共働き世帯の増加によりコインランドリーの需要が高まり、運営する人が増えてきました。
コインランドリーは無人でできるビジネスであることから、興味を持っている不動産オーナーも多いのではないでしょうか。
ただ、コインランドリーは一見簡単そうですが、実際は普通の客商売と同じで色々と配慮や準備が必要で、運営するにあたっては、あらかじめ注意点をしっかり知っておくことが大切です。
そこでこの記事では、「これからコインランドリーを運営しようか」と検討している方に向けて、必要な資金や収益シミュレーション、注意点について解説していきます。
ぜひ最後までおつきあいいただき、知識を深めてください。
1.コインランドリー運営に必要な資金
最初に、「コインランドリー運営に必要な資金」について解説します。
コインランドリーは20坪程度の店舗面積が標準的です。
20坪程度の物件の初期費用は、4,000万円~5,000万円程度が相場です。
以下のような内訳の初期費用が発生します。
項目 |
金額 |
内容 |
内装工事費 |
1,500万円 |
空調ダクト工事、給排水衛生工事、電気工事、内装工事 |
機器購入費 |
2,300万円 |
洗濯機:中型5台、大型2台、小型1台、乾燥機6台、両替機1台を想定 |
広告宣伝費 |
100万円 |
オープニング時のチラシやポスティング、ホームページ制作費用、リスティング広告(検索キーワード連動型広告)等の費用 |
その他 |
100万円 |
のぼり旗等の購入の予備費 |
合計 |
4,000万円 |
|
簡単そうに見えますが、資金としてはそれなりに大きな額が必要となる点、しっかり踏まえておいてください。
2.コインランドリー運営のシミュレーション
この章では、運営のイメージがわくように、具体例をシミュレーションしてみます。
標準的な20坪の店舗の売上は、月60万円~80万円程度です。
売上を例示すると下表のようになります。
項目 |
数量 |
内容 |
客単価 |
500円 |
洗濯機(中型・大型・小型)や乾燥機で顧客が利用する標準的な客単価を設定します。 |
台数 |
14台 |
洗濯機(中型・大型・小型)と乾燥機の合計台数です。 |
営業時間 |
24時間 |
24時間営業を前提とします。 |
営業日数 |
30日 |
1月当たりの平均日数を30日とします。 |
稼働率 |
12.5% |
コインランドリーは午前中の10時~12時の2時間に利用が集中します。残りの稼働時間は1時間として、3時間稼働する設定(3時間÷24時間=12.5%)です。 |
月額売上 |
630,000円 |
客単価×台数×営業時間×営業日数×稼働率 |
費用は以下の通りです。
項目 |
数量 |
内容 |
変動費 |
200,000円 |
水道光熱費、洗剤等 |
家賃 |
180,000円 |
物件による。9,000円/坪×20坪で設定。 |
管理委託料 |
126,000円 |
24時間営業を前提とします。 |
月額費用 |
506,000円 |
売上に対して20%で設定。 |
借入金の返済がある場合は、別途、借入金の返済も必要です。
初期投資額を4,000万円とした場合、年間収益と利回りは下表の通りです。
項目 |
金額 |
月額売上 |
630,000円 |
月額費用 |
506,000円 |
月額利益 |
124,000円 |
年間利益 |
148.8万円 |
投資額 |
4,000万円 |
表面利回り |
18.9% |
実質利回り |
3.72% |
3.必見!コインランドリー運営の9つの注意点
金銭面でのイメージがつかめても、その通りの収益が得られるかどうかは、運営者の腕次第です。
注意すべき点を理解していなければ、思うような収益が得られず撤退するということにもなりかねません。
この章では最低限注意すべき点について、以下の9つの項目を紹介していきます。
(1)適切な立地で開業すること
(2)適切な機器を配置すること
(3)過剰な投資を行わないこと
(4)クレーム対応の体制を構築すること
(5)清掃の体制を構築すること
(6)セールを定期的に行うこと
(7)洗濯物放置対策を構築すること
(8)定期的に競合店を見回ること
(9)最新のサービスを常に取り入れていくこと
それではひとつずつ見ていきましょう。
3-1.適切な立地で開業すること
コインランドリー運営は、適切な立地で開業することが最も大切な注意点です。
まず、自分が保有している土地や空き店舗で行う「物件ありき」の発想は捨てる必要があります。
自分が保有している物件が、たまたまコインランドリーに適した立地であればやっても構いませんが、適さない立地であるにもかかわらず有効活用する目的でコインランドリーを始めるならやめるべきです。
コインランドリーは典型的な立地産業であるため、経営の成否は立地が大きく影響します。
コインランドリー運営は良い立地で行えば成功しますし、悪い立地で行えば失敗するといっても過言ではありません。
もちろん、アパートや賃貸マンションも立地が重要ですが、コインランドリーの方が立地の重要性は高いです。
賃貸経営は賃料という安定した収入を長期契約で得ることができるため、多少立地が劣っても、一度、借主を入居させてしまえば、収入は安定します。
一方で、コインランドリーは収入として洗濯機の利用料を得るビジネスのため、不便な場所にあると顧客がなかなか定着しません。
