【詳しく解説】コインランドリー経営の初期投資・費用について徹底解説
コインランドリーの開業には、以下のような初期投資が必要になります。
- 次の店舗の建築費
- マシン代
- 内装費用
- その他費用
例えば、小規模(15坪)コインランドリーの初期費用のシミュレーション例は次の通りです。
内容 | 金額 |
---|---|
建築費(木造の場合) | 55万円×15坪=825万円 |
マシン代(洗濯機・乾燥機・精算機等) | 1,500万円 |
内装費(最も簡素なタイプ) | 20万円×15坪=300万円 |
その他費用 | 50万円 |
合計 約2,700万円 |
この記事では、コインランドリーの初期投資・費用について、建物の材質やマシンの種類、FC加盟の有無など、さまざまなパターンで詳しく解説していきます。
この記事の内容
1.コインランドリー開業4タイプ別 初期投資・費用の基礎知識
初期投資費用の総額は、店舗の規模や運営スタイルによっても違います。
今回は、記事全体を通して10~15坪程度の小規模なコインランドリーを開業する前提でまとめてあります。
主な初期費用は
- 次の店舗の建築費
- マシン代
- 内装費用
- その他費用
これら4つですが、開業タイプによっても初期費用の目安は変わってきます。
ここでは、コインランドリー開業タイプを以下の4つに分けて解説します。
- 開業タイプ1.更地からスタートする場合
- 開業タイプ2.建物がある場合
- 開業タイプ3.FC加盟
- 開業タイプ4.土地を貸す
設備など、各費用の詳細は3章「コインランドリーの初期投資額(建物編)」でご確認ください。
また、コインランドリー経営の基本を知りたいという方はこちらをご覧ください
1-1.開業タイプ1.更地からスタートする場合
お持ちの土地に、家屋などが何も建っていない状態、つまり、まったくの更地からスタートする場合です。
まずは、給排水・ガス・電気などすべてのインフラを整えてから建物を建設します。
敷地内までガス・水道・電気が来ていない場合は、公道部分から新設する必要があり、コストが大きくかかります。
また、必要な場合は地盤強化の工事が入ることもあります。
基本的には、家屋の代金にプラスして、土地の状態・コインランドリー店舗のグレード・仕様・マシンのレベル・広さなどに比例して、金額が大きくなっていきます。
1-2.開業タイプ2.建物がある場合
活用予定地に家・倉庫・店舗などなんらかの建物があり、その全部または一部をコインランドリーで使えるようにリフォームをして店舗をスタートさせる場合です。
住んでいた家屋を改装する場合、すでに水道・ガス・電気などは来ています。それに追加して、コインランドリーとして使えるように給排水管などを設置する工事、業務用洗濯機や乾燥機などの重機を配置するための工事、熱気などを逃がすためのダクト工事などが必要です。
コインランドリーは複数の洗濯機や乾燥機などの重量のある機械が多いため、基本的には平屋または一階部分での運営になります。
木造一軒家などを改装して使う場合でも、2階は利用しません。
鉄筋マンションなどの2階以上でのご利用をご検討の方は、強度確認などを経てからの施工になります。
1-3.開業タイプ3.FC加盟
土地活用としてコインランドリーを始める際に、自己経営でやるか、フランチャイズ加盟でスタートするかによっても、初期投資費用は大きく変わってきます。
店舗の準備やマシンなどをそろえるために必要な金額は前項2つのどちらかになりますが、その上でフランチャイズ加盟をした場合には、以下の金額が発生します。
フランチャイズ加盟料 (開業時支払い) |
|
---|---|
月間ロイヤリティ (毎月支払い) |
|
特に加盟料は先に支払ってからのスタートになることと、経営をする店舗の大きさなどに関係なく、加盟することで発生する料金です。
毎月のロイヤリティは月間収益から差し引かれる金額で、FC加盟をしている間は支払い続ける必要があります。
1-4.開業タイプ4.土地を貸す
コインランドリーを自分では運営せず、家屋や土地などをテナント用地としてコインランドリー経営をする会社などに貸し出す方法です。
この方法では、初期投資としての開業資金・マシン類などの費用も一切不要です。
コインランドリー経営による収益は得られませんが、土地または家屋を貸すことで得られる家賃収入が発生します。
