ヘーベルハウスの賃貸で土地活用が向いている4タイプ
土地活用でアパート建築を検討し始めると、気になるのは、どこのハウスメーカーでアパートを建てるべきかということですよね。出来れば地震や災害に強い建物が良いですし、はじめてのアパート経営であれば、経営サポートもあると安心です。
いろいろ調べていくと、ヘーベルハウスは構造が頑丈で、経営サポートもしてくれるということがわかってきますが、具体的なサポート内容や、建築費についてはわからないことが多いようです。そこで今回は、ヘーベルハウスの賃貸住宅「ヘーベルメゾン」でアパート建築をお考えの方に向けて、以下のようにまとめました。
- へーベルハウスの賃貸住宅経営「ヘーベルメゾン」
- ヘーベルハウスの賃貸で土地活用をする10のメリット
- ヘーベルハウスの賃貸で土地活用をする7つのデメリット
- ヘーベルハウスでの土地活用が向いているのはこんな方
最後までお読みになれば、ヘーベルハウスの賃貸住宅に関した情報が増え、活用予定地に最適なプランとハウスメーカーを選べるようになります。
また、へーベルハウスの建築を具体的に検討されている方は、へーベルハウスを展開する旭化成ホームズなど、最大10社のハウスメーカーに、一括で建築費の目安や収益シミュレーションがわかる建築プランの申し込みをすることもできますので、ぜひご利用ください。
この記事の内容
1.へーベルハウスの賃貸住宅経営「ヘーベルメゾン」
本章では、ヘーベルハウスの賃貸住宅「ヘーベルメゾン」についての概要をまとめています。
1-1.ヘーベルハウスとは?
ヘーベルハウスとは、ハウスメーカーである旭化成ホームズの戸建て住宅のブランド名です。旭化成ホームズは戸建て総販売戸数全国4位の大企業であり、日本では老舗のハウスメーカーです。
本体である旭化成グループは、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3本柱で経営しており、例えば、最も私たちに身近な商品でいえば、サランラップやジップロックなどが、旭化成マテリアルの中のホームマテリアル商品です。
住宅部門に関しては、テレビコマーシャルなどで「ヘーベルハウス」の名前を見聞きしてきて、名前だけは知っている方も多いでしょう。そのため、旭化成ホームズの建物=ヘーベルハウスだと思っていらっしゃる方は多いかと思います。
順位 | 企業名 | 総販売戸数 |
---|---|---|
1 | 大和ハウス工業 | 38,991 |
2 | 積水ハウス | 37,912 |
3 | プライムライフテクノロジーズ(パナソニックホームズ、ミサワホーム、トヨタホーム) | 22,431 |
4 | 旭化成ホームズ | 15,474 |
5 | 積水化学工業住宅カンパニー | 12,115 |
【参照:2020年度 大手住宅企業の総販売戸数】
旭化成ホームズは、ヨーロッパで住宅建材として実績のある軽量気泡コンクリート(ALC)を日本で初めて導入した企業です。このコンクリートを作っていた会社が、ドイツのヘーベル社であったため、当初、この軽量気泡コンクリートを、ヘーベルコンクリートと呼んでいました。
旭化成ホームズでは、このヘーベルコンクリートに鉄骨と特殊な布を組み合わせて耐久性を補完した結果、軽量でありながら高強度・高耐久性などの複合的な性能を併せ持ち、60年もの歳月を耐え抜くほど頑丈なロングライフ住宅を可能にしました。
1-2.ヘーベルメゾンとは?
