失敗しないアパート一括借り上げの基礎知識|契約方式の比較とトラブル回避法まで
本記事では、アパートの一括借り上げについて、はじめてアパート経営をお考えの方でもわかりやすいようまとめています。
この記事を読むと
- 「一括借り上げ契約」の仕組み
- 「サブローン」「管理委託」との比較
- 一括借り上げで失敗しない為のコツ
について理解できるようにしています。
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この記事の内容
1.「アパート一括借り上げ」で失敗しないためには
アパート一括借り上げでの運用で失敗しないためには、下記3点が重要です。
- 契約内容を理解する
- 他の契約方式と比較して自分にあっているものを選択する
- 失敗事例を確認して事前に対処できる方法を知る
以下解説していきます。
2.アパート経営における一括借り上げの仕組みとサブリースの違いについて
ここでは一括借り上げの仕組みとサブリースとの違いについて解説します。
2-1. アパート経営における一括借り上げの仕組み
一括借り上げとは、管理会社がオーナーの所有するアパート一棟を丸々一括で借り上げ、入居者に転貸して経営を行う契約方式です。
手数料が10%~20%(家賃保証型の場合)と高いものの、事実上アパート経営に必要なほとんど全ての業務を丸投げする事ができ、特に管理に手間をかける事の出来ない副業大家さんや高齢の方に向いていると言われています。
管理会社はオーナーの代わりに、入居者募集も含めた全てのアパート管理業務を請け負います。
委託できる業務の範囲は広く、下記以外にも様々な業務を任せる事ができます。
- 入居者の募集
- 入居者のクレーム対応
- 契約の手続き
- 物件の維持管理
- 賃料の集金や未納者への対応 など
アパートのオーナーと管理会社は賃貸借契約で結ばれており、オーナーは毎月の家賃収入から決められた手数料を管理会社に支払う必要があります。
多くの場合、「家賃保証」契約も付帯する内容になります。
「家賃保証」とは、家賃収入の10〜20%の手数料と引き換えに入居率に関わらず一定の家賃収入をオーナーに保証するもので、収入の安定化に繋がるので人気があります。
しかし、入居率が低かったり競合との競争が激しくなると、数年おきに「保証家賃の引き下げ」を求められるので、リスクを回避する手段とは言い切れない内容です。
家賃保証型の一括借り上げについては以下の記事も参考にしてください。
2-2.一括借り上げとサブリースの違いは?
「一括借り上げ」と「サブリース」は、厳密には契約上の全く違う部分を指し示しているのですが、一般的には同じ意味で利用されています。
細かく説明すると、「サブリース」とは転貸を意味し、サブリース会社と入居者との間で締結される賃貸借契約のことです。
それに対しオーナーとサブリース会社との間で締結される賃貸借契約のことは「マスターリース」と呼ばれ、別名「一括借り上げ」とも言われます。
「一括借り上げ」と「サブリース」が同じ意味で用いられるのは、一括借り上げしたアパートを管理会社が転貸して経営する事を「サブリース方式」と呼ぶからです。
更に、「家賃保証」や「空室保証」と呼ばれる契約方式を全てまとめて「サブリース方式」と呼ばれる事もあります。
一括借り上げ・マスターリースとサブリースの違いについては、以下の記事もご参照ください。
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3.「一括借り上げ」と「管理委託」の比較と失敗しない選び方
契約方式は、自分の事情やニーズに合わせて選ぶ事をお勧めします。
「向いている方」のタイプ | |
---|---|
一括借り上げ |
|
管理委託 |
|
以下、自身に向いている契約方式を判断する為に、管理委託と一括借り上げの相違点やメリット・デメリット、契約方式の選び方を説明します。
3-1.「一括借り上げ」と「管理委託」の違いについて
一括借り上げとは、事実上アパート経営に必要なほとんど全ての業務を丸投げする契約形式で、多くの場合「サブリース方式」と呼ばれ、「家賃保証」「空き室保証」が付帯します。
管理委託料として管理会社に家賃収入の10%~20%程度を支払う必要があります。
管理委託とは、アパートの管理業務で必要な部分だけを不動産管理会社に委託する契約形式です。
管理委託料として管理会社に家賃収入の5%程度を支払う必要があります。
一括借り上げ(サブリース方式) | 管理委託 | |
---|---|---|
アパートの賃貸借契約 | 管理会社が締結 | オーナーが締結 |
管理会社による管理業務の範囲 | アパートの経営や建物の維持管理に関するすべての業務 | オーナーが委託する業務の範囲を選べる |
空室保証 | あり(一定期間) | なし |
家賃保証 | 原則あり | 原則なし |
管理会社への手数料 | 家賃収入の10〜20% | 家賃収入の5%程度 |
契約期間 | 2〜30年の長期契約が基本 | 2年単位が基本 |