2.コインランドリーの初期投資額 建物編
コインランドリーの建物は「外部から店内が見えやすいこと」と「室内の温度が上がりすぎない構造」であることを自治体ごとの条例で求められます。
そのため、一般店舗や家屋と比較すると、比較的大きな間口やガラス面の多い建物にする必要があります。
【例:大田区 コインランドリー】
2-1.店舗の建築費
活用予定地の広さや、どのようなスタイルのコインランドリーを経営するかで、設備・機械の設置台数と給排水の設備工事費、店舗全面積に使う床材・壁材・外壁材などのグレードが変わります。
ここでは、以下3種類の店舗のスタイルに分けて、坪単価の目安を紹介していきます。
- プレハブ造
- 木造平屋
- 店舗併設タイプ
なお、坪単価の目安には、建物を通常に使用するための配線配管などの費用も含まれています。
1)プレハブ造
建築費を抑え、工期も短く済むのがプレハブです。
プレハブ在来工法・プレハブ工法とも、坪単価は15万円前後です。
プレハブタイプのコインランドリー店舗は、大型のコインパークや銭湯などに併設されたコインランドリーによく見られるスタイルです。
進化したプレハブとして、プレキャスト製法のものを現場で組み立てるタイプもあり、ログハウス風・一軒家風など、オーナーの意向を取り入れたデザインにもできます。
施工は工務店・プレハブ施工会社・コインランドリー専門の施工会社・フランチャイズチェーンからの業務委託先などに依頼をして設営します。
工期は一般のプレハブ施工会社の場合で10日~1か月、コインランドリー専門の施工会社でプレキャスト工法の場合は、最短だと1日で完成するものもあります。
コインランドリー経営は開業時にかかる費用を銀行融資で調達できますが、プレハブの場合は法定耐用年数が7年と短いため、ローン期間も7年までの比較的短い資金計画となります。
【参照:国土交通省 多様な発注方式・工法に係る情報】
【参照:減価償却資産の法定耐用年数】
2)木造
木造で平屋の建物を作ります。
木造建築の平均坪単価は55万円前後ですが、コインランドリー店舗は2階部分を作らないので、工事会社によっては坪単価がもう少し下がる可能性があります。
プレハブと比較すると建築費が多くかかり工期も長くなりますが、基礎と柱をしっかり作り、防音や防振処理なども施せますので、住宅が密集した地域でも周辺からの苦情が起きにくいというメリットがあります。
また、しっかりしたつくりのイメージが良い建物として、プレハブ作りが多いコインランドリー他店との差別化ができます。
コインランドリー経営は開業時にかかる費用を銀行融資で調達できます。木造の法定耐用年数(木造店舗用で22年)以内で長期の銀行ローンを組むことができます。
【参照:減価償却資産の法定耐用年数】
3)店舗併設タイプ
他店との差別化が大きく図れるコインランドリーの新しいスタイルです。
坪単価は、前項2つの構造をもとに必要な内装費用などが追加されます。
採用する店舗によってかかる費用が変わるため、別途見積もりを取ってみることをおすすめします。
併設店舗は、コインランドリーの洗濯乾燥が終わる60分前後の時間を有効利用できることを想定した店舗や施設を作るのが良いとされています。
活用予定地の敷地面積に適していれば、複数の施設を併設できます。
例えば、
- カフェ
-
ドリンクやランチなどを楽しめる場所として、コインランドリーの待ち時間を快適に過ごせる場所としての需要があります。
- ワークスペース
-
WIFI完備で、パソコンやタブレット持ち込みをして仕事などができる場所です。
リモートワークが増えている現在、ワークスペースも兼ねたコインランドリーの需要は今後も増える見込みがあります。 - ミニスーパーやドラッグストア
-
近隣に商店街などがない場合は、日曜品や生鮮食品などをそろえられる小規模なお店があると、利用客には時短家事が一度にできる場所として喜ばれます。
- コンビニ
-
同じ24時間営業のコンビニが併設されたコインランドリーは防犯上でも、利用客の安心感が増し、深夜~早朝にかけてのコンビニとコインランドリー両方の利用増が期待できます。
駐車スペースがしっかりとれるほうが理想的です。 - 精米所など
-
