【詳しく解説】プレハブ工法アパートの建築費相場・メリデメ・耐用年数について
本記事ではアパート建築を検討している方向けに、プレハブ工法について幅広い事項に関して解説し、更に「他工法との比較」もできるようにしています。
この記事を読むと
- プレハブ工法での建築費用相場
- プレハブ工法の耐用年数
- プレハブ工法でアパートを建てるメリット・デメリット
を理解し、工法選択の決断を下せます。
あらかじめ工場で生産・組み立てを行った「アパートのパーツ」を現場に搬入し、組み立てる工法です。
「プレハブ」という言葉を聞くと、仮設住宅など「簡易的」な建造物を想像しがちですが、事前に製造・組立を行う「prefabrication(プレファブリケーション)」の略であり、アパート建築では主流の工法です。
プレハブ工法でアパート建築するメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
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|
1.プレハブ工法の基礎知識
プレハブ工法の基礎知識について、以下の3項目を解説していきます。
- 建築費用の相場
- プレハブ工法の種類
- プレハブ工法の耐用年数
1-1.建築費用の相場
アパート建築の費用相場は、以下のとおりです。
大工さんが現場で建物を組み立てていく「在来工法」よりも、建築物の部材を工場で製作して建築現場で組み立てる「プレハブ工法」の方が、安くアパートを建てられます。
建築方法 | プレハブ工法 | 在来工法 |
---|---|---|
木造 | 約73万円/坪 | 約77~100万円/坪 |
鉄骨造 | 約76万円/坪 | 約80~120万円/坪 |
例えば、60坪の土地に2階建ての木造アパートを建築した場合、本体工事費が約4,300万円必要です。
1-2.プレハブ工法の種類と耐用年数
プレハブ工法の中でも使う資材によって主に3種類の工法があり、使う資材によって法定耐用年数は異なります。
プレハブ工法の種類と法定耐用年数は以下のとおりです。
木質系プレハブ工法の法定耐用年数は22年と一律ですが、鉄骨系プレハブ工法は使用する鉄骨の厚さに応じて耐用年数が長くなります。
工法種類 | 法定耐用年数 |
---|---|
木質系プレハブ工法 | 22年 |
ユニット系プレハブ工法 | 資材による |
鉄骨系プレハブ工法(厚みが3mm以下) | 19年 |
鉄骨系プレハブ工法(厚みが3mmを超え4mm以下) | 27年 |
鉄骨系プレハブ工法(厚みが4mmを超え6mm未満) | 34年 |
出典:国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)」
1-2-1.木質系プレハブ工法
柱や壁、床などを木材で組み立てる工法です。
各部材、すべての面をぴったりと接合するため、気密性や断熱性に優れているという特徴を持ちます。
「木造建築物」に分類されるため、法定耐用年数は22年です。
1-2-2.ユニット系プレハブ工法
柱や壁、床はもちろん、電気配線や配管等の設備も工場で行い、箱形のユニットを作成する工法です。
建築工程の多くを工場で行うため、最も工期を短縮できる工法です。
なおユニット系プレハブ工法の場合、資材は木質や鉄骨などを用いるため法定耐用年数はその種類によります。
1-2-3.鉄骨系プレハブ工法
資材に鉄骨を用いたプレハブ工法で、木質系よりもより丈夫に仕上げられ、シロアリなどの害虫被害が少ないです。
厚さ6mm未満の軽量鉄骨が用いられ、厚さ6mmを超えると重量鉄骨となりプレハブ工法では使用されません。
以上のように、一言にプレハブ工法と言っても、材質や組み立て方によって更に多くの種類に分類されます。
建築予定の土地や希望の間取り等の条件によって、最適な工法を自分で選ぶのは難しいため、複数の建築会社に一括相談しましょう。
2.プレハブ工法のメリット
プレハブ工法には様々なメリットがありますが、大きなメリットは以下の3つです。
- 建築コストを抑えられる
- 品質が安定している
- 短い工期で建てられる
それぞれについて解説します。
2-1.建築コストを抑えられる
工場で柱や壁等を一括で生産する工法のため、建築会社も資材の大量購入によりコストを抑えることができ、結果的にアパート建築の費用を抑えられます。
建築方法 | プレハブ工法 | 在来工法 |
---|---|---|
木造 | 約73万円/坪 | 約77~100万円/坪 |
