賃貸経営における「市場調査」のコツを解説
賃貸経営でよい結果を出すためには、スタート前にしっかりとした市場調査をしておく必要があります。
調査結果をもとにしてエリアで必要とされる物件を作り、そのうえで、経営戦略を立てて長期安定収入になるように、さまざまな対策をしておく必要があります。
今回は、はじめての土地活用で賃貸経営をお考えの方向けに、市場調査のやり方とみるべきポイントなどをまとめました。
1.賃貸経営スタート前にやっておくべき市場調査
一般的な市場調査とは、ユーザーニーズや市場の動きを調べて分析し、商品開発に活かすためにおこないます。
土地活用で賃貸経営をする前提の市場調査では、活用予定地周辺エリアでどのような賃貸需要があるかを調べ、そのデータをもとに、適切な建物を建てるために、収益性などをシミュレーションします。
このような調査は、大手企業であれば莫大な予算をかけてマーケティング専門会社に依頼をしますが、個人の土地活用でそれをしてしまうと赤字になってしまいます。
本章では、個人の方が土地活用をするときに、市場調査として活用できる資料の入手方法と、その資料を使って何を確認するべきなのかを、やさしくまとめています。
- たくさんの賃貸経営プランを集める
- エリア条件の把握
- エリアニーズの把握
- 立地条件をチェック
- 法律・規制をチェック
1-1.たくさんの賃貸経営プランを集める
ご所有の土地でどんな賃貸経営ができるのかは、ひとりであれこれ悩むよりも、不動産と土地活用のプロに相談をして味方につけてしまった方が、最適なプランを最短で入手できます。
ご自分の土地で行う賃貸経営のためのデータが必要な方は、NTTデータグループが運営する「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求をご活用ください。
一回の入力で最大10社にまでプラン請求ができるため、たくさんの市場調査データとともに、ご自分の土地のための賃貸経営プランを、一度にたくさん比較できます。
土地活用と不動産のプロ集団であるハウスメーカーや建築会社の担当者が、公的・法的なデータをもとにして、その土地でできる土地活用方法を精査したうえで、最適だと思われる賃貸経営プランを提案してくれます。
気になるプランを提案してもらった会社には、必ず現地調査に来てもらうと、周辺環境や日当たりなどの情報をもとに、より条件を絞り込んだプラン作成が可能です。
ご自分でチェックを入れた企業以外からは、一切の連絡が来ませんので、営業電話やメール対応に追われることもなく、ゆったりとした気持ちで賃貸経営プランの比較ができます。
このようなプロが作った資料をそろえたうえで、さらに、より理解を深めるために、ご自分でも情報を得るというスタイルのほうが、賃貸経営は成功しやすくなります。
手元にプロが作った賃貸経営プランが揃ったら、次項からの内容をひとつひとつ、確認していきます。
どのプランも内容がしっかりしていますので、ご所有の土地で何をすべきか、なぜこの賃貸経営がおすすめなのかが、よく理解できます。
1-2.エリア条件の把握
エリア条件が良い土地とは、一般的には、交通の利便性が高く、エリアの知名度が高くてイメージが良く、人が集まる場所などの、いわゆる「住みたい街ナンバーワン」などに上位ランクされるような人気エリアのことです。
このような場所であれば、どんな賃貸経営でも比較的うまくいきます。
しかし、世の中の活用予定地のほとんどは、そういう場所ではありません。
賃貸経営で良い結果を出すためには、賃貸経営の成否に影響しそうな要因を探し出し、経営戦略をたててからスタートする必要があります。
大手企業では、自社や専門会社の調査結果や、過去の取り扱いデータをもとにエリア条件を整理し、その土地に適切な賃貸経営を絞り込んでいます。
エリア条件とは、このようにして活用予定地の強み・弱みをデータとして割り出し、次項のエリアニーズと結び付け、よりスムーズな賃貸経営に役立てるための情報です。
1-3.エリアニーズの把握
エリアニーズとは、これからはじめる賃貸経営の入居者候補が、エリア内にどのくらい存在するかを知るために行います。
同じ賃貸経営でも、アパート経営・マンション経営・テナントビル経営・駐車場経営などさまざまな種類がありますが、どれもニーズのないところでスタートしても、賃貸経営はうまくいきません。