地方に多いスタイルです。精米所がコインランドリーに併設されており、重くてかさばるタイプの家事をいっぺんにできる場所として人気があります。
そのほか、洗車場やコインパークが併設されているところもあります。
2-2.店舗改装費
建物をコインランドリー仕様にするための工事費用と、内装などの費用一式です。
坪単価相場はシンプルなもので20万円~、店舗規模と設備グレードなどで費用が変わります。
店舗改装費には以下のものが含まれます。
店舗外消費に含まれるもの | |
---|---|
配管関連 | マシンと給排水管・ガスの配管接続全般と、乾燥機の熱風を外に出すためのダクト設置など。 |
電気関連 | 店内への電気引き込み工事と内部の配線全般。 |
安全防災 | 火災や煙の感知器、誘導灯、消火器などの取り付け工事全般。 |
空調関連 | エアコン・換気扇などの空調設備工事全般。 |
店舗の外装 | 看板・照明・電飾・デザイン・シャッターなどの工事全般。 |
店舗の内装 | クロス・左官・タイル貼り・室内照明などの工事全般。 |
トイレ・洗面台 | 店舗によってはトイレや洗面台などを併設するところもあります。 |
2-3.その他
ここでは、必須ではありませんが、あったほうが喜ばれる店内設備を紹介します。
その他の店内設備 | |
---|---|
テーブル 椅子 | 荷物や洗濯籠を置くテーブルや、手持ちの荷物を置く台替わりに使える椅子などを設置します。 |
ワゴン | 洗濯機から乾燥機の移動、乾燥機からテーブルや車までの移動など、洗濯ものを移動させるために使うカートを複数台設置します。 |
テレビ・Wi-Fi | 機械の仕様説明や、待ち時間に鑑賞する映画などのための液晶テレビ設置。店内と利用客が使うWi-Fi設備など。 |
ドリンク類自販機 | 洗濯マシンに使う100円玉をつくれる自動販売機。(別途、両替機も設置可能) |
併設店舗に必要なもの | 併設する店舗に必要なものをそろえます。 |
3.コインランドリー初期投資額 マシン編
3-1.機械本体
新品の機械を導入する前提で、機械代金の相場を解説します。
店舗内に設置する台数は、機械の組み合わせや店内のレイアウトなどによって変わってきます。
各金額は購入した場合の値段ですが、リースもできます。
機械の台数は小型店で洗濯乾燥機6~8台、ふとんの丸洗い乾燥ができる大型機は、スペースが許せば1台だけでもあるほうが理想的です。
乾燥機は、家で洗濯をして乾燥だけをしに来る利用者のために多めに用意します。
必要な機器 | 1台の値段目安 | |
---|---|---|
12㎏ 洗濯乾燥機 | 約180万円 | 小サイズの洗濯乾燥機 一般家庭用の1.5倍 |
14㎏ 2段式乾燥機 | 約130万円 | 乾燥だけの利用客用に1~2台あるのが理想 |
22㎏ 洗濯乾燥機 | 約260万円 | 中型サイズの洗濯乾燥機 一般家庭用の2倍 |
25㎏ 乾燥機 | 約100万円 | 乾燥だけの利用客用に1台あると良い |
32kg 洗濯乾燥機(大型機) | 約320万円 | ふとんが丸洗い乾燥できる国内最大級洗濯乾燥機 |
集中清算機 | 約300万円 | 両替と売上計算管理もしてくれる専用機 |
【機械代金参考元:TOSEI】
3-2.システム配線費用
搬入した機械に電気配線・システムなどの取り付けが必要です。
主に、集中清算機とのシステム連携をします。
このシステムによって、利用代金やマシンの利用状況などがソフトで一元管理されます。フランチャイズの場合は、中央センターで管理されます。
多くの場合、選択した集中精算機にプランとして配線費用が組み込まれており、両替機を兼ねたものや、千円札でおつりが出るタイプなど様々なものがあります。
3-3.両替機と自動精算機
前項のシステム配線時に両替機や自動精算機の取り付けをする場合は、別途費用が発生します。
両替機をシステム連携またはネット対応させておくと、マシントラブルなどで返金希望の利用客がいた場合、スマホからの遠隔操作でネット返金ができますので便利です。
システムには連携させずに、独立した両替機などを個別に設置することもあります。
店舗によっては、100円のドリンクを販売する自動販売機を両替機として設置するところもあり、基本的に選択はオーナーの自由です。
各機械の値段やシステム費用などは、選択した機械の販売会社や、FC加盟チェーンによって違います。