鉄骨造 | 約76万円/坪 | 約80~120万円/坪 |
また、建築工程の多くを工場で行うため、現地での作業期間が減り、その分人件費が抑えられるのもコストを抑えることができる理由です。
2-2.品質が安定している
大量生産の建材を使用するため、品質が一定である点もメリットです。
依頼する建築会社が同じ工法で建てた他の物件を見学することで、仕上がりの品質がイメージできます。
2-3.短い工期で建てられる
建築工程の多くを工場で行い、現場では組み立て等の作業をメインで行うため、工期を短くできます。
工期が短い分、早く住人を入居させられるため、建築を始めてから収入を得られるまでの期間が短くなります。
3.プレハブ工法のデメリット
プレハブ工法のデメリットは、主に以下3点です。
- 耐久性・耐火性が低い
- デザインに制限がある
- 音や熱を通しやすい
デメリットと書きましたが、内容をよく理解して建築・運用を行うことである程度解消できる点も多いです。
3-1.耐久性・耐火性が低い
プレハブ工法は木材か軽量鉄骨を用いるため、鉄筋コンクリート等に比べると耐久性では劣ります。
劣ると言っても建築基準法には順じているため、2階建て等小規模なアパートの建築では、大きなデメリットと捉える必要はありません。
3-2.デザインに制限がある
プレハブ工法は工場で画一的な部品の組み立てを行うため、基本的にシンプルな構造になります。
また、工場の生産ラインの規格が決まっているため、間取りを自由にカスタマイズすることも困難です。
そのため、入居者募集に際してはデザイン以外の特徴、例えば「柱を使用しないため部屋が広々としている」などをアピールすることが重要です。
3-3.音や熱を通しやすい
建材が木や軽量鉄骨のため、防音性・断熱性は高くありません。
特に音漏れは住人同士のトラブルに発展しやすいため、対策が必要です。
例えば、部屋の間取りを対称に設計し、水回りなどを壁で挟んで隣接させるなど、建築時から音漏れの対策を講ずることができます。
4.プレハブ以外の工法との比較
プレハブ工法以外には、主に以下2種類の工法が存在します。
- ツーバイフォー工法
- 在来工法
低層階のアパートを建築する場合、コストを重視するならツーバイフォー工法ですが、一般的に軽量鉄骨を使ったプレハブ工法が選ばれています。
耐久年数が木造より高く、シロアリなどの害虫被害も少ないためです。
プレハブ工法 | ツーバイフォー工法 | 在来工法 | |
---|---|---|---|
坪単価 | 70~80万円 | 50万円~60万円 | 70万円~100万円 |
工期 | 8ヶ月前後 | 8ヶ月前後 | 12ヶ月~15ヶ月 |
主な建築資材 | 木材・軽量鉄骨 | 木材 | 木材 |
4-1.ツーバイフォー工法
ツーバイフォーは壁で建物を支える構造であることから、柱や梁(はり)がありません。
室内の四隅に柱や梁が出てこないことから、家の中をスッキリと見せることができます。
ツーバイフォーは気密性が高いため、夏の冷房の冷気や、冬の暖房の暖気が逃げにくく、空調効率が高いです。
入居者が水道光熱費も圧縮できるというメリットもあります。
4-2.在来工法
在来工法は、建築場所で大工さんが0から建築する工法です。
最も間取りやデザインの自由度が高いため、細部にまで拘りたい場合に選ばれます。
ただし、工期が長くて建築費も割高になりがちなので、運用目的のアパート建築で選択されることは少ないです。
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使う資材によって、主に以下3種類の工法があり、また各工法の法定耐用年数は各資材と同様に設定されています。
- 木質系プレハブ工法:法定耐用年数22年
- ユニット系プレハブ工法:資材によって異なる
- 鉄骨系プレハブ工法(厚み3mm以下):法定耐用年数19年
- 鉄骨系プレハブ工法(厚み3mm超4mm以下):法定耐用年数27年
- 鉄骨系プレハブ工法(厚み4mm超6mm未満):法定耐用年数34年
詳細は「1-2.プレハブ工法の種類と耐用年数」にて解説しています。
- 建築コストを抑えられる
- 品質が安定している
- 短い工期で建てられる
詳細は「2.プレハブ工法のメリット」にて解説しています。
- 耐久性・耐火性が低い
- デザインに制限がある
- 音や熱を通しやすい
詳細は「3.プレハブ工法のデメリット」にて解説しています。
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