リピーターを獲得できないような立地のコインランドリーは、収入が伸びず、売上も不安定になってしまうのです。
コインランドリーに適した立地は以下のような条件を満たす立地です。
- 高校生以下の子供がいる4人以上の家族が多く住む住宅地の近く。
- 食品スーパーの近く。
- 視認性が高く、車を駐車しやすい土地。
買い物ついでに立ち寄れる場所が便利なので、食品スーパーの近くが最適です。
車で行くことが想定されるため、車を駐車しやすい土地がさらに望ましいといえます。
コインランドリーは、立地が良ければ賃料を支払ってでも経営が成り立ちます。
賃料を支払いたくないからといって適地ではない自分の物件でコインランドリーを始まるのはリスクが高いです。
コインランドリー運営を始めるのであれば、まずは適切な立地探しから始めることがポイントとなります。
3-2.適切な機器を配置すること
コインランドリー運営は、適切な機器を配置することも重要な注意点です。
コインランドリーに配置する機器は、主に洗濯機と乾燥機の2つです。
洗濯機と乾燥機では、乾燥機の方が利用されやすく、売上は高くなります。
乾燥機は雨の日に洗濯物を乾かしたいというニーズがあるからです。
よって、洗濯機と乾燥機は半数ずつの割合で配置します。
洗濯機の中には「乾燥機付き洗濯機」といった一体型のタイプのものもありますが、一体型は乾燥機だけを使いたい人には利用しにくいため、避けるべき機器です。
乾燥機需要をしっかり捉えるためにも、「乾燥機だけ」の機器を半分くらい用意します。
洗濯機は大型、中型、小型のタイプがありますが、中型が最も利用され、売上は高くなります。
ただし、大型洗濯機も一定のニーズがあるため、ニーズを取りこぼさないためにも数台は取り入れておくことが望ましいです。
例えば、標準的なコインランドリーの広さである20坪程度の物件では、以下のようなラインナップが適切といえます。
乾燥機は稼ぎ頭ですので、しっかりと台数を用意することがポイントです。
3-3.過剰な投資を行わないこと
コインランドリー運営は、過剰な投資を行わないことも注意点です。
コインランドリーはアパートのような賃貸経営とは異なり、収益が安定しないことが特徴です。
借入金を用いて投資を行っても、返済し続けられる保証はありません。
特に1~2年目は赤字の月もあり得るので、毎月返済が発生する状況はリスクが高いです。
初期投資額は標準的な規模である20坪程度の物件であっても4,000万円~5,000万円程度かかるため、借入金を借りざるを得ないレベルです。
借入金を用いずに行うには、店舗の規模を小さくする必要があります。
コインランドリーは10坪くらいからでもできますので、例えば最初は10坪程度の店舗で全額自己資金によってスタートするのも一つの考え方です。
20坪の店舗で借入金を返済しながら運営するよりも、10坪の店舗で借入金の返済がない方が手残り(キャッシュフロー)が良い場合もあります。
いきなり大きな店舗から始めるとリスクが高いので、過剰な投資はせず、まずは小規模店舗から始めていくことをおススメします。
3-4.クレーム対応の体制を構築すること
コインランドリー運営では、クレーム対応の体制を構築することが注意点です。
コインランドリーは無人で経営可能ですが、「機械が壊れた」、「操作方法がわからない」といった問い合わせが多いので、クレーム対応の体制を構築しておくことがポイントです。
管理会社に管理を委託しない場合、経営者が自ら問い合わせ対応を受けることになります。
操作方法の問合せだけであれば、電話だけで対応することが可能です。
ただし、途中で機械が壊れた場合、お金の返金業務が発生します。
お金の返金は無人ではできないため、店舗に駆けつけて対応する必要が生じます。
よって、管理会社に管理を委託しない場合には、現実的に自宅の近くの物件でないとクレーム対応は難しいといえます。
また、電話番号を公開すると、クレームだけでなく、各種の営業電話や勧誘電話といったたぐいの電話もかかってきます。
営業電話が嫌だという場合には、管理は費用をかけてでも外部に委託してしまうことをおススメします。
3-5.清掃の体制を構築すること
コインランドリー運営では、清掃の体制を構築することも注意点となります。
コインランドリーでは、日常的に行わなければならないのが清掃です。
毎日多くの衣服や布団が持ち込まれるため、店内は直ぐにワタボコリまみれになります。
利用者は自分たちの衣服を洗う店舗には清潔感を求めるので、汚い店舗だと顧客が定着せず、なかなか売上が安定していきません。
店舗は清潔感を保つことが大切なので、清掃は毎日行うことが必要です。
清掃に関しては、清掃会社に依頼するか、アルバイトを雇うかといった体制を構築しておくことがポイントとなります。
3-6.セールを定期的に行うこと
コインランドリー運営では、セールを定期的に行うことが注意点です。
コインランドリーの売上は、「新規顧客」と「リピーター」の2者で構成されています。
売上を安定させるにはリピーターが重要ですが、リピーターは引っ越しや競合店の出現等によって自然と失われていきますので、新規顧客は常に開拓することが必要です。
新規顧客獲得に欠かせないのが、セールになります。
衣替えの季節にセールを行うと、新規顧客を獲得しやすいです。
セールはチラシによって告知します。
