「アパート経営+太陽光発電」で収益はどう変わる?|基礎知識から導入の流れまで解説

本記事では、アパート経営と太陽光発電を組み合わせた際の収益の変化や導入費用シュミレーション、補助金、導入の流れといった基礎的な事項について網羅的にまとめています。
この記事を読むと
- アパートに太陽光発電を導入した際に起こる経営数値上の変化やかかる手間を具体的にイメージ
したうえで、太陽光発電の導入を検討・決断できるようになります。
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この記事の内容
1.アパート経営と太陽光発電を組み合わせた際の収益上のメリット5つ
アパート経営と太陽光発電を組み合わせる収益上のメリットは、次の5つです。
- 家賃以外の収入源ができる
- アパートのランニングコストを下げられる
- 屋根の下の階の断熱ができる
- ソーラーローンが利用できる
- 付加価値がつく
それぞれ詳しく解説します。
1-1.家賃以外の収入源ができる
2024年度の太陽光発電の売電価格は、以下のとおりです。
電源 | 規模 | 2024年度 |
---|---|---|
住宅用太陽光発電 | 10kw未満 | 16円 |
事業用太陽光発電 (地上設置) |
10kw以上 50kw未満 |
10円 |
50kw以上 入札対象外 |
9.2円 | |
事業用太陽光発電 (屋根設置) |
10kw以上 50kw未満 |
12円 |
参照:経済産業省 再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2023年度以降の買取価格等と2023年度の賦課金単価を設定します
FIT制度とは再生可能エネルギーの固定価格買取制度のことで、政府が定めた期間中、一定の価格で電気を買い取る制度です。
現在では、ソーラーパネルの設置容量にかかわらず「余剰電力買取制度」が適用されており、太陽光発電の余剰電力を売電するためには、発電電力の30%以上を自家消費に充てなければなりません。
1R・1Kが6部屋ほどのアパートが建てられる50坪の場合、10kW以上のソーラーパネルが設置できる計算となるため、経済的メリットは次のように試算できます。
ソーラーパネルの設置容量 | 10kW | |
---|---|---|
売電価格 | FIT期間中 | 12円/kWh |
FIT満了後 | 8円 /kWh | |
電気料金 | 31円/kWh |
発電量 | 11,000kWh(太陽光の設置容量x1,100) | |
---|---|---|
自家消費量 | 3,300kWh(年間発電量の30%) | |
売電量 | 7,700kWh(発電量–自家消費量) | |
売電収益 | FIT期間中 | 77,000円 |
FIT満了後 | 61,600円 | |
節電効果 | 102,300円 (電気料金×年間発電量の30%) | |
売電+節電 (経済的メリット) | FIT期間中 | 179,300円 |
FIT満了後 | 163,900円 |
上記例の場合、売電収益で太陽光発電システム導入費用を回収するには30年程度かかります。
1-2.アパートのランニングコストを下げられる
太陽光発電を取り入れることで、共用部分の電気代をまかなえます。
- 照明器具
- 水道ポンプ
- エントランス部のオートロック
共用部以外でも、アパートの一部にお住まいの大家さんであれば、自宅の電気代を太陽光でカバーすることで、コスト削減が期待できるでしょう。
1-3. 屋根の下の階の断熱ができる
太陽光パネルを設置することで屋根の下の階の部屋は、夏は直射日光を防ぎ冬は放熱を抑える事ができるため、断熱効果が得られます。
特に木造アパートでは、最上階で夏場の部屋温度が高温になりやすいデメリットがあります。「夏場でも暑くないアパート」を訴求すれば、空室対策にもなるでしょう。
1-4.ソーラーローンが利用できる
ソーラーローンは、太陽光発電システムや蓄電池購入に利用できるローンです。
頭金が不要で、太陽光発電システムそのものが保証になります。
ただし、ソーラーローンは返済が終了する前に設備が故障するとローンだけが残ってしまいます。
補償つきローンに加入したり、保険に加入してソーラーパネルの修理費や解体・撤去費用をまかなったりするなど対策は必要です。
詳細は「3-1-1.全国・東京都・各自治体で使える補助金一覧」をご覧ください。
1-5.付加価値がつく
太陽光発電システムを設置すると、BELSの高評価を取得しやすくなるのもメリットです。
BELSとは、 Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)の略称で、新築・既存に関係なく評価対象となります。
BELSによって、高いエネルギー性能評価を受けると、次のメリットがあります。
- ZEH住宅の補助金申請に利用できる
- 建物の信頼性・資産性が上がる
ZEHとは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を省略した言葉で、読み方は「ゼッチ」です。高断熱、省エネ、創エネの3要素が主な特徴です。
BELSはZEH住宅の補助金制度に利用でき、BELS単体でもエネルギー性能の客観的評価となるので、太陽光発電システムを導入する際は、BELS評価を受けるのがおすすめです。
