【詳しく解説】マンション経営の初期費用は?抑える方法についても解説
この記事では、マンション経営をする際に初期費用としてかかる項目と、準備しておくべき費用めやすなどを以下のようにまとめています。
- マンション経営をはじめるときにかかる10種の初期費用
- マンション経営の初期費用めやすシミュレーション
- マンション経営の初期費用を抑える方法と注意点
最後までお読みになれば、初期費用はなぜ必要か、どのくらいの準備額が必要なのかがわかり、具体的な建築プラン入手に安心して進めるようになります。
また、以下のボタンから土地情報を入力すると、最大10社の大手ハウスメーカー・建築会社から建築費や予想収益が含まれた、「マンション建築プラン」を取り寄せることができます。
「うちの土地にマンションがたつの?」「いくら儲かるのか知りたい」という方はぜひご活用ください。
1.マンション経営をはじめるときにかかる10種の初期費用
初期費用とは、マンション経営をスタートさせるときにかかるコストや税金のことです。一般的に、初期費用のめやすは以下の通りです。
- ローンの頭金として融資額の20%
- マンション建築総額の5%前後
例えば、マンションの総工費が1億円であれば、ローンの頭金以外に、500万円くらいの初期費用を用意しておけば大丈夫ということになります。
細かく見ていくと、初期費用には以下の10種類があります。具体的な金額のめやすは、「マンション経営の初期費用めやす」で解説します。
種類 | 内容 | |
---|---|---|
1.マンションの建築費用 | 融資額の20%を自己資金として準備する | |
総工費の5%分 | 2.建物の測量・地盤調査・解体費用 | 測量図・地盤調査・不要な建築物の解体費用など |
3.登記費用 | 法務局への書類申請と司法書士報酬 | |
4.金融機関のローン手数料 | 融資の際の事務手数料 | |
5.保証会社手数料・団信保険料 | 融資の際の保証会社・団体信用生命保険代 | |
6.損害保険料 | 建物の火災保険・地震保険など | |
7.固定資産税・都市計画税(日割) | 不動産を所有している人にかかる地方税 | |
8.不動産取得税 | 不動産を新規に取得した人にかかる地方税 | |
9.印紙税 | 契約書面などに貼る収入印紙代 | |
10.入居者募集費用 | 不動産会社への仲介手数料ほか |
1-1.マンションの建築費用
マンション経営を始めるには、当然ながら「建物」が必要です。
ご所有の土地にマンションを建てるところからスタートします。
マンション建築費用の内訳の大部分は、金融機関で融資を受けることになりますので、その時に準備しておく自己資金(ローンの頭金)が、土地オーナーが用意するマンションの建築費用に相当します。
申込者の社会属性、ご所有地の土地・エリア条件、不動産以外の資産状況によって異なりますが、一般的な自己資金の準備額は、融資総額の20%がめやすです。
より具体的にマンションの建築費用について知りたいかたは、「マンションを建てる費用はいくら?高収益を実現する3つのポイントを公開」の記事をご覧ください。
1-2.建物の測量・地盤調査・解体の費用など
建築の際、測量費・地盤に関した費用・解体費用などが発生することがあります。マンションの設計は測量図をもとにして作りますので、活用予定地の測量図がない場合、正確な土地の大きさなどを計るために必要になります。
マンションは鉄骨や鉄筋コンクリート造が多く、高さもある建物であるため、地盤の強さを確認するための地盤調査と地盤強化が必要です。また、すでに土地に建物などがあり、それを撤去する場合には、解体費用なども発生します。
これらの費用は、マンション建築をするために必要な工程であれば、建築プランの中にはじめから組み込まれていることもあります。
建物に関する初期費用は、建築総額がわからないとハッキリしません。
そのため、マンション経営をご検討の際には、まずは、建築費がどのくらいのボリュームになるのかを先に調べておくと、初期費用のめやすも付きやすくなります。
建築総額を知るためには、複数の建築会社に建築プランを請求できる、「HOME4U」の一括プラン請求をご活用ください。
活用予定地のエリアと広さなどの項目を入力するだけで、日本全国の実績のあるマンション建築会社の中から、最大7社の建築プランを取り寄せることができます。
各ハウスメーカーからの建築プランを比較すれば、費用・デザインなど、マンション経営全体のイメージがより具体的になります。
1-3.登記費用
登記費用とは、登録免許税と司法書士報酬を合わせた金額のことです。
マンションが完成したら、建物の所有権を法務局で登記します。(土地活用の方は、土地はすでに登記されている状態です)
