【詳しく解説】デイサービス経営の基本とメリデメを解説
手持ちの資金に余裕がある。長期運用が可能な土地を所有している。社会貢献がしたい人。
経営方式によってメリットは大きく変わりますが、一概に言えることは、節税対策ができる、安定収入が得やすいことです。また、社会のニーズに合わせた福祉に貢献できるという側面もあります。
デイサービス経営で事業経営もする際にいちばん懸念となるのは人材確保です。人材確保の方策については多くの事業者が抱える問題であるため助成金制度も利用できます。
また、借地権で土地活用する場合は、事業者選定が難しい点が挙げられます。
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この記事の内容
1.デイサービス経営の概要&こんな人に向いている
人気度 ◎高い→×低い |
収益性 ◎高い→×低い |
初期費用 ◎低い→×高い |
相続税対策 ◎高い→×低い |
流動性 ◎高い→×低い |
リスクの大きさ ◎小さい→×大きい |
管理の手間 ◎楽→×大変 |
---|---|---|---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | ○ | △ | ◎ | △ |
デイサービス経営はこんな人に向いている
- 手持ちの資金に余裕がある方
- 長期運用が可能な土地を所有している方
- 社会貢献がしたい方
デイサービスとは要支援認定を受けたり、要介護状態となったりした人物を通所で介護や支援をする施設とサービスのことです。機能訓練のほか、入浴や食事の介助など生活の支援を行います。
デイサービス経営には2つの方法があります。
一つはフランチャイズ方式でデイサービス事業の経営を行う方法です。リハビリ特化型や障がい児向けのデイサービスに多く、始めるには保証金等を一定額用意する必要があります。
もう一つはデイサービス事業者に土地を事業用定期借地権で貸し出す方式です。この場合、建物を建てるのも事業者で行うため、施設管理の手間は一切ありません。
2.メリット・デメリット&注意点一覧
メリット
- 節税対策ができる
- 安定した収入を得やすい
- 介護事業経営に詳しくなくても始められる
- 社会のニーズに応えられる
デメリット
- 高収益は見込めない
- 経営失敗した際のリスクが大きい
デイサービス事業は高齢者介護の在宅化に舵をとる国の方針を背景に需要が拡大しており、経営が安定しやすいことはメリットのひとつです。
デメリットは、フランチャイズ経営をする場合、従業員確保が課題となるケースが多い点です。経営には資格のある従業員を複数人置く必要があります。また、離職率も高く、人員の補充が課題となることが多いでしょう。
<デイサービス経営の注意点一覧>
- フランチャイズ経営には保証金等一定額の自己資金を用意する必要がある
- 有資格者の雇用など人員基準がある
- 定期借地での不動産経営の場合、事業者の選定をする必要がある
3.事業モデル
デイサービス事業を土地活用でする場合、2つの方式が考えられます。それぞれの方式でメリット・デメリットも異なります。以下にまとめました。
<パターン一覧> | |||
---|---|---|---|
パターン名 | メリット | デメリット | 相談先 |
フランチャイズ加盟する | ・需要の拡大が見込める ・補助金制度を利用できる場合がある ・介護事業経営のノウハウを得られる ・フランチャイズのブランド力を生かせる |
・従業員確保に課題が多い ・保証金等を用意する必要がある ・独自のサービス展開ができない |
フランチャイズ本部 |
土地をデイサービス事業者に貸す | ・管理の手間がない ・節税効果がある ・長期的安定経営ができる |
・収益性は低い ・デイサービス事業者の選定が難しい ・撤退があると対処が難しい |
ハウスメーカー、土地活用会社 |
3-1.フランチャイズ加盟する
デイサービス事業を取り扱うフランチャイザー(フランチャイズ本部)と契約することで、加盟店としてデイサービス事業を土地オーナーが行う方式です。
デイサービス事業のフランチャイズにはリハビリ型デイや地域密着型デイ、障がい児向けデイなど、さまざまな事業形態があります。
契約には加盟金や保証金が必要です。さらに経営時にロイヤリティーを払うことで開業支援や経営サポートも受けられます。土地オーナーが経営に携わる経営方式ですが、福祉事業経営のノウハウを知らなくてもサポートが受けられるため安心です。
<フランチャイズ加盟する場合の収益モデル表> | |
---|---|
売上(月) | 300万~700万円ほど |
水道光熱費 | 売上の5~15% |
家賃(固定資産税) | 物件による |
