アパートローンと住宅ローンの違いは大きく6個|比較すると、アパートローンがよくわかる
賃貸住宅の建築と自宅とする住宅の建築では、利用できるローンが異なります。アパート・マンション、戸建て賃貸などの賃貸住宅取得に使えるローンは基本的にアパートローン、マイホームの新築では住宅ローンです。
本記事では、アパートローンと住宅ローンの違いを詳しく解説、マイホームとアパートを併設する賃貸併用住宅のローンの取り扱いについても紹介します。また、残債がある自宅を賃貸に出すケースでの借り換えの注意点も分かる内容です。
この記事を読むと、
- アパートローンと住宅ローンは金利設定や借入期間が違う
- 賃貸併用住宅ではアパートローンを利用するケースと住宅ローンを利用するケースがある
- ローンを利用する賃貸住宅の相談は「HOME4U土地活用」の活用から
といったことがわかります。
不動産賃貸経営について不安や悩みがある方は、本記事をご覧になった上で、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」でプラン請求をしてみることをおすすめします。建てたい土地や予算から、どんな土地活用が向いていて、どこに依頼すればいいのかが複数社一括で比較できます。
この記事の内容
1.賃貸住宅で使えるローンはアパートローン
借入金の使途によって、利用できるローンは異なります。住宅新築にかかわるローンでは主に「住宅ローン」と「アパートローン」に二分され、賃貸住宅には住宅ローンは利用できないことに注意が必要です。
アパートやマンション、戸建て賃貸などの賃貸住宅に使えるローンはアパートローンです。アパートローンは事業用に用いられるローンで、都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合、ノンバンクなどの金融機関で取り扱っています。 住宅ローンにはマイホーム取得支援の意味合いもあるため、金利や借入期間、税金などで優遇措置が敷かれており、不動産投資や不動産賃貸事業など、事業用の資金調達としては利用できません。
2.アパートローンと住宅ローンの違い
賃貸住宅取得に使えるアパートローンと使えない住宅ローンの違いを項目に分けてまとめました。以下で解説します。
2-1.アパートローンと住宅ローンの違い一覧表
アパートローンと住宅ローンは使途が異なる以外にも多くの相違点があります。表にまとめました。
アパートローン | 住宅ローン | |
---|---|---|
収益目的の不動産投資や取得のための資金調達。 | 使途 | 自分が住むための住宅取得のための資金調達。 |
金利相場は1~2%。 借入期間は法定耐用年数内が目安。多くのケースで20年以内。 |
金利と借入期間 | 比較的低金利。(0.5%程度が相場) 借入期間は最長35年。 |
事業計画などの事業性が重視される。 | 審査基準 | 借り入れた人物の属性や収入・所有資産が重視される。 |
ローン借り入れに関する税制優遇はなし。 | 税制優遇 | 所得税において住宅ローン控除がある。 |
賃貸物件の家賃収入。 | 返済の財源 | 借り入れた人物の所得。 |
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適用される住宅の形態 |
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2-2.使途
各種ローンは融資対象が指定されており、使途に合ったローンしか利用できません。
賃貸事業など不動産を用いた事業を行うための資金調達では、多くの場合でアパートローンを活用します。アパートローンは賃貸住宅新築のほか、駐車場や貸倉庫など不動産事業のために利用するケースがあります。また、自宅取得でも審査に通れば利用可能です。
一方、住宅ローンの使途は、自ら住むための住宅取得に限定されます。また、リフォームを対象としている住宅ローン商品を扱う金融機関もありますが、対象はマイホームとして活用する場合のみです。
2-3.金利と借入期間
アパートローンと住宅ローンの違いは金利にも表れます。アパートローンは住宅ローンより金利が高く、返済期間が短くなるのが一般的です。
住宅ローンの金利は、固定金利か変動金利か、金融機関の種類によって異なりますが、0.5%程度が変動金利型の相場となっています。また、借入期間は最長で35年が一般的な設定です。