3-4.防犯関連
コインランドリー店での防犯の基本は、防犯カメラによる監視です。
カメラ設置による防犯効果プラス、万が一のことがあった場合に、被害の証拠として警察や保険会社に提出する資料のために設置をします。
小さな店舗では店内と店舗入り口に1~3台、大きな施設では、駐車場から店舗内まで3~5台の防犯カメラを設置していきます。
さらにカメラを使った防犯対策には、大きく分けてオンライン対応と有人対応があります。
- ・オンライン対応
-
防犯カメラを光回線などにつないで動画監視をします。
店内を防犯カメラで24時間365日動画撮影し、何かトラブルが起きた場合に、日時をさかのぼって現地録画から犯人と犯行内容の特定ができるようにするのが目的です。以下の工事と料金が必要です。
- 光回線設備:初期費用で10,000円前後、月額で5,000~10,000円ほどかかる。
- 店内カメラ設置:1台3万円前後で、必要な台数分がかかる。
オンライン監視のための防犯カメラは、自分のスマホと連携していつでもスマホから店内を確認できるシステムもあり、自宅にいたままオーナーが定期的にセキュリティチェックをすることもできます。
フランチャイズ加盟をしている場合は、チェーン企業が提携しているシステムを導入することになります。また、大きな問題が起きたときには近隣警察に連絡をして、警察官に現場に急行してもらうこともできます。
【参照:スマホで監視できるクラウド型防犯カメラ】
【参照:NTT ギガらくカメラ】 - ・有人対応
-
警備会社と契約をし、何かあった場合は警備員に現場に出動してもらいます。警備会社の防犯カメラとレコーダーをレンタル設置するため、大手警備会社*のリース契約で、設置料金と機械保証料で70,000円前後、月額の警備保証料で7,000~10,000円がかかります。(買い取りタイプもあり)
夜間に起きたマシントラブルなどの対応には、コインランドリー専門のコールセンターと契約をすれば24時間対応をしてもらえます。
例えば、機械にお金が詰まってしまったなどの場合は、遠隔操作での返金や代わりの機械を稼働させて対応をしてもらいます。
すべての対応が終わってから翌朝以降の報告になりますので、オーナーが自分で現場に行く必要がなくなります。フランチャイズの場合は、このようなコールセンターがプランに組み込まれています。
【*参照:セコムホームセキュリティ】
【参照:コールセンター ランドリーサポート】
4.コインランドリーの初期投資額シミュレーション
15坪の小型店でコインランドリー開業をする前提で、初期投資額がいくらになるかをシミュレーションしてみましょう。
本コラムでここまでに説明をした初期投資でかかる費用で、相場がわかっているものを一覧にしました。A・Bの建物以外は共通です。
内容 | 数 | 金額 | |
---|---|---|---|
A建物 プレハブ造の場合 | 1 | 15万円×15坪=225万円 | |
B建物 木造の場合 | 1 | 55万円×15坪=825万円 | |
C店舗改装費(最も簡素なタイプ) | 20万円×15坪=300万円 | ||
D防犯 警備会社登録 | 合計10万円前後 | ||
Eその他費用 | 40~50万円 | ||
F機械 | 12㎏ 洗濯乾燥機 | 1 | 180万円×1=180万円 |
22㎏ 洗濯乾燥機 | 2 | 260万円×2=520万円 | |
14㎏ 2段式乾燥機 | 3 | 130万円×3=390万円 | |
25㎏ 乾燥機 | 1 | 100万円×1=100万円 | |
機械の合計額 | 1,190万円 | ||
G集中精算機 | 1 | 300万円×1=300万円 | |
C~G合計 約1,850万円 |
上記を店舗の建築造作別に計算すると、
- ◆Aプレハブ造店舗の場合◆
-
建物225万円+C~G合計1,850万円=2,075万円
- ◆B木造店舗の場合◆
-
建物825万円++C~G合計1,850万円=2,675万円
となります。
最も簡素な建物と内装で約2,000万円ですので、コインランドリーの初期投資額には一番小さな店舗でも最低2,000万円はかかると見積もっておけば、間違いがないでしょう。
【機械代金ほか参考元資料:TOSEI】
5.FC加盟系・独立系 どちらにすべきか?