人件費 | 180万~300万円ほど |
雑費 | 売上の10~20% |
ロイヤリティー | 約10万円~ |
この収支に建物を新築する場合は初期費用の借入金返済も月々あります。
3-2.土地をデイサービス事業者に貸す
事業用定期借地権は、賃借契約に期間を設けて事業用の土地を貸し出す土地活用方法です。契約更新は行われず、契約終了時に更地となって貸主に戻されます。借主は借地に事業用の建物を建築して経営を行うため、不動産管理は借主に一任できるのがメリットです。
土地を貸す方法以外にも土地主がデイサービス事業用の建物を新築し、土地と建物を事業者に貸す方式もあります。この場合、まず事業者の選定を行い、事業者の要望に合わせて建物を建築するのが一般的です。
<土地をデイサービス事業者に貸す場合の収益モデル表> | |
---|---|
売上(年額) | 地代(時価)の約6% |
固定資産税(年額) | 時価×70%×1.4% |
雑費 | 1~2万円 |
事業用定期借地権の場合、地代が収入の土地活用になります。賃貸料は地価のおおよそ6%が相場です。
4.開始するまでの流れ
ここでは、フランチャイズ加盟で行うデイサービス経営の開始までの流れを紹介します。
4-1.加盟するフランチャイズチェーンの比較検討
デイサービスのフランチャイズチェーンにはさまざまな事業形態があります。それぞれ加盟金やロイヤリティの設定が異なったり、可能なサービス内容も違ったりするでしょう。競合となるフランチャイズチェーン数社から資料を入手し、比較検討します。
4-2.フランチャイズ契約締結
加盟するフランチャイズチェーンを決めたら契約締結です。契約内容をしっかり確認し、疑問や不安をクリアにしたうえで進めます。
多くの場合、このときに加盟金や保証金を納めます。金額は規模によってもフランチャイザーによっても変わるため注意が必要です。
4-3.施設建築の依頼
所有地でデイサービス事業を始める多くの場合において、施設を準備しなければなりません。デイサービス施設建築では、行うサービス内容に合わせて設計します。
建築は土地活用会社やハウスメーカーに相談してみるとよいでしょう。介護施設の建築実績が豊富な企業を選ぶと安心です。
また、施設の新築に自治体の補助金制度を利用できるケースがあります。どのようにすれば利用できるかは建築施工を担当する企業に相談するとよいでしょう。
4-4.建築着工と開業準備
施設の依頼先と契約を結んだら着工です。建築工事期間はおおよそ3~4か月と見積もっておくとよいでしょう。
同時進行で、人員の確保や各種手続きなど開業準備を進めます。開業準備は、フランチャイザーと二人三脚で進めます。
4-5.竣工~事業開始
開業準備が全て整い、建物が竣工したら、いよいよ開業です。
デイサービスでは要介護度や身体状態の異なる利用者へサービスを提供します。それぞれの状態に合った介護プログラムを組み、質の高いサービスを提供することで経営は安定するでしょう。
5.相談先の選び
5-1.デイサービス経営が向いている土地かわからない場合
土地ありきでデイサービス経営を検討している場合、最適な土地活用が介護施設経営とは限りません。デイサービス事業をする土地の規模の場合、アパート経営のほうが収益性を上げられるケースもあります。
土地活用方法選定に不安があるときは、土地活用プランを一括で請求できるサービスの活用がおすすめです。ほかの土地活用の方法も視野に入れ、総合的に比較検討することで最適な土地活用方法を見つけることができるでしょう。「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」では、さまざまなジャンルの土地活用に精通する大手企業が参画する一括プラン請求サービスを提供しています。「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」を使えば、一度にさまざまな土地活用プランを入手し、比較検討することが可能です。
5-2.経営方式を選択する
デイサービス経営には経営方式が複数存在します。土地活用での経営の場合、選択肢として挙がるのは主にフランチャイズ経営と借地権での土地オーナーとして不動産経営をする2つです。
それぞれの経営方式はメリットが異なります。また、向き不向きもあるため、どちらの方式が自分の土地活用に合うか、将来的な展望をもとに精査する必要があるでしょう。
5-3.複数のプランを比較検討する
デイサービス経営の相談先は複数の会社に相談し、比較してプランに納得してから選ぶ必要があります。
希望する経営方式を決めたら、それぞれふさわしい業界の企業のプランを複数取り寄せてみることをおすすめします。