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2.太陽光発電をアパートに導入した際の想定シミュレーション
ここからは、次の2点のシミュレーションを紹介します。
- 太陽光発電をアパートに導入した際の初期費用
- 太陽光発電をアパートに導入した際の収益シミュレーション
それぞれのシミュレーションを詳しくみていきましょう。
2-1.太陽光発電をアパートに導入した際の初期費用
太陽光発電の初期費用は、①アパート建設の初期費用+②太陽光発電システムの初期費用の金額で考えるのが一般的です。
それぞれわけて考えてみましょう。
①アパート建設の初期費用
アパート建築の初期費用は様々な要素によって変わります。
今回紹介するのは、60坪(7坪のワンルームが8室)の木造アパートの場合の総建設費用シミュレーションです。
建築費 | 5,000万円 |
---|---|
アパートローン関連費 | 500万円 |
登記費用 | 30万円 |
不動産所得税 | 25万円 |
火災保険費用 | 30万円 |
総額 | 5,585万円 |
引用:アパート経営に必要な自己資金はいくら?かかる初期費用やリスクを解説
②太陽光発電システムの初期費用
太陽光発電設備の初期費用は1kWあたり25.5万円です。(調達価格等算定委員会調べ)
■10kW規模の60坪に太陽光発電システムを設置する場合
25.5万円×10kw=255万円
■60坪(7坪のワンルームが8室)の木造アパートに太陽光発電システムを設置する場合
5,585万円(アパート層建築費)+255万円(太陽光システム設置費用)=5,840万円
が初期費用となります。
参考:調達価格等算定委員会|令和5年度以降の調達価格等に関する意見
2-2.太陽光発電をアパートに導入した際の収益シミュレーション
60坪で10kWの電気を売電した場合、1年で61,600円~77,000円(1-1.家賃以外の収入源ができる参照」)円売り上げがたちます。
その場合の収益シミュレーションは、下記の通りです。
- 10年間の売電額:770,000円
- 20年間の売電額:1,540,000円
- 30年間の売電額:2,156,000円
※20年目以降はFIT満了後の単価で計算しています
※売電による収益以外にも節電効果による経済的メリットが上乗せされます。
FIT価格が下降している関係で、売電額で初期費用を回収するには30年程度がかかります。
太陽光発電システムを取り入れる場合、収益性よりも節電効果に注目した方がいいでしょう。
電気代が高騰している昨今では、太陽光パネルによる電気代削減効果の方がメリットが大きく、蓄電池を使えば、災害に備えられます。
太陽光発電を取り入れるには「HOME4U 土地活用」にて経営プランを取り寄せてみることをおすすめします。ご所有の土地の情報など簡単な入力をするだけで、最大10社からプランを取り寄せることが可能です。
3. 太陽光発電システムでうまく収益を上げるコツと補助金について
太陽光発電とアパート経営を組み合わせてうまく収益を上げるコツは主に下記5つです。
- ソーラーローン・補助金の活用
- 複数社から見積りを取る
- 立地の選定
- 売電先の変更、蓄電池の購入
- 災害リスクに備え保険を活用
3-1.ソーラーローン・補助金の活用
初期費用を抑えたい方はソーラーローンや補助金を活用するようにしましょう。ソーラーローンとは、頭金なしでも長期の融資が受けられるローンです。
金融機関名 | 金利 |
---|---|
ジャックス | 3.5% |
イオン銀行 | 2.75% |
埼玉りそな銀行 | 2.35% |
三菱東京UFJ銀行 | 1.99%~2.875% |
北海道銀行 | 1.93%~2.43% |
セディナ | 1.9%~2.65% |
千葉銀行 | 1.6%~2.4% |
オリコ | 2.90% |
多摩信用金庫 | 1.98% |
※金利は見直しが随時行われるので、各社のページで直接確認下さい。
ソーラーローンの返済期間や、金利制度(固定制・変動制)はローン会社によって異なります。複数社を検討し、返済シミュレーションを行いましょう。
3-1-1.全国・東京都・各自治体で使える補助金一覧
全国・東京都・各自治体で使える補助金を抜粋してまとめました。
地区名 | 事業名 | 助成金額 |
---|---|---|
東京都 | 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業 |
■太陽光発電システム経費
|
■架台設置経費(上乗せ)
|
||
文京区 | 文京区新エネルギー・省エネルギー設備設置費助成【住宅用太陽光発電システム】 | 10万円/1kW(上限70万円まで) |
世田谷区 | 世田谷区エコ住宅補助金 | 太陽光発電システムについては工事経費(消費税を除く、千円未満端数切捨て)の10%(上限30万円まで) |
神奈川県 | 令和5年度神奈川県太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助金 |
■太陽光発電設備 |
鹿児島県 | 自立・分散型エネルギー設備導入支援事業 | 5万円/kW(上限 200kW) |
下記一覧で紹介している以外でも補助金が出る場合があるので、設置前には各自治体のホームページをチェックしましょう。
3-2.複数社から見積りを取る
太陽光発電システムは、設備や設置業者によって金額が異なります。メンテナンス費用を含めたアフターフォローが適切かどうかを見極めるためにも、必ず複数社から見積りを取るようにしましょう。
