築20年~30年の中古物件
築20年~30年のアパートは、新築に比べ価格が安いので手が出しやすい物件になります。
さらに、アパートは建築から時間が経つにつれて資産価値は下落していきますが、築20年を超えると下落の幅が緩やかになり横ばいに近くなってきます。
築5年から20年の中古物件を購入するよりは、築20年を超えた中古物件を購入したほうがその後の資産価値の下落も抑えられると言えるでしょう。
4-2. 空き室が出にくい物件
空き室が出にくければ安定した収益を得ることができるため、いかに空き室を出さないで経営をしていくかが重要なポイントです。
以下で空き室が出にくい物件の特徴を詳しく説明します。
4-2-1.角地の物件
区画の角に位置する角地は、日当たりが良く、お隣の家と接する部分も少ないので風通しが良かったりプライバシーが守られやすかったりと、人気物件の要素を兼ね備えています。
一般的に空室リスクが高い中古アパートですが、立地の面で強みがあれば購入後も長期間にわたって入局者からの人気を維持できる可能性が高いです。
4-2-2.築5年以内の築浅物件
建築から5年以内の物件であれば、築浅物件として一定の人気があり入居希望者を見つけやすいです。
築5年を経過した物件であっても、不動産経営に慣れたオーナーさんであればリフォームなどをこまめに行うことで人気を維持できますが、ノウハウのない初心者の方であれば築浅物件を購入するのが無難です。
4-2-3.駅徒歩5分以内の物件
市街地の場合、アパートの人気は駅からの距離で大きく左右されます。
特に駅から徒歩5分圏内の物件であれば、例え築古の物件であっても入居者からの人気を集めやすいです。
逆に駅から徒歩15分以上となると、入居者は一気に集まりにくくなります。
万が一駅から5分以内の物件を探すことが難しければ、最低ラインとして10分以内の物件を探すようにしましょう。
4-2-4.2LDK~3LDKのファミリー向け物件
ファミリー向け物件は単身者向けのワンルームや1DKなどの物件に比べて、長期スパンで住む入居者が多いため安定した入居率を維持することが出来ます。
特に小中学校が近くにあったり、高校などの教育機関が多くあったりするいわゆる「文教地区」と呼ばれるエリアでは、ファミリー物件のニーズが高くなっているので狙い目です。
4-2-5.都市部の物件
郊外や田舎であってもうまく物件を運用することで利益を出すことは可能ではありますが、やはり都心に近いエリアの方が高度な手段を使わずとも利益を出しやすいのでおすすめです。
特に不動産投資の初心者のうちは東京エリアや大阪エリア、あるいは地方の政令指定都市の都心に近いエリアに絞って物件を探しましょう。
4-2-6.実質利回り5%以上の物件
物件の収益力を表す利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」があります。
物件の収益力の実態により近いのは「実質利回り」のほうで、実質利回りが5%以上であれば空き室があまり出ていない物件と考えて良いでしょう。
一般的に不動産会社の広告などで表示されている利回りは「表面利回り」のほうですが、実際にアパートを購入する際には、「実質利回りはいくらですか」と質問するようにしましょう。
購入に値する中古アパートの実質利回りの目安は「5%以上」です。
5.中古アパート経営はメリット・デメリットを把握することが大切
中古アパートの経営には利回りが大きい、節税効果が高いなどのメリットがありますが、デメリットもあります。中古アパート経営を始める際には、メリットとデメリットを比較し、慎重に物件選びをすることが必要です。
新築アパート経営を検討する際には、まず、なるべく数多くの建築会社にプランを請求し、比較するのが良いでしょう。
下記よりプラン請求いただくと、最大10社から一括でプラン請求をして比較ができます。ぜひご活用ください。
中古アパート経営のメリットは以下5点です。
- 利回りが大きい
- 節税効果が高い
- 比較的少額から投資できる
- 資産価値が下がりにくい
- すぐに経営開始ができる
詳細は「1.中古アパート経営のメリット」にて解説しています。
中古アパート経営のデメリットは以下4点です。
- 空室リスクが大きい
- 修繕費がかさむ
- 売却しにくい
- 過去から続いている問題を抱えてしまうリスク
詳細は「2.中古アパート経営のデメリット」にて解説しています。
「儲かりやすい中古アパートの特徴」は以下10点です。
- 価格交渉ができる物件
- 法人の決算月直前の物件
- 再建築不可物件
- 築20年~30年の中古物件
- 角地
- 築5年以内の築浅物件
- 駅徒歩5分以内の物件
- 2LDK~3LDKのファミリー向け物件
- 都市部の物件
- 実質利回り5%以上の物件
詳細は「4.儲けの出やすい中古アパートの特徴10個」にて解説しています。
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