【基本を解説】「借地」で土地活用の基礎知識|メリット・デメリットと収益性も解説
この記事では借地権の種類、借地で土地活用を行う場合の強みや注意点、収益性について解説します。
借地で土地活用することが自分に合っているかを検討できます。
ことです。
自身で建物を建てて貸すよりも収益は減りますが、出費がない分、収益率は高いともいえます。
金銭的なリスクが少なく、安定的に収入を得られるので、根強い人気がある土地活用法です。
- 長期で安定的に利益をあげたい人
- 手間をかけずに土地活用したい人
- 初期費用を抑えたい人
になります。
1.借地による土地活用=土地を貸して借地料を継続的に得ること
借地による土地活用とは、事業者や法人または個人が所有している土地を借地として貸し出し、継続的に借地料を得ることです。
2.土地を貸し出す際の「借地料」の相場
借地料とは土地所有者である貸主に対して、借主が支払う土地使用料のことです。
一般的な借地料の相場は、以下のとおりです。
借地の使われ方によって借地料は変わり、事業用の方が高い傾向にあります。
借地の使われ方 | 借地料の相場(年間) |
---|---|
個人用(住宅) | 更地価格の1.5〜3% |
事業用(店舗など) | 更地価格の4〜5% |
また、借地料は把握できる情報や借地の使われ方などをもとに、自分に合った計算方法から借地料を算出できます。
- 公租公課法
- 路線価法
- 積算法
- 賃貸事例比較法
- 収益分析法
借地料については、以下の記事で詳しく解説しています。
3.借地権=土地の貸し方の種類
借地権は土地の貸し方ともいえ、借地契約によって土地の貸し出し方や契約の長さ、返却の仕方が異なります。
項目 | 普通借地権 | 定期借地権 | |||
---|---|---|---|---|---|
一般定期借地権 | 事業用 定期借地権 |
建物譲渡 特約付借地権 |
一時使用目的 | ||
契約期間 | 30年以上 | 50年以上 | 10年以上 50年未満 |
30年以上 | 一時的に決められる |
契約形式 | 規定なし | 公正証書 | 公正証書 | 書面 | 決められる |
利用目的制限 | なし | なし | 事業用のみ | なし | 決められる |
借地契約の 終了タイミング |
正当事由 | 契約期間の満了 | 契約期間の満了 | 30年経過時点で譲渡を特約 | 決められる |
借地契約の 終了時 |
借主の都合で更新できる(1回目20年、2回目以降10年) | 更地にして返還 | 更地にして返還 | 貸主が建物を買い取る | 決められる |
それぞれについて解説します。
また、借地権については、以下の記事で詳しく解説しています。
3-1. 普通借地権と定期借地権の違いは「更新の有無」
借地権には「普通借地権」と「定期借地権」があり、借地契約が更新できるかできないかに大きな違いがあります。
項目 | 普通借地権 | 定期借地権 |
---|---|---|
契約更新 | できる | できない |
契約満了時 の土地 |
どうしても土地を必要とする強い理由(=正当事由)がなければ借地契約の更新拒絶はできず、更新され続け返却されません。 | 契約期間満了で、必ず土地が返ってきます。 |
普通借地権は「借主」の権利の方が強いため、普通借地権での契約には注意が必要です。
正当な事由がなければ契約更新が続き、土地が貸主に返却されません。
3-2. 定期借地権は4種類ある
定期借地権には、以下の4種類があります。
- 一般定期借地権
- 建物譲渡特約付借地権
- 事業用借地権
- 一時使用目的
契約期間や利用目的、借地を返してもらう方法などに違いがあります。
定期借地権については、以下の記事で詳しく解説しています。
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4.借地で土地活用するメリット・デメリット
土地活用の代表的な事例は以下のとおりです。
借地 | アパート 経営 |
駐車場 経営 |
太陽光発電 経営 |
コインランドリー経営 | |
---|---|---|---|---|---|
初期投資 ◎低い→×高い |