コインランドリーの商圏は半径2km圏内ですので、商圏内に絞ってチラシをポスティングするのが効果的です。
新規顧客の獲得は、オープン直後も大切ですが、安定稼働後も大切な作業となります。
一定の売上をキープするには、定期的に新規顧客を開拓し続けることがポイントです。
3-7.洗濯物放置対策を構築すること
コインランドリー運営では、洗濯物放置対策を構築することが注意点です。
コインランドリーは、午前中の10:00~12:00の間に利用が集中する傾向があります。
この2時間の間で稼働率をいかに上げるかがコインランドリー運営のポイントです。
しかしながら、終わった洗濯物を取りに来ない顧客が発生すると、次の顧客が利用できなくなるため、稼働率が大幅に落ちます。
稼働率を下げないようにするには、洗濯物を長期間放置させないことが重要となります。
洗濯物放置対策は、各店舗がいろいろな工夫をして行っています。
例えば、アプリで顧客管理を行い、10分以内に取りに来るとポイントを付与するような店舗もあります。
他店がどのような放置対策を行っているのか、事前に研究しておくことをおススメします。
3-8.定期的に競合店を見回ること
コインランドリー運営では、定期的に競合店を見回ることが注意点です。
コインランドリーは無人で経営できますが、いつの間にか売上が落ちてしまうことがあります。
原因を探ってみると、近くに競合店ができていることが多いです。
従業員がいる店舗であれば変化に気付きやすいですが、無人店舗は変化に気付きにくいというデメリットがあります。
競合店は早期に発見し、環境変化に早めに対応していくようにしてください。
3-9.最新のサービスを常に取り入れていくこと
コインランドリー運営では、最新のサービスを常に取り入れていくことが注意点です。
コインランドリーは機器の進化が早いため、後からできる競合店の方がサービス内容は良くなります。
競合店に負けないようにするには、自社も最新のサービスを取り入れていくことが必要です。
機器の入れ替えが大きな投資が発生するため、好ましくありません。
そのため、最新にすべきは機器ではなく、付随サービスになります。
例えば、コールセンターによる遠隔対応サービスや、アプリによるポイント付与サービスなどが挙げられます。
付随サービスを最新にしていくと競合店に見劣りしなくなります。
最新のコインランドリーがどのようなサービスを行っているのか、常に研究しておくことをおススメします。
~自己所有地で始めるなら、他の活用も検討を~
コインランドリー運営は立地が決め手になるため、自己所有地がコインランドリー適地でない場合、無理矢理始めてしまうとリスクがあります。
自己所有地がコインランドリー適地でない場合、自己所有地は他人に貸し、自分はコインランドリー適地を借りて経営をする方が適切です。
自己所有地で最適な土地活用を探すなら、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」がおススメとなります。
様々な土地活用の専門企業最大10社から、無料で土地活用提案を受けることができるため、選択肢を幅広く知ることができます。
コインランドリーは難易度が高く少し不安という方は、自己所有地は他の活用を検討してみてください。
まとめ
いかがでしたか。
コインランドリー運営について、注意点を中心に解説してきました。
コインランドリー運営の注意点としては、「適切な立地で開業すること」、「適切な機器を配置すること」等が挙げられますが、とにかく立地が最重要ですので、しっかりと見極めるようにしてください。
自己所有地がコインランドリー適地でなければ、「HOME4U 土地活用」で他の活用方法を検討することも賢明な選択の一つです。
自分でコインランドリーを運営する場合は、十分に研究してから始めることをおススメします。
収益予想や費用をまとめたプランを企業に請求できます!
あなたに合った活用法が分かる!
【全国対応】HOME4U「土地活用」
土地活用の相談先を探すなら一度の入力で複数の大手企業へ一括プラン請求!
土地活用の相談先は「建築会社」「ハウスメーカー」「専門業者」など色々あって、どこに相談したら良いか、迷うものです。
それに、あなたの土地にはどんな活用法が向いているのかも、自分ではなかなかわからないですよね。わからないからといって、もしも一社にしか相談しなかったら…
- 他社ではもっと高収益なプランがあるかもしれないのに、見落としてしまうかもしれません
- その土地に適していないプランで活用を始めてしまうリスクがあり、後になって失敗してしまう可能性があります
つまり失敗しないためには、できるだけ多くの相談先を見つけ、たくさんのプランを比較してから決めることがとても重要です!
「HOME4U土地活用」なら、土地活用したいエリアなど簡単な項目を入力するだけで、複数の大手企業へまとめてプラン請求ができるので、各社の提案を比べながら、収益を最大化するためのプランを見つけることができます。
しかも「HOME4U土地活用」は
- 信頼できる業界大手企業が勢ぞろい!この顔ぶれはHOME4Uならではのラインアップ!
- NTTデータグループが運営。19年の実績があるので、安心してご利用頂けます
ぜひコチラから大手企業に一括相談して、成功への足掛かりをつかんでください!
カンタン60秒入力 土地の情報を入力するだけ!