不動産登記をすることにより、マンションの所有権が土地オーナーにあることを法的に証明できるようになります。
これ以外にも、以下のような時には、不動産登記が必要になります。
- マンション建築をするためにアパートローンを利用する場合の抵当権設定
- アパートを建築するために従前の建物を取り壊した
- 相続により不動産の所有者が変わる時の名義変更
- 転勤や結婚離婚で住所や名前が変わった
これらの事務作業自体は、専門家である司法書士が行いますので、その報酬と手数料も登記費用の項目に含まれます。住宅家屋の登録免許税には軽減措置がありますので、マンション経営の場合も税率軽減の対象となります。
参照:国税庁 登録免許税の税額表 / 法務局 不動産登記(土地・建物)
1-4.金融機関のローン手数料
銀行から融資を受けてマンション建築をするのであれば、ローンの事務手数料が発生します。
金額は金融機関によって違いがあり、例えば、横浜銀行、三井住友銀行は、借入上限3億円まででのアパートローン取り扱い手数料は一律11万円です。
借入額に対して「%」を設定している金融機関もあり、オリックス銀行、住信SBI銀行の不動産投資ローンは借入額の2.20%以内となっています。
金融機関を選ぶ時には、金利以外にも、ローン手数料もあわせて、複数を比較してください。
1-5.保証会社手数料・団信保険料
金融機関で融資を受けるときに、保証会社を立てることがあり、その事務手数料と保証料が別途必要になります。
保証料の支払い方法は、ローンに組み込む形と、融資契約時に一括払いする方法があります。
金融機関が提携する保証会社によって違いがありますが、一般的に融資額の2%程度です。
毎月のローンに組み込む場合は初期費用にはなりませんが、一括支払いの場合は、ローン頭金とは別に用意しておく必要があります。
団信保険料とは、団体信用生命保険という、借主に万が一のことがあった場合に生命保険でローン残債を相殺するという保険の料金です。
どのようなプランにするかで値段は変わりますが、融資額に対しての保険ですので、融資額の1.0~1.1%以上が基本です。
団信への加入は任意ですが、最近は、生命保険以外にも、がん保険や入院保険などがセットになったプランもあり、既存の生命保険商品よりもバラエティがあります。
保険を見直すという意味でも、資料をもらって比較しておくことをおすすめします。
1-6.損害保険料
火災や地震による被害に備えるためにかける損害保険は、マンションが完成したときに支払います。
マンションの規模や構造によって保険商品と値段が決まってきます。一般的に、5~10年単位で契約をして、年払いをするタイプの、火災と地震の掛け捨て保険になります。
建築を依頼したハウスメーカーが提携しているもの、ローンを申し込んだ金融機関が提携しているものなどから選択するか、ご自身でよいと思うものに申し込むのでも問題ありません。
1-7.固定資産税・都市計画税(日割)
固定資産税は、毎年1月1日の時点でその不動産の所有者に対して課税される地方税です。
年の途中でマンションが完成した場合には、日割り計算での固定資産税額になります。
市街化調整区域に土地がある場合は、都市計画税も課税されます。
【参照:東京都主税局 固定資産税 都市計画税】
1-8.不動産取得税
新規に取得した不動産に対して課される地方税です。
土地活用では、建築したマンション建物の価格に税率(3%)をかけた金額になりますが、この金額は総工費のことではなく、自治体が決めた固定資産課税台帳に登録されている価格のことです。
金額は建築プランに概算が記載されていますが、正確な金額は、不動産登記が終了して、自治体での固定資産課税台帳へ掲載になるまでわかりません。
台帳へ記載されると、自治体ホームページの計算ツールで金額を自分で確認することができるようになります。※自治体によってはツールがないところもあります。
また、ご自分で計算をしなくても、マンション建築後半年から1年以内に、固定資産課税額をもとにして計算された税額が、郵送されてきますので、期日まで支払います。
地方税であるため、土地建物がある自治体によって課税率が違うことがありますので、不明点がある場合は、マンション経営をする土地建物のある自治体で確認をしてください。令和6年3月31日までは、軽減税率が適用中です。
【参照:国土交通省 不動産取得税に係る特例措置】
1-9.印紙税
不動産関連の契約書などに貼る、収入印紙の代金のことです。
書類に収入印紙を貼ることで、税金を納めたことになります。
主に、ハウスメーカーとの契約書類・登記などの手続き・金融機関での書類で使います。
