【費用別】アパートの空き室対策一覧|費用・効果別に選ぶ10種の対策
本記事はアパートの空室対策について、はじめてアパート経営を行う方にも分かりやすいように、費用のかかり具合で分類した上でその効果の説明と併せて一覧形式で掲載し、その後解説しています。
この記事を読むと
- 空き室対策を費用・効果の面から検討し、自分に合った空室対策を選択
実施する事ができます。
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1.空室対策とその注意点一覧
安定したアパート経営のためにも、空室対策は不可欠です。
空室が多いと収益率が下がり、アパート経営が苦しくなってしまいます。
アパートの空室対策と注意点について、以下にまとめました。
空室対策 | 効果 | 費用 |
---|---|---|
ターゲットと募集条件を見直す |
|
あまりかからない |
募集資料を見直す |
|
あまりかからない |
フリーレントを導入する |
|
あまりかからない |
管理会社と良好な関係を築く |
|
あまりかからない |
共有部を綺麗に保つ |
|
あまりかからない |
適した委託契約方法を選ぶ |
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大きくかかる |
客付け力の強い管理会社に変更する |
|
少しかかる |
設備を追加する |
|
大きくかかる |
リフォームやリノベーション、建て替えを行う |
|
大きくかかる |
家賃等を下げる |
|
大きくかかる(長期的な悪影響が出る) |
空室対策は適切な方法・手順で行わなければ効果が出ませんし、良かれと思い実施した空室対策が逆効果になる場合もあります。
そのため、具体的な空室対策と合わせて注意点についても理解しておくとよいでしょう。
- 投資が必要な対策はなるべく選ばない
- 家賃保証型サブリースは慎重に検討する
- 賃貸需要が低いエリアは空室リスクが高いので初めから避ける
空室対策を実施する際は、かかる費用で対策を整理しながら考えると具体的な行動へのイメージがしやすいです。
- あまりお金がかからない対策
- 大きくor少しお金がかかる対策
以下で詳しく解説します。
2.あまりお金がかからない空き室対策
あまりお金がかからない対策は、以下の5つです。
- ターゲットと募集条件を見直す
- 募集資料を見直す
- フリーレントを導入する
- 管理会社と良好な関係を築く
- 共有部を綺麗に保つ
2-1.ターゲットと募集条件を見直す
ターゲットと募集条件を見直すことで入居対象が広がり、新規の申し込みが増える傾向があります。
具体的には、以下のようなターゲット・条件への見直しが考えられます。
- ペット可
- 外国人入居可
- 高齢者の入居可
- ルームシェア可
募集条件を変更するだけで行える対策のため、費用がかからないのも利点です。
ただし場合によっては建物の資産価値が下がる可能性や、家賃滞納の懸念も捨てきれません。
ターゲット・募集条件の変更については、下記の記事も参考にして下さい。
2-2.募集資料を見直す
入居者がより住居環境をイメージできるよう、募集資料を見直すのも有効です。
近年はインターネット上で入居を決める人が増えており、ホームページ上の募集資料の見え方が判断材料となるケースも増えています。
実際、オンライン内見会の実施率は上昇傾向にあるため、写真で物件の魅力を伝えることは重要なポイントとなっています。
- 掲載写真を新しくする
- 外観の見栄えを気にした写真にする
- 太陽の光が入った清潔感のある部屋の写真を用意する
- 周辺のエリア情報を詳しく記載する
などの対応が有効です。
2-3.フリーレントを導入する
一定期間家賃が無料になる「フリーレント」の導入も有効です。
全国的にフリーレントの需要は高まっており、空室を防ぐ効果が期待できるためです。
日本賃貸住宅管理協会が実施した調査によると、2022年度は全国で入居時にフリーレント・礼金で条件交渉した人の割合が3割増加。フリーレントの考え方が一般的になってきたことがわかります。
フリーレント期間中の家賃収入は入りませんが、一度入居してもらうことで長期入居につながる可能性が十分にあります。
フリーレントでの空室対策は、結果として家賃を下げるよりも負担が小さくなる傾向があるため、検討してみるのもよいでしょう。
参考:日管協「第27回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』 」17ページ
2-4.管理会社と良好な関係を築く
管理会社と良好な関係であれば、入居者を増やすために協力してもらいやすくなります。
空室対策についても、一緒に考えてもらうことで解決につなげられます。