ヘーベルメゾンとは、ヘーベルハウスと同じ構造や建材を使って建てた、旭化成ホームズの賃貸住宅ブランド名です。ヘーベルハウス同様、60年もの長期間を耐えるロングライフの賃貸住宅です。ヘーベルハウスの兄弟ブランドですので、外観や仕様設備も良く似ていて、存在感と高級感があります。
また、頑丈であるのに軽量・静か・燃えない・揺れない・湿気ないなど、日本の住宅が持つさまざまな弱点を克服しており、住むことの快適さと、オーナー負担の軽減を追求した、とても質の高い賃貸住宅です。
1-3.ヘーベルメゾンの構造・性能
ヘーベルメゾンは2階建てと3~4階建てで少し構造が異なります。
- 2階建て ハイパワード制震ALC(鉄骨軸組高耐震フレーム)構造
-
基本的には木造建築でいうところの「筋交い」という、柱と柱の間に斜めに部材を入れて構造を補強しています。筋交いの中心部に、変形に強い鋼を使用して、地震時や台風時おきる建物の前後左右の揺れを抑え、柱や梁などの骨組みの損傷を防いでいます。また、繰り返しの余震にも柔軟に耐えることができます。
- 3~4階建て 重量鉄骨・システムラーメン構造
-
普通よりも骨太で肉厚な重量鉄骨の柱と梁を使った構造躯体で、大地震や繰り返しの余震にも粘り強く耐えられる造りになっています。カンタンに言えば、建物全体が格子状の鳥かごのような構造になっており、要所要所にオイルダンパーという、筒の中にあるオイルと空気が揺れやゆがみを吸収して、建物自らが制震・補正できる装置を置いています。
ヘーベル壁の性能に関しては、コンクリート壁に無数の気泡があり、それが軽量・断熱・調湿・遮音性を生み出します。内部にこの気泡をつなぐ微細な気孔と結晶があるため、壁が呼吸をするように膨張・伸縮を繰り返しますので、大火災の際の爆裂や、梅雨や台風時期などの結露などを防ぐ効果もあります。
このように、日本の家屋に大きな被害を与える要因の一つである「地震」と「火災」に強く、四季のある日本の環境変化にも柔軟に対応できる建物を、頑健な重量鉄骨造とコンクリート外壁で再現しています。
1-4.ヘーベルメゾンの坪単価
ヘーベルメゾンは坪単価を公表していませんので、ヘ正確な坪単価は不明ですが、2019年度に発表された大手ハウスメーカー5社の、1棟あたりの平均棟単価をもとに坪単価を出してみました。
このデータによれば、旭化成ホームズのヘーベルハウスの坪単価は約100万円となります。
企業名 | 棟単価(万円) | 坪単価(万円) | 床面積平米 | 坪数換算 |
---|---|---|---|---|
大和ハウス | 4,000 | 96 | 138 | 42 |
積水ハウス | 3,900 | 93 | 138 | 42 |
三井ホーム | 3,900 | 100 | 130 | 39 |
住友林業 | 3,800 | 100 | 127 | 38 |
旭化成ホームズ | 3,400 | 100 | 113 | 34 |
※棟単価は各メーカー毎の平均床面積から算出しています。
【参照:住宅産業新聞社 2019】
数字だけ見ると、大手企業だけあって「高いな」という印象ですが、旭化成の住宅は基本が重量鉄骨造ですので、重量鉄骨造の平均坪単価が90~120万円であることを考えると、特別に高額な坪単価というわけでも無いようです。
活用予定地に建てるアパートをヘーベルハウスで建てようか、それともほかの住宅メーカーが良いのかお悩みの場合には、複数のハウスメーカーからの建築プランをあつめて値段とプラン内容を比較してみることをおすすめします。複数のハウスメーカーにプランを依頼するときには、NTTデータグループが運営する「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求をご利用下さい。
活用予定地のエリアと広さなどのカンタンな入力だけで、予算・イメージなどに合った建築プラン・収支プランを含めた土地活用プランを、最大10社までに絞ってご紹介します。比較をして気に入ったプランがあれば、実際に訪問査定をしてもらい、より具体的なプランを作ることができます。
