土地を持つメリットってなに?土地を保有している方が知っておきたいこと
土地をご所有の方の中には、積極的に活用をして土地からの利益を得ている方と、保有しているだけの方がいらっしゃいます。相続などで土地を引き継いだ方は、土地活用の経験もないことから、保有した状態が続いているケースも見受けられます。
今回は、土地を持て余してしまっている土地オーナー様向けに、土地を持つメリットを今一度ご理解いただき、土地を活用するメリットや、持っている土地をこのまま維持するべきかの判断基準になる情報などをまとめています。
1.土地を持つメリット
相続によって土地を引き継ぐのでも、ご自分で購入して土地を所有するのでも、土地を持てば土地オーナーです。土地には法的に守られた所有権がありますので、持っているだけで、次のようなメリットが発生します。
- 「不動産」という資産を所有できる
- 土地活用によって資産拡大が期待できる
- 土地活用時にローンを組みやすい
1-1.「不動産」という資産を所有できる
土地は不動産という資産ですので、土地を持っていることは、財産を持っているのと同じです。
ただし、それはあくまで評価額上の資産ですので、「売ればいくらになる」という意味になります。
本当の意味で、土地を財産にするためには、活用をして土地から利益を発生させる必要があります。
また、所有権のある土地はご自分の所有物ですので、アパート、マンション、戸建やログハウス、ビルを建てるなど、土地条件の中で自由に土地を使うことができます。
土地を所有していない方は、人から土地を購入するか、土地を借りる必要があります。
1-2.土地活用によって資産拡大が期待できる
ご自分の土地があると、その土地を活かして、新しく利益を生み出すことができます。
例えば、アパートを建築して人に貸し、その賃料収入を得るなどです。
このように、ご所有の土地を有効活用し、持っている土地という資産が生み出す利益を最大化させることを、土地活用といいます。
土地活用にはアパート経営以外にも、さまざまな方法があります。
ご所有の土地条件やエリアニーズなどに合わせ、最適と思われる方法を選ぶことで、資産作りがスムーズになります。
【関連記事:【2024年最新版】土地活用25選!チャートで最適な活用法がわかります】
1-3.土地活用時にローンを組みやすい
ご自分の土地があると、その土地を担保にお金を借りることができます。
借りられるお金の範囲は、その土地の不動産評価額の範囲内になります。例えば、マイホームを建てようとした場合、一般的には土地建物の両方を購入する必要がありますが、土地をご所有の方は、上物の代金だけを借り入れればよいことになります。
同じように、アパート経営などで土地活用をする場合でも、アパート建築のための資金は、土地を担保に入れて借りることができます。
土地から購入して土地活用をするケースと比較すると、ローンが組みやすく、また返済もしやすい傾向があります。
【関連記事:【詳しく解説】土地活用法別に必要な初期費用・投資額と資金調達方法について】
2.土地を持つデメリット・リスク
土地という財産を持つことにより、デメリットやリスクも発生します。
これは、土地オーナーであれば誰もが負担するリスクです。
- 固定遺産税がかかる
- 管理を続ける必要がある
2-1.固定遺産税がかかる
固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地・建物などの不動産を所有している方に課される地方税です。そのため、土地を持っていれば必ず固定資産税がかかり、持っている限り、固定資産税は支払い続ける必要があります。
土地の広さやエリアによっては、毎年かなりの金額の税額になることもあり、突然、土地を所有することになった場合、期日までに支払いに応じられないこともあります。
【参照:総務省 固定資産税】
対策>
固定資産税は、不動産を持つ方全員に平等に課せられた納税義務ですので、土地の大小に関係なく、支払いを免れることはできません。
ただし、土地の上に住居があると住宅用地の特例が適用されて、税額が減免されます。
固定資産税を滞納すると延滞金が課されますが、支払いの意志があれば、相談の上で分納も受け付けてくれます。
相続などで土地を引き継ぐ予定があるが、固定資産税の支払いはしたくない場合は、相続放棄をすることで固定資産税は払わずに済むようになります。