一方、アパートローンは融資対象となる建物構造の法定耐用年数を鑑みて期間設定します。これは法定耐用年数が切れると建物の価値がなくなるからです。金利は1~2%が相場で、金融機関の種類によって相場が異なります。
2-4.審査基準
アパートローンと住宅ローンは返済原資が異なるため、審査基準で重視されるポイントも異なります。
アパートの家賃収入など事業収益が返済原資となるアパートローンは収益のもととなる事業計画が重視される傾向です。また、融資対象となる不動産の担保価値も審査に大きく影響します。
住宅ローンの場合、返済原資は不動産事業以外による所得です。審査では、借り入れた人物の給与所得額や所属する会社の信用度など、属性が重視されます。
2-5.税制優遇
住宅ローンの借り入れを行うと所得税で優遇措置が受けられます。いわゆる「住宅ローン控除」で、国がマイホーム取得を促す方針を出しているためにこのような措置がとられています。事業のための賃貸住宅建築で利用するアパートローンでは同様の措置は受けられません。
住宅ローン控除は、ローン残高の0.7%を所得税から最大で13年間控除する措置です(上限あり)。令和6年度(2024年度)税制改正によって、2024年1月以降の新築住宅は省エネ基準を満たす住宅のみが住宅ローン減税の対象となるよう変更がありました。
所得税以外にもアパートローンにかかわる税制優遇は現状ありません。ただし、支払利息を経費に計上することで所得税の節税は可能です。
参考:国土交通省|住宅ローン減税」
2-6.返済の財源
アパートローンは土地活用という事業のための資金調達であることから、資金を投じた事業、つまり賃貸事業の収益が返済に充てられます。 一方、住宅ローンの返済の財源は、借り入れた人の収入です。サラリーを得ている人なら給与所得からになります。
ローンの審査では返済能力について厳しく見られます。したがって、返済の財源となるところの審査が厳しくなります。アパートローンであれば事業の見通し、住宅ローンであれば収入状況や属性が厳しく審査されます。
3.賃貸併用住宅のローンの取り扱い
賃貸事業のための住宅であり、マイホームでもある賃貸併用住宅は、住宅ローンが利用できるケースのある唯一の賃貸住宅です。ただし、住宅ローンが利用できないケースもあります。ここでは、賃貸併用住宅のローンで、住宅ローンを利用できるケースと、アパートローンを利用するケースを紹介します。
3-1.住宅ローンを使用するケース
賃貸併用住宅で住宅ローンを利用できるかどうかは、自宅専有部分の面積が基準となっていることが一般的です。自宅部分が延床面積の50%以上あると住宅ローン利用を検討できます。金融機関によってはこの基準を設けていないケースもあるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
住宅ローンを利用するために自宅部分を50%以上とすると、賃貸収入が少なくなることがデメリットです。賃貸事業の収入だけで返済が賄えるかも一つの決め手となるでしょう。
3-2.アパートローンを利用するケース
賃貸併用住宅では面積の一部を自宅とする必要があるため、賃貸戸数を稼げず収益性を上げられないという点がウィークポイントです。しかし、土地のポテンシャルによっては賃貸戸数を最大限確保して高収益を得たほうが、住宅ローン借り入れよりもメリットが大きいこともあります。
高収益が安定的に確保できるのであれば、住宅ローンより高い金利のアパートローンであっても十分に返済可能です。また、返済後の手残りも期待できるでしょう。
賃貸併用住宅でのローンの活用方法はハウスメーカーに相談するのがおすすめです。「HOME4U 土地活用」を活用すれば、最大10社から立地の条件などを踏まえた経営プランの提示が受けられます。
4.残債があるマイホームを賃貸化するには
終の棲み家として手に入れたマイホームでも、事情により引っ越しを余儀なくされることもあります。こうしたとき、マイホームを賃貸するという選択をすることがあるかもしれません。本章では、残債があるマイホームを賃貸住宅として貸し出す場合について解説します。
4-1.住宅ローンで賃貸できることもある