工法や構造以外にも、デザインや間取りなど、多くの賃貸住宅を手掛けてきたハウスメーカーだからこそ、納得のいくプランが提案できます。ぜひ、「HOME4U 土地活用」をご利用下さい。ヘーベルメゾンでの土地活用をご検討の方は、最後のハウスメーカー選択で、旭化成ホームズにチェックを入れてください。
2.ヘーベルハウスの賃貸で土地活用をする10のメリット
本章では、ヘーベルハウスの賃貸住宅「ヘーベルメゾン」で土地活用をするメリットを10個にまとめてみました。
2-1.大企業のブランド力
ヘーベルハウス・ヘーベルメゾンを建築する旭化成ホームズは、日本の大手ハウスメーカーの中でも総戸建て数4位のメジャー企業であり、認知度信頼度ともに抜群です。
一般的には「旭化成のヘーベルハウス」というブランド認知をされていて、四角い家の形をしたヘーベル君が、屋根のところを帽子のように取って「ハーイ!」と挨拶をしているロゴマークと共に認知されています。
【参照:旭化成ホームズ ヘーベルハウスのCM】
また、普通の大手ハウスメーカーが、企業名をブランドとして知られていても、その会社がどのような建物を作っているのかがイメージできないのに対し、ヘーベルハウス・ヘーベルメゾンの場合は、ヘーベルハウスの建物がかなりハッキリとイメージで来ているところも特徴的です。
そのため、旭化成ホームズでの建築を希望する方・賃貸住宅に申し込みをする方は、すでに頭の中に建物や住み心地のイメージがあり、「頑丈」「安全」「静か」「地震や火事に強い」などのブランド固有のイメージを期待しています。
建築可能エリアは、関東地区、関西地区、中京地区、静岡地区および西日本エリアの一部のみに限定されているため、特に都心部では「あ、あの建物ね」とすぐ頭に思い浮かぶ方も多いでしょう。
2-2.プランが豊富
土地活用ニーズに合わせ、税務・法律・用途・エリア条件・市場ニーズ・資金計画など、さまざまな角度から活用予定地の資産力を分析し、将来の資産価値向上につながる適格なプランを提案してくれます。
構造性能に絶対の自信を持つハウスメーカーですので、賃貸建物だけではなく、ビル・店舗など、重量鉄骨造でつくれるあらゆる建築ノウハウを持っています。
コンサルティング力にも優れているため、各建築方法の中から住宅に引用できる部分を上手に組み合わせ、独自の建築プランをいくつも提案できるだけの企画力がありますので、今まで「こうだったらいいなあ」「これは無理かなあ」と思っていたことが、ヘーベルメゾンにプラン請求すると、一気に現実化することもあります。
また、土地オーナーが持つこだわりや、取り入れてほしい希望などに関しても、建物構造の自由度が高いため、比較的容易に組み込むことができます。強さと頑丈さを目指して作られたヘーベルコンクリートを使ったプランならではの、何十年も先の入居者までを想定した複数の提案が期待できます。
2-3.入居率の高さ
賃貸住宅を経営するとなると、気になるのが空室率です。せっかく賃貸住宅を作っても、経営がうまくいかないのでは土地活用になりません。
ヘーベルメゾンの空室率は平均でわずか2~3%程度*にとどまり、一般的な賃貸経営の空室率が17~18%※であるのに比べると格段に低いのが特徴です。入居率確保の秘密は、旭化成ホームズの30年一括借り上げシステムと、それを支える旭化成不動産レジデンスという不動産管理会社による強いサポートです。
【参照:朝日新聞デジタル】
もともと、耐震・防火に強く、安心度の高い賃貸住宅ですので、内見をすると、賃貸物件として質が高いことを体感してもらえます。それに加え、ヘーベルメゾンは「住む理由がある賃貸」をテーマにした、時代に合った付加価値のある賃貸住宅が建てられますので、エリア需要に合った賃貸住宅を自由に生み出すことができます。例えば、