【関連記事:土地の固定資産税はいくら?計算方法と節税のコツを解説】
2-2.管理を続ける必要がある
土地を所有すると、その土地の管理も所有者の義務になります。
例えば、ご所有の土地に雑草が生えて近隣住民から苦情が来るようなことがあれば、所有者が雑草を除去し、防草シートなどを敷いて対策をする必要があります。
雑草などがなくても、ずっと土地のままで放置してあると、勝手に駐車やゴミが捨てられることなどもあり、それらの清掃や監視も土地の所有者の仕事になります。
このような管理も無料ではなく、自分で管理をするのでも、人に頼んで管理をするのでも費用が発生します。
対策>
土地は積極的に活用すれば、その土地を使っている方が管理をしてくれるようになります。
例えば、土地ごと企業に貸す、またはご自分でアパート経営などをすれば、管理は企業や不動産管理会社がすることになり、ご自分で管理をする必要がなくなります。
2.所有し続ける価値のある土地の条件
所有している土地を売却すればまとまった金額になりますが、いったん手を離れた土地は、あとで買い戻したいと思っても難しい傾向があります。
土地を買う方は目的があって土地を探していますので、購入した土地は、何らかに使ってしまいます。
そのため、売ってしまったら、同じ土地は二度と手に入らない前提でいた方がよいと言えます。
しかし、土地にもいろいろな条件がありますので、今所有している土地は、これからも所有し続ける価値があるのかどうかも知っておく必要があります。
毎年の固定資産税の支払い、管理の大変さというデメリットを考慮しても、所有し続ける価値のある土地とは、次のような条件を持つ土地です。
- 土地条件が良い
- 宅地である
- 人気エリアにある
- 近隣エリアに開発予定がある
- 自分や家族が利用する予定がある
3-1.土地条件が良い
土地はその場所から動かすことができませんので、土地条件の良さはその土地に付随する価値といえます。土地条件の良いとは、具体的には以下のような条件の場所のことです
- 駅から徒歩圏内
駅から徒歩10~15分圏内の土地 - ターミナル駅へのアクセスが良い
最寄り駅が各駅停車であっても、主要駅にアクセスが良い、または複数の路線を利用できる土地 - 生活利便性が高い
近い場所に、スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニATMをなどがある土地。
上記以外にも、そのエリアにとって利便性の高いと感じられる条件があれば、土地条件が良いと言えます。
例えば、車通勤がメインのエリアであれば、幹線道路沿いに大きなモールがあり、どこにでも無料駐車場があり、道路幅も広いなどです。難しく考える必要はなく、そのエリアの利用者の視点で考えて「便利だな」と感じることは、土地条件の良さにつながります。
3-2.宅地である
宅地とは、住むための建物に使われる土地、または、建物のために使われている土地のことです。
土地の利用状態によって、「地目」という項目にわけて不動産登記されています。地目には、宅地以外にも、田・畑・山林など、全部で20種あります。
周囲に家が建っている住宅街の土地でも、地目が宅地ではなく山林や原野、雑種地などの宅地以外になっていることがあります。
ご所有の土地の地目は、土地の固定資産税の納税通知書に同封されている、課税証明書や評価明細書に記載があります。それ以外には、法務局で申請するか、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」から登記記録のPDFを入手できます。
宅地はその他の地目よりも不動産評価額が高いため、資産という意味でいえば、宅地に最も価値があります。ご所有の土地が山林や田畑の場合でも、手続きをすれば宅地に地目変更することも可能です。
実際に地目変更を検討する場合は、不動産と土地活用のプロフェッショナルに相談をしたうえで、最終的な判断をするようにしてください。
3-3.人気エリアにある
いわゆる、ネットの「住みたい街ランキング」などで上位ランクインするエリアのことです。
例えば関東県内であれば、次のようなエリアに人気が集まっています。
順位 | 駅名 | 人気の理由 |
---|---|---|
1 | 横浜 | 商業施設が充実していて駅に行けば何でもそろう。都心・郊外へもアクセスが良い |
