グループホーム建築の注意点と建築基準を解説。コストカットの方法も紹介。
グループホーム経営やデイサービス施設経営など福祉施設での土地活用は、近年ニーズの高まりに比例して人気の活用方法となっています。
しかし、グループホーム建築では施設の建築規制や設備基準など守るべき基準が多くあるため、これらの条件を把握して進めることが大切です。
本記事では、グループホーム建築にかかわる建築基準法、建築費相場の傾向などについて解説します。
この記事を読むと、
- グループホームの建物区分は寄宿舎、共同住宅となる
- グループホーム経営は建築費用を抑えることで成功しやすくなる
- グループホーム建築の相談は「HOME4U土地活用」の活用がおすすめ
といったことがわかります。
土地活用でのグループホーム建築について不安や悩みがある方は、本記事をご覧になった上で、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」でプラン請求をしてみることをおすすめします。建てたい土地や予算から、どんな活用が向いていて、どこに依頼すればいいのかが複数社一括で比較できます。
この記事の内容
1.グループホームの役割と種類
グループホームには高齢者向けグループホームと障がい者向けグループホームの2種類があります。5~9人という少人数構成で1ユニットとし、最大3ユニットまでの設置が法律で決められています。
より実生活に近い生活を送る場として提供される住まいであり、入居者に対して生活支援サービスを提供する住宅です。可能な限り住み慣れた地域で生活を継続できるようにする地域密着型サービスを提供する福祉施設としての位置づけとなっています。
グループホームは個人経営ができません。運営するのは多くが民間企業や団体などの法人格を持っている団体です。土地活用でグループホーム経営をする場合、介護事業を行う法人に一括借り上げしてもらうかたちをとることが大半となっています。
2.グループホーム建築にかかわる建築基準法と建築規制
グループホームは建築基準法を遵守して建てる必要があります。また、消防法令によってスプリンクラーの設置、一部間仕切壁の防火対策が義務付けられています。ここでは、グループホーム建築にかかわるさまざまな基準について解説します。
2-1.グループホームの建物区分
建築基準法は、建物の用途別に建築性能などの基準を設けている法律です。グループホームの建築区分は寄宿舎か共同住宅となります。区分の判断は設備の設置状況によります。
区分 | |
寄宿舎 | |
共同住宅 |
グループホームでも、生活支援サービスが手厚く、水回りを共用とするタイプの間取りと、ある程度自立した生活ができるタイプの間取りがあります。前者が寄宿舎、後者が共同住宅と区分されます。
2-2.グループホームの設計基準
グループホーム建築では居室の面積など、設計に関する基準があります。居室の面積は7.43平米以上とします。面積は設備以外の面積を指すため、各居室に浴室やキッチンを設ける場合は、その分1室に広い面積が必要です。
また、居室面積の7分の1以上の採光を確保、換気十分できるだけの窓や開口部も細かく基準が設けられています。
バリアフリー化については、自治体の条例で基準が異なる状況です。段差の解消など、条例で定められた基準通りの対応が必要なことがあります。
2-3.グループホームの設備、建材の規定
2013年2月に起きた認知症高齢者グループホーム火災をきっかけに、グループホームの緊急時の安全措置に関連する消防法令の見直しが行われました。
グループホームの安全確保の設備としてスプリンクラー設備の設置義務づけのほか、防火上主要な間仕切壁の設置規定があります。また、2016年には強化天井に関する規定も改正されました。
3.グループホームの建築費相場
グループホームはハウスメーカーや建築会社が建築に携わります。ハウスメーカーの中には福祉施設建築にノウハウを持っている企業もあり、こうした企業に建築を依頼することでコストカットにつながる可能性もあります。
一方、建築費用は寄宿舎の区分となるか、共同住宅の区分となるかで相場が異なります。ここではグループホームの建築費について解説します。
3-1.グループホーム建築費の特徴と内訳
グループホームは5~9人を1ユニットで3ユニットまでの運営と定められているため、経営規模には必然的に上限があります。そのため、建築費を含む初期費用をいかに抑えるかは重要なポイントです。
グループホーム建築では、社員寮など通常の寄宿舎や賃貸アパートなどの一般的な共同住宅よりも高額になる傾向です。ケアに必要な施設を設置するほか、バリアフリー化を図るなど、必要となる設備が一般住宅よりも多いため、その分費用が高額になります。
1棟あたり1億円程度の初期費用がかかると考えてよいでしょう。 初期費用の内訳は本体工事費、付帯工事費、諸費用に大別できます。
3-2.グループホーム建築費の坪単価相場と計算式
グループホームの建築費は構造によって相場に差があります。木造の坪単価相場は77万~100万円、鉄骨造では80万~120万円、鉄筋コンクリート造では90万~120万円が坪単価相場の目安になります。
グループホーム建築では木造と鉄骨造を採用することが多い傾向です。なるべくコストのかからない構造を選ぶことで、必要な設備や性能に費用をかけることができます。
建築費は以下の計算式で概算が可能です。
- 建築費=坪単価×延床面積
例えば、鉄骨造2階建て、延床面積120坪のグループホームで概算すると、
- 1億3,200万円=110万円×120坪
となります。
3-3.グループホーム建築で活用できる補助金
グループホーム建築には厚生労働省の社会福祉施設等整備費補助金制度などが利用できます。整備費の2分の1を国、4分の1を自治体が補助する制度です。ただし、この制度は障がい者向けのグループホームが対象となっているため、高齢者向けの施設は対象外です。
高齢者向けのグループホーム建築では、自治体の補助金事業を利用できることがあります。例えば、東京都では地域密着型サービス等整備費補助制度が利用可能です。
