【詳しく解説】カーシェア設置の基本とメリデメを解説
経営する駐車場の空車状態を打開したいと考えている方には最適な方法です。また、初期費用をかけずに小さな土地で収入を得たい方にも向いています。
一括借り上げ方式の場合、初期費用ゼロ、管理費ゼロで始められることがメリットです。自宅の一角などでも車1台分のスペースがあれば設置できるため、狭小地の活用方法としても優位性があります。
カーシェアは初期費用をかけずに始められるため、大きなデメリットはない土地活用です。
ただし、通常の駐車場経営よりも敷地に多くの人物が出入りする環境となるため、それを許容できるかがポイントになります。
また、立地や環境を選ぶため、設置しても収益化できないケースもあります。
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この記事の内容
1.カーシェア設置の概要&こんな人に向いている
人気度 ◎高い→×低い |
収益性 ◎高い→×低い |
初期費用 ◎低い→×高い |
相続税対策 ◎高い→×低い |
流動性 ◎高い→×低い |
リスクの大きさ ◎小さい→×大きい |
管理の手間 ◎楽→×大変 |
---|---|---|---|---|---|---|
△ | △ | ◎ | × | ◎ | ◎ | ◎ |
カーシェア設置はこんな人に向いている
- ちょっとした土地で副収入を得たい方
- 駐車場経営をしている方
- 初期費用をかけずに土地で収入を得たい方
カーシェアとは事前に会員を募り、特定の車を共有して使用するカーレンタルの一種です。日常生活のちょっとしたタイミングで利用できるため、通常のレンタカーより身近なサービスとして市場規模は拡大しています。
カーシェア設置は狭小地でも可能な土地活用方法です。また、空き駐車場をカーシェアの設置スペースにすることもできます。
初期費用をかけずに土地を収益化できるため、狭小地の活用方法として、また空き駐車場対策としても手軽な方法です。
向いている土地は住宅街の中、または住宅街に近いエリアです。
2.メリット・デメリット&注意点一覧
メリット
- 初期費用ゼロで始められる
- 管理の手間がない
- 狭小地でもできる
- 駐車場の空き対策になる
- 転用性がある
デメリット
- 立地を選ぶ
- 転用の際、違約金が発生するケースがある
カーシェア設置は更地であれば、初期費用なくすぐ始められる土地活用方法です。カーシェアは多くの場合、カーシェア事業者と提携して始めます。車やシェアリングのためのシステムは事業者側で用意するので、土地オーナーは土地を用意するだけです。
狭小地でも始めやすい土地活用の一種であるものの、立地は選びます。周辺が集合住宅の多い住宅街などでは需要が見込めます。
<カーシェア設置の注意点一覧>
- 集合住宅の駐車場に設置する場合、自治体で定める駐車施設付置の条例の規制を緩和できることがある
- 契約期間中に解約する場合は違約金が発生することがある
- 自用地の敷地内に多くの利用者が出入りする可能性がある
3.事業モデル
カーシェアの設置では、経営方式が2種類に分かれます。
一つは土地を一括借り上げでカーシェア事業者に貸し出すことで不動産収益をする方法、もう一つはオーナーが自家用車を借り手と共同使用契約を結ぶことでカーシェアリングの利益を生み出す方式です。
まず、経営方式の違いによるメリット・デメリットをまとめました。
<経営パターン一覧> | |||
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パターン名 | メリット | デメリット | 相談先 |
一括借り上げ方式 | ・安定的な収入が得られる ・管理の手間がない ・空き駐車場を生かせる |
・契約期間内での転用で違約金が発生する ・収益性を高めることは困難 |
カーシェア事業者 |
自家用車の共同使用(CtoCカーシェア方式) | ・経営の自由度が高い ・システムを提供する事業者を利用できる ・コミュニティの構築が図れる |
・貸し手・借り手間でやり取りが発生する ・車の管理が必要 |
カーシェア事業者(CtoCカーシェアのプラットフォーム提供事業者) |
3-1. 一括借り上げ方式
<一括借り上げ方式の場合の事業モデル図>