- ペット共生型
- 女性の安心型
- 子育て共感型
- シニアサポート型
- 一戸建て感覚型
- 間取り変更可能型
など、入居の際には「ここがいい」と決め手になる価値、契約後は「ずっとここがいい」と思える価値を加えることにより、長期入居者を確保して、入居率を下げない仕組みを作り上げています。
【参照:平成30年住宅・土地統計調査】
2-4.遮音性
モデルハウスなどに足を運んでもらえば納得しますが、ヘーベルメゾンは室内が高級マンションなみに静かです。環境が静かというのではなく、マンションが音を吸収しているのではないかというような静謐さがあります。賃貸住宅でここまで静かなものは滅多にはありませんので、入居希望者が内見に来れば、かなりの好印象となり、契約につながりやすくなります。
静かさの理由は、ヘーベルハウスの外壁力によるものです。ヘーベルハウスの原型であるヘーベルコンクリートは、もともとヨーロッパで駅ホームやホテルの間仕切りに使用している防音性の優れた建材です。これに、日本の環境に合う様にさらなる独自加工をしているのがヘーベルメゾンの外壁です。
具体的には、音を反射する遮音効果が高い、一般の建材よりも厚みのあるヘーベル壁を使います。無数の気泡がある壁は、透過する時に音を吸収してしまうので、電車の騒音を図書館並みの静けさにするほどの効果があります。
上下階の音に関しても、外壁同様にヘーベル床を使い、子供がソファなどから飛び降りたときの衝撃を吸収し、音も振動も伝わらないようにしています。このように、部屋の中の音を漏らさず、外の音は入れないというダブルの遮音性で、静かな空間を作り出します。
2-5.防災力
ヘーベルハウスは、とても控えめに表現しても「燃えない住宅」であり、ヘーベル壁は、国土交通大臣認定の耐火構造部材でもあります。旭化成ホームズの出したデータによれば、外壁表面を加熱し、30分で842℃、60分で945℃に上昇させ続ける耐火試験をクリア※しています。
はじめの30分は燃え広がる勢いのある火事、60分の時の温度は家全体が燃えている時と同等の火力です。これだけの火が起こっても建物は燃えないので、ヘーベルメゾンの賃貸住宅は、火事によるダメージがほぼないということになります。
※この耐火実験結果は、旭化成ホームズの展示会に行くと見学できます。
このような耐火性能を持つヘーベルメゾンの建材を壁・床・天井に使い、さらに防火対策を行います。つまり、賃貸住宅で火災が発生しても、下や横からの火が広がりにくく、火が外部にも出ないため、延焼を防ぐ効果もあります。
このような建物は、ヘーベルメゾンで建てた賃貸住宅を四方に囲まれた状態で大火災が起きても、ヘーベルメゾンは燃えないということになりますので、中に住む人の安全性も含め、土地活用をする上で非常に着目すべき特徴だと言えます。
2-6.耐震力
1章の構造性能の部分で触れましたが、非常に耐震力高く、安全な建物です。構造が地震の大きなエネルギーを吸収し、放出するという仕組み取っていますので、縦揺れ・横揺れに関係なく、建物の構造にゆがみが生じにくい建物です。
- 2階建て
-
真ん中に柔らかい鋼を使った筋交い方式で、筋交フレーム自体のゆがみを起こさせない。
- 3~4階建て
-
建物全体が格子上の鳥かごのような構造になっており、エネルギーを逃すためのダンパーが付いているため、揺れの吸収放出を繰り返して地震エネルギーを発散させる。
一般的な建物は、余震が長く続くと、基礎がゆがみ、建物の寸法が変わってしまうことがありますが、ヘーベルメゾンの場合は、基礎に特殊な構造を敷いて、建物の重さが基礎に均等にかかるようになっているため、建物の重さによる地盤の傾きや沈下が起こる可能性が非常に低くなります。
また、免震・耐震力のある建物は窓を大きく取れない・窓の数が制限されるなどの規制がありますが、ヘーベルメゾンの場合は、構造自体が免震・耐震をしていますので、開口部の大きな建物でも問題なく作れます。