多くの場合、ハウスメーカー・司法書士・金融機関が収入印紙を用意して、使用した後に精算をする形を取ります。令和6年3月31日まで軽減税率が適用されています。
【参照:国税庁 印紙税の軽減措置の延長について】
1-10.入居者募集費用
完成したマンションの入居者の募集活動をしてもらう時の費用ですので、一般的には不動産会社への仲介手数料のことを指します。
国土交通省の告示で、宅地建物取引業者(不動産会社)が仲介手数料とは別に報酬を受け取ることは禁止されていますので、基本的には仲介手数料以外は支払う必要はありません。
しかし、マンション経営スタート時に、できるだけ早く空室を埋めるためには、入居付けをよくするための成功報酬として広告料の追加を、オーナー側から提案するのは問題ありません。
例えば、1室決まるごとに賃料の〇%など、オーナーの采配で自由に決められます。
これらの営業強化により、以下のような積極的な販促活動をしてもらいます。
- ホームページの目立つところに「新着物件」として大きく紹介してもらう
- 個別の紹介ページを作ってもらう
- 他の賃貸物件を内覧する時に、「おすすめ物件」として案内をしてもらう
など、具体的に成約率が上がるような営業活動をしてもらいます。
このような対策を打つことで、周辺のライバルマンションよりも、少しでも早く満室の状態で経営ができるようになります。
2.マンション経営の初期費用シミュレーション
前章でも触れていますが、マンション経営の初期費用には、融資額の20%相当の頭金と、マンション総工費の5%くらいの費用が必要です。
正確な金額は、総工費がからないとハッキリしませんので、マンション経営をご検討の方は、先に、複数のマンション建築プランを入手して、プラン内容やマンションデザイン、総工費などを比較してみると、概算が把握できます。
以下の例は、総工費が1億円のシミュレーションです。
種類 | 内容 | 概算 | |
---|---|---|---|
1.マンションの建築費用 | 総工費1億 自己資金(ローン頭金)として準備20% | 2,000万円 | |
総工費の 5%の部分 |
2.建物の測量・地盤調査・解体費用 | 測量費35~45万 中程度の地盤改良100万円 | 145万円 |
3.登記費用 | 建物評価額7,000万円の0.4%+司法書士報酬10万 | 38万円 | |
4.金融機関のローン手数料 | 固定額の金融機関で申し込みした場合 | 11万円 | |
5.保証会社手数料・団信保険料 | 一括支払いを選択 88~100万 | 88~100万円 | |
6.損害保険料 | 10年で120万円(年払12万) | 12万円 | |
7.固定資産税・都市計画税(日割) | 土地の固定資産税+新規マンションの分が追加 | 不明 | |
8.不動産取得税 | 評価額7,000万円で210万円 | 210万円 | |
9.印紙税 | 1~3億の取り扱い契約 軽減措置による金額 | 6万円 | |
10.入居者募集費用 | 仲介手数料5% 賃料10万で20室を満室にした場合※ | 10万円 | |
2~10総工費5%分の合計額 | 520~532万円 | ||
ローン頭金も入れた 初期費用の総合計額 | 約2,500万円 |
【関連記事:【詳しく解説】アパート経営を始める時の初期費用・自己準備資金の内訳一覧より編集部まとめ】
※不動産会社との媒介契約内容によって違いが生じます。礼金の折半やインテンシブ報酬が発生することがあります。
上記例のように、総工費1億円の場合は、頭金2,000万円と、その他の費用520~532万円、合計で2,500万円程度の資金を準備する必要があります。
土地活用の場合は、融資の際に土地を担保にいれますので、土地のエリア条件などが良い場合は、最も負担の大きいローンの頭金額を調整することも可能です。建築プランを作成してもらう際に、いくつかのバリエーションを出してもらい、スタート前に比較することができます。
ハウスメーカーによっては、地盤調査や改良工事費用など、マンション建築と経営スタートに必要なものが、すべてセットで総工費の中に組み込まれていることもあります。また、選択した建築プランによっては、融資をする金融機関がパッケージになっている商品などもあり、会社によって様々な提案があります。
そのため、マンション経営をお考えの際に最初にするべきことは、複数の建築会社から建築プランを取り寄せ、金額・デザインや間取り・資金プラン・経営プランなどの内容をよく見比べながら、最適なプランを選び出すことです。
複数の建築会社にプラン請求をする際には、一度に最大10社までの建築会社にプラン請求ができる「HOME4U」の一括プラン請求をご活用ください。
◆コラム◆初期費用以外のランニングコスト