結局のところ管理会社の担当者も人です。物件を紹介したいと思うか、そうでないかはコミュニケーションの質によることも多いのです。
管理会社が忙しい曜日・時間は避けつつ、最低でも月1回は訪問し、コミュニケーションを取るのが有効です。
2-5.共有部を綺麗に保つ
共有部を綺麗に保つことで、内見での印象がよくなるだけでなく、入居者が気持ちよく過ごせるようになりクレームを減らせます。
週に1回は清掃・点検するのがおすすめです。
- エントランス・廊下・ゴミ置き場など共用部分の清掃・整理整頓
- 共用部分の電灯・電子機器・エレベーターなどの建物設備の管理点検や修理修繕
上記の項目を最低限チェックしておくのがよいでしょう。
なお、共有部の清掃は基本的に管理会社に委託するのが一般的です。
良質な管理会社を選べます
良質な委託先と提携すると不動産経営も成功しやすくなるため、複数の会社に見積もりプラン請求をし、内容を比較して決めることで理想的なアパート経営をすることができます。
管理会社への相談や管理会社を探す際には、「賃貸経営HOME4U」の無料相談をご活用ください。
3.それなりにお金がかかる空き室対策
以下の5つはそれなりにお金がかかる対策になります。
- 適した委託契約方法を選ぶ
- 客付け力の強い管理会社に変更する
- 設備を追加する
- リフォームやリノベーション、建て替えを行う
- 家賃等を下げる
3-1.適した委託契約方法を選ぶ
賃貸物件の委託契約方法は「管理委託」と「家賃保証型サブリース」の大きく2種類があります。
若し、「アパート管理業務」の質が低くて退居者が出ている状況であれば、「管理委託契約」を質の高い業者と結ぶことによって、改善が期待できます。
「家賃保証型サブリース」とは、空室に関わらず賃料が固定となる保証型の契約形態のことです。
コストは大きくかかりますが、集客から管理まで全て行ってくれるので有利な契約に見えます。
既存物件の契約切り替えであればリフォームやリノベーションの実施を前提に契約を結んでくれる会社もありますが、リスクが大きいので注意が必要です。
詳しくは「3-2.家賃保証型サブリースは慎重に検討する」で後述します。
3-2.客付け力の強い管理会社に変更する
管理会社の客付け力は、アパート経営の成功を左右する重要なポイントです。
客付け力が強ければ、入居者が集まりやすく空室リスクは少なくなります。
このため空室が埋まらない場合には、管理会社の変更も視野に入れてみるとよいでしょう。
管理会社を選ぶ際は、以下のように実績と、提案力で判断するのがおすすめです。
- 管理物件の入居率
- 空室改善の提案策の具体性
- トラブル発生時の対応フロー
- 担当者の質
- 管理戸数の実績数
管理会社の変更方法については、以下の記事でも解説しています。
3-3.設備を追加する
物件選びにおいて、どのような設備があるのかは重視されるポイントのひとつになります。
駅から10分のような立地の良い物件でも、無料Wi-Fiや宅配ボックスといった設備がない場合は、導入を検討してみるのもおすすめです。
設備が充実し、生活がしやすくなることですでに入居している人の定着率も上がる可能性があります。
なお、求められる設備のトレンドは、日々変化していきます。
アンテナを広く張り、求められる設備を随時取り入れていくことも、空室対策のため重要です。
3-4.リフォームやリノベーション、建て替えを行う
リフォームやリノベーションを行うことで、物件を新築のように綺麗にして、入居者の定着率を高める効果が期待できます。
最終的には建て替えて、新築にしてしまう事も選択肢です。
いずれにせよ費用の掛かる施策になるので、それぞれのメリット、デメリットを比較して、現況に合ったものを選択しましょう。
リノベーション | リフォーム | 建て替え | |
---|---|---|---|
メリット |
|
|
|
デメリット |
|
|
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引用:アパートのリノベーション判断基準は?リフォーム・建て替えと一緒に比較
リノベーションをすべきか迷ったら、下記の記事も参考にしてみて下さい。
3-5.家賃等を下げる
入居者が負担する費用や家賃を見直してみるのも一つの手です。
ただし、長期的な影響を受けるためかかる費用も大きくなってしまうのでシミュレーションをしっかりとし、慎重に行いたいところです。
建物デザインや設備が時代遅れになってしまった場合や、周辺に新しいアパートができてしまった場合には、やむを得ず家賃の値下げが必要になる場合があります。
「競合に負けている」状況では、先述のリフォーム・建て直しも有力な対策になりますが、そのための費用を準備できないケースで、家賃引き下げは有力な手段になりえます。
4.空室対策で注意すべき3つのこと
