アパートローン繰り上げ返済のタイミングと判断基準を解説
この記事を読むと、
- アパートローンの繰り上げ返済は期間短縮型と返済額軽減型の2つがある
- 繰り上げ返済の判断はリスクヘッジができているかがカギ
- アパートローンの悩みは「HOME4U土地活用」を利用して相談を
といったことがわかります。
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この記事の内容
1.アパートローン繰り上げ返済のベストタイミング
アパートローンの繰り上げ返済実行を判断するには事業面でのいくつかのポイントを確認します。本章では、繰り上げ返済の判断基準となる項目を解説します。 アパートローンでの繰り上げ返済を行うタイミングとして多いパターンをまとめました。
- 複数の債務を整理し、まとめたいとき
- 動かせる資金があり、かつ安定経営が今後も見込まれるとき
- 家族のライフイベントが向こう数年なさそうなとき
新しい融資を申し込むとき、債務の整理を求められることもあります。ただし、手持ちの動かせる金額が減ると新たな融資の審査が厳しくなる可能性があるため、自己資金に余裕が残るようにします。
また、繰り上げ返済には手数料がかかるため、こまめな額での返済を何度も繰り返すのは得策ではありません。
タイミングを計るのが難しい場合は、アパート建築を請け負ったハウスメーカーや管理会社に相談するのもひとつの手です。
2.アパートローン繰り上げ返済の判断基準
アパートローンの繰り上げ返済実行を判断するには事業面でのいくつかのポイントを確認します。本章では、繰り上げ返済の判断基準となる項目を解説します。
2-1.リスクに備える資金を確保できるかがカギ
アパート経営など不動産賃貸事業にはリスクがつきものです。リスクに備えるには、取り返しがつかなくなる前に資金を投じて回避する対策を行う必要があります。ニーズの変化に伴い水回り設備を変えるといったリスクヘッジを行う場合、1戸当たり数十万円の資金投入が生じることもあるでしょう。
災害リスクなどは思わぬタイミングで襲い掛かることもあり、自由に動かせる資金を確保しておくことは経営において重要なポイントです。
繰り上げ返済は、資金に余裕がある場合に検討します。しかし、リスクに備える資金は手元に残した上での繰り上げ返済資金が確保できている状態かを見極めることが大切です。
2-2.事業拡大の予定がないか
アパート経営などが軌道に乗り、資金に余裕ができたとき、経営の次の一手として事業の拡大を検討することもあるでしょう。事業の拡大を計る場合、手元に自由に動かせる資金を残しておく必要があります。
将来的に事業拡大を予定している場合、繰り上げ返済ができるだけの資金があったとしても事業拡大に伴うリスクに備えることのほうが重要です。
新たなアパートローンの審査においても手持ち資金があることが有利に働くこともあります。
2-3.出口戦略を考えるなら期間短縮型で
繰り上げ返済には、返済期間を短くできる期間短縮型と月々の返済額を減らせる返済額軽減型の2つの手法があります。将来的にキャピタルゲインを得ることを考えているケースで、繰り上げ返済をする場合は期間短縮型を選ぶのが一般的です。
期間短縮型と返済額軽減型を比較すると、期間短縮型のほうが金利負担額は減るため、売却益で借入金を清算する際に手残りが多くなり、次のステップに進みやすくなる可能性があります。
2-4.健康状態によって判断する
健康状態や認知機能に不安があると、マイナスの相続財産を引き継ぎたくないと繰り上げ返済を検討するかもしれません。しかし、アパート経営で想定外のことが起こったり、自身の健康上の問題で入用になったりしたときに手元に動かせるお金がないと、最悪のケースでは収益物件を手放さなければならないこともあります。
アパートローンを組む際、多くの場合で団体信用生命保険(団信)の加入を求められます。
団信は、債務者の死亡や高度障害などの万が一の場合に残債を補償する生命保険の一種です。団信加入が条件のアパートローンであれば、万が一相続が発生してもマイナスの相続財産を残さずに済みます。
3.アパートローンを繰り上げ返済する方法