マンション経営のための費用には、マンションを建てる時にかかる初期費用のほかに、マンション経営を続けるためにかかる「ランニングコスト」というものがあります。初期費用とランニングコストの違いは、初期費用のほとんどは、マンション経営をスタートさせる時だけかかります。
ランニングコストは、経営維持費のことですので、マンション経営を続けるためにずっとかかる費用です。
ランニングコストは主に以下のようなものになります。
- 管理費(賃貸管理・建物管理会社への委託費)
- 共用部分の光熱費(共益費により補充)
- 固定資産税・都市計画税(土地+建物)
- 火災保険料(年払い)
- 不動産所得税(年の不動産収入が20万円以上ある場合、確定申告)
- 住民税(確定申告により決定)
- 修繕費(必要に応じて)
上記以外にも、5年から10年ごとに発生する大がかりな修繕(大規模修繕費)などもあります。
多くの場合、これらの費用は必要経費として、マンション経営の収入から差し引かれます。
3.マンション経営の初期費用を抑える方法と注意点
初期費用のめやすをご確認いただき、「けっこう、高いな…」という感想をお持ちになった方も少なくないと思います。
しかし、建築会社の提案するプランの多くは、資材も設備もフルセットの提案であることが多いため、実際には、さまざまなポイントを抑えることで、コストダウンも可能です。
コストダウンを検討できる部分は以下の4つです。
- 建築費
- 司法書士報酬
- 仲介手数料
- ローン事務手数料
3-1.建築費を抑える
建築プランの一括請求などをした後、最初に手渡される建築プランは、ハウスメーカー各社がおすすめしたい機能や設備が、すべて詰め込まれたフルセットで提案されていることが多く、かなりの高額設定プランである傾向があります。
ハウスメーカーによっては、フルセット・ほどほど・シンプルなどの3種類くらいの見積もりを出してくるところもあります。もらった建築プランの中の設備や建材の詳細欄を見ながら、不要だと思える部分は削ることができます。
例えば、建材や建具を最高ランクから1~2ランク下げる、豪華なシステムキッチンを普通のキッチンシンクにするなど、予算に応じて調整していくことができます。
ハウスメーカーもこのような交渉があることを前提に、フルセットプランで出してきていますので、コストダウンの提案をすること自体は何ら問題ありません。
<注意点>
コストダウンばかりに目が行ってしまい、入居者目線を失わないように注意しましょう。マンション経営を長期にわたって成功させるには、入居者が気持ちよく暮らしていける部屋であることが大前提です。
初期費用を抑えることを意識しすぎてしまった結果、暮らしやすさへの配慮が足りないマンションになってしまうと、空室率が上がることにつながりやすくなります。
入居者が決まらない・退去が多いなどが続くと、空室を埋めるために家賃を下げて対応せざるを得ないなど、最初の経営計画の変更を余儀なくされることも十分考えられます。
コストダウンの提案をするときには、建築プランを出したハウスメーカー担当者に、不動産のプロとしての意見を聞きながら、慎重に判断をしていってください。
3-2.司法書士報酬を抑える
司法書士報酬は、契約書や法的な手続きなどに必要な書類を、司法書士に代行してもらうための費用です。
マンション経営の初期費用の中では、法務局で行う不動産登記、融資手続きの時に行う抵当権の設定登記などに、司法書士報酬が発生します。
実は、これらの手続きは、ご自分ですることもできます。以前に何らかの法的な資料作成の経験のある方や、本などを見ながら慎重にやっていくだけの時間と気力がある方であれば、ご自身で手続きをすれば、司法書士報酬にかかる費用をコストダウンすることもできます。
<注意点>
契約書や法的な書類は、一旦、その内容で提出して許認可が下りてしまうと、それがルールとなってしまいます。そのため、出来れば司法書士など契約書類を作成する専門家の目で間違いがないかをチェックし、将来にわたって問題のない書類を作ってもらう方が、万が一のトラブルを避けることができます。
それでも、コストダウンのためにご自身で手続きをしたい場合は、専門書を複数入手したうえで、慎重に手続きを進めていくだけの時間的・精神的な余裕が必要です。
本業が忙しい、書類作成が得意ではないなど、あまり余裕がない状態では、チェック不足で許認可の下りない書類を作成してしまうこともあります。その場合は、正しい書類ができるまで、工事をはじめ、あらゆる手続きなどがストップしてしまい、最悪の場合、竣工が延びるなどにつながります。