コインランドリー開業を検討した際、フランチャイズチェーンに加盟をしてスタートするか、自分の会社として独自にスタートするかを悩む方は多いかと思います。
経営サイドとしての、フランチャイズ加盟時と非加盟時の主な違いをまとめましたので参考にしてください。
フランチャイズ加盟 | 独自経営 | |
---|---|---|
多くの場合、あり | 加盟料 | なし |
プランに上乗せ、または月額料で徴収 | ロイヤリティ | なし |
フランチャイズマニュアルに従って経営 | 経営方法 | 店舗・人材・金銭管理をすべて自分で |
フランチャイズからの保証があり有利 | 銀行融資 | ローンが下りないケースもある |
加盟チェーンのサイトが作成・更新する | ホームページ | 自分でサイトを作って更新する |
マニュアルあり・加盟店が販促をする | 広告集客 | 自分で告知 集客を考える |
指定の機材・プランから選んでいく | 機材・導入プラン | 購入・リース・中古品から自分で選ぶ |
商圏データで競合店なども把握している | マーケティング | 自分でやる・専門業者に依頼 |
フランチャイズからの定期メンテナンスあり | マシンメンテナンス | 自分でメンテナンス契約をする |
フランチャイズからのリース契約あり | マシンリース | 外注契約・個人事業者に非対応あり |
プランの中に組み込まれている | 防犯・監視 | 外注契約、または監視モニター設置 |
一番の違いは、フランチャイズチェーンに加盟すると加盟料と月額ロイヤリティがかかる点です。
中には加盟料がないフランチャイズチェーンもありますが、基本的に月額ロイヤリティは必ず発生します。
ロイヤリティの%などは企業によって違いますので、複数のフランチャイズチェーンの資料などを取り寄せて比較し、現在の自分にとってもっとも運営しやすいサポートをしてくれるフランチャイズチェーンを選ぶようにすれば、運営後も問題が少ないでしょう。
自分で経営する場合は、お店・金銭・人の管理までをすべて自分で取り仕切ることになります。
すべてをオーナー自身がする必要はなく、作業内容の一部を専門会社に外注することもできます。
フランチャイズの場合は必要な作業をフランチャイズ方式に則って利用することになります。
ただし、フランチャイズのチェーンにより、作業内容のすべてをお任せできるものから、一部をお任せするもの、作業はすべて自分でするものまでいろいろあります。
コインランドリーを開業してからの主な作業は、店舗管理に関することと、金銭管理に関することになります。
どこまでを自分でできるかを前提に見て、フランチャイズ加盟と独立系でするかの参考にしてください。
5-1.店舗管理の内容
店舗の見回りをして、以下のことをチェックしていきます。
5-1-1.店舗の清掃
多くの衣類が集まり、多くの人が土足で出入りする場所ですので、意外と汚れます。
綿埃と土埃が多く、利用者に気持ち良く使ってもらうには日々の掃除が必要です。
衣類の忘れ物や落とし物も多いので、忘れ物の管理と定期的な廃棄も重要です。
多くの人が利用する施設のため、窓や扉についた指紋や床の足跡などのふき取り、ゴミ捨てなどにも気を配り清潔感のある店舗に保ちます。
トイレと洗面所がある場合は合わせて掃除をし、トイレットペーパーやせっけん類の補充をします。
5-1-2.機械類の清掃
洗濯機や乾燥機のフィルターの洗濯のゴミ・洗剤ゴミ・綿埃などをこまめにチェックして、汚れている場合は掃除をします。
また、機械の中に落ちてしまったコイン、安全ピンなどを放置するとフィルターつまりの原因になりますので、こまめにチェックをします。
多くの人が触れる機械ですので、指紋や汚れが目立ちますので拭き掃除も必要です。
5-1-3.消耗品補充
店舗内で販売している洗剤類の補充をします。その他、消耗品の補充をします。
5-1-4.マシンメンテナンス
壊れていなくても定期的に、機械のメンテナンスを入れます。
