【初心者向け】アパート経営が儲からない4つの原因&事例と対策
本記事では、これからアパート経営を開始しようとしている初心者の方向けに、アパート経営が儲からない4つの原因と、そこから生ずる問題事例に対する対策を解説していきます。
この記事を読むと
- アパート経営が儲からない原因と対策
がわかります。
この記事の内容
序.アパート経営が儲からない4つの原因・事例と対策
アパート経営が儲からないと言われる4つの原因は下記の通りです。
それぞれについての対策を事前段階と問題が発生した後にわけて解説します。
- 空き室が増える・家賃が下がる
- 少ない自己資金で経営を始めてしまう
- 経年劣化や災害により建物の価値が大きく毀損する
- 節税のみの目的でアパート経営をしてしまう
1.「空き室が増える・家賃が下がる」とは?
「空き室が増える・家賃が下がる」とは具体的に下記の様な状況です。
- 空室率が高い
- 周辺アパートとの競争が激化し、価格競争になる
- 管理が行き届かず退去が続出する
- 周囲に迷惑をかける入居者ばかりが入居する
それぞれの解決策には、以下のようなものが考えられます。
- 事前に立地条件を十分調査してからアパート経営を始める
- 立地・ターゲットに合わせた間取り・家賃にする
- 費用負担の小さい投資で、差別化をはかる
- 集客ターゲットを変更してみる
- 管理をきめ細かく行う&しっかりとした入居審査を行う
基本的には、立地エリアの20~30年先の変遷を予想しながら、立地と入居者のターゲット設定にあった間取り・家賃の設定ができれば、価格競争にも巻き込まれる事も空き室も少なく、長い期間に渡って稼ぎ出せるのがアパート経営です。
加えて、設備の「メンテナンスや苦情処理」といった課題に対する「管理の質」の低さは、退去者の増加による空き室増加に直結します。
また、入居者の審査は、そもそもの「メンテナンスや苦情処理」の件数を下げるためにも必須です。
なので経営開始前の段階で十分に調査し、ターゲットに合った「家賃・間取りを設定できるか?」そしてその後「適切な管理を継続できるか?」が空き室・家賃下落対策の重要なポイントです。
1-1.「空き室が増える・家賃が下がる」事への対処法
この問題への対処法を要約すると、大きく下記の3点に集約されます。
事前の対処 | 問題が発生してしまったら |
---|---|
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以下、それぞれについて説明します。
1-1-1: 事前の対処→「事前に十分調査、検討する・管理会社を使う」
空き室が多い、競争激化ですぐに家賃が下がるといった場合は、当初の目論見が甘かったと言うケースがほとんどであり、最善の空き室対策は事前調査だと言えます。
主に、下記の事前調査が不足する傾向にあります。
- 想定ターゲットの分布
- ターゲットの潜在ニーズ
- 周辺の建物情報
- 周辺地域の開発予定
上記を十分検討してから「アパート経営開始」の判断をしてください。
管理に対して手間を割く余裕が無いようであれば、はじめから管理会社に管理を任せると良いでしょう。
また、儲けは少なくなりますが空き室リスクを一定程度分担できる「サブリース」契約をしてくれる管理会社もあります。
1-1-2:問題が発生してしまったら→「管理会社を変更する」
経営開始後に空き室が増えてきたら、「集客ノウハウ」や「管理」に定評をもった管理会社に、空き室の原因に合わせて管理を依頼する事が対策になります。
集客ノウハウで言えば、「WIFI完備にするとか宅配ボックスを増設する」等、費用負担の少ない集客に繋がる投資を提案してくれたり、ターゲット層の変更やそれに伴う適正家賃の見直しやリフォーム・リノベーションプランをしてくれる会社も多くあります。
また管理で言えば、メンテナンスや入居審査といった管理を質の高い管理会社に代行してもらえば、管理の質の向上が空き室対策になります。
例えば入居者の質が低いのであれば、「年収」「保証人」などの情報から厳格に審査してくれる管理会社を選ぶことで、問題が早期解決することもあります。
それでも難しい場合には、建て替えなども候補の一つとなります。
より具体的な対策は下記の記事でも紹介しています。
2.「少ない自己資金で経営を始めてしまう」とは?