金額に関しては、本記事1章2章では、全国の平均的な報酬額を掲載してあります。しかし、司法書士報酬は、地域や事務所によっても値段が違います。都心部にある有名な事務所であれば報酬も高い傾向にあり、個人で運営している小さな事務所は、比較的リーズナブルな報酬額です。
また、ハウスメーカーによっては、会社と提携している司法書士事務所が、一括して資料作成を請け負っていることもあります。報酬額のコストダウンをしたい場合には、建築プランの中にある報酬額は削れないことが多いため、ご自身で外注先を見つけることを提案してください。ご自身の友人や親せきに司法書士がいる場合は、その方に頼んでも問題ありません。
3-3.仲介手数料を抑える
初期費用の仲介手数料とは、経営がスタートしたばかりのマンションに新規の入居者を募るための費用です。
入居者が決まった時の成功報酬として、不動産会社は規定の仲介手数料を得ることになっています。
一般的な入居者募集の仲介契約の場合、不動産会社によっては、以下のような方法で、仲介手数料のコストダウンに協力してくれるところもあります。
A:インターネットのみで集客をし、それ以外の販促活動をしない
B:問い合わせ・内覧ともにネットのみで、対面営業をしない
C:礼金を設定し、礼金をオーナーと折半する方法
- A:インターネットのみで集客をし、それ以外の販促活動をしない
-
店頭案内などを一切せず、ネット募集からの問い合わせなどにのみ対応する方法です。内覧申込があるまでは人員を割かないでもよい分、支払報酬額の減額に協力してもらえます。
- B:問い合わせ・内覧ともにネットのみで、対面営業をしない
-
問い合わせ・内覧とも、ネットのみで対応する方法です。ネット主体の不動産会社にみられる、最近の営業方法です。このような不動産会社は、駅歩のある場所に店舗があり、人員も最小人数で営業をしている傾向があります。
ネットで広告を打ち、内覧申込があった場合も、ネットで閲覧をしてもらいます。あらかじめ室内や外観などを丁寧に動画撮影しておき、内覧申込者にログインIDを渡して、動画で内覧してもらう方法です。
オーナーの許可があれば、物件の住所は教えますので、入居希望者が現地まで自分で見に行くことや、オーナーが立ち会うことなどは可能です。
営業のための人件費を一切かけないため、仲介手数料はもともと安い設定です。掲載する動画の撮影などもご自身ですれば、さらなる減額も可能です。
賃貸契約は、不動産会社の事務所か、駅前の喫茶店などで契約をします。入居希望者も、ネットのみの対応であることを理解した上で申し込んできますので、問題なく契約が進みます。
- C:礼金を設定し、礼金をオーナーと折半する方法
-
礼金の慣習がある地域では一般的な方法です。例えば、礼金2か月で募り、1:1でオーナーと折半します。礼金自体は入居者が支払っているため、実際にはオーナーの手取りからは支払い報酬が発生しません。
この方法の場合、不動産会社の取得できる報酬の最高額は、賃料の1ヶ月分までです。
<注意点>
マンション経営の理想的なスタートは、満室での経営開始ですので、一日も早く、部屋が埋まることを優先したいです。
A、Bのネット募集の場合、不動産の繁忙期には対応に割ける人員が決まってしまうため、対応が後回しになる可能性があります。
また、賃貸マンションは生活のために住む場所ですので、入居者の心理としては「現物を見て判断したい」のが当然です。ネットのみの対応の不動産会社の成約率は、店頭と対面をしてくれる不動産会社よりは下がる可能性があります。
Cは、礼金システムがない地域では採用できません。また、礼金システムがある地域でも、最近は、礼金敷金0:0の募集も増えてきているため、かえってデメリットになってしまう場合もあります。
仲介料に関した契約内容は、入居募集をお願いする不動産会社の担当者とよく相談し、納得のいく会社と契約をしてください。
3-4.ローン事務手数料を抑える
金融機関でのローン事務手数料のコストダウンは、手数料が安い金融機関を探して審査を申し込む、という手法になります。
特に、ネット銀行の不動産投資ローンやアパートローンでは、原則1~2%程度の事務手数料をうたっているところが多いのですが、借入額や借入年数、担保に入れる不動産、その他の資産、保証会社利用、団信利用などを総合的に考慮した上で、事務手数料を下げてくれるケースもあります。
<注意点>
事務手数料は、各金融機関が行う融資のための作業に対する手数料です。そのため手数料の割引交渉は、基本的には受け付けてもらえない傾向にあります。はじめから、規定の金額が決まっていない金融機関を見つけて、相談の段階で打診してみることをおすすめします。
ネット銀行など、店舗を持たない金融機関では、事務作業をするための人員が少ないため、手数料は借入額に対しての%制になっていることが多く、交渉の余地があります。
