【大家さん向け】賃貸需要の高い間取りは?人気の間取り・設備を紹介
好調な賃貸経営を維持するには、入居者のニーズに沿った物件を用意する必要があります。
賃貸物件に求めるものは人によって違いますが、良い間取りの物件は、入居者にとっても住みやすい部屋である可能性は高いでしょう。
今は時代の変化が速いため、ひと昔前の賃貸物件の間取りのままでは、今とこれからの入居者の心をつかむのは難しくなっています。
本記事では、どうやったら賃貸需要の高い間取りがわかるのか、世代や職業や性別を問わず、これから先の賃貸経営で求められているのはどんな間取りや設備なのかを、はじめての賃貸経営で、上手に活用できるようにまとめています。
1.賃貸需要の高い間取りを見つける3つの方法
間取りは、どれも同じように見えながら、スペースをどう区切って配置するかで住み心地が変わります。
お部屋探しをしている方は、インターネット上で間取り図と画像を見ながら、自分がそこに住んだときのことをイメージしながら優先順位をつけています。
本章では、賃貸経営が成功しやすい間取りを見つける方法を3つにまとめています。
- 立地条件から間取りを考える
- 入居者ターゲットから間取りを考える
- 人気のある物件の間取りとターゲットを参考にする
1-1.立地条件から間取りを考える
立地条件に合った間取りがあります。
活用予定地が駅近い便利な場所であれば、通勤通学に便利な場所を求める単身者向けに、設備の良いコンパクトな間取りが向いています。
駅歩はあるけど公園などが近い立地であれば、ファミリー層やカップル向けの、少し広めのリビングがある間取りが向いています。
立地は入居者にとっての住環境そのものですから、活用予定地周辺の立地条件を求める入居者像がわかると、作るべき間取りもわかってきます。
また、立地条件は個人の力では変えられない要素が多く、周辺大学や企業の引っ越し、エリア開発による街の変化、空き地に建物が建つなどによって、今見えている立地条件が数年後には大きく変わっていく可能性もあります。
このようなことも含めて、立地条件を考慮した間取りを考える必要があります。
例えば、単身者をターゲットとした間取りなら、以下のように居室とキッチンを分けたり、広めのロフトを作るなどが王道の間取りと言えるでしょう。
1-2.入居者ターゲットから間取りを考える
入居者ターゲットに合わせた間取りも大切です。
入居者ターゲットとは、そのエリアで最も多いと予想される、入居者属性のことです。
例えば、近隣に複数の大学があれば、そのエリアには多くの大学生が住んでいると考えれますので、学生向けの間取りが適しています。
また、同じ学生でも、家賃重視派と設備重視派に分かれます。
医大や有名私立大学であれば、家賃は親が支払う可能性が高く、多少高くても安全で快適な物件に需要があります。
しかし、学生がアルバイトをして家賃を支払うのであれば、賃料は安い方が助かります。
このようにして、学生のライフスタイルを調べたうえで、適切な間取り提案をする必要があります。
入居者ターゲットは市場調査によっても割り出せますが、ハウスメーカーや建築会社にプラン請求をすることで、土地活用と賃貸経営のプロフェッショナルによる、データに基づいたプラン提案と間取り提案を入手できます。
プロの考えた間取りは、NTTデータグループの運営する「HOME4U土地活用」の一括プラン請求をご利用ください。
実績豊富なハウスメーカーを比較して、
安心のアパート建築を実現!
大家さんのための無料見積もりはこちら!