グループホーム建築で利用できる補助金制度については、ハウスメーカーが把握していることも多いため、プラン作成の際に相談してみるとよいでしょう。
4.グループホーム建築における注意点
グループホーム建築に際して、注意したいポイントは建築基準だけではありません。ここでは、安全性、手続きの面、費用等経営に影響がある点の注意ポイントを紹介します。
4-1.グループホーム経営向きの土地か見極める
グループホームは障がい者や高齢者といった入居者に対して地域密着型サービスを提供する住宅です。そのため、一般的な住環境と同様の環境の中にある住居としての存在意義があります。以下にグループホーム向きの土地かのポイントをまとめました。
- 住宅街にある
- 閑静な環境である
- 60~100坪程度の広さがある
グループホームと近いサービスを行う高齢者向け住宅である有料老人ホームでは郊外の静かな環境などが好まれます。一方、グループホームは有料老人ホームより小規模であることから、住宅街などの環境でも開業が可能です。
立地でもっとも重視する必要があるのは、ニーズの有無です。飽和状態のエリアでの開業は自治体の許可が下りない可能性もあります。ニーズの調査は、建築を依頼するハウスメーカーなどプロの力を借りるとよいでしょう。
4-2.安全性を考慮した設計にする
グループホームのバリアフリー化は一部法律で定められています。安全性には十分考慮しなければなりません。
安全性だけでなく、入居者の安全確保のための設計も取り込む必要があります。2013年のグループホーム火災をきっかけに、グループホームなどの高齢者施設に対して非常時の避難に関する法制は厳しくなりました。
また、誰にとっても安全で安心な住まいの設計であれば、入居者のニーズに応えられるため、安定経営の助力となることもあるでしょう。
4-3.自治体の認可申請の方法や条例を確認する
グループホーム開設には、基本的に自治体の許認可をとる必要があります。地域密着型サービスを提供する施設としての性格上、自治体によって許認可の仕組みや手続きの方法が変わることに注意が必要です。
エリアによってはグループホームが飽和状態で許認可申請をできない可能性もあります。土地活用の計画が進む前に一度自治体に細かく確認しておくとよいでしょう。ただし、詳しい情報開示はハウスメーカーや福祉事業者に対してのみ行っていることがほとんどです。情報の確認はパートナーとなるハウスメーカーに依頼するとよいでしょう。
4-4.複数のプランを比較検討する
土地活用でのグループホーム経営は、土地と建物の建て貸しによる方法か、土地を事業者に貸して建築の許可を出す方法かのどちらかであることがほとんどです。建て貸しのほうが建物の賃料も発生するため収益性は高いことになります。
建て貸しの場合でも月々の賃料は一定になることから、建築費を安く抑えることが高利回りにつながる唯一の方法といえるでしょう。少しでもグループホーム建築をローコストで済ませるには、さまざまな企業のプランを比較検討することがおすすめです。
グループホーム建築を手掛けるハウスメーカーや建築会社は、それぞれ土地に最適なプランを提示します。同じ土地の活用プランであっても内容はまったく別物です。複数のプランを比較検討することで違いが判るため、コストパフォーマンスの高い建築方法が見つけやすくなるでしょう。
グループホーム建築のプラン比較には「HOME4U 土地活用」をご利用ください。グループホーム建築実績の豊富な企業から最大10社のプランを無料で取り寄せることができます。
5.グループホームの事業者の探し方
土地活用でのグループホーム経営には、主に3種類の方法があります。
- 土地オーナーが建物を用意(建築)して土地と建物の賃料を得る
- 事業者に土地だけ貸して土地の賃料を得る
- 自主経営(グループホーム自体を経営する)
3つの方法のうち事業者に貸して不動産経営をする場合、事業者選びは非常に大切なポイントです。特に建て貸しの場合、設計の段階から事業者の意向を汲んで計画を進めることになります。万が一、事業者が廃業や撤退の憂き目にあったときは、次の事業者探しは大変困難になるでしょう。
そのためには、事業者の実績や規模などをしっかり見極めて契約を結ぶ必要があります。
事業者探しで力となるのが、ハウスメーカーです。グループホーム建築実績が豊富なハウスメーカーの中には、福祉事業者の紹介もできるメーカーもあります。紹介の事業者であれば、その後の設計などでもスムーズにやりとりができるでしょう。土地活用の相談時に紹介まで対応可能かを確かめておくと安心です。
6.グループホーム建築を依頼する会社の選び方
グループホーム建築では、建築基準法やバリアフリー法、消防法、自治体の条例など、設計・建築にはさまざまな法制度を把握し、遵守する必要があります。そのための手続きも発生することから、建築依頼先はグループホーム建築の実績が豊富な会社を選ぶと安心です。
また、グループホームは地域密着型サービスを提供する福祉施設となるため、エリアの情報に詳しい会社に相談してもよいでしょう。グループホーム経営で高利回りにするためにも建築プランは複数を取り寄せて比較検討することをおすすめします。
グループホーム建築に詳しい企業選びには「HOME4U 土地活用」をご活用ください。手続き代行なども依頼できる実績豊富なハウスメーカー・建築会社が多く参画しています。
グループホームの建築費は、一般的なアパートの建築費よりも割高になるのが一般的です。背景には、防火性能の高い建材の使用やバリアフリー化などがあります。1棟新築で1億円以上かかると考えてよいでしょう。
詳しくは「グループホームの建築費相場」をご確認ください。
グループホームの建築では以下のようなポイントを注意する必要があります。
- グループホーム経営向きの土地か見極める
- 安全性を考慮した設計にする
- 自治体の認可申請の方法や条例を確認する
- 複数のプランを比較検討する
詳細は「グループホーム建築における注意点」で解説しています。
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