相談もネットなので、先に手数料割引など条件を確認してください。
店舗がある金融機関では、基本的に事務手数料割引などの対応はしていませんが、今回のアパートローン以外にも取引履歴がある場合などは、事務手数料ではなく、金利や保証料などの面で割引対応をしてくれる可能性はあります。
どの金融機関でも、相談の段階までは無料ですので、手数料割引などがあるかは相談の段階で確認しておきます。
3-5.プラン比較をし、最適なプランを選ぶ
マンション経営をご検討の際には、必ず、複数のハウスメーカーからの建築プランを取り寄せ、内容をよく比較してから、最も納得のいくものを選び出すようにしてください。
ハウスメーカーには、各社それぞれ独自のデザインや工法、経営プランなどがあります。
複数のプランを並べて比較してみると、とても個性のあるプランが揃うでしょう。
特に、大手ハウスメーカーには、建築プラン・経営プラン・融資プランがセットになったパッケージ商品なども豊富にそろっており、とても分かりやすい内容になっています。パッケージ商品の中には、ハウスメーカーと金融機関が提携をしたプランもあるので、はじめてのマンション経営で最も不安なポイントである、融資に関した事柄がスムーズになります。
さまざまな企業のプランに目を通すことにより、ご所有の土地でどんな規模のマンションが建てられ、どのくらいの収益になるのかなどが、具体的にイメージできるようになります。
<注意点>
建築プランは、最低でも3社以上を見比べるようにします。また、プラン作成の際には、必ず、活用予定地まで現地調査に来てもらい、具体的な数字が出る状態で比較をするようにしてください。
複数社にお願いするのは少し大変ではありますが、ハウスメーカーごとの長所・短所を知り、マンション建物としての個性を比較することは、マンション経営をスムーズに進めるためには必要なことです。後悔や失敗のないように、準備の時点でしっかりとした比較をする必要があります。
建築プランを複数まとめて入手するときには、ネットで1社ずつ探すよりも、一回の入力で複数のハウスメーカーに資料請求ができる、「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求をご活用ください。
ご所有の土地のエリアや大きさなどのカンタンな質問に答えるだけで、日本全国のハウスメーカーの中から、今回のマンション経営と相性の良い会社を、最大10社までに絞ってご案内しています。
ネットや本でいろいろ調べても、はじめてのマンション経営には、わからないことばかりです。幸先の良いマンション経営にするには、複数の不動産とマンション建築のプロフェッショナルのプランと意見を取り入れながら、ご自分が最も納得のいく一社を見つける必要があります。もちろん、プラン請求もプラン作成も無料ですので、安心して、数多くのハウスメーカーの中から、最善最適なプランを選び出してください。
まとめ
マンション経営の初期費用に関して解説をしました。マンションの総工費の20%程度の自己資金のほかに、総工費の5%程度の金額が必要であることがわかりました。
大きな金額ですが、マンションに限らず、戸建てや木造アパートなど、不動産を建てる時には、初期費用は同じようにかかります。コストダウンはできますが、マンション経営の最大の目的は、長期的に安定した収益を得ることですので、初期費用を削ったばかりに、後々の後悔をしないように、必要な金額はしっかりと準備しておく必要があります。
建築の内容やコストダウン方法に関しては、必ず、ハウスメーカーの担当者とよく話し合い、プロとしてのアドバイスを受けながら進めるようにしてください。
マンション経営には10種の初期費用がかかるのが一般的です。
- マンションの建築費用
- 測量費・地盤調査費・解体費用
- 登記費用
- 金融機関のローン手数料
- 保証会社手数料・団信保険料
- 損害保険料
- 固定資産税・都市計画税(日割)
- 不動産取得税
- 印紙税
- 入居者募集費用
各費目については「マンション経営をはじめるときにかかる10種の初期費用」で解説しています。
マンション経営を始める際の出費を抑えるには下の項目ごとに対策を練る必要があります。
- 建築費
- 司法書士報酬
- 仲介手数料
- ローン事務手数料
また、プランを比較して最適プランを選べば、大幅なコストダウンも見込めます。プラン請求には「HOME4U 土地活用」をご活用ください。初期費用を抑える方法は「マンション経営の初期費用を抑える方法と注意点」でも詳しく解説しています。
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。