【詳しく解説】4階建てマンションの建築費と利回りをシミュレーション!費用内訳と抑えるコツ
マンション経営は収益性が高く、条件が合えばぜひ検討したい土地活用方法のひとつです。4階建て規模であれば、建築規制の条件を満たせるケースも増えます。
マンション建築の坪単価相場は鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造では90万~120万円です。
4階建てマンションの建築費は、1億8,000万~2億4,000万円程度になります。(延床面積200坪で計算)
この記事を読めば、
- 4階建てマンションの建築費目安
- ハウスメーカー発注でマンション建築費を抑えられる
- 立地に合ったマンション経営はプロに建築相談がおススメ
といったことがわかります。
なお、詳細な4階建てマンションの建築費が知りたい方は、以下のボタンから建築プランの請求ができますので、ぜひご利用ください。
この記事の内容
1.【構造別】4階建てマンションの建築費相場
マンションを建てる費用は構造によって坪単価相場が変わります。
マンションで採用される構造は主に重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造です。ここではマンション建築費の内訳と構造別の4階建てマンション建築費シミュレーションをしてみました。
1-1.マンション建築費の構造別坪単価
構造別の坪単価相場は以下の通りです。マンション建築で多い重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造でまとめました。
重量鉄骨造(S造) | 90万~120万円/坪 |
---|---|
鉄筋コンクリート造(RC造) | 90万~120万円/坪 |
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 120万~130万円/坪 |
※HOME4U調べ
マンションの建築費を概算するには、坪単価相場を使って計算します。
マンション建築費=建築坪単価×延床面積
1-2.マンション建築の費用詳細
マンション建築には、建築費(本体工事費)以外にも費用がかかります。おおまかに本体工事費、付帯工事費、諸費用に分かれ、おおよその割合は以下の通りです。
種類 | 内容 | 割合 |
---|---|---|
本体工事費 | マンション本体にかかる費用。基礎部分、躯体、外装、内装、住設など。 | 全体の7~8割 |
付帯工事費 | 本体にかかわらない工事の費用。地盤改良工事や駐車場などの外構工事、給排水工事など。 | 本体工事費の約2割 |
諸費用 | 工事以外にかかる費用。不動産取得税や登録免許税など税各種、水道負担金、アパートローンの手数料、火災保険料など。 | 本体工事費の約1割 |
これらを合計するとマンション経営にかかる初期費用となります。
1-3.4階建てマンション建築費シミュレーション
4階建てマンションの建築費を構造別にシミュレーションしてみます。
1-3-1.重量鉄骨造
<設定条件>
- 建築面積・延床面積:50坪・200坪
- 坪単価:90万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:1億8,000万円=90万円×200坪
付帯工事費:3,600万円=1億8,000万円×20%
諸費用:1,800万円=1億8,000万円×10%
初期費用:2億3,400万円
1-3-2.鉄筋コンクリート造
<設定条件>
- 建築面積・延床面積:80坪・320坪
- 坪単価:100万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:3億2,000万円=100万円×320坪
付帯工事費:6,400万円=3億2,000万円×20%
諸費用:3,200万円=3億2,000万円×10%
初期費用:4億1,600万円
1-3-3.鉄骨鉄筋コンクリート造
<設定条件>
- 建築面積・延床面積:100坪・400坪
- 坪単価:120万円
<建築費シミュレーション>
本体工事費:4億8,000万円=120万円×400坪
付帯工事費:9,600円=4億8,000万円×20%
諸費用:4,800万円=4億8,000万円×10%
初期費用:6億2,400万円
鉄骨鉄筋コンクリート造は中高層建築物に向いている構造です。
こちらの記事では10階建てマンションの建設費について解説しています。
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2.【4階建てマンション】の間取り例と利回りシミュレーション
マンション建築では、効率的に部屋を配置して建築費を抑えるために、長方形をした同じ形の部屋を積み重ねて配置します。これを「ようかん型」の配置と呼び、多くのマンションで採用されています。
ここではタイプ別に1戸の間取り事例とそれに基づくマンション経営の利回りをシミュレーションしてみます。
2-1.単身者向けタイプ
単身者向けタイプは駅近の狭小地などに向いています。また、戸数を稼げるため、高収益が期待できるでしょう。ただし、建築費は設備が多いため高めになります。
<設定条件>
- 重量鉄骨造4階建て
- 1R×12部屋+1F店舗
- 専有面積:26平米
- 家賃収入7万円/戸(店舗35万円)
<利回りシミュレーション>
本体工事費:1億3,200万円=100万円×132坪