アパートローンの繰り上げ返済には2つの手法があります。
- 期間短縮型
- 返済額軽減型
ここでは、改めて2つの返済方法を解説します。
3-1.期間短縮型
アパートローンは多くの場合は10~20年程度の返済期間を設定します。一定の金額を繰り上げて返済することで期間を短くすることが期間短縮型の繰り上げ返済です。
期間短縮型は、期間を繰り上げて返済することで利息部分の軽減幅が大きくなります。返済比率は後につれて元金分が増えていくため、早い段階での繰り上げ返済であればそれだけ利息軽減分が大きくなるのが特徴です。
経営が軌道に乗っており、将来的にも安定した収益が見込める場合は期間短縮型を選択する傾向にあります。
3-2.返済額軽減型
月々の返済額を軽減させるための繰り上げ返済が返済額軽減型です。毎月の返済額を減らせるため、経営に体力をつけたいときや出費の予定があるときなどに向いています。
返済額の減額は、元金と利息それぞれから一定額ずつです。そのため、利息軽減の割合は期間短縮型よりも少なくなることが特徴です。
4.繰り上げ返済がもたらすアパート経営への影響
アパートローンの繰り上げ返済をすることで、アパート経営状況に影響を及ぼすことがあります。メリットもデメリットも含めて解説します。
4-1.長期的にみるとキャッシュフロー改善ができる
繰り上げ返済をすると、どちらの方式でも利息分の軽減ができます。総支払額も多少減るため、長期的にみるとキャッシュフローの改善につながる可能性があります。ただし、結果論となることは念頭に置くとよいでしょう。
短期的にキャッシュフローの改善を図る目的では、返済額軽減型を選択するのがおすすめです。月々の返済額を減らすことで自由に動かせる資金が増え、経営体力をつけることができます。利息分の負担は期間短縮型ほど減らせないものの、キャッシュフローの改善で経営のてこ入れをしやすくなるでしょう。
4-2.金利上昇リスクが軽減できる
アパートローンの多くは変動金利を取り入れています。変動金利は、経済状況を半年ごとに判断して金利に反映させるものです。景気が良くなれば金利は上昇するため、返済総額も増えることになります。アパートローンの利用は金利上昇リスクと隣り合わせということです。
この期間を短縮できる繰り上げ返済では、金利上昇リスクを軽減できます。また、月々の返済額を減らす場合でも利息分が減っている分、負担を減らせるでしょう。
ただし、逆に金利が低くなる可能性もあります。その場合、繰り上げ返済のタイミングは先送りするのが得策です。
4-3.想定外の事態に対応しにくくなる
リスクがつきものの不動産賃貸業において、繰り上げ返済最大のデメリットが不測の事態への対応力が小さくなってしまうことです。アパート経営であれば、空室リスクや修繕リスクなどのリスクを回避できるよう事業資金から先手の対応をする必要があります。
しかし、事業資金としてプールできていた分を繰り上げ返済に充ててしまうと、想定外の事態が起こった時、対応範囲が狭くなってしまうかもしれません。繰り上げ返済をするときは、想定外の事態に十分対応できるだけの資金を残すことが大切です。
4-4.事業拡大が難しくなる可能性がある
アパート経営など不動産賃貸事業では、複数棟を所有して運用することでリスクを分散し安定経営を計ることがあります。事業拡大では、ほとんどの場合で新たなアパートローンを組むことになるでしょう。
アパートローンの審査では、自己資金の額が審査対象となるため、繰り上げ返済をしてしまうと自己資金を減らす結果につながります。結果、審査に通りづらくなったり、融資額が減額されたりするため、繰り上げ返済直後の事業拡大は難しくなる可能性があります。
5.アパートローン繰り上げ返済時の注意点
アパートローンの繰り上げ返済には多くのメリットがありますが、あらかじめ注意しておきたいポイントもあります。ここでは、繰り上げ返済を行う際に注意すべき点を6つ紹介します。
5-1.すぐにキャッシュフローがよくなるわけではない
利息分の返済負担が減らせ、支払総額も減額できる期間短縮型の繰り上げ返済では、月々の返済額は変わりません。そのため、月々のキャッシュフローには影響がなく、むしろ自己資金から繰り上げ返済に充てた分を地道に取り戻す必要があります。