2-7.構造力
ヘーベルメゾンの構造力を支えるのは、基礎の強さです。基礎部分はT字型を逆にした構造物を連続させて一体化する、連続布基礎と呼ばれる基礎工事をします。これは、地震や災害などで地面強度が変わっても、地面が変わるのに合わせて基礎がバランスを取れるようにするためです。
施工前には入念な地盤検査を行い、必要な地盤補強を行いますが、長年の経営の間には、度重なる地震や自然災害などで、地盤の状態に変化が起きることもあり、そのような場合でも、建てた当初と変わらぬ安全性を維持できます。
2-8.築60年までの耐久性
基礎・構造・壁の組み合わせによって強度の強い賃貸住宅ができます。ヘーベルメゾンの賃貸住宅では、竣工から65年間は大規模従前に相当する大がかりな工事が不要であることを前提として建築をします。
また、外壁などに関しても、耐火・断熱・調湿などの性能から、真夏の直射日光・台風の雨風・真冬の雪など、四季のある日本で傷みやすい家屋をしっかりと守り、60年間はなにごともなく建っていてくれる耐久性があります。
2-9. マンション管理運営サポートの充実
ヘーベルメゾンのアパート経営・管理は「30年一括借上システム」と、オーナーズクラブでマンション管理と経営全体のサポートをしています。土地活用でヘーベルメゾンを建てると、ヘーベルメゾンのオーナーズクラブへ入会できるようになります。
ヘーベルメゾンのオーナーは「へ―べリアン」と呼ばれ、専用サイトでアパート管理のすべてを依頼・確認できるようになります。例えば、
- 修理補修依頼
- 保険の見積もり依頼
- 税金や相続対策の相談
などをサイトから問い合わせ可能です。点検の定期フォローなどをはじめ、随時、オーナーの不安を解消できる提案をし、サイト・メール・電話・訪問などでしっかりサポートしてもらえますので、基本的にへ―べリアンになった後は、管理を自分一人でして、不安になったり、忙しくなるようなことはありません。
建物の保守点検は、60年無料点検システムに沿って、旭化成ホームズの管理会社が定期点検を行います。外壁の防水・防汚の耐用年数も強化されており、現在では一律で30年目にまとめて壁材の交換や補修ができる長期計画修繕プログラムを実施しています。
【参照:ヘーベルメゾン オーナーサイト】
2-10.安心の30年一括借上げシステム(サブリース)
ヘーベルメゾンで建てた賃貸住宅を、旭化成不動産レジデンス(商品・エリアによっては旭化成ホームズ)が30年間一括して借上げるシステムです。いわゆるサブリースですので、賃貸経営に関するあらゆる業務
- 入居者募集
- 建物管理
- 賃料徴収
- 更新管理
- 滞納者への督促
- クレーム処理
- 退室管理
などの、大家としての管理・運営業務をすべて代行してもらえます。また、戸数や設備に一定条件はあるものの、支払賃料を10年間固定できるコースもあります。このコースにすると、通常、2年ごとに見直しがある賃料設定を10年間見直ししないため、一定期間、安定した収入が期待できます。
例えば、一定期間はまとまった金額でローン返済したいケースや、就学中の子供がいる場合などには、計画性のある運営ができます。
また、メンテナンスサポートの月額代金を支払うことにより、突発的に発生する修繕保修などの代金を旭化成不動産レジデンスが負担するプランもあります。
【参照:経営サポート・30年一括借上げシステム|ヘーベルメゾン】
3.ヘーベルハウスの賃貸で土地活用をする7つのデメリット
本章では、ヘーベルハウスの賃貸住宅「ヘーベルメゾン」で土地活用をするデメリットを7つまとめています。
3-1.建築費が高い
ヘーベルメゾンは基本が重量鉄骨造ですので、例えば、木造アパートと比較すれば建築費は高くなります。ヘーベルメゾンの坪単価は約100万円ですので、一般の木造坪単価が55~80万円であることを考えると、高額な建物になることがわかります。