2 | 吉祥寺 | 交通利便性がよく商業施設も豊富。大型公園もあり自然と都会のバランスが良い。 |
3 | 大宮 | 巨大ターミナルで開発も継続的に行われ、将来的に資産価値が下がらない街。 |
4 | 浦和 | 都心へのアクセスが良く、住環境と教育水準が高い文教都市として住みやすい。 |
5 | 恵比寿 | 超都心ではあるが洗練されていて、落ち着いた大人の街の印象がある。 |
【参照:長谷工アーベスト 住みたい街(駅)ランキング2023】
3-4.近隣エリアに開発予定がある
ご所有の土地が、現時点で駅から遠い場所や、周辺には何もない田舎エリアにある場合でも、将来的に周辺エリアで開発があるのであれば、所有しておけば地価が上がり資産価値が高くなる可能性があります。開発予定は、自治体で公示されている資料を閲覧できますし、ご自分で調べることもできます。
例えば「都市計画図 〇〇市」「〇〇市 駅前開発予定」などと入れると、公表されている予定や、建築許可が下りている工事情報が出てきます。ただし、公表されたものに限られていますので、現在、計画段階のものは把握できません。
諸頼の開発予定を考慮にいれた状態で、売却を含めた土地活用をご検討の場合は、ご自身で調べるよりも、不動産業界全体の情報を把握していて、土地開発や土地活用のプロフェッショナルである、ハウスメーカーや建築会社に土地活用のプラン請求をし、プロの情報網をもとにした提案を比較する方が、確実でかつ安全性が高いと言えます。
3-5.自分や家族が利用する予定がある
今、特に使う予定のない土地であっても、将来的に家族の誰かが利用する予定があれば、それはご自身とその家族にとって価値のある土地です。
例えば、これから子世代マイホームを建てるために使う、家族全員で住める大きな2世帯住宅を建てる、賃貸併用住宅を建てるなど、さまざまなことに使えます。
予定が2~3年以上先なのであれば、短期間だけの土地活用をするなどで、土地から利益を生みながら、タイミングを待つということもできます。
4.土地を持つなら知っておくべき5つのこと
土地を所有するだけではなく、その土地を維持しながら資産を守り、次世代へと引き継いでいくことが所有者の責任になります。
また、所有者の考え方ひとつで、資産を拡大していくことも可能になります。
土地を持つということに関して、いろいろと知っておかなければならないことがあります。
次の5つのこと理解しておくことで、土地を持っていることのメリットを増やし、デメリットを極力小さくすることも可能です。
- 土地活用は計画性を持って行う
- とりあえず活用なら「駐車場経営」
- しっかり利益を目指すなら「アパート経営」
- 借地は別の土地とも条件を比較すべし
- 数多くの土地活用プランを比較検討する
4-1.土地活用は計画性を持って行う
土地活用とは、ご所有の土地を活用して、土地から利益を生み出すことです。
土地活用にはさまざまな種類があり、少ない資金でもできるものから、投資資金の回収に10年以上かかるものまであります。
金額の大小にかかわらず、いったん活用を始めたら、投下資金が回収できるまでは運営しないと、赤字になってしまい、最悪のケースでは土地も手放さなければならなくなります。
土地活用をする場合には、家族の将来や、周辺エリアの開発環境なども考慮したうえで、時期・資金ともに計画性のある活用をしてください。
おひとりで考えるよりも、不動産と土地活用のプロフェッショナルである、ハウスメーカーや建築会社の提案を参考にしながら、ご自身とご家族のためになるような活用方法を探すところから始めてみてください。
4-2.とりあえず活用なら「駐車場経営」
土地活用には多くの選択肢がありますので、どれにしようか決めかねることもあります。
また、気になる活用方法があっても、時期や資金的なことが要因で、すぐには動けないこともあります。しかし、土地をそのままにしていれば、固定資産税を支払い続けるだけになりますので、所有しているだけでお金が出ていくことになります。
このようなことから、多くの土地オーナーは「固定資産税分だけでもとりあえず」という理由で、駐車場経営を選択する傾向にあります。駐車場経営は、もっともシンプルなものであれば、土地にロープなどで仕切り線を区切るだけでスタートできます。
また、コインパーキングの専門会社に依頼をすれば、土地の整備から機械設置、宣伝から清算管理まですべてを専門会社が行い、土地オーナーは契約で決めた運営費を得るだけというスタイルまであります。