キャッシュフロー改善の影響が出るのは、短縮された返済期間が満了したときです。そのため、純粋なキャッシュフロー改善を目的とした繰り上げ返済には即効性がないと認識しておくとよいでしょう。
月々の返済額を減らせる返済額軽減型で繰り上げ返済をすれば、手残りが増えます。ただし、この場合も自己資金からの繰り上げ返済でリスクへの対応が甘くなる可能性があるため、増えた手残り分をリスクヘッジの費用とするなどの配慮が必要です。
5-2.手数料がかかる
繰り上げ返済をする際は多くの場合で金融機関に手数料を支払わなければなりません。金融機関によって異なりますが、元金に対して0.5~1%程度の手数料を設定しています。5年以内などの早い段階だと2%程度の高い割合を設定しているケースもあり、注意が必要です。
元金の額によっては数十万円の負担となることもあります。繰り上げ返済はある程度まとめて行うようにするとよいでしょう。
5-3.高利回り物件かどうかを確認する
繰り上げ返済をすると、自己資本比率が低くなります。自資本比率とは、総資本のうちの純資産が占める割合のことです。経営の健全性を測る場合、自己資本比率が高いほうが負債に頼る経営となっておらず、健全性が高いと評価されます。繰り上げ返済を自己資金から充てると自己資本比率は低くなります。
高利回りの物件であれば収益性が期待できるため、自己資本比率が低い期間が短くなると想定できます。しかし、利回りが低い物件で繰り上げ返済を行うと立て直しに時間がかかるでしょう。
その間にリスクが襲い掛かる可能性がないとは限りません。繰り上げ返済検討の際は高い利回りをキープしている物件を対象とするのが無難です。
5-4.所得税が上がることを把握しておく
繰り上げ返済では利息の減額効果があります。支払利息は所得税申告の際、経費として計上できるため、支払利息が少なくなればその分の所得が増えます。場合によっては、所得税が上がることもあるため、税負担増を考慮したうえで繰り上げ返済をするとよいでしょう。
5-5.リスクに備える資金をプールしておく
繰り上げ返済の大きなデメリットとして、不測の事態での出費に対応がしにくくなることが挙げられます。自由に動かせる資金を繰り上げ返済にすべて充ててしまうと、例えば台風による共有部分の設備破損などの修繕費をねん出できないという事態に陥ります。
繰り上げ返済を検討する際は、リスクへの対応力を落とさないことが大前提です。もしものときに動かせる資金をプールしたうえで、繰り上げ返済が可能かをしっかり確認するようにします。
5-6.事業拡大も視野にしっかりシミュレーションする
アパートローンの繰り上げ返済は、事業拡大も考慮に入れて検討するとよいでしょう。自由に動かせる資金の使い方を繰り上げ返済に充てるか、事業拡大の頭金とするか、判断基準の一つとなるのは所有物件の利回りです。
高利回りを維持できる物件では、繰り上げ返済が有利に働くこともあるでしょう。利回りの見極めや将来性など、判断に迷う場合はハウスメーカーや建築会社など不動産のプロへの相談がおすすめです。ハウスメーカーに相談することで事業拡大した後の収益シミュレーションをしてもらえます。
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アパートローンの繰り上げ返済の判断基準となるのは以下の4つのポイントです。
- リスクに備える資金も確保できるか
- リスクに備える資金も確保できるか
- 事業拡大を予定していないか
- キャピタルゲイン獲得を検討しているか
- 健康状態に不安はないか
詳しくは「アパートローン繰り上げ返済の判断基準」でご確認ください。
アパートローンの繰り上げ返済で注意したいポイントは6点あります。
- すぐにキャッシュフロー改善ができるわけではない
- 手数料がかかる
- 高利回り物件かどうかを確認する
- リスクに備える資金をプールしておく
- 事業拡大も視野に入れる
詳細は「アパートローン繰り上げ返済時の注意点」でご確認ください。
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