導入した機械の会社が行う定期メンテナンスがあればそれを利用し、無い場合は、コインランドリーの機器を総合的に扱う専門会社などでメンテナンス管理をしていきます。
5-2.金銭管理の内容
コインランドリーの機械についているコインボックスのカギを開け、金銭管理をします。
5-2-1.精算機システムの管理
10日に一回くらいの間隔で、精算機内のお金を回収します。
コインボックスがいっぱいになると機械が止まってしまうため、最低でも月2回の回収は必要です。
両替機がある場合は、両替機内のお札を回収し、小銭の補充をします。
また、両替機として100円ドリンクの自販機がある場合は、ドリンクの補充と小銭の回収と補充をします。
5-2-2.売上金の管理
前項で回収した金額を帳簿で管理し、売上金の管理をします。
フランチャイズ加盟の場合は、システム画面から売上金管理のデータが見られますので内容確認をします。
自己経営の場合でもシステムを導入すれば、売上金管理をデータで管理できます。
4-2-3.その他
その他は、主に人材管理です。
フランチャイズに入らずに自主経営する場合に、清掃や店の開け閉め管理のための人を雇う必要があり、その人材管理などがあります。
清掃は毎日になりますので、専門業者にお願いする、または地元で人を採用するなどオーナーの判断で選択できます。
4-3.テナント貸しのコインランドリー経営もできる
本記事では基本的にご自分で開業・運営をする前提でコインランドリーの初期投資額の話をしてきましたが、活用予定地をコインランドリー運営会社に貸し出して、コインランドリー経営をしてもらう方法もあります。
コインランドリー運営会社とは、フランチャイズチェーンも含めた、土地活用の会社を指します。
経営スタイルは主に以下の2通りです。
4-3-1.テナント用地型
活用予定地をテナント(貸店舗)用地として貸し出し、不動産の家賃収入を得る方法です。
テナント用地型の場合は土地を貸すだけですので、オーナーは開業のための初期投資額は不要なままで、お持ちの土地から収益が上がります。
特に、活用予定地が広く、コインランドリー開業のための初期投資額が大きすぎて融資が付けられない、経営するのに不安がある場合などに適しており、大型の多店舗併用型コインランドリー経営を希望している会社にテナント用地として賃貸をすれば、かなりまとまった賃料が長期にわたって発生します。
また、このテナント用地に開業するコインランドリー店に、オーナーご自身が初期投資額を支払って経営者として入るなども可能です。
複数のフランチャイズチェーンはさまざまな経営スタイルへの対応がありますので、個別相談などで土地の活用方法を相談してみましょう。
5-3-2.テナント トータルマネジメント型
オーナー自身がコインランドリーを開業しますが、v運営はフランチャイズチェーンなどにすべてお任せし、不動産賃貸料とコインランドリー売上金から手数料などを引いた金額を毎月もらう、賃貸経営のサブリースとよく似た方法です。
コインランドリーを分譲したと考えると、わかりやすいかと思います。
お店自体はオーナーが初期投資の金額を出した所有物件になりますが、オーナーがコインランドリー経営の一切に手を出す必要がありません。
この方法であれば経営に頭を悩ませる必要もなく、毎月一定額が収益として入ってきます。
- 次の店舗の建築費
- マシン代(洗濯機・乾燥機ほか)
- 内装費用
- その他費用
詳細は「コインランドリー開業4タイプ別 初期投資・費用の事例」をご一読ください。
- 12㎏の洗濯乾燥機:約180万円
- 14㎏の2段式乾燥機:約130万円
- 22㎏の洗濯乾燥機:約260万円
- 25㎏の乾燥機:約100万円
- 32kgの洗濯乾燥機(大型機):約320万円
- 集中清算機:約300万円
詳細は「コインランドリー初期投資額 マシン編」をご一読ください。
- 店舗の清掃
- 機械類の清掃
- 消耗品補充
- マシンメンテナンス
詳細は「店舗管理の内容」をご一読ください。
-
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