【詳しく解説】高低差のある土地の活用は?ポイントと注意点
高低差のある土地と聞くと、多くの方はがけ地を想像されるかもしれません。このような土地は一般的に傾斜地に分類され、平坦な土地と比較すると土地活用には難易度は高くなる傾向にあります。
この記事を読むと、
- 高低差のある土地で土地活用するなら、リスクを踏まえておくことが必要
- メリットもあり、適した土地活用方法も多い
- 成功するには高低差のある土地の活かし方をよく知るパートナー企業を選ぶことが必要
といったことがわかります。
なお、高低差のある土地での土地活用を具体的に検討されている方は、下のフォームからご自身の土地に合った経営プランの一括請求をすることもできます。ぜひご利用ください。
この記事の内容
1.高低差のある土地とは?
「高低差のある土地」と聞くと、急斜面を持つがけ地や、傾斜地などがイメージされます。これらの土地は一般的に高台にあることが多く、代表的な例としては、山や斜面を切り拓き、ひな壇式状に造成した土地などが考えられます。
高低差のある土地は、三角地や旗竿地などの変形地などと同じく「不整形地」に分類されます。このような土地では、建物を建てる際に難易度が高くなる傾向にあり、整形地と比較して活用しにくい場合が多いと考えられます。
2.建築費が高い?高低差のある土地のデメリットとリスク
高低差のある土地は、建築費が高くなるなどデメリットやリスクが大きい傾向があります。この章では、その理由を踏まえつつご紹介します。
2-1. 造成工事が必要
造成工事とは、土地に建物を建築するために、平らで建物を建てられる状態にすることです。一般的には以下のような作業が発生します。
- 切土:急斜面の土を切り取ること
- 盛土:高さが足りない部分に土を足すこと
- 残土処分:造成を行ったあとに不要となった土の処分
- 木の伐採や伐根
一般的に、高低差のある土地はすでに造成工事は終わった状態で売り出されることが多いですが、場合によっては土地オーナーの方で造成工事が必要になる場合もあります。
また、造成工事を行った土地は地盤が弱い傾向にあるため、地盤改良工事が必要となることも多いでしょう。
2-2. 擁壁など外構工事が必要
造成工事のほか、擁壁や土留めなどの外構工事も必要となります。
- 擁壁:側面の土が崩れるのを防ぐために設置される壁
- 土留め:盛土が崩れないように留めたコンクリートなどの建造物
高低差のある土地では建物のほかにこのような建造物が必要になることが多く、外構工事の費用が高くなる傾向にあります。特に擁壁は数百万円の費用がかかることも多く、資金計画に与える影響も大きいものです。
2-3. 売却しにくい
土地を所有していく中で、売却を検討することもあるでしょう。ただし、変形地や高低差のある土地の場合、土地活用の難易度が高いととらえられることが多く、フラットな土地の整形地と比較すると売却は難しくなる傾向にあります。
また、売却できたとしても、価格は高く設定しづらい点も押さえておきましょう。
3.高低差のある土地のメリット
デメリットやリスクがある反面、高低差のある土地にはメリットもあります。メリットを生かすことで、他の土地では難しい物件づくりができるケースもあります。
3-1. 地下室や半地下室がつくれる
高低差のある土地に建物を建てる場合、高くなっている方の土地の基礎を深く設置する必要があります。そのため、平坦な土地に建てるよりも深い箇所ができ、これを利用すると地下室や半地下室が作りやすくなる特徴があります。
地下室は、一定の条件を満たすと面積のすべてが容積率に含まれないことがあり、容積率の上限より広い住宅が建てられるメリットがあります。建築費用はその分高くなりますが、地下室ならではの遮音性や遮熱性を生かした建物が作れるメリットもあるでしょう。
3-2. 眺望や採光、通風が良い
高低差のある土地では、一般的に眺望の良い物件をつくりやすい傾向があります。これは斜面の上に建物を建てることで周辺の建物と高さに違いが出てくるからです。また、採光や通風も確保しやすいメリットがあります。
