専門家コラム

空き家が増えている現在、
空き家活用法にはどんな形があるの?

不動産コンサルタント 寺岡孝
執 筆不動産コンサルタント│寺岡 孝プロフィール
不動産・相続に関する2017年度税制改正のポイントをプロが徹底解説!

日本では、現在空き家が増えていることが問題視されています。国が正式に行っている「住宅・土地統計調査」によれば、2013年時点で日本全国にある空き家の数は約820万戸で、全住宅に占める割合は13.5%と年々増加傾向(務省統計局より)です。

空き家は今後もどんどん増えると予想されており、政府も対策を立てているものの、空き家増加には拍車がかかっているのが事実です。そのため、空き家を持っている人は、空き家が増えていくということを前提に活用法を考える必要があります。

そこで今回は、空き家問題とその活用方法を解説していきます。まず、空き家といわれるものは全国にどのくらいあるのでしょうか。首都圏周辺に関する空き家を見てみたいと思います。

ここ5年間の首都圏の賃貸住宅の空室率をみると、都23区内では12%、都市部で15%、神奈川県で15%、埼玉県で16%、千葉県で15%というような空室率となっています。この数値を見ても人口集中が多い1都3県でも15%程度は空き家ということが言えます。首都圏でさえも空き家は増加傾向にあり、今後の人口減少や少子高齢化にともない空き家は増加傾向になると言えるでしょう。

不動産・相続に関する2017年度税制改正のポイントをプロが徹底解説!

政府としても空き家対策として税制面や法律の面でいろいろな施策を行っています。相続時には必ず相続登記をするとか、売却時の譲渡所得控除など、流通性を高めた政策に舵を切ったものになっています。

空き家に対する税制の具体的な内容は、平成27年2月26日に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」において「特定空き家等」という用件が定められました。この「特定空き家等」に該当すると、土地に対する固定資産税の軽減措置がなくなってしまい、通常の更地と同じ税金が課せられることになるというものです。また、一定の空き家を譲渡した場合に、定められた要件を満たせばその際の所得の3,000万円特別控除が適用できます。

1. 空き家の活用方法とは?

空き家を相続で所有した場合で、空き家の具体的な活用方法にはいったいどのようなものがあるのか探ってみましょう。活用の方法としては

  • そのまま貸す、またはリフォームして貸す
  • 建て替えて貸す
  • 更地にして活用する

というようなものがあります。ひとつひとつ見て行きましょう。

1-1. そのまま貸す、またはリフォームして貸す

空き家の一番簡単な活用法としては、そのまま居住用として第三者に貸すことが挙げられます。空き家自体の状況にもよりますが、特に故障や不備が無ければクリーニングをして賃貸に出すといいでしょう。

また、空き家自体の状況が芳しくない場合は、やはり最小限の修理やリフォームをして賃貸に出すという活用法になります。賃貸の一例としては、シェアハウス、民泊、戸建賃貸での利用、貸店舗や貸工房など、いわゆるレンタルできる建物としての活用が挙げられます。

シェアハウス

若者を中心に人気のシェアハウスは、賃借人にとっては賃料の費用負担軽減ができ、有効なものです。特に、賃料が高いエリアでは、キッチンや浴室、洗面所などの共有部を設け、専有は寝る場所だけというものです。

民泊

特に、観光地では古い戸建てをリフォームして宿泊施設として利用されています。例えば、京都市内では古い空き家の町家を利用しているケースが多く、建物を再生する専門会社もあり成功している事例です。観光立国を目指す政府としても、ホテル不足解消の1つの手段として有効な手立てと考えています。
ただ、民泊にするにあたっては、その利用者への規約や近隣への配慮、承諾などが必要で、活用には注意が必要です。

1-2. 建て替えて貸す

次に挙げられる活用法としては、空き家を建て替えて新たな賃貸住宅などを建てるというものです。この活用法は空き家の解体費用や新規の建物の建築コストがかかるので、例えば、都市部の家賃が高額なエリアでないと収支計算が合わない可能性があります。

