【詳しく解説】駐輪場経営の基本とメリデメを解説
駅近の利便性の高い土地を所有しており、本格的な土地活用に少し躊躇がある方。暫定利用を検討している方。
駐輪場経営のメリットは初期費用が少なく済むことです。簡単にすぐ始められるため投資リスクも低く、暫定利用として転用もしやすくなります。
収益性が低いことがデメリットです。また、節税効果が期待できないため、駅近の立地では高い固定資産税を収益で賄いきれない恐れもあります。
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この記事の内容
1.駐輪場経営の概要&こんな人に向いている
人気度 ◎高い→×低い |
収益性 ◎高い→×低い |
初期費用 ◎低い→×高い |
相続税対策 ◎高い→×低い |
流動性 ◎高い→×低い |
リスクの大きさ ◎小さい→×大きい |
管理の手間 ◎楽→×大変 |
---|---|---|---|---|---|---|
○ | △ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ○ |
駐輪場経営はこんな人に向いている
- 建物を建てるには向かない狭小地を所有している方
- 初期投資なく土地活用したい方
- 駅に近い土地を所有している方
駐輪場経営は狭小地でもできる土地活用方法のひとつです。例えば、自宅の一角を駐輪場にして経営することもできます。
経営方式は主に3つです。設置も経営も土地オーナー自ら行う自営方式、設置を自らするものの管理と運営を委託する管理委託方式、土地オーナーが施設を作って土地ごと貸す一括借り上げ方式があります。
駐輪場は自転車用とオートバイ用とで土地の使い方や必要な設備が変わります。広さが確保できる場合は併用することも可能です。
2.メリット・デメリット&注意点一覧
メリット
- 初期費用をあまりかけずに始められる
- 土地の形状を問わない
- 転用性がある
デメリット
- 収益性が低い
- 節税効果はない
- 立地を選ぶ
駐輪場経営は少ない初期投資で始められる土地活用方法です。整地した土地にロック板や精算機を設置すれば簡単に始められます。そのため暫定利用に向く土地活用といえるでしょう。
ただし、高い需要を求めるには立地を選びます。駅に近い、繁華街にある、公共施設が近いといった人が集まるエリアが向いている土地です。
<駐輪場経営の注意点一覧>
- 経営が軌道に乗るまで時間がかかる
- 収益性が低く、節税効果もないため、収支のバランスが大切
3.事業モデル
駐輪場経営は、主に3つの方式のうちの一つが選択されます。それぞれの方式のメリット・デメリットをまとめました。
<パターン一覧> | |||
---|---|---|---|
パターン名 | メリット | デメリット | 相談先 |
自営する | ・駐車場経営の中では最も自由度が高い ・駐車場経営の中では最も収益性が高い |
・管理の手間が発生する ・経営方針を自分で決める必要がある |
- |
管理委託を利用して経営する | ・管理の手間がない ・自営のまま運営を任せられる |
・管理委託費用が発生する ・施設設置費用を負担する必要がある |
駐車場・駐輪場事業者 |
一括借り上げで土地と施設を事業者に貸す | ・管理の手間がない ・収益が安定する |
・収益性は低い | 駐車場・駐輪場事業者、トランクルーム事業者 |
3-1. 自営する
<自営する場合の事業モデル図>
土地オーナーが駐輪場経営者となって自営する方法です。
利用者の支払う利用料金がそのまま収入となり、駐輪場経営では最も多くの収入が見込める方式です。管理などは自分で行うため、月極や時間貸し、ガレージタイプなど、ニーズに合わせた運営方法を選べます。
<自営する場合の収益モデル表> | |
---|---|
売上(月) | 240万~450万円ほど |
水道光熱費 | 売上の5%程度 |
固定資産税等 | 物件による |
人件費 | なし |
雑費 | 売上の5% |
駅そばの60坪程度の変形地、駐輪台数100台を想定しています。
3-2.管理委託を利用して経営する
<管理委託を利用して経営する場合の事業モデル図>
駐輪場の管理や運営を専門企業に委託し、土地オーナーが駐輪場経営者となる方式です。管理委託をする会社にロック板や精算機を設置してもらい、委託契約をする流れが一般的です。
管理委託方式の場合、オーナーは直接運営にかかわることはありません。収入は利用状況に左右されます。
<管理委託を利用して経営する場合の収益モデル表> | |
---|---|
売上(年額) | 240万~450万円ほど |
水道光熱費 | 売上の5%程度 |
固定資産税(年額) | 時価×70%×1.4%(土地) |
管理委託手数料 | 賃料の5%程度 |
雑費 | 1~2万円 |
駐輪場の管理は機械による管理が一般的ですが、定期的な見回り等も必要です。運営管理を委託すれば手間なく経営ができ、副収入としても申し分ないでしょう。
3-3.一括借り上げで土地と施設を事業者に貸す
<一括借り上げで土地と施設を事業者に貸す場合の事業モデル図>
一括借り上げ方式は、土地と施設を事業者に貸し出して賃料を収入として得る方式です。駐輪場経営は事業者が一貫して行います。賃料は利用料の増減にかかわらず一定となるため、安定的に収入を得られることがメリットです。
駐輪施設は土地オーナーが設置するケースと駐輪場事業者が設置するケースがあります。駐輪場経営の場合、事業者が設置するケースが一般的です。
<一括借上げで土地と施設を事業者に貸す場合の収益モデル表> | |
---|---|
売上(年額) | 地代(時価)の約6% |
固定資産税(年額) | 時価×70%×1.4% |
雑費 | 1~2万円 |
一括借り上げ方式と似た形に事業用定期借地があります。