商圏の分析ですので、プロは人口動態などの大きなデータを参考にしながら、現地を足であるいて確認しています。
基本は活用予定地の周辺を中心に調査を行いますが、2~3駅隣の街など、少し離れたエリアに同じような条件の土地があれば、そのエリアにいる人物像も取り込んで、潜在的な入居者候補を絞り込んでいきます。
エリアニーズに合った賃貸経営を選択すれば、経営も成功しやすくなります。
1-4.立地条件をチェック
立地条件とは、賃貸経営をうまくいかせるための諸条件のことです。
どのような賃貸経営を選ぶかによって、必要な立地条件が変わります。
成果の出る賃貸経営をするためには、オーナーのやりたい土地活用ではなく、立地条件に合った土地活用方法を選ぶと、良い結果につながりやすくなります。
企業で扱う一般的な立地条件は、駅前・オフィス・学生街・繁華街・ロードサイドの4~5種に分かれており、それぞれの立地に適した土地活用方法があります。
立地条件は個人の力で変えることができないため、立地条件と希望する賃貸経営方法がマッチしない場合は、土地を買い替えるしかありません。
また、将来、エリアに大きな開発予定がある場合は、今の立地条件が変わる可能性もあります。
1-5.法律・規制をチェック
土地は都市計画法という法律で定められた「用途地域」によって、その地域に建てられる建物が決まっています。
活用予定地が市街化調整区域に属している場合は、必ず用途地域の定めがあります。
用途地域は大まかに分けると住居系・商業系・工業系の3種類です。
ご所有の土地に建てても良い建物の種類がわかったら、次は、土地の建築条件を調べます。
これは建ぺい率・容積率でわかります。建ぺい率は、敷地を平面で見たときに、どのくらいまで建物を建ててよいかがわかります。
容積率は建物を縦に見たときに、延べ床面積でどこまで増やしてよいかがわかります。
これらの計算は、ご自分でしなくても、ハウスメーカーや建築会社に賃貸経営プランを請求すると、予算の範囲内で、適切な規模の提案をしてくれます。
2.自分でもできる4つの市場調査
プラン請求をして、たくさんの賃貸経営プランが手元にあっても、プラン通りに経営ができるのか不安に思う方もいらっしゃいます。
そのような場合は、以下のような手法で、ご自分でできる範囲の市場調査をすることで、賃貸経営プランの裏付けをしていくことができます。
- 地元の不動産会社に聞いてみる
- 経験者にも聞いてみる
- インターネッサイトで検索
- 自分で歩いて調査する
2-1.地元の不動産会社に聞いてみる
活用予定地がある地元の不動産会社に、「この住所の土地で賃貸経営をしようと考えているが、どんなのが良いか相談に乗ってほしい」と聞けば、たいていの不動産会社は、現地まで一緒に行ってくれ、適切なアドバイスをしてくれます。
ひとつだけではなく、最低でも2~3軒の不動産会社に聞いて回れば、ご所有の土地で何をした方が良いかの答えは、地元の不動産会社が答えてくれます。
賃貸経営が始まった時の入居者募集や管理会社選びもかねて、どこの不動産会社が最も良い案内をしてくれるのか、興味をもってやってみてください。
プラン請求をした大手ハウスメーカーや建築会社の担当者は、飛び込みで入って同業者に聞くことはできませんので、素人だからこそできる調査方法です。
また、地元の不動産会だからこその、そのエリアの生活者の傾向も正確に把握していますので、どんな賃貸経営・どんな間取りが向いているのかの提案も、的を射ている可能性が高いと言えます。
2-2.経験者にも聞いてみる
知人友人に賃貸経営の経験者がいたら、その方にお話を伺うのも市場調査の一つです。
この場合は、どんな賃貸経営が良いかと聞くよりも、なぜその賃貸経営を選んだのかと聞けば、経験からの判断基準や、何と比較をしたのかなど、具体的なことを教えてもらえます。
また、経営に関した思わぬ苦労話なども聞けて、のちに役に立つこともあります。
ただし、人によってエリア条件・土地条件・経営条件が違うため、あくまで参考程度にとどめておきます。
2-3.インターネットで検索
インターネットで見つけられる情報も多々あります。
例えば、用途地域は「用途地域 地域名(市区町名)」で検索すると出てきます。
以下の画像は、渋谷区代官山町で調べた検索結果です。