付帯工事費:2,640万円=1億3,200万円×20%
諸費用:1,320万円=1億3,200万円×10%
総費用:1億7,160万円
家賃収入:1,008万円=7万円×12戸×12ヶ月
店舗貸収入:420万円=35万円×12ヶ月
賃貸収入:1,428万円
経費:285万6,000円=1,428万円×20%
利回り:約6%=(1,428万円-285万6,000円)÷1億7,160万円
2-2.ファミリー向けタイプ
マンションの建築費は1戸を40平米以上とすると抑えることが可能です。また、ファミリータイプは入居が長期間に及ぶ傾向で、経営が安定しやすくなります。
<設定条件>
- 鉄筋コンクリート造4階建て
- 2LDK×16部屋
- 専有面積:60平米
- 家賃収入:15万円/戸
<利回りシミュレーション>
本体工事費:3億3,000万円=110万円×300坪
付帯工事費:6,600万円=3億3,000万円×20%
諸費用:3,300万円=3億3,000万円×10%
総費用:4億2,910万円
家賃収入:2,880万円=15万円×16戸×12ヶ月
経費:576万円=2,880万円×20%
利回り:約5%=(2,880万円-576万円)÷4億2,910万円
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3.【4階建てマンション】の規模に影響する建築規制
マンション建築を検討する際、最も注意しておきたいのはどのくらいの規模で建てられるかです。建物は建築基準法にある要件を満たす規模と形状、性能にしなければなりません。本章では、マンション規模に影響する建築規制について解説します。
3-1.建ぺい率・容積率
建物の規模に大きく影響する土地の規制は、建ぺい率と容積率です。建物が建てられる土地にはすべて、建ぺい率と容積率が定められています。
建ぺい率 | 土地面積に対する建築可能な建物面積(建坪)の割合 |
---|---|
容積率 | 土地面積に対する建築可能な延床面積の割合 |
容積率はマンションの高さ、階数にも大きく影響します。
3-2.接道義務
接道義務は、所有地からの避難経路を確保するために設けられている規制です。道路に対しての最低限の接面と前面道路の幅を規定しています。
接道義務 | 4メートル幅以上の道路への出入り口を2メートル以上確保する義務 |
---|---|
セットバック | 土地と接する道路の幅が4メートル未満の場合、道路の中心から2メートルを道路分として確保する(自用地を後退させる)措置 |
3-3.用途地域
土地はエリアごとに使い道が大まかに定められています。これが用途地域です。都市計画法で13の用途地域に分けられており、マンションを含む集合住宅は工業専用地域以外で建てられます。
用途地域以外にも使用目的によっては建てられないエリアも定められています。市街化区域以外の都市計画区域外、市街化調整区域でも原則的に集合住宅は建てられません。
3-4.高さ制限
建物の高さを制限する規制にはさまざまなものがあります。以下にまとめました。
絶対高さ制限 | 用途地域で決められている高さ制限。第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域には10、12メートルの制限があり、4階建てが建つかはケースバイケース。 |
---|---|
道路斜線制限 | 前面道路の幅がかかわる高さ制限。反対側境界を起点に上部に一定の角度に上がった延長線の高さにする。 |
隣地斜線制限 | 隣地に影響する高さ制限。一定の高さを起点に定められた角度線までの高さに制限する。宅地は20メートルが起点となるため。 |
北側斜線制限 | 隣地斜線制限と同様の計測で、宅地の場合5メートルを起点とする制限。建物の北側にかかる高さ規制。 |
日影規制 | 周辺の日照を確保するための規制。冬至の日を基準に日影ができる範囲と時間を定める高さと幅に関する規制。 |
3-5.自治体の条例
自治体によっては独自の建築規制を設けていることがあります。環境を保護する目的の規制や住環境に関する規制、供給量に関する規制などです。
「ワンルーム条例」は、自治体が設ける建築規制として代表格といえます。
ワンルーム条例は、単身者向けの住戸を有する集合住宅に適用される規制です。
- 住戸の最低面積
- ファミリー住戸の一定数の併設
- 管理人の設置
- 駐車場の確保
これらの要件は規模によっても適用か否かが変わります。また、自治体によっても内容が変わるため、所有地の規定のチェックが必要です。
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4.【4階建てマンション】の建築費を抑えるコツ
4階建てマンションの建築費は、耐久性のある構造を選ぶことからも高額になりがちです。そこで、本章では4階建てマンションでの建築費を抑えるコツを紹介します。
4-1.設備のグレードを落とす
マンションは1戸1戸に水回り設備などが必要なため、設備費用のみでも高額になります。持ち家で導入するような設備を入れるのではなく、賃貸物件ではグレードを下げて設備投資するのが一般的です。
ただし、防犯面などにはしっかり投資しておきます。また、単身者向け、ファミリー向けでも必要とされる機能は変わるため、ニーズの見極めが大切です。