以下の表は、同じ2階建ての賃貸住宅を、延べ床面積100平米建てた場合を、木造と比べてみたものです。最も安い費用で木造アパートを建てた場合は、2,300万円ほどの違いが出ます。
構造 | 坪単価 | 本体工事費めやす | |
---|---|---|---|
ヘーベルメゾン2階建て | 鉄筋コンクリート造 | 100万円 | 1億円 |
木造2階建てアパート | 木造 | 55~80万円 | 7,700~1億円 |
ただし、3~4階建てにした場合は、木造でも坪単価が100万円に近い数字になりますが、ヘーベルメゾンの場合は3~4階建てでも坪単価は変わりませんので、3階建て以上にする場合には、建築費の差はなくなってきます。
ヘーベルメゾンやヘーベルハウスの特徴として、一般人の建てる住宅でも重量鉄骨造で建てられるというのがポイントであり、その構造や外壁などは、一般の重量鉄骨造でつくる建物よりもかなり優れています。
つまり、ヘーベルメゾンでのアパート建築も視野に入れている場合には、単純に建築費の「高い」「安い」だけではなく、総合的に手に入る不動産の資産価値という点においても比較するほうが良いでしょう。
3-2.見た目が無機質すぎる
ヘーベルメゾンは構造を外壁で覆う形の造りですので、壁面がすべて、ヘーベルコンクリート壁になります。そのため、見た目が壁一面のシンプルな建物になりやすく、オシャレでデザイン性のある建物を求めている方にとっては、ビルみたいで無機質だと感じる方もいらっしゃいます。
分厚い壁にも何となく圧迫感がありますので、実物を間近で見ると「ゴツイ」という印象を受ける方もいらっしゃるかもしれません。このようなシンプルで無機質な感じは、質実剛健なヘーベルコンクリート壁の製品特徴でもあります。
この印象は、外壁選びの際に、目地と吹付塗装の色で雰囲気を変えることができます。目地で6~8種・吹付で25種もありますので、必ずお好きな組み合わせは見つかります。また、定期的に新しい外壁デザインが追加されていますので、少しずつオシャレな建物も増えています。
3-3.ヘーベルハウスの用意するプラン以外に対応できない
ヘーベルメゾンはヘーベル壁を使った壁構造であるため、構造に反したつくりの建物には対応できません。例えば、構造部分に使っている鉄骨を丸く曲げてデザイン性を出して欲しいなど、もともとのプランにない形には柔軟な対応ができません。
また、大手ハウスメーカーであるため、建材を基本プランに沿ったプレキャストで用意してありますので、その規格外のもの対応ができません。
ただし、ヘーベルハウス・ヘーベルメゾンには、一般の戸建て・賃貸住宅以外にも、店舗・ビル・商業施設などの幅広いプランがありますので、その中にあるものでしたら、本来ならば商業施設に使うはずのものを、一般賃貸住宅に採用するなどは自在にできます。
3-4.基本的に都心部でしか建てられない
ヘーベルメゾンによる賃貸住宅建築は、基本が旭化成不動産レジデンスによる一括借り上げプランを前提としていますので、採算の取れるエリアでしか申し込み受付をしていません。
対応エリアは 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・栃木県・群馬県・茨城県・静岡県・愛知県・岐阜県・三重県・大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県・岡山県・広島県・福岡県と決められており、さらに、その中でも都心部の好立地エリアのみが対象です。郊外・田舎・都心でも駅歩のあるエリアでは、断られるケースが多いでしょう。
普通に賃貸住宅をヘーベルメゾンで建ててご自身でアパート運営する分には問題がありませんが、エリアや営業所によって回答が違うこともありますので、必ず活用予定地のある営業所で確認をしてください。
3-5.一括借り上げでも家賃見直しがある