入居者からの支払い(敷金・礼金・更新料) | 管理会社が受け取る | オーナーが受け取る |
3-2. 一括借り上げのメリット・デメリット
一括借り上げは家賃収入の安定化やオーナーの負担軽減が大きな魅力ですが、「家賃保証の減額交渉」がトラブルに発展しやすい点に注意する必要があります。
アパート経営における一括借り上げのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
3-3.管理委託のメリット・デメリット
管理委託では一括借り上げより高い家賃収入を得られますが、空室を埋める責任がオーナーにあるため、特に集客に関して積極的に取り組んでいく必要があります。
アパート経営における管理委託のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
管理委託に関する詳細は、以下の記事もご参考ください。
3-4.契約方式の選び方
管理会社との契約方式で迷った際は以下を参考にするとよいでしょう。
一括借り上げは、面倒な管理業務をすべて一任したい方や安定した収益を得たい方だけでなく、アパートを相続したものの経営に自信がない方にもおすすめです。
できるだけ多くの家賃収入を得たい方や、ある程度自分の意思でアパート経営を行いたい方は、手数料が低く自由度の高い管理委託を選ぶとよいでしょう。
4.一括借り上げを失敗しないためのコツ
一括借り上げによるアパート経営で失敗し易いポイントは以下の5つです。
- 高い手数料や免責期間で収入が減る
- 家賃が下がる場合がある
- 中途解約できない場合が多い
- 管理会社を変更できない
- 修理費用が割高になりやすい
注意点とあわせて失敗しないコツも解説しますので、管理会社と契約する前に確認しましょう。
4-1. 高い手数料や免責期間で収入が減る
一括借り上げ方式では、毎月の家賃収入から10〜20%の手数料を引かれた金額がオーナーに振り込まれます。
たとえば家賃収入が100万円・手数料が15%の場合、オーナーの収入は85万円となり、手数料分の15万円が減ります。
管理委託と比較して手数料の高い点は一括借り上げの大きなデメリットといえるでしょう。
また、オーナーと管理会社が賃貸借契約を結んでから3〜6ヶ月間は、空室時の賃料について免責期間が設けられることがほとんどです。
免責期間中は空室分の家賃が保証されないため、入居状況によっては家賃収入がなくなってしまう可能性があります。
4-2.家賃が下がる場合がある
一度家賃を下げてしまうと値上げは困難です。契約内容のなかでも家賃改定の項目はしっかり確認しましょう。
契約会社が提案してくる賃料をそのまま受け入れずに、必ずご自身で周辺相場と比較し適切な賃料設定を行う事が重要です。
また契約開始時に、相場より高い賃料設定を提案してきた場合は特にその後に値下げのある可能性が高いので注意しましょう。
一括借り上げでは契約内容が2年ごとに見直されるケースが多く、その際に家賃の値下げを要求される場合があります。
家賃が下がると収入が減少するため、契約開始時の賃料で住宅ローンの返済計画を立てている場合は特に要注意です。
賃貸借契約時に「家賃の値下げはしない」といった取り決めを結んでいても、サブリースを行う管理会社には賃料の減額請求権が法的に認められており、減額を請求されるケースがあります。
ただし、オーナー側も必ず減額請求を受け入れなければならない訳ではないので、管理会社からの要求内容を慎重に見極めることが大切です。
4-3.中途解約できない場合が多い
突然の契約変更に振り回されることがないよう、管理会社と契約を結ぶ前に下記の点をよく確認しましょう。
- 管理会社から中途解約される場合はあるか
- 契約期間中に賃料を改定する事はあるか
- アパートの維持管理のための修繕費用負担はどうなっているか
管理会社との契約内容によっては、オーナー側からサブリース契約を中途解約できない場合があります。
特に、契約書に「中途解約は不可」と記載されている場合は注意が必要です。
借地借家法によって借主である管理会社の権利が保護されており、正当な理由があると認められなければ、貸主であるオーナーからの解約は簡単にはできません。
一方、管理会社の都合によってサブリース契約を打ち切られることがあります。
4-4.管理会社を変更できない
一括借り上げで安定したアパート経営を維持するためには、信頼できる管理会社との契約が必要不可欠です。
管理会社の口コミを徹底的に調査し、過去に一括借り上げによるトラブルが発生していないか確認しておきましょう。
清掃や入居者対応等の管理の質などについて管理会社に不満を抱いても、一括借り上げの場合は自由に管理会社を変更できないケースがほとんどです。
管理会社を変えるには賃貸借契約を解約しなければいけませんが、オーナー側からの中途解約が難しい・解約違約金が発生するといった問題点があります。
4-5.修理費用が割高になりやすい
一括借り上げ方式では、設備の修繕・リフォーム・外壁塗装といった修理工事費用はすべてオーナーが負担します。