項目 | 頻度 | 費用 |
---|---|---|
定期点検 | 4年に1回 (資源エネルギー庁の推奨) |
1~2万円/1回 |
太陽光パネル清掃 | 適宜 | 3~6万円 |
足場代 | 点検・清掃時 | 8万円程度 |
パワーコンディショナー交換 | 10~15年に1回 | 20~30万円 |
特にパワーコンディショナーは交換費用が高額で、清掃は作業台のほかに都度足場の設置費用がかかるため、耐久年数や清掃頻度は入念に確認しておくのがおすすめです。
3-3.立地の選定
太陽光発電は、日射時間に比例して発電量が上がるため、積雪が多い地域や曇りが多い地域では、思ったほどの収益が得られない可能性があります。アパート経営と太陽光発電を組み合わせたい場合は、立地の選定を厳密に行う必要があります。
太陽光発電に向いている土地の特徴は、以下の通りです。
- 広い土地
- 平らな土地
- 日当たりがいい
- 海岸から遠い
- 電柱が近くにある
- 地盤が強い
- 自然災害が少ない
太陽光発電に向いている土地については、こちらの記事で詳しく解説しています。
3-4.売電先の変更、蓄電池の購入
FIT期間中、満了後ともに、売電価格は低下傾向にあります。しかし、FIT期間満了後は、売電先を選択することで、必要以上の価格低下を避けられます。
また、売電価格にこだわらず余剰電力を蓄電池に蓄え、非常用電源として活用する方法もおすすめです。
蓄電池の導入には費用がかかりますが、補助金が使えるケースがあるので検討してみるとよいでしょう。
3-5.災害リスクに備え保険を活用
太陽光パネルは、台風などの災害の影響をダイレクトに受けるため、保険等でのカバーが必要です。
太陽光発電の長期保証では、免責事項で自然災害は対象外となっているため、別途保険に加入する必要があります。
また、自然災害で第三者に損害を与えた場合に備えた施設賠償保険や、太陽光発電システムの破損で使えなくなった場合の廃棄費用に備えた保険の加入も努力義務となっています。
4.太陽光発電を導入する流れ
太陽光発電システムをアパートに導入する場合、次の流れになります。
- 設置できるか確認
- 収益性を検討・補助金の確認
- 建築業者に問い合わせる
- 工事を発注する
4-1.設置ができるか確認
太陽光パネルは下記のような条件では建築基準法で設置ができない場合があります。
- 設置する事で土地の高さ制限を超えてしまう
- 設置する事で周りの家に日陰を作ってしまう
- 設置する事で隣の家の日当たりを守る北側斜線の規定を超える高さになる
- 震度6強~7程度の大規模地震に耐える新耐震基準を満たしていない
太陽光発電システム設置の際には各自治体に建築確認申請が必要となります。
申請には専門性の高い知識が必要となりますので、導入検討時に建築会社に相談しましよう。
参考:総務省消防庁 危険物施設に太陽光発電設備を設置する際に求められる安全レベル(案)
4-2.収益性を検討・補助金の確認
太陽光パネルをアパートに設置した時の初期費用を売電額で対応するには、平均で30年程度かかると言われています。
初期費用を抑えるためには、アパート建築を予定している自治体の補助金制度を必ず確認し、補助金を最大限活用したうえで、売電額による収益と節電効果を含めた経済的メリットを享受できるプランをたてましょう。
「3-1-1.全国・東京都・各自治体で使える補助金一覧」で抜粋して紹介しています。
4-3. 建築業者に問い合わせる
アパート建築予定地に太陽光発電の設置が可能で、自治体が補助金制度について確認ができたら建築会社を選定します。
太陽光発電システムは、設置業者によって設置金額だけでなく、保証内容やメンテナンスの費用に違いがあります。
太陽光発電は長期運用です。アフターフォローについても建築会社を比較する材料に含め、必ず複数社から見積りを取るようにしましょう。
4-4. 工事を発注する
建築会社を選定したら、工事を発注します。
すでにお持ちのアパートに太陽光発電システムを導入したい場合は、事前に居住者の許諾を得ましょう。工事による騒音などでトラブルが起こるのを回避する事ができます。
アパート新築時に太陽光発電システムを取り入れる際は、最初から計画に組み込んだうえで建築プランを立てましょう。
太陽光発電を始めるためのステップはこちらでも解説しています。
太陽光発電×アパート経営
について複数社に相談!
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- 家賃以外の収入源ができる
- アパートのランニングコストを下げられる
- 屋根の下の階の断熱ができる
- ソーラーローンが利用できる
- 付加価値がつく
- 太陽光発電の初期費用は、①アパート建設の初期費用+②太陽光発電システムの初期費用
- 売電額で初期費用を回収するには30年程度がかかります。
- 売電による収益以外にも節電効果による経済的メリットが上乗せされます。
- ソーラーローン・補助金の活用
- 複数社から見積りを取る
- 立地の選定
- 売電先の変更、蓄電池の購入
- 災害リスクに備え保険を活用
- 設置できるか確認
- 収益性を検討・補助金の確認
- 建築業者に問い合わせる
- 工事を発注する
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