空き駐車場や商業施設、集合住宅などにある専用の駐車スペースに車を配備して会員に貸し出すカーシェアにおいて、専用の駐車スペースを貸し出す方式が一括借り上げ方式でのカーシェアです。
土地を一括して貸し出すため、車の管理や貸し借りのやり取りもオーナー側には発生しません。借地料が収入源となります。
この方式では、駐車場やアパートなどほかの土地活用と併設することも可能です。特にコインパーキングの一部をカーシェアとして活用する例が多くみられます。
<一括借り上げ方式の場合の収益モデル表> | |
---|---|
売上 | 40万~100万円ほど |
固定資産税等 | 固定資産税評価額×1.4% |
人件費 | なし |
経費 | 2万~3万円程度 |
カーシェアの専用駐車スペースとして月3万円程度の借地料を想定しています。経費は駐車場にかかる光熱費の一部です。
3-2. 自家用車の共同使用(CtoCカーシェア方式)
<自家用車の共同使用(CtoCカーシェア方式)の場合の事業モデル図>
海外でカーシェアといえば、このCtoCカーシェア方式が主流ですが、日本では徐々に体制が整い、拡大しつづけている市場です。多くの場合、カーシェアリングの利用者と車オーナーを取り持つ専用のカーシェアリングプラットフォームを利用して行われます。
このプラットフォーム(アプリ)でマッチングから決済まで可能です。ただし、車の受け渡し、返却には両者がやり取りをする必要があります。また、共同使用の車であってもオーナー側には車両の管理が必要です。
<自家用車の共同使用(CtoCカーシェア方式)の場合の収益モデル表> | |
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売上(年額) | 12万~50万円ほど |
車維持費(燃料費含まず) | 15~20万円程度 |
サービス利用料 | なし |
その他経費 | 売上の2~5%程度 |
予約システムなどのプラットフォーム利用料は無料であることがほとんどです。決済はアプリを通じてクレジット決済などで対応しています。
4.開始するまでの流れ
ここでは、カーシェア設置までの流れを紹介します。土地活用としてポピュラーな一括借り上げ方式での開業の流れです。
<開始するまでの流れの図>
4-1.土地活用を相談する
カーシェアは狭小地でも可能な土地活用方法の一つです。また、自宅の一角を利用したり、ほかの土地活用と併用したりする方法も考えられます。
カーシェアは転用性のある土地活用ではあるものの、始める前には広い視野で活用方法を吟味することをおすすめします。また、ほかの土地活用との併用にいたっては、どのように相乗効果を生むかも考慮して土地活用を検討するほうがよいでしょう。
土地活用の相談先に検討がつかない場合は、多方面の土地活用の専門企業が参画する「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」をご活用ください。簡単な入力で最大10社から土地活用プランの提示が受けられます。
4-2.市場調査と契約企業の検討
一括借り上げ方式の場合、カーシェアリングのニーズがある土地でないと基本的には開業できません。そのため、市場調査の結果可能と判断された場合には条件の提示を受けられるでしょう。その中から、自分に合った企業を選びます。
企業選びでは、提示されるプランの比較検討が必須です。複数のプランを検討することで、最適なかたちが見えてきます。
4-3.契約~車両等開業準備
企業の提示する内容に納得がしたら契約です。多くの場合2年等、年単位での契約となります。途中解約は違約金が発生するケースがあるので、よく確認しておくとよいでしょう。
契約が済んだらさっそく車両準備とサイネージの設置工事が始まります。すべての手配はカーシェアの事業者が行い、オーナーは手間いらずです。
4-4.開業
車両の配備等準備が整ったら開業です。会員の募集はカーシェア事業者独自の方法で進められます。
利用の状況にかかわらず、土地オーナーには借地料が毎月支払われます。
5.相談先の選び方
5-1.カーシェア設置が可能か調査する
一括借り上げ方式でのカーシェア設置にはさまざまな条件があります。
- 自走可能な駐車場
- 道路に面した場所にサイネージを設置できる