眺望の良さ、日当たりや風通しの良さは、賃貸マンションや戸建て賃貸、店舗テナントを運営する際もプラスの要素となります。こうした特徴を生かすことで、ほかにはないオリジナリティのある物件づくりも可能となるでしょう。
高低差のある土地に建てる賃貸物件の間取りや建築費が気になる方は、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」を使えば、具体的な建築プランが手に入ります。ぜひご利用ください。
4.高低差のある土地の活用方法
高低差のある土地では、土地に合った活用方法を考えることでうまく活かせるケースが多くあります。ここでは、高低差のある土地でも可能なおすすめの活用方法を5つご紹介します。
4-1.アパート・マンション経営
アパートやマンション経営は、土地に建物を建て、賃料を収益とする土地活用方法です。高低差のある土地に集合住宅を建てるには、法制面を確認し、地盤対策についてもしっかり行う必要があります。
ただ、高低差のある土地の特徴を活かすことで眺望や通風、採光にすぐれた訴求力のある物件ができるケースも多いでしょう。
アパート・マンション経営の特徴
- 賃貸需要のあるエリアでは安定した収益が期待できる
- 初期費用が高額になりやすい
- 高低差のある土地では地盤対策に多額の費用がかかる傾向がある
4-2.戸建て賃貸経営
土地に戸建て住宅を建てて、その賃料を収益とする土地活用方法です。戸建て住宅は一般的に木造で建てられることが多く、アパートやマンションほどの地盤対策を求められないため、高低差のある土地でも比較的、活用しやすいでしょう。
道路が地面より高いか、低いかによって、駐車場を設ける場所を変えたり、半地下室を作ったりと、高低差を活かした工夫も考えられます。
ただし、ひな壇上の土地に複数の戸建て賃貸を建築する際には、各戸ごとに擁壁を設置する必要があります。
戸建て賃貸経営の特徴
- ファミリー層に人気があり根強い需要がある
- 初期費用も収益性もアパートやマンションより低い
- 高低差のある土地でも比較的活用しやすい
4-3.店舗やテナント
商業施設や店舗物件を作り、テナントに入居してもらって賃料を収益とする方法です。高低差のある土地は眺望や採光、通風に優れることも多く、間取りによっては個性ある魅力的な物件ができる可能性も少なくありません。
ただし、これらの店舗は集客を必要とすることが多いため、そのエリアにニーズがあるかを慎重に考える必要があります。
店舗やテナント経営の特徴
- ニーズがあり集客できる立地であれば高収益が期待できる
- 初期費用が高額になりやすい
- 高低差のある土地ならではの眺望や採光がメリットとなりやすい
4-4.太陽光発電
太陽光発電システムを設置し、発電した電気を売ることで収益とする方法です。高低差のある土地や傾斜地の場合、方角や周辺の状況によっては十分に日照が確保でき、効率よく設置できるケースもあります。
また、太陽光発電は賃貸経営やテナント経営と違って集客の必要ない土地活用方法でもあり、エリアによっては適している場合もあるでしょう。ただし、売電価格は年々下がっていく傾向にありますので、将来的なリスクを含め把握しておく必要があります。
太陽光発電の特徴
- 集客が必要なく、郊外の土地でも土地活用できる
- 高低差のある土地や傾斜地では効率よく設置できるケースもある
- 売電価格やFIT制度(固定価格買取制度)の変化に注意が必要
4-5.トランクルームや駐車場
トランクルームや駐車場は、コンテナを設置する、もしくは駐車場用の区割を行って、スペースに応じて貸した賃料を収益とする方法です。高低差のある土地で、平坦な部分である有効敷地面積が狭い場合でも、土地に合わせて活用できるため比較的検討しやすいでしょう。
駅に近いなど立地の良い土地ならコインパーキング、住宅街なら月極駐車場、住宅地が近くにある郊外ならトランクルームなど、土地のニーズに合った活用方法を決めることが重要です。
トランクルームや駐車場の特徴
- 初期費用は建物を建てる土地活用と比べて低い
- 手間があまりかからず転用性も高いため気軽に始められる
- 収益性は低い
5.高低差のある土地を活用する際の注意点
