【詳しく解説】戸建て賃貸の建築費の相場はいくら?費用の抑え方と成功の間取りとは
戸建て賃貸経営は賃貸住宅経営の中でも安定性の高い土地活用です。初期費用も集合住宅ほどかからず、狭い土地でも始められることから、難易度が比較的低い土地活用ともいえるでしょう。
また、自宅として建てられる住宅よりも建築費が安く済むことも特徴です。建築費は1,000万~3,000万円弱で始められます。
そこで、本記事では戸建て賃貸の建築費について、建築費をシミュレーション、儲かる間取りや戸建て賃貸経営で成功できる建築のポイントを解説します。戸建て賃貸の資金面がわかる内容です。
なお、簡単に戸建て賃貸の建築費が知りたい方は、以下のボタンから建築プランの請求ができますので、ぜひご利用ください。
この記事の内容
1.戸建て賃貸の建築費相場と内訳
戸建て賃貸は、賃貸用でない戸建て住宅の建築費よりも安く済むことが一般的です。なぜそのようになるのか、建築費相場と建築時にかかる費用の内訳を解説します。
1-1.戸建て賃貸建築の坪単価相場と建築費の特徴
戸建て賃貸の場合、多くが木造構造を選びます。坪単価相場は建築の発注先によって差が出ることが特徴的です。
- ハウスメーカー:40万~85万円/坪
- 工務店:40万~95万円/坪
※HOME4U調べ
ハウスメーカーの場合、ユニット工法を採用した規格商品を用意している企業も多いことから徹底的にコストカットした戸建て賃貸を建てることが可能です。
工務店の場合は、狭小地やこだわりのある住宅づくりにも比較的対応しやすいという特徴があります。
坪単価相場から、以下の計算式でおおよその建築費が算出可能です。
戸建て賃貸建築費=建築坪単価×延床面積
戸建て賃貸の場合、一般の戸建て住宅の建築費よりも費用を抑えたかたちで建築します。設備や建材のグレードを下げて建築することが多いのが理由です。
1-2.戸建て賃貸建築でかかる費用の内訳
戸建て賃貸の建築では、本体工事費以外にもかかる費用があります。おおよその割合から全体の建築費を見積もることが可能です。
種類 | 内容 | 割合 |
---|---|---|
本体工事費 | 本体にかかる費用。基礎部分、躯体、外装、内装、住設など。 | 全体の7~8割 |
付帯工事費 | 本体にかかわらない工事の費用。地盤改良工事や駐車場などの外構工事、給排水工事など。 | 本体工事費の約2割 |
諸費用 | 工事以外にかかる費用。不動産取得税や登録免許税など税各種、水道負担金、アパートローンの手数料、火災保険料など。 | 本体工事費の約1割 |
本体工事費に含まれる項目とそうでない項目が企業によって異なるため、見積もり確認には注意が必要です。
2.戸建て賃貸建築費と利回りをシミュレーション!