4.開始するまでの流れ
ここでは、管理委託をして駐輪場経営をする場合の開業までの流れを紹介します。
<開始するまでの流れの図>
4-1.土地活用を相談する
最初に駐輪場として土地活用することがふさわしいかを含めて、土地活用の相談を土地活用会社や建築会社、駐輪場・駐車場専門企業に持ち掛けます。
相談先に検討がつかない場合は一括プラン請求サービスの利用がおすすめです。興味のあるジャンルの土地活用の専門企業がみつかる「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」であれば、簡単な入浴で最大10社から土地活用プランの提示が受けられます。
4-2.市場調査と立地の分析
土地活用においてエリアの市場調査と立地ニーズの分析は非常に大切なプロセスです。さまざまな可能性を考慮しながら、駐輪場としてのニーズがあるか、どの程度の規模での運営がふさわしいかを分析します。
調査・分析はプロの力を借りるのがおすすめです。エリアの不動産事情に詳しい土地活用会社であれば、最良の収益化をみつけやすくなります。
4-3.提示されるプランの比較検討
土地活用プランは複数取り寄せ、それらを比較検討します。注目するべきは、現実性と自分の希望に寄り添っているプランであるかです。収益性にばかり目が行くと、リスクに対峙できる方法を見失う可能性があります。
また、比較検討することでそれぞれのプランの違いから疑問が生まれることもあるでしょう。疑問や不安は必ず比較検討の段階で企業に投げかけクリアする必要があります。
4-4.工事契約・管理委託契約
比較検討の末、パートナーとなる企業を決めたら精算機や夜間照明の設置などの工事契約に進みます。管理委託をする場合、施工会社と委託会社が同一になるのが一般的です。工事契約と同時に管理委託契約についても進めます。
契約では、しっかり内容を確認します。内容に納得できない場合は、質問をしてクリアにしたうえで契約することが大切です。
4-5.竣工・引き渡し~営業開始(管理委託開始)
駐輪場整備は1ヶ月程度で済みます。駐輪場経営は迅速性もメリットです。引き渡しが済んだら、運用管理委託で営業開始となります。駐輪場経営は、軌道に乗るまで時間がかかることもあります。
5.相談先の選び方
5-1.立地ニーズを調査する
駐輪場経営は駅近にニーズが集中します。ただし、オートバイ用の駐輪場やガレージなどのニーズは繁華街や住宅密集地にもあります。
どのような経営形態がよいのかなど、ニーズの深い分析は土地活用のプロに任せるのが賢明です。その結果、駐輪場よりローリスクで始められる土地活用方法が見つかるかもしれません。まずは一括プラン請求サービスを利用して複数の企業から土地活用プランを取り寄せるとよいでしょう。
「HOME4U 土地活用」では、さまざまなジャンルの土地活用を比較検討できる一括プラン請求サービスを提供しています。
5-2.経営方式を選択する
駐輪場の経営方式は主に、自営方式、管理委託方式、一括借り上げ方式の3つです。実際にオーナー自身が運用する自営がもっとも負担が大きく、一括借り上げ方式は生活への負担なく始められます。
それぞれの経営方式には異なるメリットがあり、デメリットもまた異なります。どの方式を選ぶかは、オーナー自身のライフスタイルにも大きな影響を及ぼすため、将来的な視野をもって検討するとよいでしょう。
5-3.複数のプランを比較検討する
土地活用では土地によって最適なプランは一つひとつ違います。駐輪場は変形地や狭小地にも向いている土地活用方法です。土地の利用の仕方一つで収益性も大きく変わる可能性があります。
そこで大切になるのが設計プラン、経営プランを複数取り寄せて比較検討することです。複数のプランを比べることで、最適のプランにブラッシュアップがしやすくなるでしょう。
6.補助金その他活用できる制度一覧
民間の駐輪場を設置するときに利用できる補助金制度があります。本章では、駐輪場経営を始めるときに利用できる補助金制度は以下の通りです。
<補助金その他活用できる制度一覧> | ||
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名称 | 内容 | 注意点 |
自転車駐車場整備・運営事業 | 首都圏郊外部の中心駅周辺の駐輪場設置を対象とした市区町村主体の補助事業。建設費の2分の1の金額もしくは1台当たりの基準単価の収容台数分の2分の1の金額の低い額の補助が受けられる。 | ・5年以上の運用予定の施設が対象 ・市区町村によって対象や金額が変わる |
一定規模以上の駐輪場が対象となることがほとんどです。また、対象は駅から近いエリアに限定されます。
7.駐輪場経営の成功事例
最後に駐輪場経営の成功事例を紹介します。まずは土地活用で駐輪場経営をする場合の成功するコツをまとめました。
- 立地ニーズの見極め
- 経営規模の見極め
前提条件 | 駅まで徒歩圏の土地。首都圏郊外。 土地面積約60坪、90台収容 管理委託方式で経営 |
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初期投資 | 合計:100万円(整地費用含む) |
利回り・収益 | 年間売上:約250万円 年間経費:約40万円 (委託管理費、固定資産税等) 利回り:約200% 年額利益:約210万円 |
成功のポイント | 建物が建っている状態から土地活用する場合、解体費用もかかります。また、実家などの古家を壊して駐輪場にすると固定資産税額も高くなることに注意が必要です。上記の事例では整地と設備設置の初期費用で済んだため、利回りが高く、十分固定資産税負担を賄えます。 |
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