このようにして、先に用途地域だけでも確認しておけば、イメージしている賃貸経営ができるかどうかも、すぐにわかります。
【参考:渋谷区代官山町で用途地域検索をしたときの検索結果】
土地周辺の家賃相場を知りたい場合は、HOME’sなどの賃貸住宅ポータルサイトを利用します。
例えば、ワンルームマンション経営を想定しているのであれば、活用予定地と類似した条件にチェックを入れ、ワンルームで検索をすれば想定家賃がわかります。
以下の画像は、東京都渋谷区代官山町+ワンルーム+バストイレ別で検索した結果です。
上部にあるPR物件より下が検索結果になりますので、10万円前後が平均的な賃料設定であることがわかってきます。
【参考:HOME‘s 渋谷区代官山町+ワンルーム+バストイレ別の検索結果】
このようにして、具体的な条件や金額がわかってくると、予算も自分で想定できるようになってきます。
さらに、経営に関したことや、不動産オーナーが日々どんな風に過ごしてるのかを知りたい場合は、ネット検索で「不動産経営者 ブログ」などと入れると、個人の賃貸オーナーが日々起きたことを書いているSNSやブログがたくさんあり、参考になります。
2-4.自分で歩いて調査する
活用予定地をご自分で歩いてみることも、市場調査になります。
活用予定地がある不動産屋の張り紙を見れば、おすすめしたい物件が窓にびっしり張り出されていますので、まずはそれを眺めてみます。
この張り紙にある情報は、将来のライバル物件になる可能性があります。
駅前でにぎやかなエリアから、住居の多いエリアまでを、そこに住んでいる人の気持ちで歩き回ってみてください。
その時、入居者にとって魅力がある街か、家賃はどのくらいなら入居者は納得感を持つのか、生活に便利な環境はそろっているかなどに注意しながら見ていきます。
ビジネス的にわからなくても、1人の生活者として街をみれば「スーパーも高いし、コーヒー店も高いな。これでこの家賃だと生活が厳しいな」など感想が自然とわいてきます。
さらに、朝・昼・夜・平日・休日とわけて観察していくと、所有地周辺の生活傾向と、何が充実していて何が足りていないのかが、なんとなくつかめてきます。
そして、足りていないところを、ご自分の賃貸経営で提供するという前提で考えると、賃貸経営がスムーズになる可能性が高まります。
これらのご自分の体感を持った状態で、プロの作成した賃貸経営プランを比較すると、よりよく理解ができるようになります。
ご自分での市場調査は、ご自分の賃貸経営の経験値になりますので、お時間があればやっておいた方が、経営への理解は深まります。
ただし、最終的な判断は、プロのアドバイスも取り入れたうえでするようにしてください。
賃貸経営のプロフェッショナルのアドバイスを受けたい方は、NTTデータグループの運営する「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求をご活用ください。
パソコンやスマホから、活用予定地のエリアと広さなどのカンタンな項目に応えていくと、土地活用と賃貸経営に信頼と実績のあるハウスメーカーや建築会社の中から、相性の良い企業を最大10社までマッチングします。
どの会社も、不動産のプロフェッショナルとして、ご所有の土地とエリア全体の市場調査も含めて、複数の提案をしてくれます。
気になるプランがあれば、現地調査をしてもらうことにより、より具体的なプランがわかってきます。
数多くのプラン比較し、安心して依頼できるパートナー企業が見つけてください。
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3.賃貸経営を成功させるために注意すべきこと
これから賃貸経営をスタートする方にむけて、賃貸経営で成果を出すために、注意しておくべきことを5つにまとめています。
- 立地にあった土地活用方法を選ぶ
- 入居者のことを考える
- 資金計画には余裕を持つ
- 管理会社選びは慎重に
- 必ずプロに相談をする
3-1.立地にあった土地活用方法を選ぶ
スタートしようとしている賃貸経営に合った立地であるかどうかを重要視してください。
例えば、アパート経営をするのであれば、アパート経営に合った土地条件、例えば、駅から近く・生活利便性がなど、そのアパートに入る人にとって「ここなら住みたい」と思える条件が整っているかに注意します。