- 事業者のサービスを利用できる環境であること
カーシェアは特定の通信を利用して決済します。この通信環境が整っていない立地ではカーシェアの設置ができません。
また、立地によって集客が見込めない場合は、ほかの活用方法を検討する必要があります。
そのほかにふさわしい土地活用方法があるかを確認するには、一括プラン請求サービスを利用して複数の企業から土地活用プランを取り寄せるとよいでしょう。
「HOME4U 土地活用」では、さまざまなジャンルの土地活用を比較検討できる一括プラン請求サービスを提供しています。
5-2.経営方式を選択する
土地の状況によって、ふさわしい経営方式は異なります。また、利用するサービス会社によって契約可能な条件も異なることから、一括借り上げ方式で可能か、CtoCカーシェア方式で運営するかを検討するとよいでしょう。
一括借り上げ方式とCtoCカーシェア方式の一番の違いは、車の所有権がどこにあるかです。自家用車をカーシェアするかたちのCtoCカーシェア方式であれば、サイネージを効率的に掲げられない立地であっても収益性を付けられる可能性があります。
5-3.複数のプランを比較検討する
カーシェアリングの市場は現在も発展途上です。そのため、サービス内容も日進月歩の進化を遂げており、サービス内容にはそれぞれの独自性を発見できます。どのサービス内容が自分の経営スタイルにあっているか、複数の企業のプランを検討するとよいでしょう。
また、カーシェア設置はほかの土地活用方法との併設も可能です。併設するほかの土地活用に考慮できるプランとすることが相乗効果を生む可能性があります。
6.補助金その他活用できる制度一覧
カーシェア設置に利用できる補助金制度をまとめました。特にEV(電気自動車)導入であれば、さまざまな補助金制度の利用が考えられます。
<補助金その他活用できる制度一覧> | ||
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名称 | 内容 | 注意点 |
事業再構築補助金 | 新型感染症の影響を受けた中小企業を対象に、変化に対応できる事業再構築を支援する補助金制度。駐車場経営からの新分野展開、事業転換、事業再編やカーシェアのEV化などに利用できる。 | ・コロナ以前から事業を興している中小企業が対象 |
小規模事業者持続化補助金 | 制度等の変更に対応するために取り組み販路開拓等の経費の一部を補助するもの。 | ・商工会議所管轄地域と商工会管轄地域とに分かれる |
再エネ×電動車の同時導入による脱炭素型カーシェア・防災拠点化促進事業 | 再生可能エネルギー発電設備と電気自動車等を同時導入し、地域住民にシェアリングする取り組みを支援する。脱炭素社会の実現と防災拠点化を促進する事業。 | ・再生可能エネルギー発電設備を同時に導入しなければならない |
カーシェア・レンタカー等ZEV化促進事業 | カーシェア用のEV、PHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)導入に対して、費用の一部を助成する。 | ・東京都内の事業が対象 ・わナンバーかわナンバー以外かで交付要綱が変わる |
EV導入等の環境保護や災害対策での補助金制度があります。そのほかは中小企業を対象とした事業再編で活用できる補助金制度です。
7.カーシェア設置の成功事例
最後にカーシェア設置の事例を紹介します。まずは土地活用の一環としてカーシェアを設置する場合の成功するコツをまとめました。
<成功のコツ一覧>
- ニーズの見極め
- 事業形態の見極め
前提条件 | 駐車場の1区画を利用 一括借り上げ方式 |
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初期投資 | なし |
利回り・収益 | 年間売上:約40万円 年間経費:約2万円 年額利益:約37万円 |
成功のポイント | 経営する駐車場の空きスペースにカーシェアを設置したケース。収益につながらなかったスペースを一括借り上げで借り手を見つけられ、駐車場経営にプラスとなっています。 |
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