「少ない自己資金で経営を始めてしまう」とは具体的に下記の様な状況です
- デッドクロスに対応できず、キャッシュフロー倒産する
- 突発的な支出を用意できず、破産する
それぞれの解決策には、以下のようなものが考えられます。
- 頭金を多めに払う(ローンでカバーする割合を抑える)
- 緊急事態時に使えるお金(修繕費等)を多めに積み立てておく
- 売却も視野に入れる
- リスケジュールをする
自己資金や手持ち資金が少ない状態でアパート経営を始めてしまうのは、よくある失敗理由です。
アパート購入資金の多くをローンで賄い、少ない自己資金で経営を始めた際に起こりうる最大のリスクがデッドクロスと呼ばれるものです。
デッドクロスとは、借入金の元本返済額が減価償却費を上回る状態のことを指します。
こうなると、キャッシュフローが税引後利益よりも少なくなり、財務諸表上は黒字に見えるのに、キャッシュフロー上では赤字の状態になる可能性があるということです。
このマイナスのキャッシュフローに耐えられず後々破産するなどの懸念も出てきます。
また、デッドクロスでなくてもそれに近い状況で突発的な災害等が起こり、一時的な支出に耐えられず破産するケースもあります。
2-1.「少ない自己資金で経営を始めてしまう」事への対処法
事前の対処 | 問題が発生してしまったら |
---|---|
ローン組成時の自己資金比率を3割にする | 早めの物件の売却を検討する |
以下、それぞれについて説明します。
2-1-1: 事前の対処→「ローン組成時の自己資金比率を3割にする」
購入資金のうちローンの割合を適切な範囲に抑えるよう、自己資金比率3割程度でローンを組むのが望ましいです。
先述の様にマイナスキャッシュフローに耐えられなかったり、しかし少ない自己資金では突発的な支出に耐えきれず、破産する場合があります。
更に、災害等による突発的な緊急事態に備えるためにも「修繕費等の積み立て」をしっかり行うようにしましょう。
2-1-2:問題が発生してしまったら→「早めの物件の売却を検討する」
マイナスキャッシュフローの状態を脱するには、経営を止める事が確実です。
早めに物件を売却(現金化)して手放すなどの手を打つことも対策のひとつと言えるでしょう。
このほか、返済の問題にはリスケジュールを借入先に相談するのも手です。
リスケジュールとは、当初返済していた計画を引き延ばすことで返済金を小さくする対応策です。
通称「リスケ」とも呼ばれますが、借入先によってはリスケに応じてもらえる場合もあります。
3. 「経年劣化や災害により建物の価値が大きく毀損する」とは?
「経年劣化や災害により建物の価値が大きく毀損する」とは具体的に下記の様な状況です。
- 古くなるとアパートの価値が急激に落ちる
- 災害により突発的な費用が発生する
それぞれの解決策には、以下のようなものが考えられます。
- 施工品質の高いメーカーに依頼する
- 修繕費を積み立てる・火災保険に加入する
- 長期間のサブリースを検討する
アパート経営は、「ローン返済後」に大きく利幅が増えます。
20年、30年経ってローン返済が終わり「これから儲かる」といった時に、建物の価値が大きく毀損していると全く儲かりませんし、売却時の評価も低くなります。
「価値の毀損」には大きく2つの側面があります。
- 間取りやコンセプトが時代に合わなくなって、入居者が集まらない
- 建物そのものや設備が破損・老朽化してメンテナンスコストが膨大になる
これらはアパート経営をする上でどちらも致命的な弱点になります。
3-1.「経年劣化や災害により建物の価値が大きく毀損する」事への対処法
この問題への対処法を要約すると、大きく下記に集約されます。
事前の対処 | 問題が発生してしまったら |
---|---|
施工品質の高いハウスメーカーに依頼する | ― |
以下、説明します
3-1-1: 事前の対処→「施工品質の高いハウスメーカーに依頼する」
・施工品質の高いハウスメーカーに依頼する
まだアパート経営を始めていない状態であれば、施工品質の高いメーカーに依頼するのが、リスク回避に最も適切です。
施工品質が高ければ、建物のデザインや造りの価値が高いので時代を経ても質の良い入居者が集まり易いので、空き室発生や家賃滞納のリスクも低くなります。
併せてそういったアパートは経年劣化にも強いので、メンテナンスコストの増大を防ぎ、急な災害でも破損が最小になるので突発的な費用も抑えられます。
ハウスメーカーを比較する際は、下記の項目を確認するとよいでしょう。
- 得意とする構造や工法
- デザインや企画
- 入居者ニーズを捉えた設計
また「時代に合わない」というリスクに対しては「長期間のサブリース契約」も検討してみるとよいでしょう。
サブリースとは、空室に関わらず賃料が固定となる家賃保証型制度のことです。空室の有無にかかわらず、一定の収入が期待できます。
ただしサブリースは定期的に賃料の見直しがはかられ、空室が増えればサブリースの家賃は下がるため、安定的な解決策とは言えません。
加えて「建物そのもの」のリスクに対しては「修繕費の積み立て・火災保険の加入」といった手段でも、一定このリスクを回避可能です。
どちらもコストがかかるので、判断次第にはなります。
アパート経営を始めるときは、土地活用のプロへ相談することで、あなたにあったプランを一緒に考えてもらうことができます。複数の会社から一括無料でプランの取り寄せができますので、ぜひご相談ください。
4.「節税のみの目的でアパート経営をしてしまう」とは?