フランチャイズ経営の場合、それぞれのフランチャイザーが扱っているサービスが異なります。利用できるシステムや加盟金の設定も違うため、比較することは大切です。
また、不動産経営として建物を建てる場合、施工会社選びはデイサービス事業者の選定にも影響します。この場合も、複数の企業から経営プランを取り寄せ、比較検討すると最善を見つけやすくなるでしょう。
6.補助金その他活用できる制度一覧
デイサービス経営には利用できる補助金制度がいくつかあります。業務への支援と建築への補助金とがあり、それぞれを受けるには条件が細かく決められています。ここではデイサービス経営で利用できる補助金制度、助成制度の一部をまとめました。
<補助金その他活用できる制度一覧> | |||
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名称 | 内容 | メリット | 注意点 |
社会福祉施設等施設整備費国庫補助金 | 居宅介護事業所や福祉ホーム等の社会福祉施設を整備(建築・増改築)するときに利用できる厚生労働省が設けている国庫補助金制度。都道府県の補助率は4分の3、国庫補助率は3分の2。 | ・補助金額が大きい | ・整地の費用は含まれない ・整備計画の相談期間が決まっている |
人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース) | 介護福祉機器の導入によって労働環境を改善し、離職率の低下に取り組むとする場合に利用できる。 昇降用リフトや移乗介助機器、特殊浴槽などの導入への助成金。 |
・問題となりやすい離職率の低下が図れる | ・開業時の機器導入には使えなくなった ・導入から1年の期間の離職率を目標値以上に低下させることが需給条件 |
ICT導入支援事業 | 介護ソフトやタブレット端末の導入によって、業務全般を一気通貫で行えるようにするICT環境整備に利用できる補助金制度。窓口は都道府県。 | ・事務業務の効率化に取り組みやすくなる | ・補助金が利用できる期間が決まっている ・補助金額が補正されることがある |
中途採用等支援助成金(UIJターンコース) | 東京圏からの移住就職者を受け入れた事業主に採用活動にかかる経費の一部を助成する制度。 | ・即戦力を雇い入れやすくなる | ・東京圏では利用できない |
このほかにも雇用確保にかかわる助成金制度もあります。詳しくは自治体やフランチャイズ本部に問い合わせるとよいでしょう。
7.デイサービス経営の成功事例
デイサービス経営の成功事例を2パターン紹介します。成功するには経営の収支シミュレーションなどによる見極めが大切です。成功のコツをまとめました。
<成功のコツ一覧>
- 立地ニーズの見極め
- 経営方式の見極め
- 経営規模の見極め
- 稼働率低下リスクへの備え
7-1.フランチャイズ経営の成功事例
前提条件 | 住宅街にある閑静な土地。地方都市近郊 80坪の更地に木造平屋を新築 フランチャイズ契約でのデイサービス(通所介護)経営 定員10人 |
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初期投資 | 合計:約5,712万円(ローン:3,000万円、自己資金:2,712万円) |
利回り・収益 | 年間売上:約3,600万円 年間経費:約2,600万円 (固定資産税等込み) 年間ローン返済額:約230万円(返済期間:20年) 利回り:13.4% 年額利益:約770万円 |
成功のポイント | 高稼働率を維持している事例です。人件費で経費の半数以上を占める状態であるものの、サービスの充実で高稼働率を実現しています。新築での初期費用は減価償却期間も長く、節税効果もあります。 |
7-2.事業用定期借地権での成功事例
前提条件 | 住宅街にある閑静な土地。地方都市近郊 80坪の更地に木造平屋を新築 デイサービス事業者へ事業用定期借地権で貸し出し |
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初期投資 | 合計:約5,712万円(ローン:3,000万円、自己資金:2,712万円) |
利回り・収益 | 年間売上:約1,267万円 年間経費:約30万円 (固定資産税等込み) 年間ローン返済額:約125万円(返済期間:20年) 利回り:19.4% 年額利益:約1,112万円 |
成功のポイント | 建物を建てて事業者に貸し出す土地活用は管理の手間が省けるうえにテナント収入として高収益を得られる方法です。事業者選定にはハウスメーカーのサポートがあり、実績豊富な事業者と縁をつなげたことが成功につながっています。 |
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