しかし、アパートの修理計画やリフォーム業者などの詳細は管理会社が決定するため、一般的な相場と比べて修理費用が割高になりやすい傾向にあります。
また、管理会社から想定外の維持管理費用を請求され、トラブルに発展してしまうケースも少なくありません。
過去には一括借り上げのトラブルが多発し社会問題化した事もあります。
ここまで解説した5つの失敗しないコツと合わせて、消費者庁の注意喚起のページもご参考ください。
契約前に確認が必須となる項目の説明もあるのでよく確認しましょう。
【参考:消費者庁 サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!】
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5.一括借り上げを契約するまでの流れ
オーナーと管理会社が賃貸借契約を締結し、アパートの一括借り上げが行われるまでの流れは以下のとおりです。
- 現地調査
- 建築・リフォーム
- 賃貸借契約の締結
- 入居者の募集
- 入居審査・契約手続き
アパートの新築にあたって、エリア・立地条件・周辺の賃貸需要などの調査が行われます。
完成物件の場合は、築年数・室内外や設備の条件・稼働率などもあわせて査定されます。
アパートの建築がスタートします。
完成物件の場合、物件の状態によってはリフォームを提案されることがあります。
オーナーと管理会社の間で賃貸借契約が締結され、一括借り上げが行われます。
契約締結後は、アパートに関する維持管理はすべて管理会社が担当します。
管理会社によって入居者の募集が行われます。
自社ホームページ・チラシ・賃貸募集サイトなど、さまざまな媒体を活用するケースが一般的です。
アパートに入居の申し込みがあった際、管理会社で入居審査を行います。
審査通過後、管理会社と入居者の間で賃貸借契約を締結します。
なお、オーナーは入居者を選ぶことはできません。
3〜6ヶ月の免責期間のあと、管理会社からオーナーに対して、家賃収入から手数料を差し引いた金額が振り込まれます。
6.一括借り上げで失敗しないためには
一括借り上げでアパート経営を成功させるには、必要な知識を得て、契約内容をよく理解し、自分に合った方法を選択することが重要です。不安な方は、まずはアパート経営を検討する段階で信頼できるプロを探し、サポートを得て進めることが近道です。
「HOME4U 土地活用」なら、ご所有の土地の情報など簡単な入力をするだけで、最大10社からプランを取り寄せて比較できます。信頼できるパートナー探しに、ぜひご利用ください。
「アパート一括借り上げ」で失敗しないために重要なポイントは次のとおりです。
- 契約内容を理解する
- 他の契約方式と比較して自分にあっているものを選択する
- 失敗事例を確認して事前に対処できる方法を知る
詳しく知りたい方は「1.「アパート一括借り上げ」で失敗しないためには」をご確認ください。
一括借り上げの仕組みは次のとおりです。
手数料が10%~20%(家賃保証型の場合)と高いものの、事実上アパート経営に必要なほとんど全ての業務を丸投げする事ができます。
・一括借り上げとサブリースの違いは次のとおりです。
「一括借り上げ」と「サブリース」は、厳密には契約上の全く違う部分を指し示しているのですが、一般的には同じ意味で利用されています。
詳しく知りたい方は「2.アパート経営における一括借り上げの仕組みとサブリースの違いについて」をご確認ください。
一括借り上げと管理委託の比較については次のとおりです。
<一括借り上げとは>
一括借り上げとは、事実上アパート経営に必要なほとんど全ての業務を丸投げする契約形式です。
<管理委託とは>
管理委託とは、アパートの管理業務で必要な部分だけを不動産管理会社に委託する契約形式です。
一括借り上げと管理委託の選び方は、どちらが向いているか確認してみるとよいでしょう。
「向いている方」のタイプ | |
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一括借り上げ |
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管理委託 |
|
詳しく知りたい方は「3.「一括借り上げ」と「管理委託」の比較と失敗しない選び方」をご確認ください。
一括借り上げを失敗しないためのコツは次のとおりです。
- 高い手数料や免責期間で収入が減る
- 家賃が下がる場合がある
- 中途解約できない場合が多い
- 管理会社を変更できない
- 修理費用が割高になりやすい
対処法も詳しく知りたい方は「4.一括借り上げを失敗しないためのコツ」をご確認ください。
一括借り上げの契約をする際の流れは以下のとおりです。
- 現地調査
- 建築・リフォーム
- 賃貸借契約の締結
- 入居者の募集
- 入居審査・契約手続き
詳しくは「5.一括借り上げを契約するまでの流れ」で解説しています。
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