ヘーベルメゾンの賃貸経営は、30年の一括借り上げがベースなのですが、これは30年間家賃が確実に保証されるという意味ではありません。2年に一度、経営状態をもとにした賃料の見直し提案があります。借地借家法第28条の規定により、オーナーはこの見直し提案を基本的には断ることができません。
ただし、このシステムはヘーベルメゾンに限ったことではなく、賃貸物件のサブリース契約は、どこでも同じです。このようなサブリース契約の不満を解消するために、ヘーベルメゾンでは、10年間家賃見直しをしない「10年間賃料固定コース」も用意しています。11年目に初めて賃料見直しがあり、その後は、2年ごとの賃料見直しになります。
【参照:借地借家法第28条】
3-6.途中の契約解除がある
サブリース中にある賃料見直し提案にオーナーが応じず、旭化成不動産レジデンスが健全な経営を続けるのが不可能だと判断した場合には、30年のサブリース契約中でも、途中解除されることがあります。経営状態に影響を与えるのは主に
- 空室
- 建物メンテナンス
- 修繕費
などです。ご自身で運営をして管理会社に任せていると、管理会社と相談のうえでメンテナンスのタイミングなどを決めることができますが、一括借り上げをしていると、ヘーベルメゾンのブランド品質維持のために、旭化成不動産レジデンスが決めたかなり早いサイクルで点検が行われることがあり、想定していたよりも、管理費負担が重たくなることがあります。
この管理内容が気に入らないという理由でオーナーが旭化成不動産レジデンスに一括借り上げ契約を解除しようとしても、ほとんどの場合拒否されます。正当な事由として、ヘーベルメゾン側に何かしらの落ち度がないと、オーナー側からの契約解除はできません。
契約解除をされても、新規に不動産管理会社に管理を頼めばアパート経営はできますが、ヘーベルハウスオーナーが今まで享受できた様々なサポートの一部が使えなくなります。
3-7.担当した営業所で対応にばらつきがある
旭化成ホームズ株式会社は、従業員数7,400人もの大手ハウスメーカーです。ヘーベルハウス・ヘーベルメゾンのブランド評価は高いのですが、各営業所の個人レベルまで含めると、さまざまな社員がいます。そのため、支店や営業所によっては、あまり相性の良く無い担当者にあたってしまうことがあります。
基本的に、営業担当は変更ができますので、あまり話がかみ合わない感じで、相性が合わないと感じた場合は、遠慮なくその旨をオフィスに連絡して、担当は早めに変えてもらうと良いでしょう。大きな金額を動かす賃貸住宅の建築で、資金計画やプラン設計など、今後、数多くのやり取りが発生することがわかっていますので、オーナーの意志疎通のしやすい方に快くチェンジしてくれます。
4.ヘーベルハウスでの土地活用が向いているのはこんな方
本章では、ヘーベルハウスの賃貸住宅「ヘーベルメゾン」での土地活用が向いている方のタイプをまとめています。
4-1.活用予定地が都心にある方
前章でも解説しましたが、基本的にヘーベルメゾンは指定されたエリアの都心部をメインに建築をするアパートブランドです。
そのため、都心部での賃貸住宅としてのブランド力が強いので、都心部で賃貸経営をお考え場合には、入居者の付きやすさという点から考えて、ヘーベルメゾンでの土地活用が向いていると言えます。
また、都心の土地は狭いことが多いですが、ヘーベルメゾンには狭小地向けのプランも数多く揃っています。
4-2.火事と地震に強い賃貸住宅を建てたい方
ヘーベル壁を使った火事と地震に強い、住んでいる人の命を守れる構造・性能は、ヘーベルメゾンの真骨頂です。その他の自然災害も含め、日本の風土に即した頑丈な建物でですので、安心安全も一緒に買う・貸すという考えの方には、とても適した賃貸住宅です。
ヘーベルメゾンに住みたいと考える方もまた、安心で安全も一緒に借りると考えますので、長期の契約更新につながり、安定した賃貸経営がのぞめます。
4-3.建物の耐久性に長期保証が欲しい方
