【詳しく解説】墓地での土地活用の基本とメリデメを解説
住宅用地としては向かない、もしくは市街化調整区域などほかの土地活用が難しい、まとまった広さのある土地を活用したい方は墓地での土地活用が選択肢に挙げられます。
また、長期的に安定した収入を得たい方にも向いています。
墓地での土地の収益化では、長期間安定的な収入が得られることが最大のメリットです。また、ほかの土地活用が難しい土地や田舎の土地でも収益化しやすいことも挙げられます。
一度墓地にしてしまうと土地を転用しづらいこと、土地の資産価値が著しく下がることがデメリットです。また、近隣住民とのトラブルが発生する可能性があることにも必要です。
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この記事の内容
1.墓地での土地活用の概要&こんな人に向いている
人気度 ◎高い→×低い |
収益性 ◎高い→×低い |
初期費用 ◎低い→×高い |
相続税対策 ◎高い→×低い |
流動性 ◎高い→×低い |
リスクの大きさ ◎小さい→×大きい |
管理の手間 ◎楽→×大変 |
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△ | △ | △ | △ | × | ○ | ○ |
墓地での土地活用はこんな人に向いている
- 住宅用地としては向いていない土地を所有している方
- 長期的に安定した収入を得たい方
- 市街化調整区域など建物建築の土地活用が難しい所有地がある方
- まとまった広さの所有地がある方
墓地や霊園の数は、人口の密集する都市部を中心に足りていません。住宅街などでの墓地建設は忌避されることも多く、ニーズはあるものの墓地建設には高いハードルがあるのが現状です。
また、墓地の経営母体は自治体のほか、宗教法人や公益社団法人などに限られます。土地活用のため新たに墓地や霊園を作るには、自治体に墓地運営が認められた団体に土地を貸すか、公益法人を立ち上げるかのどちらかの方法をとる必要があります。
2.メリット・デメリット&注意点一覧
メリット
- 長期間安定した収入が得られる
- 田舎の土地でも収益化できる
- 管理の負担が比較的少ない
デメリット
- 土地の転用性が非常に低い
- 土地の資産価値が下がる
- 近隣住民とのトラブルが発生する可能性がある
墓地での土地活用は、住宅用地としては向いていない土地や田舎の土地活用の少ない手段のうちのひとつに挙げられます。墓地は長期利用が大前提となるため、長期的に安定収入が得られるようになることが最大のメリットです。
一方、長期利用の土地活用である墓地は、一度始めるとそれ以外の活用への転用が非常に難しくなります。
需要の高まりを見せているペット霊園に関しては墓地埋葬法の対象の施設ではありません。雑種地でも始められ、公益法人を立ち上げる必要のないものの、近隣の理解は墓地・霊園と同様必要です。
<墓地での土地活用の注意点一覧>
- 半永久的に墓地での土地活用とすることでよいかをしっかり検討する
- 周辺エリアの環境変化がないか等、土地の将来性を確認する
- 墓地の設置場所として自治体の基準を満たしているか確認する
- 近隣の理解が必要
3.事業モデル
墓地での土地活用には2つの方法があります。
- 自分で墓地を経営する
- 墓地運営を行う事業者に土地を貸す
2つの方法についてメリット・デメリットをまとめました。その後それぞれの方法を解説します。
<パターン一覧> | |||
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パターン名 | メリット | デメリット | 相談先 |
自分で墓地を経営する | ・門戸を広げられる(宗教不問の墓地運営が可能) ・事業規模を自分で決められる |
・かかる初期費用が莫大 ・公益法人か宗教法人を立ち上げる必要がある ・経営管理を自分でしなければならない |
自治体 |
墓地運営を行う事業者に土地を貸す | ・長期的に安定した収入が得られる ・管理の手間がない |
・土地の転用は実質的に不可能になる | 霊園運営者、石材店等 |
3-1.自分で墓地を経営する場合
<自分で墓地を経営する場合の事業モデル図>
土地オーナー自ら、所有地を墓地・霊園として経営する場合、墓地を運営する公益法人(公益財団法人・公益社団法人)を設立する必要があります。
自治体に墓地経営許可を申請する前に近隣に対して説明会を設ける必要があるなどの決まりが自治体によって異なるため、設立に向けては各種手続きの確認が必要です。