「節税のみの目的でアパート経営をしてしまう」とは具体的に下記の様な状況です
- 思った以上に節税効果が低くなってしまう
- 赤字が発生し、節税効果が吹き飛ぶ
それぞれの解決策には、以下のようなものが考えられます。
- 想定されるターゲットに必要なリフォーム・リノベーションを施す
- 集客がうまい管理会社と契約する
節税目的でアパート経営を始める場合、「節税額」を儲けと考えてしまい、ちゃんと集客し、利益を出す事をおろそかにしてしまいがちです。
建物評価額の項目の中には「賃貸割合」がかかわっており、賃貸割合が100%のときに評価額が最も下がる仕組みになっています。
結果、若し「集客」ができず「空き室率」が高くなってしまった場合、「相続税評価額」が高く評価されて節税効果が低くなります。
また、当然のことながらアパート経営ではコストが発生します。
修繕費もそうですし、ローンの利払いもあれば管理費用も掛かります。
入居希望者が集まらない価値の低い建物であったり、管理を怠った場合、集客ができずにキャッシュフロー上でも大幅な赤字経営となり、節税分が吹き飛ぶことも十二分にあり得ます。
4-1.「節税のみの目的でアパート経営をしてしまう」事への対処法
この問題への対処法を要約すると、大きく下記の2点に集約されます。
事前の対処 | 問題が発生してしまったら |
---|---|
きっかけは節税でもしっかりアパート経営をする | リフォーム・リノベーションを検討する |
以下、それぞれについて説明します。
4-1-1: 事前の対処→「きっかけは節税でもしっかりアパート経営をする」
いくら相続税対策と言え、基本を大事にして「入居者のニーズ」をしっかり考えたアパート経営をする事が大事です。
ターゲットに合わせて「建物のコンセプト」や「間取り・家賃」等をしっかり設計し、管理が手間ならば初めから管理会社に委託しましょう。
4-1-2:問題が発生してしまったら→「想定されるターゲットに必要なリフォーム・リノベーションを施す」
情報収集を怠り、相続のみに焦点を当てたアパート建築をしてしまった場合には、内装や設備がターゲットから外れている場合もあります。
この場合は、簡易なリフォームから始めてみるとよいでしょう。
リフォームはリノベーションとは異なり、比較的費用が安く済むのが特徴です。
例えば、水回りならバスルームだけ、キッチンだけ、外構ならば壁面だけ、屋根だけなど、などとピンポイントの施工で差別化をはかれます。
立地によって求められる設備や間取りは違います。
そういった情報をはじめ、広告のノウハウなどを持っている管理会社もありますので、そういった会社と契約し、提案を受けながらゼロから経営を見直すのも手です。
5.アパートで損をしないためには事前の経営シミュレーションが大切
アパート経営で損をしないためには、事前にしっかりシミュレーションをし、収益性が十分にあることを確認してから投資をするようにしてください。
アパートの坪別・構造別のシミュレーションは下記記事で紹介しています。
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アパート経営が儲からないのには必ず理由があります。また多くの場合、原因を排除することで儲かるアパートへと転換することも可能になります。
アパート経営が儲からないと言われる原因には下記の4つが挙げられます。
- 空き室が増える・家賃が下がる
- 少ない自己資金で経営を始めてしまう
- 経年劣化や災害により建物の価値が大きく毀損する
- 節税のみの目的でアパート経営をしてしまう
それぞれの対策については「序.アパート経営が儲からない4つの原因・事例と対策」をご確認ください。
以下の事が大切です。
- 正しくシミュレーションを算出し、自分にあった建築会社と管理会社を選ぶ
具体的な選び方と、シミュレーションの算出方法については「5.アパートで損をしないためには事前の経営シミュレーションが大切」をご覧ください。
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