戸建て賃貸の建築費と利回りをシミュレーションしてみます。木造2階建て住宅をハウスメーカーで建てたと想定した試算です。
2-1.建築費等初期費用シミュレーション
延床面積24坪(約80平米)の戸建て賃貸は、戸建て賃貸として一般的な賃貸規模です。駐車場も1台分が確保できると想定して初期費用と利回りを試算します。
<設定条件>
- 木造2階建て
- 延床面積:24坪
- 坪単価:60万円(ハウスメーカーに依頼)
<建築費シミュレーション>
本体工事費:1,440万円=60万円×24坪
付帯工事費:288万円=1,440万円×20%
諸費用:144万円=1,440万円×10%
初期費用:1,872万円
2-2.利回りシミュレーション
上記の初期費用で建てた戸建て賃貸で利回りをシミュレーションします。
<設定条件>
- 初期費用:1,872万円
- 家賃(月額):15万円
- 経費率:15%
<利回りシミュレーション>
家賃収入:180万円=15万円×12ヶ月
経費:27万円=180万円×15%
利回り:約8%=(180万円-27万円)÷1,872万円
戸建て賃貸は初期費用を抑えることができるため、利回りは必然的に賃貸アパートよりも高くなります。ただし、空室リスクは100か0かになるため、建築には入居者のニーズを満たす工夫が必要になります。
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3.戸建て賃貸経営が成功する間取り事例
戸建て賃貸は需要に比べ供給量が少ないため、安定的な経営が見込めます。
しかし、賃貸住宅には人気の間取りというものも存在するため、建築時にはニーズを満たす間取りを選択するとよいでしょう。ここでは、特にニーズの高い4つの間取り例を紹介します。
3-1.リビングを南側に配した間取り
多くの住宅ではリビングを南側に配します。賃貸においても例外ではなく、日当たりは入居を決めるポイントです。
この間取りにするには特にプラスの費用は必要ありません。敷地に対して、効率的に配置ができるかがカギです。
3-2.3LDK規模の間取り
3LDKは3~4人向けであることから、賃貸住宅でもファミリー向けに最も需要がある間取りといわれています。この間取りをとるには延床面積で80平米程度あれば十分です。
3-3.対面キッチンの間取り
近年は対面型のキッチンが主流といえるほど、入居を決めるポイントとなるうる間取りです。システムキッチンをアイランド型または対面式対応型にすると設備のグレードは上がります。
しかし、キッチンを個室化するとそれだけで敬遠される原因になることもあるため、必要な投資ともいえるかもしれません。
3-4.収納の充実した間取り
賃貸住宅でも収納力のある物件は人気です。上記の間取り例はシューズクロークを設けています。玄関周りの収納は特に子育て世代の需要が高く、こうした工夫が長期の入居につながります。
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4.戸建て賃貸の建築費を抑えるポイント
戸建て賃貸経営成功のカギとなる最大の条件は建築時の費用のローコスト化です。
ここでは、戸建て賃貸の建築費を抑えるポイントを紹介します。
4-1.延床面積を80平米以下にする
戸建て賃貸の場合、集合賃貸住宅に比べて坪当たりの家賃単価は高くなりがちです。あまり広い間取りにしてしまうと見合った家賃設定が難しくなり、入居者を集めにくくなります。
費用回収の面からしても、戸建て賃貸の場合は延床面積を80平米以下、24坪程度にしておくことがおススメです。
建築費も面積が増えれば費用がかさみます。広めの土地であっても賃貸物件相応の規模の建物とすることで、駐車スペースを2台分確保できるようになるなど付加価値を付けることが可能です。
4-2.シンプルなつくりにする
建物はできる限り長方形にしたほうが建築費は抑えられます。狭小地や変形地などのハンデがない限りは、四角いつくりを基調としたシンプルなデザインの戸建てにするとよいでしょう。
グレードを下げた設備、建材はデザイン的に万人受けするよう作られているのが一般的です。デザインをシンプルにすることで費用を抑えられるだけでなく、入居が決まりやすい物件にもなり得ます。
4-3.ハウスメーカーに建築を依頼する
建物を新築するときの設計は、設計会社などに別注する設計施工分離方式と、施工までを同一の企業に依頼する設計施工一貫方式とがあります。双方、メリット・デメリットがありますが、費用面を重視するなら設計施工一貫方式を選ぶべきです。
設計施工一貫方式の場合は建築費の1~3%の設計料で抑えられるのに対し、分離方式では5~10%が相場といわれています。1,500万円の建築費の場合で試算すると100万円ほどの費用負担の差が生まれることもあります。