また、立地としての条件が整っていたとしても、そのエリアの賃貸需要がすでに飽和していないか、開発などによる大きな変化がないかも、合わせて調査しておく必要があります。
3-2.入居者のことを考える
住居でもテナントでも、そこにお金を払って入居してくれる方のことを考えるようにしてください。
賃貸経営を長期安定化させるためには、なるべく、長期の更新をしてもらう必要があります。
そのためには、入居者にとって暮らしやすい、使いやすい物件である必要があります。
賃貸経営を土地活用としてスタートする場合、多くのケースで建物を建てるところからはじまります。
建築費をおさえることを優先させてしまうと、間取り・設備・デザインのグレードを下げれば初期投資額が下がりますが、入居者のニーズに応えることが難しくなり、最終的にはエリアでの競争力が低下しやすくなります。
初期投資額が低ければ経営計画も楽になりますが、計画段階で、そこに入居してくれる方のことも頭に入れたうえで、コストカットをしてください。
3-3.資金計画には余裕を持つ
資金計画には余裕を持ち、無理な経営計画でスタートしないように気を付けます。
例えば、アパート経営をする場合は、建物の建築費は金融機関からの融資を受けるのが一般的です。
この時、建築費全体の2~3割程度の自己資金を用意し、残りを借り入れるのが良いとされています。
手持ちの資金が少ないからといって、無理な借り入れをすると、少しの経営リスクで返済計画に支障が起きやすくなります。
たとえば、以下のようなことが起きる可能性があります。
- 自己資金を少なめにしたため、毎月の返済額が大きくなってしまった
- 空室リスクを甘く見てしまい、何カ月も入居者が決まらないので賃料から返済ができない
- 家賃を下げて空室リスクに対応したら、賃料収入だけでは毎月のローン返済額に足りなくなった
- 賃料としての収支はプラスマイナスゼロ! 経費を入れたらマイナスになっている
上記のような状態になってしまうと、ここから経営計画を立て直すのはむつかしくなります。
賃貸経営をはじめるときには、経営リスクを計算に入れた返済額を想定し、万が一の場合の運営予備費もしっかり準備しておく必要があります。
そのためには、賃貸経営プランの比較と市場調査が大切であり、無理のない範囲でのベストなプラン選びがとても重要です。
3-4.管理会社選びは慎重に
実際の賃貸経営がスタートすると、オーナーが現場に足を運ぶことはほとんどありません。
代わりに、賃貸管理や建物管理を委託した、不動産管理会社が入居者や建物に直接かかわるようになります。
管理には、入居者案内や契約対応などのほかに、清掃やクレーム対応など、さまざまな業務があります。
これらのすべておいて、しっかりとサポートしてくれる管理会社に委託できると、賃貸経営は成功しやすくなります。
賃貸経営を検討する際には、営スタート後に管理をお願いする、管理会社選びも同時にしておいてください。
その際には、なるべく数多くの管理プランを請求し、数多くの管理会社の担当者と面談をするようにします。
テキパキとわかりやすい対応をしてくれていれば、入居者にも同じようにしてもらえる可能性が高いと言えます。
賃貸管理のための不動産管理会社探しには、賃貸管理に関した無料相談が一括でできる、賃貸経営HOME4Uのプラン請求をご活用ください。
3-5.必ずプロに相談をする
ご自分で市場調査をして、何となくでも活用予定地の動向が把握できたと思っても、そのあとには、必ず、プロに相談やアドバイスを受けたうえで、土地活用を進めてください。
その際には、NTTデータグループの運営する「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求をご利用いただき、数多くの賃貸経営プランを比較検討することをおすすめします。
HOME4U土地活用に提携しているハウスメーカーや建築会社は、土地活用と賃貸経営に信頼と実績があり、提案力が豊富です。
土地条件やエリア条件などから、相性の良い土地活用方法と、賃貸経営スタイルのアイデアをもとに、複数のプラン提案をしてもらえます。
もちろん、不動産業界のプロとして、法的・公的なデータをもとに、実現可能なプランの提案をしてくれます。
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