空室対策には、以下3つの注意点があります。
注意点 | 理由 |
---|---|
1.投資が必要な対策はなるべく選ばない |
|
2.家賃保証型サブリースは慎重に検討する |
|
3.賃貸需要が低いエリアは空室リスクが高いので避ける |
|
注意しないと空室対策の効果がなくなってしまう恐れがあり、場合によっては損失につながることも考えられるため、必ず抑えておくべきポイントです。
4-1.投資が必要な対策はなるべく選ばない
投資が必要な空室対策は、できるだけ選ばないようにしましょう。
空室対策にはつながりますが、費用対効果が予測できず、支出に見合わない結果になる恐れがあるためです。
仮にリノベーションでデザイン性の高い模様替えをした場合、1室あたりの費用は50〜60万円です。バスルームやキッチンまで模様替えすると、1室あたり約200〜300万円かかる場合もあります。
例えば家賃が7〜8万円の部屋でバスルームやキッチンまでのリフォームを行えば、費用回収までにかかる期間は2年半ほどかかります。
リノベーションやリフォームの他にも、ローンの残積分が残っていることを考えると、キャッシュフローを圧迫してしまいます。
まずは募集条件の見直しや管理会社の変更など、費用を伴わない空室対策から行うことをおすすめします。
4-2.家賃保証型サブリースは慎重に検討する
賃貸物件の委託契約で「家賃保証型サブリース」を選択する際は慎重に検討する必要があります。
家賃保証型サブリースは、「管理会社がアパート一棟を買い上げ、サブリース会社に転貸する」管理方式で、空室状況に関係なく毎月固定の賃料が得られるのが特徴ですが、空室が増えていくとオーナーに対して賃料減額が要求されることも多々あるため、毎月更新時には頭を悩ますオーナーもいるのが現実なのです。
実際、国土交通省も以下の注意喚起を実施しています。
サブリース契約は、サブリース業者がアパート等の賃貸住宅をオーナーから一括して借り上げるため、一定の賃料収入が見込めることや、管理の手間がかからない ことなど、オーナーにとってのメリットがある一方で、近年、賃料減額をめぐるト ラブルなどが発生しています。
サブリース契約をする場合は、契約の相手方から説明を受け、契約内容や賃料減額などのリスクを十分理解してから契約してください。
参考:国土交通省HP「アパート等のサブリース契約を検討されている方は契約後のトラブルにご注意ください!」
サブリース契約をしているから空室対策は十分と安易に考えないようにしましょう。
4-3.賃貸需要が低いエリアは空室リスクが高いので避ける
現在物件を選んでいる途中という場合には、賃貸需要を気にしましょう。
周辺に賃貸物件がないような賃貸需要が低いエリアでは、そもそも経営をしないのが無難です。入居者が集まりにくく、空室リスクが高まるためです。
空室が解消されなければ、賃料を下げて募集せざるを得なくなり収益率が下がります。
ローン残債が売却価格を上回ってしまい、アパートを売ることもできず経営が苦しくなってしまうということも。
賃貸需要が高いのは、駅や商業施設の近くのように利便性が高いエリアです。人が集まりやすいため、空室リスクを抑えられます。
アパート経営を少しでも楽にできるよう、賃貸需要の高いエリアで経営するように心がけるとよいでしょう。賃貸需要については、以下の記事も参考にしてみてください。
空き室対策は「プロ」に相談!
空室対策を解決するためには、プロに相談するのが最も効果的です。
ご自身で調べるよりも時間の短縮になり、複数のプランを比較することでご自身にあった空室対策が実現します。
「HOME4U 土地活用」では複数社からの対策の見積もりが取れるため、活用してみてください。
アパートの空室対策には、以下が有効です。
- ターゲットと募集条件を見直す
- 募集資料を見直す
- フリーレントを導入する
- 管理会社と良好な関係を築く
- 共有部を綺麗に保つ
- 適した委託契約方法を選ぶ
- 客付け力の強い管理会社に変更する
- 設備を追加する
- リフォームやリノベーション、建て替えを行う
- 家賃等を下げる
空室対策は、物件の段階に沿って行うことが重要です。当記事の内容を参考に、空室対策に取り組んでみてください。
空室をなくしアパート経営を成功させるために必要なことは「アパート経営の成功者に学ぶ「5つの極意」と基礎知識」でも解説しています。
空室対策を実施する際は、以下3つに注意しましょう。
- 投資が必要な対策は選ばない
- 家賃保証型サブリースは使わない
- 賃貸需要が低いエリアは空室リスクが高い
それぞれの注意点については「3.空室対策で注意すべき3つのこと」でまとめて解説しています。
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