基本的に住宅ローンを返済中に自宅を賃貸として貸し出して家賃収入を得ることは禁じられています。しかし、以下のような債務者にやむを得ない事情があるケースでは住宅ローンの残債を返済しながら賃貸として収入を得ることが可能な場合もあります。
- 債務者の転勤が決まった
- 介護などの事情があり、転居が必要になった
上記のようなケースでも、住宅ローンの返済先である金融機関には相談をする必要があります。相談せずに無断で賃貸化に踏み切った場合には一括返済を求められるなどのペナルティが課される可能性が高いでしょう。
4-2.住宅ローンからアパートローンへ切り替える
基本的に住宅ローンを利用して建てた住宅を賃貸化するには、住宅ローンの残債を一括返済する必要があります。その場合、一括返済するためにアパートローンへの借り換えとなるのが一般的な流れです。
フラット35など、住宅金融支援機構で借り入れを行っている場合は、民間の金融機関で用意があるアパートローンへの借り換えが必要になります。その場合、アパートローン借り入れのために審査の資料を提出するなどの手続きをとります。
5.住宅ローンからアパートローンへの借り換えでの注意点
ここでは、自宅を賃貸化する場合に住宅ローンからアパートローンへ借り換えする場合の注意点を紹介します。
5-1.手数料がかかる
ローン借り換え時は、住宅ローン側にもアパートローン側にも手数料を支払う必要があります。
繰り上げ返済手数料はアパートローンへの切り替えの場合は大半のケースでかかります。数万円かかるケースもあるので注意が必要です。
新たなアパートローンでの借り入れには事務取扱手数料などと呼ばれる手数料を支払います。
そのほかにも印紙税などの負担も必要です。
5-2.金利が上がる
住宅ローンは自分で住まうための住居を持つための資金調達であるため、低金利で借り入れができることが特徴です。これをアパートローンに借り換えるとなると、金利は当然上昇します。利息支払いも増えるため、しっかりとした賃貸経営プランを立て、経営を安定させる必要があるでしょう。
また、返済の財源が変わるアパートローンの審査においては事業計画が重視されます。借り入れには住宅ローンではなかった対策をとる必要があるでしょう。事業計画に不安がある場合には、土地活用会社やハウスメーカーに相談するのがおすすめです。
5-3.控除が受けられなくなる
住宅ローンでは年末の残債0.7%を控除できるため、所得税の節税効果があります。しかし、住宅ローンからアパートローンへ借り換えを行えば、住宅ローン控除は受けられなくなります。
ローンの種類が変わることによって節税効果がなくなることも考慮に入れて、返済計画を立て直す必要があるでしょう。
6.アパートローン借り入れを相談するなら一括プラン請求の利用を
住宅ローンの返済を続けながら賃貸化ができないケースでは、アパートローンへの借り換えを検討する必要があります。
アパートローンへの借り換えでは、さまざまな優遇措置を受ける権利が失われます。事業用ローンの借り入れとなるため、事業計画をしっかり立てたうえで現実的な返済プランを練り直す必要があります。
ノープランで事業化した場合、自宅の戸建て賃貸経営がうまくいかないことも考えられるでしょう。賃貸化に伴うアパートローンの借り入れの検討には、地域の不動産事業に詳しいハウスメーカーや土地活用会社への相談がおすすめです。
プロの目を取り入れることで、自宅であった土地に合った収益化プランを立ててもらえます。一括プラン請求サービスを利用すれば、複数社から同時に経営プランを手に入れられるので比較がしやすいでしょう。
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アパートローンと住宅ローンで大きく違うのは金利と借り入れ期間です。他にも以下のような相違点があります。
- 使途
- 審査基準
- 税制優遇
- 返済の財源
詳しくは「アパートローンと住宅ローンの違い」をご一読ください。
住宅ローンからアパートローンに借り換える際には以下のような点に注意が必要です。
- 手数料がかかる
- 金利が上がる
- 複数の金融機関に話を聞く
- 控除が受けられなくなる
詳細は「住宅ローンからアパートローンへの借り換えでの注意点ト」で解説しています。
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