多くのハウスメーカーで採用しているのが設計施工一貫方式です。費用を抑えるには、ハウスメーカーを選ぶのもひとつの方法です。
4-4.建築会社のプランを比較検討する
ハウスメーカーや工務店など戸建ての建築会社は、それぞれ得意とする技術やサービスを持っています。最初から一つに絞るよりも、複数社にプラン請求をして、費用の仕組みを比較検討するのがおススメです。
建築会社は得意とする部分において、効率的なコストカットの方法も知っています。比較検討する際、なぜこの金額になるかを聞いてみてもよいでしょう。比較することで、費用の仕組みを理解し、最適なプランと適正価格を導き出すことが可能です。
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5.戸建て賃貸経営を成功させる建築時のポイント
戸建て賃貸は建築費用を抑えやすい分、収益性は高くありません。高収益は見込めないとはいえ安定性や管理のしやすさといったメリットがあり、こうしたメリットを生かした建築時の工夫があるとより安心です。
本章では、戸建て賃貸経営を成功に導く建築時のポイントを4つ紹介します。
5-1.駐車スペースを確保する
戸建て賃貸のメインターゲットはファミリー層です。そのため、車の所有率が高めのファミリー向けの住戸には駐車スペースがあることが求められることも多くあります。戸建て賃貸建築時には、建物規模を小さくしても駐車スペースを確保したほうが家賃設定に有利になることもあるでしょう。
地方で車の必要性が高いエリアであれば、2台分確保することも検討します。2台分の駐車スペースは、入居者募集で大きなアドバンテージになり得ます。
5-2.初期費用を抑えるようにする
収益性の高くない戸建て賃貸でいかに高利回りが確保できるかは、初期費用を抑えることにかかっています。
初期費用を抑えて借入金を少なくすることが経営安定につながります。収入が高くない分、経費を抑えることも重要です。初期費用で徹底的にコストカットすると建物の維持に影響を及ぼすこともあります。維持管理に直接影響がある部分は出し惜しみせず、シンプルなつくりとすることで費用を抑えるのが理想です。
5-3.設備の使い勝手を重視する
ターゲットとなる層がファミリーであることから、戸建て賃貸では設備面の使い勝手を重視すると長期入居につながりやすいという特徴があります。
具体的には、浴室の追い炊き機能や床暖房などです。長期に住むために生活利便性を重視した設備を取り入れるとよいでしょう。また、宅配ボックスの設置なども現在のニーズにマッチしており、ぜひ取り入れたい設備です。
5-4.定期的にメンテナンスに入る
戸建て賃貸は一度入居すると長期的になる傾向にあります。そのため、内部のメンテナンスなど、維持のために必要な行為がおろそかになりがちです。定期的にメンテナンスに入る時期を決めておくと的確な時期に対応できるようになります。特に屋根や外壁はオーナー負担で定期的なメンテナンスが必要です。
6.戸建て賃貸の建築費を相談できるハウスメーカーの選び方
戸建て賃貸経営は安定性が高く、狭小地や変形地でも実現しやすい土地活用です。一方、土地の広さに対する収益性は高いとはいえません。そのため、入居者にいかに長期的に入居してもらうかがポイントになります。
長期的に魅力ある物件とするには、建築時に成功例を参考にしてアイデアを取り入れるのが効果的です。賃貸経営に長けたハウスメーカーに相談してどのようなニーズがあるのかをアドバイスしてもらうのもよいでしょう。実績のあるメーカーであれば、エリアニーズに合った建築プランの提示が期待できます。
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戸建て賃貸は、発注先によって建築費の坪単価相場が変わってきます。
- ハウスメーカー:40万~85万円/坪
- 工務店:40万~95万円/坪
これで坪単価60万円で24坪の規模を想定すると建築費を含む初期費用は、1,872万円と試算できます。詳しくは「戸建て賃貸の建築費相場と内訳」で解説しています。シミュレーションは「戸建て賃貸建築費と利回りをシミュレーション!」をご確認ください。
戸建て賃貸の建築費を抑えるポイントは以下の4つの方法が挙げられます。
- 延床面積を80平米以下にする
- シンプルなつくりにする
- ハウスメーカーに建築を依頼する
- 建築会社のプランを比較検討する
それぞれの具体的な方法は「戸建て賃貸の建築費を抑えるポイント」で解説しています。
戸建て賃貸経営の成功には、建築時にも注意が必要です。
- 駐車スペースを確保する
- 初期費用を抑えるようにする
- 設備の使い勝手を重視する
- 定期的にメンテナンスする
詳しくは「戸建て賃貸経営を成功させる建築時のポイント」をご一読ください。
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