◎ | ○ | ◎ | △ | ○ |
管理の手間 ◎楽→×大変 |
◎ | ○ | ○ | ◎ | △ |
リスクの大きさ ◎小さい→×大きい |
○ | × | ◎ | △ | ○ |
収益性 ◎高い→×低い |
△ | ○ | ○ | △ | △ |
流動性 ◎高い→×低い |
× | △ | ◎ | △ | ○ |
アパート経営などの代表的な土地活用と比較して、借地での土地活用のメリット・デメリットを解説します。
他の土地活用法と一覧で比較したい方は以下の記事をご参照ください。
4-1.借地で土地活用するメリット|初期投資・手間・リスクが少ない
- 初期投資が不要なので、収益率は高い
- 建物や入居などの管理をする必要がなく、手間がかからない
- 長期間、安定した収益が得られる
特徴 | 評価 | 内容 |
---|---|---|
初期投資 ◎低い→×高い |
◎ | 自らアパートやマンションなどを経営するわけではないので、建築費用の借り入れや自己資金は不要です。 借地事業の費用は土地の租税公課(固定資産税および都市計画税)のみとなります。 よって、出費がない分高い収益率になるともいえます。 |
管理の手間 ◎楽→×大変 |
◎ | アパートやマンションのような建物所有者ではないため、入居者の募集や清掃などの管理業務を行う必要はありません。 建物の固定資産税や保険料、維持修繕費等の費用も発生しません。 |
リスクの大きさ ◎小さい→×大きい |
○ | 長期の契約期間中、決められた地代を受け取ることができます。 景気や空室、利用率などに収益が左右されないためリスクが低く、安定した収益が可能です。 |
所有している土地に建物を建てるアパート経営と比較すると収益は低いですが、初期投資が不要で金銭的負担が小さいという特徴があります。
また、アパート経営の空室率や駐車場経営の利用率を気にする必要がなく、長期にわたって安定的な収入が期待できるので、土地活用としてのリスクが小さいです。
さらに管理などは借主が行うため、貸主が負担を負う必要もありません。
土地を貸し出す方法やコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
4-2.借地で土地活用するデメリット|収益性・流動性が低い
- 賃貸経営に比べて、収益性は低い
- 長期間にわたり土地利用に制限があり、流動性(=売買のしやすさ)が低い
特徴 | 評価 | 内容 |
---|---|---|
収益性 ◎高い→×低い |
△ | 地代収入はアパートなどの家賃収入と比べると低くなります。 収入を多くするなら、アパートなどを建築して家賃を得る借家事業を選択するとよいでしょう。 |
流動性 ◎高い→×低い |
× | 契約期間中は自分の都合で返してもらえず、長期にわたり、他の土地活用はできなくなります。 売却して現金化することもできません。 |
借地としての土地利用では、契約期間中は安定した収益が期待できるものの、アパート経営のように大きな収益を得ることは難しいです。
借地契約は通常、何十年という長期間にわたるため、契約期間中は土地を他の目的で活用したり、売却したりすることが制限されるというデメリットがあります。
借地で土地活用のメリット、デメリットを知った上で、他の土地活用法と比較をしたい方は「HOME4U 土地活用」で複数の企業の提案を受けてみることをおすすめします。
土地活用を検討するなら、
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土地活用を検討する際にはなるべく数多くの会社にプランを請求し、比較するのが良いでしょう。
- 更新できるのが「普通借地権」
- 更新できないのが「定期借地権」
契約期間満了時、必ず土地を返してほしい場合は定期借地権を選ばなければなりません。
詳細は「2.借地権=土地の貸し方の種類」にて解説しています。
- 初期投資や手間・リスクが、他の土地活用法より少ない
- 収益性・流動性が、他の土地活用法より低い
詳細は「3.借地で土地活用するメリット・デメリット」にて解説しています。
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