公益法人は永代使用料を収入として得ます。墓石の販売は別途石材店などが窓口となる場合があります。
<自分で経営する場合の収益モデル表> | |
---|---|
事業収入(年額) | 約5,000万円~ |
事業費(経費) | 事業収入の70%程度 |
キャッシュフロー(収入) | 約1,500万円~ |
事業収入は、墓地の供給(区画販売)、墓地管理料(永代使用料)などから成り立ちます。経費は人件費、固定資産税も含んだ額です。法人化して霊園運営を行うため、オーナーは役員報酬を得る形をとるのが一般的です。
3-2.墓地運営を行う事業者に土地を貸す
<墓地運営を行う事業者に土地を貸す場合の事業モデル図>
土地を墓地運営法人に貸し出すことで土地活用する方法です。墓地としての借地はその後の転用が難しくなることから、賃料設定は相場より高くなります。
土地を貸し出し、運営法人が整備、管理をするため、土地オーナーは管理の手間がありません。
<墓地運営を行う事業者に土地を貸す場合の収益モデル表> | |
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事業収入(年額) | 約4,000万円ほど~ |
経費 | なし |
墓地での土地活用では地目が墓地に変更になるため、土地の固定資産税がかかりません。ただし、管理している団体が自治体や宗教法人、公益法人などである必要があります。
4.開始するまでの流れ
墓地での土地活用では、土地オーナーが墓地を運営するには高いハードルがさまざまあるため、土地を貸すことで始めるのが一般的です。ここでは、墓地運営法人に土地を貸し出すまでの流れを紹介します。
<開始するまでの流れの図>
4-1.墓地用地にできるか確認する
墓地として土地活用する場合、墓地埋葬法や自治体の規制などに抵触しないか確認する必要があります。立地条件には公共施設や住宅との距離が一定程度以上あることが求められます。
規制に抵触しない土地であれば、地目を「墓地」に変更します。
4-2.墓地運営法人を探す
所有地を墓地として活用するには、墓地・霊園の運営を行う団体に打診します。そのほか、土地活用を専門とする企業に相談してみてもよいでしょう。
墓地は一度始めると二度と転用はできないといわれています。墓地での土地活用を検討するにあたり、そのほかの収益方法はないかを土地活用会社に相談するのもおすすめです。
4-3.契約
墓地運営団体が見つかったら、土地の賃借契約を結びます。
賃借契約後に運営団体が墓地としての利用の届け出を行います。開園のための手続きは多く、近隣住民への事前説明会等も含まれます。
4-4.墓苑・霊園開園
許可が下りたら整備と同時進行で墓地の販売が始まります。販売は期間を数回に分けて行うこともあります。
長期的な賃借契約になるため、土地オーナーは安定的に収入が得られるでしょう。
5.墓地として土地活用する前に検討したいこと
墓地として土地活用できるかは、近隣住民の理解が最も大切になってきます。公共施設や住宅と一定の距離を保てていても、近隣の反対にあえば墓地での土地活用は難しくなります。
多くの場合、こうした手続きは墓地の運営経験がある団体へ委託するのが一般的ですが、場合によってはこうした団体が見つからないこともあるでしょう。墓地は長期的な収益化がかなう方法である一方で、転用が難しい土地活用方法です。墓地を検討する前に、そのほかの土地活用が可能かを探ることをおすすめします。
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6.墓地で土地活用の成功事例
墓地での土地活用のうち、借地として貸し出す成功事例を紹介します。墓地での土地活用の成功のコツをまとめました。
<成功のコツ一覧>
- 長期的運用の見極め
- 墓地運営法人の見極め
前提条件 | 都市郊外の高速インターチェンジからほど近い場所にある500坪の土地 |
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初期投資 | なし |
利回り・収益 | 年間売上:約4,000万円 固定資産税:なし |
成功のポイント | 転用が難しい、土地の資産価値が下がるといった弊害があることから借地料は高く設定されます。そのため、同様の条件にある土地の事業用定期借地よりも高収益です。 また、地目が墓地となると土地の固定資産税がかかりません。 |
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