1-3.人気のある物件の間取りとターゲットを参考にする
エリアで人気のある物件の間取りは、そのエリアにおける成功例ですので、はじめからその間取りを参考にしてしまうのも良い方法です。
ライバル物件は、ご自分の土地で何の経営をするかによって変わります。
現時点で賃貸住宅だけを想定していて、アパートかマンションかを決めていないなら、両方調べておいてください。
人気物件の探し方は、LIFULL HOME’SやSUUMOなどの、大手不動産ポータルサイトを利用します。
活用予定地に近いエリアや駅名にチェックをし、駅からの時間も指定します。さらに想定している間取り(ワンルーム・1LDKなど)にチェックを入れると、同エリアのライバル物件がズラッと出てきます。
数が多い場合はこだわりポイント(バストイレ別・2階以上・日当たりなど)にたくさんチェックを入れていくと、間取りと設備にこだわった物件が検索結果として残ります。めやすとして50~100件くらいに絞ると探しやすくなります。
これらの間取りを参考に、活用予定地の土地条件・入居者イメージした間取りを、参考として画像に残していきます。
実際の間取り設計は、物件建築の相談の際にプロの設計士が行いますので、その時に「こんな感じです」と見せられる資料として取っておいてください。
よくある人気の間取りとしては、以下のようにバストイレ別、収納やクローゼットが広めなどが挙げられます。
単純な居住空間の広さだけではなく、収納が多いかどうかは特に重視する方も一定数います。
2.これがそろっていれば大丈夫!人気の間取り条件ベスト5
本章では、入居者ターゲット・土地条件などに関係なく、これさえ守っておけば多くの入居者候補に選んでもらいやすくなる、人気のある間取り条件を5つに絞ってまとめました。
- バストイレ別は絶対
- すこし「ゆとり」のある居室空間
- 十分な収納スペース
- 室内洗濯機置き場と浴室乾燥機能
- 遮音性の高さ
2-1.バストイレ別は絶対
バストイレ別は、これからの賃貸経営では絶対条件と言っても過言ではありません。
バストイレが一緒になっているものはユニットバスと言われ、工場で風呂とトイレパーツがセットしてあるものです。
工事の手間が少なく工費を抑えることができますので、オーナーには工費削減、入居者には賃料が安くなるという長所がありました。
1990年代頃までに建てられたワンルームタイプの賃貸物件では、バストイレ一体型が一般的でした。
しかし時代は変わり、今はバストイレが同じ場所にあると、以下のような理由で不人気な傾向にあります。
- シャワーを使うと床がビシャビシャになる
- お風呂にお湯をためると体を洗う場所がない
- 床が濡れるので気になってお風呂でリラックスできない
- 追い炊き機能がない
- トイレ用品を収納する場所がない
- 電源がないので温水便座が使えない
- トイレもお風呂も両方とも狭い
- 掃除が大変
- ニオイが気になる
また、複数の賃貸物件のアンケート結果(※)でも、これから賃貸物件に入るのであれば、バストイレは別が良いという回答が多くみられますので、参考にしてください。
現代の物件探しでは、入居者候補は、まず先に不動産ポータルサイトである程度の取捨選択をしてから、気になる物件だけに内見申し込みして、部屋を見に行くというスタイルが主流です。
ここでオーナーが注意すべきなのは、検索をしている方がいったん「バストイレ別」にチェックを入れてしまうと、ご所有のアパートやマンションがどんな優良物件であっても、入居者候補の検索結果に二度出てこなくなるという点です。
そのため、今とこれからの入居者候補の大多数が「バストイレ別」を強く望んでいるのであれば、はじめから別にしておいた方が良いということになります。
(※)アンケート結果
- さぶろぐ 日本全国の10歳以上の方を対象に「賃貸の家探しで最も重視すること」
- SUUMO 賃貸一人暮らし調査[2] バス・トイレは一緒でもいい? 別がいい?