どちらの場合でも、初期費用は低く、管理も楽で、さらに次の土地活用をスタートするときにもスムーズに移行しやすいため、「とりあえずの土地活用」として駐車場経営はとても向いていると言えます。
ただ、将来的に希望する土地活用をするためには、資金がいくら、時期的にはいつなど、具体的な数字も必要です。まずは、ハウスメーカーや建築会社に土地活用プランを請求したうえで、駐車場経営による固定資産税の捻出も合わせて相談してみると、最善の提案を得ることができます。
【関連記事:駐車場経営の基礎知識。収入アップの4つのポイント】
4-3.しっかり利益を目指すなら「アパート経営」
ご所有の土地で、はじめからしっかりと収益を狙いたいならば、アパート経営がおすすめです。
アパート経営とは、人に貸すことを前提にアパートを建築し、賃料収入を得る土地活用方法です。
土地をご所有の方であれば、土地と完成したアパート建物の両方を担保にして建築費を借り入れることができます。土地があるエリアに賃貸ニーズがあるかの調査は必要ですが、土地の周辺にアパートやマンションの賃貸物件があれば、賃貸経営が軌道に乗る可能性は高いと言えます。
アパート経営が気になる方は、複数のハウスメーカーや建築会社にアパート経営プランを請求し、ご所有の土地の条件で、どのようなアパートが建てられるのかを確認してみてください。
【関連記事:これが知りたかった!アパート経営のすべて【基本編】】
4-4.借地は別の土地とも条件を比較すべし
これから土地の購入を希望している方は、たくさんの候補と比較をして、最も土地条件が良いものを選んで購入するようにしてください。
特に、借地に住んでいる方は、そこの土地をご自分の所有にすることで、土地建物の両方が揃った状態で、マイホームにしたいという気持ちが強い傾向にあります。
しかし、土地を購入するときには、本記事3章で解説をした「持つべき価値のある土地条件」に適った土地であるかを、客観的に判断するようにしてください。
条件の良い土地であれば、ご自分が住む以外にも、賃貸併用住宅や店舗併用住宅のような、収益性の高いマイホーム建築という土地活用方法を選択することもできます。
このような土地活用を前提とした、土地の購入方法もありますので、ハウスメーカーや建築会社に土地活用プラン請求をして、プラン比較をするところからスタートしてください。
4-5.数多くの土地活用プランを比較検討する
土地活用でよい結果を出すためには、ご所有の土地に適した活用方法を選ぶ必要があります。例えば、アパート経営をしたくても、エリアに賃貸住宅のニーズがなければ、アパートを建てても経営が軌道に乗りません。また、高層のマンションを建てたいと思っていても、法的な土地条件に沿った高さの建物しか建てることができません。
このように、ご自分の所有する土地であっても、何でも好きなようにできるわけではなく、あくまで土地条件とエリア条件などを組み合わせて、適切な活用方法を選びだす必要があります。
適切な土地活用方法を選びだすためには、なるべくたくさんのハウスメーカーや建築会社に土地活用プランの請求をして、たくさんの候補の中から、最適だと思えるものを見つけていく必要があります。はじめから会社やプランを限定してしまうと、そのほかのもっと良い可能性を知らないままで、土地活用が始まってしまいます。
土地活用には大きな資金がかかることが多いため、スタート前の土地活用選びの段階で、十分に時間と労力をかけて、最善だと思える方法に出会えるまで、じっくりと比較検討するべきでしょう。数多くの土地活用プランを入手するためには、NTTデータグループが運営する「HOME4U土地活用」の一括プラン請求が便利です。
一回の入力で最大10社までのプラン請求が可能ですので、たくさんの会社とプランを一度に比較することができます。気になるプランや会社を絞り込んだら、現地調査に来てもらうことで、より具体的なプランになります。
「HOME4U土地活用」の一括プラン請求では、ご自分でチェックを入れた会社以外からの連絡は、メールも電話も一切ありません。まだ検討段階での営業電話などの対応に煩わされることなく、腰を据えたプラン比較ができます。
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