4階建てとなるとエレベーターを設置するかが悩みどころです。エレベーターは設置費用だけでなくメンテナンスにも費用がかかるため、低層階のマンションには設置しないケースもあります。しかし、ファミリー向けの物件などは、エレベーターを設置したほうが借り手はつきやすくなるでしょう。
4-2.1戸の間取りを40平米以上にする
集合住宅はワンルームなどで戸数を増やしたほうが収益性を上げられます。しかし、初期費用にあまり多くをかけられない場合は、1戸当たりの広さを40平米以上としたほうが建築費を抑えることが可能です。
戸数を減らすことで住宅設備はもちろん、配管・配線なども減らせるため、建築費が抑えられます。
40平米以上とすることで、1戸当たりの家賃も増額が見込めます。ただし、ワンルームの家賃坪単価には敵いません。
4-3.設計施工一貫方式で建てる
設計施工一貫方式とは、建物の設計と建築工事を一つの会社に一貫して依頼する建築発注方式です。対に設計施工分離方式があります。
設計施工一貫方式は、多くのハウスメーカーで採用する受注形態です。一貫することでプランニング段階から竣工までの意思疎通がスムーズになり、自社が得意とする技術を生かした建物ができるなどのメリットがあります。
しかし、最大のメリットは設計料を抑えられることです。
分離方式の場合、設計料として設計会社等に建築費の7~10%を支払うことになります。一方、一貫方式は自社内でのやりとりで済むことから設計料は1~3%と分離方式の半額以下です。
1億円の建築費の場合の差は数百万円にもなります。大きな額の減額を図るならハウスメーカーでの依頼を検討したほうがよいでしょう。
5.【4階建てマンション】経営を成功させる建築のポイント
マンションの建築費を抑えることは、安定的な経営のためにももっとも重要となるポイントです。
しかし、それ以外にも経営を成功させるためにプラン検討時にしておきたいことがあります。ここでは、マンションのプランニングの際に検討したい成功のポイントを紹介します。
5-1.立地に合った間取りにする
マンション経営で最も重要視すべきは立地です。
間取りはターゲット設定によって変わるため、まずは立地に合うターゲットを調査することから始めます。
ターゲット別の想定される間取りと向いている立地を以下にまとめました。
ターゲット | 間取りタイプ | 向いている土地の特徴 |
---|---|---|
単身者 | 1R、1DK等 |
|
ファミリー層 | 2LDK、3DK |
|
ファミリー向けの間取りの場合、あまり大きすぎない間取りにすることもポイントです。大きな間取りとするとターゲットが限定的になってしまいます。
5-2.差別化を図るポイントを作る
マンションを建築できる立地である場合、周辺にも同規模かそれ以上の集合住宅がすでに存在している可能性もあります。マンション建築後にも競合が増える可能性は十分あるでしょう。
数ある競合に負けない競争力をつけるには、これから建築するマンションに強みを与えなければなりません。よい方法は差別化を図ることです。
例えば、防犯対策をしっかりする、収納に工夫を凝らしたつくりとする、宅配ボックスを設ける、など、プランニング時に取り入れられる差別化ポイントはさまざまあります。具体的なアイデアはハウスメーカーに相談してみてもよいでしょう。実績豊富なハウスメーカーであれば、集客力のある差別化ポイントの提案を受けられます。
5-3.シンプルな意匠にする
賃貸住宅は、デザイン的にも間取り的にもシンプルなほうが入居希望者を集めやすくなります。
間取りをシンプルにするといわゆるようかん型の構造となり、建築費が安くできるのはオーナー側のメリットです。
入居者側もシンプルな間取りは使い勝手がよく、デザインに凝っていない内装のほうが自分の好みのインテリアをつくりやすくなります。
5-4.ハウスメーカーのプランを比較検討する
マンション経営を成功させるには、建築着工前のプランニングが重要なポイントになります。工程としては、ひとつのプランニングをブラッシュアップしていくよりも、複数のプランを比較検討したほうが近道です。
ハウスメーカーなどマンション建築を手掛ける企業にはそれぞれ強みとしていることがあります。提示されるプランは自然と強みを生かしたものとなり、複数集めてみると同じ土地であっても全く異なるプランになるのが通常です。
違うアイデアで作成されたプランを比較することで、自分の理想とするプランニングに近づける作業が楽になるでしょう。
プランの比較検討には、「HOME4U 土地活用」をご活用ください。最大10社の企業から建築プランを一括で取り寄せられます。参画する企業はマンション建築から経営サポートまで対応できる大手企業です。
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マンションの建築費は坪単価相場を延床面積でかけて算出します。マンションで採用される構造の坪単価相場は以下の通りです。
- 重量鉄骨造:90万~120万円
- 鉄筋コンクリート造:90万~120万円
- 鉄骨鉄筋コンクリート造:120万~130万円
シミュレーションなど詳しくは「【構造別】4階建てマンションの建築費相場」をご一読ください。
マンションの建築費を抑えるには、いくつかの方法があります。
- 設備のグレードを落とす
- 1戸の間取りを40平米以上にする
- 設計施工一貫方式で建てる
それぞれ「4階建てマンションの建築費を抑えるコツ」で解説しています。
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