【詳しく解説】ガソリンスタンドでの土地活用の基本とメリデメを解説
幹線道路など車通りの多い立地に広い土地を有している方。経営をするなら長期安定経営をしたいと考えている方。
ガソリンスタンドは自動車の維持には欠かせないサービスを行っており、安定的な需要が見込めます。
ガソリンスタンドは土地を転用する際、高額な費用がかかることがデメリットです。土壌汚染が発生している場合には浄化をしなければなりません。
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この記事の内容
1.ガソリンスタンドでの土地活用の概要&こんな人に向いている
人気度 ◎高い→×低い |
収益性 ◎高い→×低い |
初期費用 ◎低い→×高い |
相続税対策 ◎高い→×低い |
流動性 ◎高い→×低い |
リスクの大きさ ◎小さい→×大きい |
管理の手間 ◎楽→×大変 |
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△ | △ | ○ | △ | △ | ○ | △ |
ガソリンスタンドでの土地活用はこんな人に向いている
- 幹線道路などロードサイドに広い土地を所有している方
- 長期安定経営をしたい方
ガソリンスタンドは、現在減少傾向です。ガソリンスタンドとして土地活用する多くの場合、特約店や元売会社と契約を結んで自営の方式をとります。
地下にガソリン等を貯蔵するタンクを設置し、有害物質が含まれるガソリンを扱うために土壌汚染の危険があるガソリンスタンドは転用性が乏しく、始めるにあたっては慎重に検討したほうがよいでしょう。
ガソリンスタンドには3種類の店舗があります。
- 元売会社直営店:石油製品を卸売りする企業が直営するガソリンスタンド
- 特約店:元売会社から石油製品を仕入れて、企業への販売や消費者へ小売する
- 販売店:特約店から石油製品を仕入れて消費者へ販売するガソリンスタンド
土地活用でガソリンスタンド経営をする場合、特約店か販売店での経営となります。現在は新設する場合、セルフ方式のガソリンスタンドが主流です。
2.メリット・デメリット&注意点一覧
メリット
- 自動車関連全般の需要が見込める
- 長期安定経営が可能
デメリット
- 土地の転用性が低い
- 撤退時にコストがかかる
- 土壌汚染の恐れがある
ガソリンスタンドでは有害物質が含まれる石油製品を扱うため、土壌汚染の恐れがあり、転用するとなるとコストがかかることが大きなデメリットです。
ガソリンスタンド経営は、幹線道路沿いなど住宅用に向かない土地でも安定的な収入が期待できます。
<ガソリンスタンドでの土地活用の注意点一覧>
- ガソリンスタンドとしてのニーズがあるか立地のニーズをしっかり調査する
- 経営努力が必要
- 経営には資格が必要
3.事業モデル
<ガソリンスタンドの事業モデル図>
ほとんどのガソリンスタンドが小売店として自営するスタイルです。ガソリンや軽油、灯油のほかにも洗車サービス、点検サービス、車検サービスなどを取り扱うこともあります。
コンビニやカフェチェーン店などを併設することも可能です。顧客に便利なサービスを提供することで売り上げを確保することに役立ちます。
最近はセルフ式のガソリンスタンドとして経営するケースも増加傾向です。人件費を削減することで販売価格を抑えられる経営方法で、消費者のニーズにマッチした経営の形となります。
ガソリンスタンドは仕入れの仕組みから、自営であってもフランチャイズ的な側面を兼ねて契約することがほとんどです。商材の取り扱いだけでなく、経営サポートをしているケースもあります。
<自営する場合の収益モデル表> | |
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小型店舗 | |
売上(年) | 1億~3億円ほど |
経費(水道光熱費、人件費等) | 売上の65~80% |
固定資産税等 | 物件による |
キャッシュフロー(収入) | 2,000万~1億500万円ほど |
ガソリンスタンドは経費がかかる上に燃料販売による収入以外の売り上げが経営を支える構造となっているのが一般的です。ニーズに応える利便性の高さでサービスを提供する努力が必要となるでしょう。
4.開始するまでの流れ
ガソリンスタンドは住宅用地としては向かない幹線道路沿いなどに適した土地活用です。また、集客のために立地を選ぶ土地活用方法でもあります。ここでは、成功に導く始め方を紹介します。
<開始するまでの流れの図>
4-1.土地活用を相談する
ガソリンスタンドは幹線道路沿いなど、車通りの多い立地にニーズがあります。ただし、車通りの多い道路沿いにあっても集客が難しい立地もあるため、ガソリンスタンドに絞り込んで活用を検討するよりも複数の活用方法をまず検討するとよいでしょう。
土地活用の候補はさまざまあります。どの土地活用方法が向いているのかは土地活用会社などのプロに相談すると成功の近道です。
相談先に検討がつかない場合は、多方面の土地活用の専門企業が参画する「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」をご活用ください。簡単な入力で最大10社から土地活用プランの提示が受けられます。