- お風呂に関わる企画・開発・販売 バスリエ株式会社 一人暮らしのお風呂に関するアンケート
2-2.すこし「ゆとり」のある居室空間
単身者向けのワンルームでも、居住性の良さが求められるようになっています。
特に、2020年のコロナ禍以降は、テレワークやオンライン授業など、今までのライフスタイルでは、存在しなかったような部屋の使い方をするようになりました。
自宅時間が長いうえに室内が狭いと、仕事(学業)と生活の区切りがつけにくく、そのことがストレスの原因になりやすいため、心身ともにゆとりを感じられる物件に人気が集まっています。
敷地面積の関係で部屋が広く取れない場合でも、天井を少し高くして空間を増やす、窓を大きくして開放感を出すなど、間取りを考えるうえで工夫が必要です。
【参考:近畿大学産業理工学部 新型コロナウイルス感染症の流行による在宅生活の変化と住空間の使われ方について】
2-3.十分な収納スペース
限られた面積の中で、モノをしまっておける場所が多いほど、家具が不要になり部屋を広く使えます。
賃貸ポータルサイトの画像検索で気に入っても、実際に内見をして収納が少ないと、暮らしにくさを感じて成約にまで至らないケースもあります。
収納は小さな収納があちこちにある「量」よりも、「形」が大切です。
どんな広さの物件にも合うのは、壁面がすべて使えて、さまざまな形のものが、季節に応じて自在にしまえるタイプの収納場所です。
ウォークインクローゼットを設置する場合も、クローゼット内にデッドスペースができないように注意してください。
室内に大きな収納場所がひとつあり、さらに玄関・キッチン・バストイレなど、そこで使うものが収納できれば、「収納がたっぷりある」と感じてもらえます。
2-4.室内洗濯機置き場と浴室乾燥機能
生活スタイルの多様性による洗濯音のトラブルを避けるためや、花粉やPM2.5や黄砂などの環境面の問題から、今は室内洗濯機置き場がスタンダードになりつつあります。
配管の問題から、バスルームやキッチン脇などの水回りの近くが置き場所になりますが、昔よりも洗濯機が小型化しているため、洗濯機の上にラックを設置するなどで収納スペースも確保できます。
最近の新築ワンルームでは、小型洗濯機をキッチン周辺にビルドインにする間取りも見られます。
洗濯機が室内にあることで、浴室乾燥機能も前向きに検討すべきアイテムとなりました。
一人暮らしや共働きの家では、平日に洗濯物がたまれば土日にまとめて洗うことになりますが、天気が悪ければ、室内に干しても洗濯物が乾かずに困ることがあります。
浴室乾燥機能がついたバスがあれば、洗濯物が必ず乾くうえに、室内干しの嫌な臭いや、湿気によるカビに悩まされる心配もなくなります。
このような利便性の高さから、室内洗濯機置き場と浴室乾燥機能が付いた物件は、数千円分の賃料が上乗せされていても、選ばれる可能性が高い人気物件になりつつあります。
浴室乾燥機能はもともとのお風呂に追加するだけなので、積極的に取り入れておくべき機能といえます。
2-5.遮音性の高さ
構造にもよりますが、遮音性の高さは、賃貸住宅の更新継続に影響を与えます。
音の問題は、間取り設計の段階である程度解決できます。
例えば、お隣り同志の間取りは、お風呂やトイレなどの水回りや、クローゼットなどの収納部分が、隣の部屋の壁を挟んで鏡合わせにしておけば、双方の間に分厚い防音壁があるのと同じ構造になりますから、お互いの生活音が響きにくくする効果があります。
上下階に関しては、床下に防音性のある素材を入れる、フローリングをクッション性のあるものに変えるなどで、ある程度の対策ができます。
費用はかかりますが、その分、快適な住空間になりますので、長期更新による安定収入につながりやすくなります。
防音対策は、設計の段階でほぼ決まってしまうため、プランを検討する段階で、ハウスメーカーや建築会社の担当者に相談をしておく必要があります。
3.賃貸経営成功のために意識しておくべき5つのこと
賃貸需要の高い間取りは、多くの人が快適に暮らせると感じた間取りのことです。
これからの賃貸経営を成功させるために、間取りに関して意識しておくべきことを5つにまとめました。
- 時間空間のゆとり
- セキュリティの高さを意識
- 無料Wi-Fiは検討価値あり
- 可処分所得の高い入居者には「品質」で対応
- たくさんのプロの提案を参考にする
3-6.時間空間のゆとり
コロナ禍以降、テレワーク・ネット授業が増え、オフィスや学校以外の場所で仕事や学業に取り組む機会が格段に増えました。
今までは仕事や学業には専用の場所があり、自宅はくつろぐ場所という明確な棲み分けがありましたが、現時点は世界的なライフスタイルの移行期でもあるため、オンとオフの境界線があいまいな状態といえます。
自宅でオンとオフを両立させるためには、家の中で生活を分けられるだけの「時間と空間の区切り」が必要です。