普通の工務店で建てても、多くの場合は10年間の保証・無料点検・メンテナンスがついてますが、その間も、建物は普通に劣化していきます。およそ5年目で塗装、10年目で躯体か水回りに関した大きな修繕が必要となり、その後は経年するほどに保修箇所が増えていきます。
ヘーベルハウスの賃貸住宅は、以下のようなロングライフ住宅に必要な、以下のような性能がデフォルトで装備されています。
- 躯体耐用年数60年
- 60年の長期耐用型光触媒コーティング
- 60年間の無料点検システム
- 30年の屋根防水
- 30年の壁防水
- 30年間一括借り上げシステムによる経営管理
そのため、長期の賃貸経営をしてもへたらない建物として、さまざまな工夫とサポートがあります。重量鉄骨造の法定耐用年数は34年ですが、30年目までは外壁塗装や防水塗装などの大規模修繕が不要であり、なおかつ、法定耐用年数をはるかに過ぎても、建物が正常な状態で使えることを、ハウスメーカー自ら保証してくれています。
4-4.長期間のアパート経営をするつもりがある方
アパート経営は、初期費用が大きくても、長期間経営していくことで資金回収をし、最終的には家賃収入のほどんどがご自身の収益になることで資産形成につながります。その間、出来れば空室の発生が少なく、建物を修繕するための大きな費用がでないのが理想です。
ヘーベルメゾンは耐久力にすぐれた頑健な建物ですので、長期のアパート経営期間中にも劣化がしにくい構造と性能を持っています。見た目と躯体が劣化しないということは、入居希望者からすると、初年度も30年後もほぼ同じ品質の家に住めることになります。
経営中、劣化を遅らせるための様々な費用が発生せず、付加価値が減らない建物であるヘーベルメゾンは、アパート経営を長期間していこうとお考えの方や、将来的には子供や孫に相続することをご検討されている方のアパート建築にとても適しています。
ヘーベルメゾンでアパート建築をして、アパート経営をしてみたいとお考えになったら、まずは、資料を請求してみましょう。しかし、その際には、一つのプランだけではなく、複数の土地活用の方法をじっくり見比べたほうが、ヘーベルメゾンがほかの建築と比べてどう優れているのか、どのような建築が得意なのかなども良くわかるようになります。
複数の建築プランを入手する際には、NTTデータグループが運営する「HOME4U 土地活用」の一括プラン請求をご利用下さい。活用予定地のエリアと広さなど、かんたんな項目に答えていくだけで、ご所有の土地と相性の良い建築プランを出せるハウスメーカーや工務店を、最大10社までに絞り込んでご紹介します。
ヘーベルメゾンでのアパート建築をお考えの際には、申込最後のページで旭化成ホームズにチェックを入れてもらえれば、必ずヘーベルメゾンからの返信が来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか、ヘーベルハウスの賃貸建築「ヘーベルメゾン」に関してまとめました。地震や自然災害が増えてきた昨今、建物の安全性は特に注目されています。
耐震・耐火・耐湿と、日本で起きる様々な自然災害と風雨に耐えて60年も経っていられるヘーベルメゾンはとても魅力的ですね。建築費は高めですが、大手ハウスメーカーとしては平均的な値段であることもわかりました。
大手ハウスメーカーでは各社、特徴のある構造や賃貸住宅のプランを用意していますので、複数の土地活用プランを見比べたうえで、気になる会社に現地調査に来てもらい、より現実的なプランを作ってもらいましょう。
-
【基本を解説】知識ゼロから始める「アパート経営 基本ガイド」 アパート経営は土地活用の王道ともいえる、人気の高い活用方法です。こちらの記事では、アパート経営で相続税対策をする方法や具体的な収益シミュレーションを確認することができます。
アパート経営の収益・節税プランを企業に請求できます!
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。