4-2.市場調査と経営プランの検討
ガソリンスタンドとしての土地活用ができる立地である場合には、細かい市場調査とどのように事業を展開するかの見通しをつけます。どの特約店と契約するか、内容を比較検討して決めてもよいでしょう。
内容に納得出来たら販売店として契約に進みます。
4-3.契約
ガソリンスタンドの経営ではどの特約店からガソリンをはじめ、商材を入手するかで掲げる看板も違ってきます。取り扱う商品、車関連のサービスは基本的に同一の特約店からの仕入れです。
内容に納得出来たら販売店として契約に進みます。
4-4.店舗の設計~工事
契約が済んだら取り扱う元売会社と提携している企業などの紹介を受け、店舗の建設に進みます。また、着工前には市町村へ危険物取扱所設置の許可をとらなければなりません。
施工にはタンクの埋め込みなどの大規模な作業があるため、ロードサイド店舗の新築としては比較的高めの1,200万円程度の初期費用がかかります。
4-5.登録等の手続~開業
ガソリンスタンドの経営には経済産業省への登録が必要です。登録には危険物取扱免許の提示が求められるため、取得していない場合は事前に危険物取扱免許を取得しておかなければなりません。
審査の結果、登録となったらいよいよ開業です。
5.ガソリンスタンド跡地を土地活用する注意点
ガソリンスタンドとして使用されてきた土地は、そのまま転用することができないのが一般的です。ここでは、ガソリンスタンドを廃業したときの転用の問題点とおすすめの土地活用を解説します。
5-1.土壌汚染の懸念と対策
ガソリンスタンドで取り扱う石油製品にはベンゼンや油が含まれています。そのため、これらの有害物質に土壌が汚染されている可能性があります。また、古くから営業していた店舗の場合は鉛の汚染も念頭に置かなければなりません。
土地の転用する際は土壌を浄化する検討する必要があります。費用は数百万円で済むこともあれば、規模によっては億単位になることもあるでしょう。
ただし、ガソリンスタンドが土壌汚染するケースはさほど多くなく、跡地の土壌浄化は義務ではありません。義務調査の必要もないため、臨機応変に対処するとよいでしょう。
5-2.地下タンクの撤去
跡地に建物を建築する場合、地盤沈下を防ぐためにも地下タンクの撤去が必要です。
タンクには可燃性ガスが溜まっていることもあり、撤去には危険が伴います。規模によっても費用は異なりますが、1,000万円程度かかることもあります。売却を検討する場合は事前にタンクの撤去が求められることが少なくありません。
5-3.ガソリンスタンド跡地におすすめの土地活用
ガソリンスタンドはもともと危険物を取り扱う店舗のため、建物のつくりは堅牢です。ガソリンスタンドをそのまま活用する土地活用も十分考えられます。
また、立地的にもロードサイド店舗として申し分ありません。ガソリンスタンド廃業後の土地活用のおすすめを以下にまとめました。
経営形態 | 例 |
---|---|
ロードサイド店舗 | 中古車専門店、洗車専門店、修理工場 |
貸事務所 | 社用車を多く所有する事業所の事務所 |
駐車場 | コインパーキング、月極駐車場 |
6.補助金その他活用できる制度一覧
ガソリンスタンド新設にあたって活用できる補助金はあまりありませんが、もともと事業所を持っている企業であれば事業再編に活用できる補助金があります。ここでは事業再編に活用できる補助金を紹介します。
<補助金その他活用できる制度一覧> | ||
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名称 | 内容 | 注意点 |
環境配慮型ガソリン計量機導入促進事業(東京都) | 給油時に揮発するガソリンの無駄を省き、揮発性有機化合物の発生を抑制するため、揮発ガソリンの回収機能が付いた固定式計量機の設置導入費用の一部を補助する東京都の事業。 | ・東京都の既存ガソリンスタンドが対象 |
事業再構築補助金 | 新型感染症の影響を受けた中小企業を対象に、変化に対応できる事業再構築を支援する補助金制度。他業種との併設等で活用可能。 | ・既存の中小企業者が対象 |
7.ガソリンスタンドでの土地活用の成功事例
ガソリンスタンド経営は、燃料販売一辺倒では失敗リスクが高まります。燃料販売は安定的な需要があるものの、付加価値をつけた店舗経営が発展の秘訣です。ここではガソリンスタンド経営の成功事例を紹介します。
- 立地の見極め
- 導入サービスの見極め
- 競合店との差別化
- ニーズに応え続ける姿勢
前提条件 | 幹線道路沿いの200坪の土地 自営 |
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初期投資 | 合計:約1,200万円 |
利回り・収益 | 年間売上:約1億円 年間経費:約6,600万円 利回り:283% 年額利益:約3,400万円 |
成功のポイント | 店舗内にカフェを併設し、車検サービスもするなど、燃料販売以外の販路を持っているガソリンスタンドです。副収入が全体の5割以上を占めています。 |
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