したがって、この活用法はすべての空き家に当てはまるものではないので、活用法として採用する場合には事前にしっかりと収支計画を立てる必要があります。

1-3. 更地として活用する

3番目の活用法は空き家を取壊して更地として活用するというものです。更地となれば、駐車場にしたり事業用として土地を貸したりするという活用法が見いだせます。

2. 空き家を貸す場合の注意点

1章で紹介した活用法ではどういった注意が必要なのか、簡単に触れてみましょう。

2-1. そのまま貸す、またはリフォームして貸す場合の注意点

シェアハウスなどの賃貸の場合

大家自身が賃貸借契約を結んだり、家賃の回収等を行ったりする、いわゆる管理業務にはやはり管理会社を介在させた方が、面倒がないというメリットがあります。

管理委託をして管理会社に任せれば入居の募集や退去の手続き、家賃の集金業務や家賃滞納の督促など、賃貸借全般の業務を任せるという内容です。当然ながら、管理委託の手数料は管理会社には支払う必要があります。

また、転貸借をベースとするサブリース契約の形態もあります。借主はサブリース会社となり、そのサブリース会社が第三者に転貸する、いわゆるまた貸しをするという内容です。

貸主はサブリース会社と賃貸借契約を結ぶので、転貸人の有無にかかわらず家賃がサブリース会社からもらえるというメリットがあります。しかしながら、その賃料はサブリースの手数料が差し引かれ、本来の募集賃料よりも10%程度安くなります。

さらに、当初契約した家賃設定が続く可能性は低く、賃料値下げされる事が一般的です。契約する際には、値下げされる可能性を理解した上で進めましょう。

民泊の場合

民泊はいわゆる旅館業を営むということになるので、やはり民泊の専門業者に委託する格好になります。もちろん、オーナー自身で運営ができるならばいいのですが、難しい点もあります。

本来、宿泊施設を提供する旅館業では旅館業法の規定に基づいて運営されていますが、近年の外国人観光客の増加に伴う新たな宿泊施設の運営や空き家を利用した宿泊施設などが増加しはじめ、現行の旅館業法では対応が難しくなりました。

そこで、新たに民泊という形態の宿泊提供に関する法律、住宅宿泊事業法が2017年6月に制定され施行が2018年6月15日施行されました。この法律は民泊新法とも言われ、宿泊施設はあくまで住宅という定義になっており民泊施設として提供する家屋の建物用途も「住宅、長屋、共同住宅、または寄宿舎」という扱いになります。

概ねの内容は家主、住宅宿泊管理業者、住宅宿泊仲介業者の役割に適切な規制が課されており、適正な管理、衛生、安全面を確保する仕組みが作られているというものです。また、業者の登録や届出で行政が各事業者を把握できるような仕組みとしています。

こうした法の整備により、民泊というカテゴリーでの空き家対策が可能と言えます。ただ、民泊自体は現状では発展途上の段階ですので、空き家を民泊転用するということには十分な検討が必要でしょう。

2-2. 建て替えて貸す場合の注意点

先ほども述べましたが、建て替えの場合では解体費用や新規の建物の建築コストがかかるので、都市部の家賃が高額なエリアでないと収支計算が合わない可能性があります。したがって、空き家があるエリアの市場調査を行い、建て替えをしても充分なメリットがあるかどうかを見極める必要があります。

2-3. 更地にして活用する場合の注意点

この活用法も同様に、更地となれば駐車場にしたり事業用として土地を貸したりするという活用法が見いだせますので、大きなメリットがあります。しかしながら、安易に更地しても借り手が存在しないと活用法としては成り立ちませんので、こちらも十分な市場調査をしてから着手すべき活用法です。

3. 政策における空き家対策の実情

空き家増加が社会問題となってから、2015年に空き家等対策の推進に関する特別措置法という法律が制定されました。この法律では自治体が空き家に立ち入り調査をしたり、空き家所有者に適切な管理をするよう指導したり、空き家の利用促進をできるようにして、空き家の所有者特定のための個人情報取得や財政、税制面の支援措置を国が行うようにしました。

また、地域で問題となる空き家を自治体が特定空き家というものに指定して、立木伐採、住宅の除却などの助言、指導、勧告、命令、最終的には行政代執行もできるようにしました。この法律の施行後、法に基づく空き家対策は徐々に進んでいます。

特に、防犯、景観、衛生などの視点から危険や害があると判断されると「特定空き家」に認定されてしまい、固定資産税は軽減措置もなくなり6倍になってしまいます。つまり、空き家を放置しておくことを法律で難しくさせていくという狙いが感じられます。

ですから、所有者は売るとか貸すという方法を取ることが得策にはなります。今後、市区町村による空き家等対策計画に基づき空き家の活用事業を支援していく方向にあります。例えば、空き家を地域の観光交流施設にしたり、空き家を取壊しして居住環境整備のためにポケットパークに転用したりするという事例があります。