ここまでご紹介してきたように、高低差のある土地は、デメリットやリスクを踏まえながら検討することで、うまく土地活用できる可能性は十分にあります。
ここでは、高低差のある土地を活用する際の注意点をご紹介します。
5-1.建築費はトータルで比較する
高低差のある土地は一見して土地価格が安く思えますが、実際に活用するには、造成を含めた外構工事や地盤改良、基礎の工事などで想像以上の費用がかかるケースが少なくありません。
特に、アパートやマンションなどの集合住宅を建てるには強固な地盤が必要とされますので、地盤改良費が高額になるでしょう。また、ひな壇状に土地を造成して建物を建てる場合には、低い位置にある建物の安全のため、擁壁が必要とされます。
このように、高低差のある土地の活用を考えるなら、建築費用はトータルで考えるのが大切です。土地価格の安さから一見利回りが高く見えることもありますが、実際にトータルの費用で考えると期待と異なることもありますので注意しましょう。
5-2.土地の条件を確認しておく
高低差のある土地に建物を建築する場合、土地の条件を事前に確認しておくことが必要です。
特に、敷地ががけに面していて、その近くに建物を建てる際にはさまざまな規制があります。例えば、がけの高さが5mを超えるときは土砂災害防止法、急傾斜地崩壊危険防止法によって規制され、2~3m以上のがけであれば自治体による規制(通称「がけ条例」)などで規制されます。
規制がかかるがけの高さや、取るべき対策はケースごとに変わってきますので、必ず事前の確認が必須です。
5-3.擁壁の有無と現在の基準を確認する
すでにご紹介したとおり、高低差のある土地に建物を建てる場合、自治体により規制を受ける場合があります。この規制によって必要となるケースが多いのが擁壁です。
擁壁は、場合によっては何百万円も費用がかかることがあり、資金計画、収支計画に大きな影響を与えます。そのため、擁壁は必要か、すでに設置されている場合は現在も使える基準なのかを確認しておくことが重要です。
このような土地ごとの規制を把握し、適切な土地活用方法を見極めるには、複数の企業の提案が一括でもらえる「HOME4U 土地活用」をご活用ください。プロのサポートもと確認することで、実現可能性の高いプランが手に入るでしょう。
6.高低差のある土地の活用はプロに相談を
高低差のある土地はメリットもあるものの、活用するにはリスクや注意しなくてはならない点が数多くあります。そのため、土地活用を行う際は必ず専門知識のあるプロのサポートを受けることが重要です。
高低差のある土地についてのノウハウや実績のあるプロのサポートがあれば、土地に合った活用方法をもとに、リスクを抑えながら収益を出す方法を考えられるでしょう。
「HOME4U 土地活用」を使えば、土地に合わせた活用プランを、建築費や収益計画も含めた形で最大10社から提案してもらえます。高低差のある土地での活用方法をお探しの際には、ぜひご利用ください。
高低差のある土地とは、急斜面のあるがけ地や、傾斜のある土地を指します。こうした高低差のある土地は以下のような特徴があり、デメリットやリスクがある土地として知られます。
- 造成工事が必要
- 擁壁など外構工事が必要
- 売却しにくい
高低差のある土地を活用する際は、上記のデメリットやリスクを知っておく必要があります。詳しくは「建築費が高い?高低差のある土地のデメリットとリスク」をご確認ください。
リスクがある一方で、高低差のある土地にはメリットもあります。
- 地下室や半地下室がつくれる
- 眺望や採光、通風が良い
詳しくは「高低差のある土地のメリット」をご確認ください。
高低差のある土地の活用方法として、おすすめの方法は以下のとおりです。
- アパート・マンション経営
- 戸建て賃貸経営
- 店舗やテナント
- 太陽光発電
- トランクルームや駐車場
それぞれの特徴や留意点について、詳しくは「高低差のある土地の活用方法」をご確認ください。
高低差のある土地を活用する際の注意点は以下のとおりです。
- 建築費はトータルで比較する
- 土地の条件を確認しておく
- 擁壁の有無と現在の基準を確認する
詳しくは「高低差のある土地を活用する際の注意点」をご確認ください。