そのためには、ある程度の空間のゆとりが必要です。敷地面積の問題から、広さを確保できない場合でも、オンとオフの切り替えができる、心理的な空間を作り出せるような間取りの工夫があれば、ゆとりのあるライフスタイルが実現できます。
例えば、たった1畳でよいので、室内にふすまで仕切れる和のスペースを作れば、そこを寝室にし、その他の空間を生活スペースにできます。
可変式間仕切りを付ければ、オフィスや勉強空間を必要に応じて出現させることができます。
室内をいじれない場合でも、屋根があって天候に関係なく使えるバルコニーやベランダがあれば、休憩スペースやガーデニングの場所として使えます。
【参照:日本建築学会 アフターコロナに適応する 建築・都市に関する特別調査委員会】
3-7.セキュリティの高さを意識
防犯と自然災害を含めた、セキュリティの高い部屋は、お金で買える安全でもあるため、賃料がプラスになっても入居者が決まりやすい傾向があります。
鍵はコピーがしにくく開けるのに手間がかかるディンプルキー、オートロックによる施錠忘れ防止、建物の住人以外の侵入を防ぐ防犯カメラ、録画機能付きインターフォンは人気のある設備です。
建物に関しては、主に火事と地震のトラブルに強くすることで、建物自体の寿命を長くすることにも役立ちます。
災害対策として賃貸物件そのものに被災用ストックを常備する、エコキュートによる災害用水の確保、太陽光による電力供給を確保しておくなどは、ライバル物件との明確な差別化になります。
その分、初期費用は大きくなりますが、安全意識の高い層をターゲットにすれば、長期更新が期待できます。
また、一部の対策には補助金の利用ができます。
【参照:高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金】
【参照:環境省 太陽光発電の導入支援サイト】
3-8.無料Wi-Fiは検討価値あり
ネット完備の賃貸物件は、入居者が類似物件を比較するときに効果があります。
引っ越してきてすぐにインターネットが使えれば、それだけストレスなく仕事や勉強ができますので、同じような間取りでネットのある・なしであれば、ある方を選ぶ可能性が高いと言えます。
また、ネットにこだわりのある方はご自分でWi-Fiを購入していますが、多くの方は「つながればそれでいい」ので、建物全体で回線契約をしてある、ネット完備の部屋は、選ばれやすい物件といえます。
代金はオーナー負担になりますが、経費として計上できます。
入居者が同時刻に一斉に利用すると、ネットが遅くなるなどの現象が起きますが、耐えられないタイプの方はご自分で高速ネットを契約しますので、トラブルには発展しにくいと言えます。
3-9.可処分所得の高い入居者には「品質」で対応
収入が高く生活にゆとりがあるタイプの入居者には、物件の品質で満足してもらいます。
例えば、内装のグレードを一段アップする、設備をハイグレードにするなどです。
収入があるのに賃貸物件を選ぶ方は、自分たちにとっての利便性を重要視していますので、建物の外観にはそこまでこだわりがありません。
そのため、同じお金をかけるのであれば、内装や設備を充実させると、賃料設定の高い入居者候補が集まりやすくなります。
見える部分でいえば壁紙・床材・ドア・サッシなどを重厚感のあるものや、デザイン性の高いものにするなどがあります。
経営中の賃貸物件であっても、1部屋ずつ、更新のタイミングで手を加えることができます。
設計の段階では、遮音性・水回りのグレードに気を遣うことで、便利で暮らしやすく、質の良い暮らしができる物件になります。
賃貸物件としての希少性があるため、長期更新が期待できます。
3-10.たくさんのプロの提案を参考にする
賃貸住宅の間取りは、入居者ニーズに応えるのが一番ですが、ご所有の活用予定地のニーズがどのようなものかを知るには、やはりプロフェッショナルのサポートが必要です。
賃貸ニーズの高い間取りの要望を、現実の物件にうまく反映してくれる会社を探すには、なるべく数多くの賃貸経営プランを比較検討する必要があります。
たくさんのプランの取り寄せには、一回の入力で最大10社にまでプラン請求が可能な、NTTデータグループの運営する「HOME4U土地活用」の一括プラン請求をご活用ください。
土地活用と賃貸経営に信頼と実績のあるハウスメーカーや建築会社の中から、ご所有の土地と相性の良い会社を紹介します。
間取りプランから賃貸経営がスタートした後の経営プランまで、賃貸経営をする上で必要となる、様々な情報が揃います。
気になるプランがあれば、現地調査をしてもらうことで、より具体的なプランとなります。
どの会社も、市場調査をもとにした情報、周辺の開発情報や人気物件の情報も含め、土地活用が成功するための万全のサポート体制を用意しています。
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。