このように、法律施行後、徐々に空き家を上手く利用しようという意識が高まりつつあります。

4. 空き家を相続することになった場合にどうしたいいのか

地方もさることながら、都心でも空き家が増加している現在、例えば空き家になっている実家を相続する可能性は確率的に高いと言えます。いざ、空き家を相続するとなった場合には、相続後のことを考えておかなくてはいけない時代になりました。ここでは、空き家を相続した時のことを想定しながら、その対処法をみて行きましょう。

選択肢1空き家を相続しない

実家は既にだれも住んでいない、もしくは長期間、居住していないとなれば、正直なところ相続したくないという思いがあります。そこで「実家を引き継ぐ訳でもないから相続しない」となれば、相続放棄という選択肢があります。

相続放棄をするには一定の手続きが必要で、相続放棄の申請を被相続人の死亡を知ってから3ヵ月以内に行う必要があります。もし、この期間内に決められないという場合には期間延長の申立が必要になります。

しかし相続放棄をすると言っても、そう簡単にはできません。相続放棄は「すべての財産を同時に放棄する」必要があるため、例えば空き家は相続放棄するけれども現金や有価証券、都会のマンションは相続するというわけには行きません。

当然、相続人それぞれの意向もあるので、そう簡単にはいかないのが現実です。仮に、相続財産すべてが空き家の実家だけというのであれば簡単ですが、実際には他の財産も保有している場合が多いので、一概に空き家があるから相続放棄するとはいかないでしょう。

選択肢2空き家を処分する(売却する等)

次に考えられる選択肢としては、やはり売却など空き家を処分するという方法です。空き家を相続した場合、いざ処分しようと思っても処分できないということは避けたいものです。

最近では自治体や企業、あるいはお隣さんへあげてしまうということもあるようですが、もらう側のメリットがないとこの手の話は成立しません。そう考えると、一般的は売却ということになります。都心の場合はともかく、地方になれば不動産の価格は年々下落傾向にあります。

したがって、空き家を売るという方向性が出せるのであれば、売却は早い方がいいかもしれません。特に、空き家のあるエリアに売買や賃貸といった有効需要があるうちに売却できるのであれば売却しておいた方が得策でしょう。

万一、有効需要が希薄、もしくはなくなってしまうと売るに売れないという状況に陥ります。売却する場合は、一度に複数の会社へ査定依頼出来る「不動産売却 HOME4U」をご利用ください。

選択肢3とりあえず所有する

今のところはすぐに空き家に住むということはないが、将来、自分や子どもたち、あるいは親戚が住むかもしれないというのであれば、定期的な維持管理をしながら所有するということもあり得る話です。

地域によっては、地元でそういった維持管理のサービスを行っている会社も探しておくとよいでしょう。

選択肢4自分で住む

最終的にどうしても売ることや貸すことが心情的にできない場合、いったんは空き家に住むという考え方もあります。いざ、住むとなればリフォームや修繕は必要ですが、そうした必要資金の面で多くの自治体が補助金や助成金を出しているので、事前によく調べておくと良いでしょう。


以上のような選択肢を挙げてみましたが、相続が発生する前に親子で実家の住まいは空き家になった場合にはどう対処するか、早いうちから話合いをしておくことが重要です。

まとめ

今後の人口減少に伴い、空き家は将来的に増え続けると予想されています。したがって、空き家を上手に活用することが大きな課題であり、その方法を探る必要があります。

そのためには、空き家のある地域のニーズを知ることが大きなポイントです。例えば、観光案内施設に転用した方がいいとか、物販の店舗として貸し出した方がいいとか、あるいは民泊の方がいいなど、それぞれの地域性にあった活用法を検討してみましょう。

ニーズに合った収益性の高い空き家の活用法を選ぶことが大切です。

この記事を執筆│専門家プロフィール

  • 不動産コンサルタント 寺岡孝
  • 寺岡 孝
    不動産コンサルタント
    アネシスプランニング株式会社 代表取締役

大手ハウスメーカーに20数年勤務した後、2006年にアネシスプランニング株式会社を設立。住宅の建築や不動産購入などのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行っている。生涯に一度とも言われる住宅建築や不動産購入において、「納得」や「安心」を実感できるようにしていただくためには、「中立的な立場の専門家によるアドバイスが必要」と考え、関東近郊を中心に住宅建築や不動産購入など、住まいにまつわること全般のコンサルティングを行う。

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